IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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内定が決まりウキウキの作者です。

決まってくれて本当に嬉しいです。

この作品もあと数話。最後までお付き合いいただければと思います。

今回は仲間からの激励がほとんどかな……。


218話

 

翌日。ダイモンとの決着の日。

 

クラリッサとグラウンドに赴くと、そこにはいつぞやの人参型ロケットが鎮座していた。……まさか、あれで行くなんて……言うだろうなぁ。束さんのことだから。

 

ロケットの周りにはみんな集まっていた。

 

一夏、箒、セシリア、鈴、シャル、ラウラ、簪、マドカ、千冬さん、束さん、山田先生、楯無さん、ナターシャさん、ジェニー、ステフ、クロエさん、スコールさん、オータムさん、ルカさんにリョーボさんまで……。

 

 

「来たね、しょーくん。くらちゃんとはしっぽり楽しんだ?」

 

 

ドキッとしてしまい、僕とクラリッサは言葉を返すことができなかった。いやまぁ……問題あるよね……教師と生徒じゃ……。

 

 

「……え、本当にシたの?」

 

 

どうやら墓穴を掘ったようだ。

 

 

「姉さん!そういうことはデリケートな部分なんですから、冗談でも言ってはいけない!」

 

「いやぁ、束さんもまさかこうなるとは」

 

 

同級生達やジェニーとステフは何やら顔を赤らめてこちらをチラチラ見てくるし、楯無さんはにこやかに笑ってるし、先生方は困ったような顔をしているし、ナターシャさんとオータムさんは聞きたくないのか耳を塞いでるし、スコールさんとルカさんとリョーボさんは何やら下品な笑みを浮かべている。

 

唯一反応があまりなかったのはクロエさんだけだよ。

 

 

「そ、それより。そのロケットの準備はできているんですか?」

 

 

露骨に話を逸らすことにした。実際、悠長にしている時間はない。みんなもそれがわかっているからか、表情が真剣なものになる。

 

 

「もちろん。このロケットでいつでも宇宙に行けるよ」

 

「安全性は保証しねぇがな」

 

「おーちゃん余計なこと言わないの!」

 

 

オータムさんの一言でなんだかより一層不安になるんだけど……まぁ、そうも言ってられない。束さんが作ったものなんだ、造形はともかく性能は問題ないだろう。

 

 

「しょーくん、このロケットは片道だけだから気をつけてね。ダイモンを倒して帰るときは、テムジンのまま大気圏に突入することになるけど、テムジンなら耐えられるはずだから」

 

「わかりました」

 

 

さて、乗り込むとしようか……。

 

僕は義足をつけて立ち上がり、ロケットに近づいていく。ロケットに近づく僕に、みんなが声をかけてくれる。

 

 

「将冴、絶対に帰ってこいよ。お前に負けっぱなしじゃ、千冬姉の弟失格だからさ」

 

「姉さんとのこと、まだ恩返しができていない。だから、帰ってこないと承知しないぞ」

 

「無事にダイモンを倒して戻るのを祈っておりますわ」

 

「また1人でどっかに行くのは無しよ。待ってる人がいるんだからね」

 

「学園祭の時にダイモンと1人で戦ったこと、まだ怒ってるんだからね。帰ったら、一回引っ叩いてあげるから、お兄ちゃん」

 

「兄さんがいなければ、私は何もできなくなってしまう。私のためにも、クラリッサのためにも……必ず帰ってください」

 

「まだ、将冴君と手合わせできてないから……テムジンと一緒に帰ってきて……!」

 

「生徒会のお仕事、まだまだいっぱいあるからそのつもりでね」

 

「別段心配はしていない。さっさと片付けてこい」

 

「お前の両親の弔合戦だ。しっかりと決めてこい」

 

「将冴君!きっと大丈夫ですから!将冴君なら勝てますから!」

 

「まだショウゴのこと諦めてないからね!帰らないと酷いんだから!」

 

「日本案内するって約束したんだから、ちゃんと帰りなさいよ」

 

「そうそう。せっかく日本に来たんだから楽しませてもらわないとねぇ」

 

「将冴様がいないと、束様が悲しみます。必ず帰ってください」

 

「将冴君がいないとオータムが弄りがいがなくなっちゃうから、無事に戻ってね」

 

「スコールテメェ……はぁ。その……お前がいねぇと張り合いがないからよ。ダイモンぶっ飛ばして、しっかり帰ってこい」

 

「クラリッサ残して帰らなかったら、シュバルツェ・ハーゼ全員で探し出してボッコボコにするから、覚悟しておいてね将冴君」

 

「自分の身を大事にな。お前さんを待ってる人がいっぱいいるんだからね」

 

 

みんな……絶対に戻らなきゃ。

 

僕が……僕しかできないんだから。

 

 

「みんな、ありがとうございます。必ず決着をつけて戻ります」

 

 

ロケットに乗り込もうとすると、くいっと服を掴まれた。振り返ると、クラリッサがそこにいた。

 

……今にも泣きそうな顔をしてる。

 

 

「将冴……信じてるから。絶対に……」

 

「うん、クラリッサを1人にしないよ」

 

 

クラリッサの唇にキスをして、僕はロケットに乗り込んだ。扉がゆっくりと閉まる。

 

少しすると束さんの声が聞こえてきた。

 

 

『しょーくん、あと1分くらいで発車するから、テムジンを展開して待っててね』

 

「わかりました……」

 

 

テムジンを展開すると、ロケットの中にあったモニターがカウントを始めた。

 

……あと30秒……。

 

 

『しょーくん、これは私の戦いでもある……本当は私が決着をつけるべきだった。それをしょーくんに押し付けてしまったこと……ほんとうにごめんね』

 

「束さん……」

 

『……絶対に倒してね。しょーくんなら大丈夫だから!』

 

 

カウントが残り5秒になる。

 

 

『エンジン始動!しょーくん、任せたからね!』

 

「はい!」

 

 

カウントが0になり、ゴォという音が大きくなり大きな負荷が僕の体にかかる。

 

くっ……バーティカルターンのGもすごいけど、これもすごいな……だけど……

 

 

「今行くぞダイモン……決着だ」




あと約4話で終わりになります。

……テンションが上がると伸びる可能性がありますので、約4話です。
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