IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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この話を読む前に、作者の活動報告「作者からのお願い。」を先に読んでください。

重要なことが書いてあるので、宜しくお願いします。


亡国機業の崩壊

クラリッサと夜の……事をした翌朝。

バーチャロンを介して、束さんから連絡が入っていた。

 

なんでも、1人で外に来てほしいとのこと。迎えを行かせるとも書いてあるから、多分ラボへ来いということだ。横で寝転がっているクラリッサにそのことを話すと二つ返事で了承を得た。

 

 

「束さんが呼ぶなら余程のことだろう。織斑先生には私から伝えて外出届けを出しておくから、気にせず行ってくるといい」

 

「うん、ありがとうクラリッサ」

 

 

まったく、クラリッサは最高の彼女です。感謝の気持ちも込めてキスすると、一瞬で顔を真っ赤にして枕に顔を埋めてしまった。もっとすごいことやってるのに、相変わらず不意打ちに弱いなぁ。

 

僕は手早く準備を済ませ、まだ枕を手放せないクラリッサに一言声をかけた。

 

 

「行ってくるね、クラリッサ」

 

「い、行ってらしゃい……」

 

 

外に出て、モノレールに乗り学園の外に出ると、そこには見覚えのある車がある。たしかあれは、オータムさんの……。

 

そう考えていると、運転席からオータムさんその人が出てきた。やっぱりそうだったか。

 

 

「よう、将冴。早いな」

 

「束さんからの呼び出しなら、すぐに行動しないといけませんからね。何されるかわかりませんから」

 

「その通りだな。ほら、車に乗りな」

 

 

オータムさんに促されるままに助手席に乗り込むと、オータムさんは車を発進させる。こうやってオータムさんの車に乗るのも夏休み以来か。

 

 

「そうだ、将冴」

 

 

運転しながら、オータムさんが声をかけてくる。僕はオータムさんに顔を向けると、少し照れ臭そうにオータムさんは小さく呟く。

 

 

「よく、やったな。お前なら出来るって、信じてた。スコールも、マドカもな」

 

「オータムさん……」

 

「まぁ、あれだ。これで、お前は本当に自由だ。これからはダイモンとか気にしないで楽しめばいい」

 

「はい。ありがとうございます」

 

 

オータムさんはそれだけ言うと、目的地であるラボまで口を開かなかった。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

あの道路を勝手に改造した入り口から車で侵入して、ラボに到着した。いつ見ても、あれはなんだか秘密基地っぽくて胸が熱くなる。

 

車を降り、駐車場からラボに入った瞬間、車椅子に座っていた僕の上にドスンと何かが落ちてきた。だいたい誰かはわかるけど……。

 

 

「やっほー!しょーくんだぁ!会いたかったよぉ!寂しかったよぉ〜!!さぁ、しょーくんも寂しかったでしょ?思う存分、私の体を堪能してもいいんだよぉ!?」

 

「束さん、お久しぶりです。お変わりありませんか?」

 

「しょーくんのスルースキルがジャンプアップしている!?」

 

 

もう慣れました。

 

僕の反応が面白くなかったのか束さんは、そそくさと僕の上から降りると、改めて向き直った。

 

 

「さて、しょーくん。元気そうで何よりだよ。IS委員会潰そうかどうか悩んでいるところだったんだ」

 

「できればやめてあげてください」

 

「しょーくんならそう言うと思ったよ。おーちゃん、みんなを呼んでくれるかな?」

 

「あいよ」

 

「さ、しょーくん。長かった因縁の結末を聞かせてあげよう」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

束さんに車椅子を押され、いつもの食堂に連れてこられると、あとからオータムさんがスコールさん、マドカ、クロエさんを連れて入ってきた。

 

マドカ、学校にいないと思ったら、やっぱり束さんの元にいたんだ。

 

全員が席に着いたところで、最初に口を開いたのはスコールさんだった。

 

 

「将冴君、元気そうで良かったわぁ。ISで宇宙に行くなんて、どんな健康被害が出るかわからなかったから」

 

「今更怖いこと言わないでください……」

 

「しかし、本当に危険なんですよ、将冴様。できれば、帰ってきたらこのラボで検査をしたかったのですが、IS委員会がすぐに将冴様を拘束してしまいましたから……」

 

「まぁ、委員会で検査して、問題なかったですから。大丈夫ですよ……ははは」

 

 

途端に不安になってきた。束さんに頼んでもう一回検査してもらおうかな……いや、なんか怖いからいいや。

 

 

「それで、束さん。今日僕を呼んだのは……」

 

「ああ、それはねぇ。ダイモンがいなくなった後の影響を報告しようと思ってねぇ」

 

 

ダイモンがいなくなった影響……それはいい方向なのか、悪い方向なのか……。

 

 

「詳しくは私が話すわねぇ」

 

 

スコールさんが?

 

 

「将冴君、なんか難しい顔してるけど、そんな悪い話じゃないわ。むしろいい話よ?」

 

「いい話?」

 

「将冴君が前にここに来た時に話したかしら。私とオータムが篠ノ之博士のところに来る前は、ダイモンが牛耳っている組織にいたってこと」

 

「はい。たしか亡国機業(ファントムタスク)、でしたっけ」

 

「ええ。その亡国機業なんだけど、世界で大きな影響力を持つ組織だったの。それこそ、ほとんどのテロ組織とつながりがあるくらいに、ね」

 

 

僕はつくづくすごい相手を敵にしていたんだな……。

 

 

「で、将冴君がその大ボスを倒したことで、亡国機業は大ダメージを受けたわけ」

 

「それじゃ、僕がその亡国機業を壊滅させたっていうことですか?」

 

「きっかけにはなったけど、それだけじゃ潰すことはできなかったのよ。だから、私とオータム、マドカで追い打ちをかけたのよ」

 

 

まさか、マドカが学校に来てなかったのは、亡国機業を完全に潰すため?

 

こんなこと、織斑先生が聞いたらなんて言うか……。

 

 

「マドカ、このことは織斑先生とかには……」

 

「言ってない」

 

「だよねぇ……」

 

 

これは黙っておこう……うん。それがいい。

まぁ、とにかく、この3人が亡国機業を壊滅させてきたということなんだよね?

 

3人ともすっごく強いから何も心配はしてないけどさ、もしマドカが怪我なんてしていたら……みんなへの言い訳を考えるだけで鳥肌が出る。一応従姉妹という設定なんだからね!?

 

 

「まぁ、そんな感じで、ダイモンを倒したことで、世界中のテロ組織の力が激減。すでに多くのテロ組織が空中分解。大きな組織も、この2週間で私たちがあらかた潰したわ」

 

「大変だったんじゃないんですか?」

 

「2週間で世界一周だぜ?大変じゃないわけないだろ」

 

 

とても申し訳ない……僕がIS委員会に捕まってゴロゴロしている間、スコールさんたちは……。

 

 

「僕も行ければよかったんですが……」

 

「いいんだよ、お前はもっと大きな仕事してきたんだから」

 

「あら、オータム。ずっと愚痴ってたの誰だったかしら?」

 

「嬉しそうな顔で、『なんで私が将冴の後始末なんか』って言ってたな。あの時の笑い顔、写真撮っておいたぞ」

 

「な!?ま、マドカてめぇ!?」

 

「うそ!まーちゃん、それ見たい!くーちゃん、モニターに映してみんなで鑑賞会しよう!」

 

「かしこまりました」

 

「お前らいい加減にしやがれぇ!!」

 

 

僕も見てみたいなぁ……クラリッサも見たいっていうかな?




前書きでも書きましたが、活動報告の方に目を通していただけると嬉しいです。

次回から、一夏たちにスポット当てて話を書いていきます。
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