決まってくれて本当に嬉しいです。
この作品もあと数話。最後までお付き合いいただければと思います。
今回は仲間からの激励がほとんどかな……。
翌日。ダイモンとの決着の日。
クラリッサとグラウンドに赴くと、そこにはいつぞやの人参型ロケットが鎮座していた。……まさか、あれで行くなんて……言うだろうなぁ。束さんのことだから。
ロケットの周りにはみんな集まっていた。
一夏、箒、セシリア、鈴、シャル、ラウラ、簪、マドカ、千冬さん、束さん、山田先生、楯無さん、ナターシャさん、ジェニー、ステフ、クロエさん、スコールさん、オータムさん、ルカさんにリョーボさんまで……。
「来たね、しょーくん。くらちゃんとはしっぽり楽しんだ?」
ドキッとしてしまい、僕とクラリッサは言葉を返すことができなかった。いやまぁ……問題あるよね……教師と生徒じゃ……。
「……え、本当にシたの?」
どうやら墓穴を掘ったようだ。
「姉さん!そういうことはデリケートな部分なんですから、冗談でも言ってはいけない!」
「いやぁ、束さんもまさかこうなるとは」
同級生達やジェニーとステフは何やら顔を赤らめてこちらをチラチラ見てくるし、楯無さんはにこやかに笑ってるし、先生方は困ったような顔をしているし、ナターシャさんとオータムさんは聞きたくないのか耳を塞いでるし、スコールさんとルカさんとリョーボさんは何やら下品な笑みを浮かべている。
唯一反応があまりなかったのはクロエさんだけだよ。
「そ、それより。そのロケットの準備はできているんですか?」
露骨に話を逸らすことにした。実際、悠長にしている時間はない。みんなもそれがわかっているからか、表情が真剣なものになる。
「もちろん。このロケットでいつでも宇宙に行けるよ」
「安全性は保証しねぇがな」
「おーちゃん余計なこと言わないの!」
オータムさんの一言でなんだかより一層不安になるんだけど……まぁ、そうも言ってられない。束さんが作ったものなんだ、造形はともかく性能は問題ないだろう。
「しょーくん、このロケットは片道だけだから気をつけてね。ダイモンを倒して帰るときは、テムジンのまま大気圏に突入することになるけど、テムジンなら耐えられるはずだから」
「わかりました」
さて、乗り込むとしようか……。
僕は義足をつけて立ち上がり、ロケットに近づいていく。ロケットに近づく僕に、みんなが声をかけてくれる。
「将冴、絶対に帰ってこいよ。お前に負けっぱなしじゃ、千冬姉の弟失格だからさ」
「姉さんとのこと、まだ恩返しができていない。だから、帰ってこないと承知しないぞ」
「無事にダイモンを倒して戻るのを祈っておりますわ」
「また1人でどっかに行くのは無しよ。待ってる人がいるんだからね」
「学園祭の時にダイモンと1人で戦ったこと、まだ怒ってるんだからね。帰ったら、一回引っ叩いてあげるから、お兄ちゃん」
「兄さんがいなければ、私は何もできなくなってしまう。私のためにも、クラリッサのためにも……必ず帰ってください」
「まだ、将冴君と手合わせできてないから……テムジンと一緒に帰ってきて……!」
「生徒会のお仕事、まだまだいっぱいあるからそのつもりでね」
「別段心配はしていない。さっさと片付けてこい」
「お前の両親の弔合戦だ。しっかりと決めてこい」
「将冴君!きっと大丈夫ですから!将冴君なら勝てますから!」
「まだショウゴのこと諦めてないからね!帰らないと酷いんだから!」
「日本案内するって約束したんだから、ちゃんと帰りなさいよ」
「そうそう。せっかく日本に来たんだから楽しませてもらわないとねぇ」
「将冴様がいないと、束様が悲しみます。必ず帰ってください」
「将冴君がいないとオータムが弄りがいがなくなっちゃうから、無事に戻ってね」
「スコールテメェ……はぁ。その……お前がいねぇと張り合いがないからよ。ダイモンぶっ飛ばして、しっかり帰ってこい」
「クラリッサ残して帰らなかったら、シュバルツェ・ハーゼ全員で探し出してボッコボコにするから、覚悟しておいてね将冴君」
「自分の身を大事にな。お前さんを待ってる人がいっぱいいるんだからね」
みんな……絶対に戻らなきゃ。
僕が……僕しかできないんだから。
「みんな、ありがとうございます。必ず決着をつけて戻ります」
ロケットに乗り込もうとすると、くいっと服を掴まれた。振り返ると、クラリッサがそこにいた。
……今にも泣きそうな顔をしてる。
「将冴……信じてるから。絶対に……」
「うん、クラリッサを1人にしないよ」
クラリッサの唇にキスをして、僕はロケットに乗り込んだ。扉がゆっくりと閉まる。
少しすると束さんの声が聞こえてきた。
『しょーくん、あと1分くらいで発車するから、テムジンを展開して待っててね』
「わかりました……」
テムジンを展開すると、ロケットの中にあったモニターがカウントを始めた。
……あと30秒……。
『しょーくん、これは私の戦いでもある……本当は私が決着をつけるべきだった。それをしょーくんに押し付けてしまったこと……ほんとうにごめんね』
「束さん……」
『……絶対に倒してね。しょーくんなら大丈夫だから!』
カウントが残り5秒になる。
『エンジン始動!しょーくん、任せたからね!』
「はい!」
カウントが0になり、ゴォという音が大きくなり大きな負荷が僕の体にかかる。
くっ……バーティカルターンのGもすごいけど、これもすごいな……だけど……
「今行くぞダイモン……決着だ」
あと約4話で終わりになります。
……テンションが上がると伸びる可能性がありますので、約4話です。