IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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ダイモン決戦その1。
今週には完結いたします。


219話

 

十数分ほど、強烈なGにさらされると、不意に体が軽くなった。どうやら宇宙に出たようだ。

 

それがわかったと同時に、ロケットの天井部分が開き、そこから無数の星の光が見えた。

 

 

「本当に宇宙に来たのか……」

 

 

ロケットから出て、宇宙空間でしっかりとテムジンが動くか動作確認を行う。

 

……うん、大丈夫だ。ちゃんと呼吸もできる。宇宙での戦闘は、地上の戦闘とはかなり違うだろうけど、テムジンにシステムアシストが付いているようだ。戦闘にもそれほど支障はないだろう。あとはダイモンを……

 

 

「……いた。肉眼でもすぐに見つかるほど大きいな」

 

 

見つけたら速攻あるのみだ。すぐにスラスターに火を入れて、瞬時加速で一気に接近する。

 

半分ほど距離が縮まったところで、割り込むように通信が繋がった。

 

 

『やはり来たか、柳川将冴』

 

「お礼参りだよ、ダイモン。いろいろと好き勝手やってくれたね」

 

『勘違いしないで欲しいな。やったのはお前だ』

 

「……そうだね。だからこそ、僕はケジメをつけなければならない。ダイモン、お前を倒すことで!」

 

『私を倒すか。以前も聞いたような台詞だな。あの時も言ったが、殺す気もないのに戦っても、私を捉えることはできないぞ』

 

「それはお前の考えだ。僕はそうは思わない……何かをなす強い思いがあれば、お前を止められる」

 

『無駄なことを』

 

「無駄かどうかは、ここで決まる。行くぞダイモン!!」

 

 

十分に距離は縮まった。僕は今のテムジンと同じ白くカラーリングされたスライプナーを大型要塞に向けて引き金を引いた。放たれたエネルギー弾は今までテムジンのそれとは出力が段違いだった。これが新しいテムジンの……

 

エネルギー弾は要塞に命中するが、さすがにこの大きさを誇るだけある。

 

 

『その程度の攻撃ではどうともならないぞ。次はこちらの番だ』

 

 

要塞のいたるところに付いている砲塔がすべてこちらを向く。武装の数も流石要塞といったところか……!

 

 

『この重機動要塞ジグラットの力を思い知るがいい!』

 

 

砲塔からビームや、ミサイル、機雷のようなものが放たれた。くっ、数が多いな……。

 

テムジンのシステムアシストに頼りながらも、スラスターを動かし攻撃をすんでのところで躱していく。

 

要塞……ジグラットと言ったか。これが地上に降りたら、本当に酷い被害が出てしまう。だけど……

 

 

「ダイモン。こんなものを作っていたのに、わざわざ僕を使ってISを乗っ取る必要はあったのか?最初からジグラットを使えばよかっただろう」

 

『……確かに、ジグラットで世界に攻撃を仕掛ければ、それなりの被害は出ただろう……だが、それでもISという兵器が束になれば、このジグラットでも苦戦を強いられるだろう。もし、ISを全部退けたとしても……そんなものつまらないではないか』

 

「つまらない……?」

 

『私はな、人間たちが今まで使ってきたISが牙を向くのだ。実に滑稽だとは思わないか!!地上の人間たちが、逃げ惑う姿……くっくっく、これが私の求めていた混乱だよ!』

 

「……」

 

『だが、それは叶わなかった。お前の恋人……クラリッサ・ハルフォーフの邪魔が入ったせいでな。まさか、あの状態のスペシネフから意識を取り戻すなど……計算外もいいところだ。つまらん、実につまらん。……だからこのジグラットを動かしたのだよ』

 

 

……本当にこいつはどこまでも下衆な奴だ。ここまでの嫌悪感を抱くなんて、後にも先にもこいつだけだろう

 

 

「少し黙ろうか」

 

『怒ったか?ならもっと感情を爆発させろ。お前の負の感情は実に面白いからな』

 

「黙ろうかって言ったよね?もうお前の妄言を聞くのはウンザリだよ。怒りすら湧かない。それに、僕はもう負の感情には囚われない」

 

『ふん、実につまらない男になったようだな。決着をつけに来たのだろう。ならお望み通り決着をつけようか』

 

 

言われなくても、そのつもりだ……。

 

 

「もう生半可な攻撃はしない……全力でお前を倒すよ、ダイモン」




あと3話。

終わりが近づくよう……
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