IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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今回入れて3話ほどは、色々と準備回になると思います。

ヒカルノさんに設計ミスと言われた束さん、IS委員会の介入、そしてダイモンが最後に攻勢に……

物語がクライマックスに移行していきます。


214話

 

「……」

 

「以上が、将冴がスペシネフに取り込まれていた時の出来事だ」

 

 

織斑先生から、僕が何をしてしまったのか……全部聞いた。只事じゃないとは思っていたけど、僕はなんてことを……。

 

思わず顔を俯かせてしまう。誰かに殴ってもらいたい気分だ。だけど、そんなのは自己満足。これからのことを考えないと……。

 

 

「……被害は、どれくらい出たんですか?」

 

「IS十数機が完全に侵食を受けて、コアだけを回収した。束が作ったワクチンで直るそうだ。すべて元の国に返す」

 

「人的被害は……」

 

「侵食されたコアが暴れて、負傷者が出たが、死者は出ていない。IS学園の被害も、校舎が半分崩れただけで生徒、教師、学園祭を訪れた一般客に怪我人はいない」

 

 

よかった……僕がスペシネフに取り込まれたせいで誰かが死んだりなんかしたら……僕でも受け止めきれなかったかもしれない。

 

でも被害が出たのは確かか……

 

 

「すみません……僕のせいで……」

 

「兄さんのせいなんかじゃない!全てはダイモンがやったことだ!」

 

「そうだよ!将冴が気にやむ必要は……」

 

「ありがとう、ラウラ、シャル。でも、やったのが僕だということに変わりはない。そうですよね、織斑先生」

 

「……」

 

 

織斑先生はひどく機嫌の悪い時の顔をしている。

やっぱり、政府やその辺のことが……。

 

 

「将冴……IS委員会が、お前を拘束すると通達してきた」

 

「はっ!?千冬姉、それどういうことだよ!」

 

「納得がいかない!将冴はダイモンに利用されただけだろう!」

 

「将冴さんはこれまでなんどもダイモンと戦ってまいりました!それを拘束だなんて

 

「IS委員会は何を考えてるのよ!」

 

 

 

 

一夏、箒、セシリア、鈴が声を上げて抗議してくれる。

でも、こればっかりは仕方がない。黒幕が誰であろうと、全世界のISを乗っ取ろうとしたのは僕が扱っていたスペシネフだ。IS所有国はもちろん、おそらく世界中の人にもそれが伝わっているだろう。

 

 

「将冴、なんで黙ってんだよ!お前だっておかしいと思うだろ!」

 

「一夏……これは当然の対応だよ」

 

「なに、言って……」

 

「将冴の言う通りだ、一夏。今回のISの暴走の原因は将冴であると、世界で報道されている。ダイモンという黒幕がいるとしても、将冴には共犯の疑いがかけられている」

 

「でもっ……それでも、将冴君は……」

 

「簪ちゃん。こればっかりは仕方ないわ。それが一番穏便にすませる方法なんだから」

 

 

簪さんも僕を擁護してくれるが、楯無さんが諌めた。

楯無さんの言う通りだ。ここでことを荒立てては、余計に僕は疑いをかけられてしまう。

 

 

「クラリッサ、お前はいいのか!兄さんが拘束されても!」

 

 

今まで黙っていたクラリッサに、ラウラがそう問いかけた。

 

 

「私は……将冴の選択に従います、隊長」

 

「な……クラリッサ、それはどういう意味だ」

 

「将冴が選んだことを尊重するということです」

 

 

クラリッサはこのことをあらかじめ知っていたようだ。だから口を挟まなかった。そして、決定権を僕に委ねた。

 

ありがとうクラリッサ。おかげで、だいぶ気持ちが落ち着いたよ。

 

 

「貴様、それでも兄さんのっ」

 

「いいんだよ、ラウラ。僕もそうしてくれた方が嬉しいから」

 

「兄さん……」

 

「織斑先生」

 

 

僕は決心を決めて、織斑先生を呼んだ。

織斑先生は、眉間にしわを寄せてだいぶ不機嫌になっている。

 

 

「僕は、IS委員会の通達に従います」

 

「兄さん!?」

 

「将冴、なんで!」

 

 

ラウラ、シャル、一夏達も一斉に抗議の声を強めた。

 

しかし、その声は織斑先生が机をバンっと叩いたことにより収まる。

 

 

「……将冴、お前はそれでいいんだな」

 

「はい。ですが、ただでとは言いません」

 

 

僕の言葉に、会議室にいる全員が首を傾げた。

 

 

「IS委員会に拘束されるのは、ダイモンを倒してからです」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

「ふふ、あははは!しょーくん言ったよ!」

 

 

篠ノ之束は、間借りしているIS学園の地下施設でキーボードを叩きながら会議室の様子を盗み見ていた、

 

 

「やっぱり、ダイモンに仕返ししないとやってられないよねぇ!」

 

『束博士、大笑いするのはいいが、アレは完成したのかい?』

 

 

通信先の篝火ヒカルノが束に問いかけると、束は上機嫌で答える。

 

 

「あったりまえだよ、ひっちゃん。そんなのは2時間前に完成しているのだよ!」

 

『なら、なんでそんなに高速でタイピングしているのさ。完成したなら、彼の元に行ってあげればいいのに』

 

「ちょっとね、重大な情報が出てきたから詳細を確認しているんだよ。いやいやぁ、ダイモンもまさかしょーくんがこんな宣言しているなんて露ほどにも思ってなかっただろうね!」

 

『……ダイモンが動いたのかい?』

 

「みたいだねぇ……それも、今回は本気で束さん達を……いや、世界を潰しに来るみたいだよ」

 

 

ターンッとキーを叩くと、画面には大きな機影が映った。

 

 

「しょーくん。君が、私の夢の第一歩だよ」




ラストバトルはどうしようか、すっごい考えてました。

なにだそうかとか、どこで戦うかとか……

その辺は次回で
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