IS出てるからISの小説なんだよ、そうなんだよ。
主人公が操縦した描写がない?
仕方ない←
クラリッサさんがルカさんに連れて行かれて数時間後。僕はリョーボさんにお買い物を頼まれたので寮の外に出ていた。
この近くには、大型のショッピングセンターがあるらしく、品揃えは豊富だとか。前から話には聞いていたけど、一度も行ったことはなかった。
着いてみると、確かに大きなショッピングセンターだ。
日本にあったレゾナンスと同じくらいあるのではないだろうか?
「大きいなぁ。迷子にならないように、地図取っておこうかな」
入り口にあったパンフレットと一緒になった地図を取り、いざ中へ。
リョーボさんに頼まれたのは食料品。量も少ないし、車椅子の僕でも十分運べる。
「えっと、食料品品売り場は……」
地図を頼りに売り場にたどり着く。しかし、本当に広いな。思考制御で車椅子を動かしていたら、確実に頭痛を起こしていた。
とりあえず、これとこれと……
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「ありがとうございました〜」
会計を済ませて、食料品の入った袋を膝の上に置き、もう一回地図を見る。
さっき、眺めたときに気になる店を見つけたんだ。
「ここだ、スポーツショップ」
そう、スポーツショップ。品揃えが豊富ということは、竹刀とか木刀も置いてるかもしれない。短時間なら、素振りくらいはできるはずだ。
地図によると、スポーツショップは4階。幸い、エレベーターはすぐ近くにあるから、ここから行けば大丈夫そうだ。
エレベーターのところまで行き、上へ行くボタンを押す。このショッピングセンター、全部で5階まであるみたいだ。本当に大きいな。僕の後ろに1人のブロンド女性が並んだ。
と、エレベーターが到着した。
上から乗ってきた人がエレベーターを降り、全員いなくなったのを確認してからエレベーターに乗ろうとする。
けど、僕が乗る前に扉が閉まりそうになる。
「あ……」
足を出して、閉まるのを防ぐか?
いや、人がいる前で義足を展開するのは……などと考えていると、後ろにいた女性が扉をおさえてくれた。
「どうぞ、乗って」
「あ、ありがとうございます」
抑えてもらっている間に、素早く乗りこむ。
女性も僕が乗ったのを確認し、エレベーターに乗った。
「何階かしら?」
「あ、4階です」
「4階ね」
女性が二階のボタンを押し、扉が閉まる。
ボタンを見ると、4階以外に光っているボタンはないから、この人も4階だったんだろう。
「すいません、手間を取らせてしまって」
「こういうのは助け合わなくっちゃね。それにしても、ドイツ語上手ね。見た所、日本人だと思うのだけれど」
「はい。色々と、事情がありまして……ここ数ヶ月、ドイツで生活してるんです」
「そうなの?若いのに大変ね」
「はは、そんなことはないですよ」
僕がそう言った瞬間、エレベーターが4階に止まる。
女性は扉が閉まらないようにボタンを押しながら、僕に先に出るよう促した。
「ありがとうございます。車椅子でエレベーターに乗るのが初めてで、少し戸惑ってしまって」
「いいのよ、お礼なんて。私はスコール・ミューゼル。ここであったのも何かの縁。よろしくね」
「柳川将冴です。こちらこそ、よろしくお願いします」
互いに握手をする。
「あら、あなた手袋してるのね」
「えぇ……まぁ……」
僕は義手を隠すために手袋をしていた。機械の腕のままじゃ、色々と困ると思ったからだ。
一般人の人からすれば、精巧に作られた機械の腕なんて馴染みないだろうしね。
「すいません、手袋をしながらなんて失礼でしたね……」
「構わないわ。見せたくない理由とかあるんでしょう?気にしないわよ」
「そう言ってくれると助かります」
詮索されなくてよかった。今度から手袋の言い訳を考えなきゃな。
「あら、もうこんな時間なのね」
スコールさんが腕時計を見て、そんな声をあげた。
何か用事でもあるのだろうか?
「もう少しお話ししていたかったけど、これから待ち合わせなの。またね将冴君」
「はい、今日はありがとうございました」
スコールさんは4階にあるカフェの方へ歩いて行った。彼氏と待ち合わせかな?綺麗な人だったし。
まぁ、僕には関係ないか。でも……またねってどういうことだろう?深い意味はないのかな……。
考えても仕方ない、スポーツショップに行こう。
車輪を回して、スポーツショップの方へ向かう。
結構奥まったところにあるんだなぁ。義手だから腕は疲れないんだけど、肩とかは疲れてきたな。
僕は洋服屋の前にある自販機の近くに車椅子を止めた。ついでだし、何か飲み物でも……。
「ちょっと、そこのきみ」
「ん?」
お金を取り出した瞬間に、後ろから声をかけられた。
なんか、知らない女性が立っている。なんだろう?
「あの、何か?」
「そこの店の洋服、片付けて置いてくれない?」
「……へ?」
この女性は何を言ってるんだろう?
店の方を見ると、並べられていたであろう服が、乱雑に放置されたままになっている。おそらくこの女性が、服を見てそのままにしておいたんだろう。
「あの、なんで僕が?」
「なんでって、君男でしょう?男なら女の言うことを聞きなさいよ」
これは……あれか。世間に広まった女尊男卑を真に受けて、男を見下すっていうやつ。この間テレビでも問題視されてた。
「あの、もう一度聞きますけど、なんでなんの関係もない僕が、あなたが散らかした服を片付けなきゃいけないんですか?」
「君ね、今は女性が偉いのよ?男にはうごかせないISを動かせるんだから。世界で、女が大切にされてるの」
「そうですか。では、あなたはそのISの操縦者なのですか?」
「は?」
「世界にあるISコアは467。あなたは、このごく少数の人しか乗れないISの操縦者ですか?」
「ち、違うけど……」
だろうね。IS乗る人は、今は国に選ばれたものや軍にいるもの、あとはIS学園の生徒くらいだろう。
「ISに乗ったこともない人がいばり散らすなんて、おかしいとは思いませんか?あなたが国家代表で専用機を持っているなら話はべつかもしれませんが……いや、そもそも国家代表が品位を下げるようなことをするわけがないですね」
束さんのラボにいた時に、クロエさんに習ったことが役立ってる。ありがとう、クロエさん。
「う、うるさい!」
「うわっ!?」
女性は、僕の車椅子を掴み横に倒した。僕は地面に投げ出され、膝の上に乗せていた食料も散乱してしまった。
「男が口答えするじゃないわよ!あんたが痴漢したって警備員に言えば、あんたはすぐに捕まるのよ?ほら、そうなりたくなかったら、今すぐ謝りなさい!生意気な口をきいてしまってすいませんって!」
「いっつ……」
これが今の世の中なのか……関係のない女性がいばり散らし、男性はISに乗れないからと貶められる……。
ここで僕がISを展開してやろうか……いや、それはダメだ。
でもこのままだと面倒事に……
「ギャーギャーうるせぇな」
「え?」
カツカツと、スーツを着た女性がヒールの音を立てながら近づいてきた。この人は……
「おう、お前。さっきから女が偉いだの言ってやがんな。IS使えねぇのによ」
「そ、それがどうしたのよ!」
「私はお前みたいな女が一番嫌いなんだよ。なんの力もねぇのに自分が偉いと勘違いしてるやつがな。女だから偉い?国がそう決めたのか?あぁん?」
ゾクッとした、むき出しにされた敵意のような……心臓を掴まれるような感覚。
なんなんだ、この人は……。
「な、なんなのよあんた。もう気分悪いわ……」
いばり散らしていた女性は、そのままどっかへ走り去っていった。
「はぁ、ったく気分悪いのはこっちの方だっての……おい、お前。大丈夫か?」
「あ、はい……」
さっきの感覚がなくなった。
なんだったんだろう……。
「車椅子元に戻すから、ちょっと待ってな。っしょと」
スーツの女性は、車椅子を元に戻し、僕を乗せてくれる。散らばった食材まで拾い集めてくれた。
「ありがとうございます。本当に助かりました」
「いいんだよ、私がムカついたからやったんだ。まぁ、今度からは気をつけな。勘違いヤローにはな」
「はい、そうします」
そう言った瞬間、女性が「あっ」と声をあげた。
「やべ、スコールとの約束の時間すぎてる……じゃあな、将冴」
「え、あ、はい……」
そう言って走り出した。
スコールって……さっき会ったスコールさん?じゃあ、あの人が待ち合わせの……ん?
「僕、名乗ったっけ?」
んー、まぁ、いいか。
スポーツショップに行くことが先決だよね。
意味深なフラグだけ立てて、行きます。
彼女たちは誰だろうねー。重要人物かなぁー(棒読み)
一度、やってみたかった女尊男卑の理不尽シーン。将冴君は暴力を振るわれました。
これを知ったらクラリッサさんは怒り狂うでしょうね。