更新遅くなってしまい申し訳ありません。テストとか……新作ゲームとか……色々ありまして……←
今回から本編で完全にモブと化していた一夏にスポット当てたいと思います。
様々なゴタゴタ……主にダイモン関係のものがほぼ完全に終息を迎え、いつもの日常が戻って2ヶ月ほど経った。
ダイモンとの戦いのときはまだまだ暑苦しさが続いていたのに、最近はぐっと冷え込み、普段車椅子の僕はブランケットを手放せなくなっていた。
暑いのは耐えられるんだけど、寒いのはどうも苦手だ。心なしか、義肢の動きが悪い気がするし……。手袋をしている手と手を擦り合わせ、はぁっと息をはいた。義手だけど、感覚は普通にあるから寒いなぁ。
「将冴、部屋の中寒いか?暖房、強くしようか?」
「ううん、大丈夫だよ一夏。すぐに暖かくなるだろうし」
「そうか。それじゃ、それまではこのコーヒーで我慢してくれ」
「ありがとう」
一夏から熱いコーヒーを受け取り、ゆっくりと口に含んで行く。
僕は今、一夏の家に来ていた。ちょうど連休が合わさり、一夏は家の掃除をしに帰るというのでついてきた。クラリッサも途中まで一緒だったんだけど、一夏と同じように家に帰ってきていた千冬さんに捕まり、そのまま連行されていった。多分、朝までコースだろう。帰ってきたら、ちゃんと看病するから、頑張って……。
コーヒーを啜りながら、そう考えていると、一夏が僕のことをジッと見ていることに気がついた。
「一夏、どうかした?」
「いや、なんか将冴が考えてることがなんとなくわかった気がしてさ。こんなこと初めてだからよ」
「わからなくていいんだけど……それで、僕が何を考えていたって思うの?」
「クラリッサ先生のこと」
あれ、一夏ってこんなに鋭かったっけ……。
いや、一夏にも見透かされるほど僕がわかりやすかったんだ……。
「最近の将冴さ、なんか昔より接しやすいぜ。前は、ダイモンの一件とかもあったりしたせいで、周りと少しだけ距離置いてる感じがしてたからさ」
「んー、なんかよくそう言われるけど、自覚ないなぁ。まぁ、前より接しやすくなったんなら、それでいいんじゃないかな」
「軽いな……」
「適度にテキトーに過ごさないとね。うまく世渡りするコツだよ」
「俺と同い年で俺に世渡りの方法教えるのかよ」
「確かに」
そう言うと2人で笑いをこぼす。ああ、こんな時が過ごせるだけでなんとも言えない幸福感を覚える。
コーヒーを飲み終わり部屋も暖かくなってきたところで、僕は一夏に質問してみるとにした。
「一夏、最近どう?」
「どうって、何が?」
「箒達とは、うまくやってるの?」
「ああ、まぁ、うまくやれてんじゃねぇかな。相変わらず、よくわかんないことで怒られるけど。この間なんて、箒に買い物付き合ってくれっていわれたから、それなら人数が多い方がいいと思って鈴とセシリアも誘ったんだけど、3人とも怒って手のつけようがなかったぜ」
ああ、相変わらずなんだねこの唐変木は。
もうわざとなんじゃないかと思い始めてるんだけど、多分これが素なんだよなぁ……。
「将冴こそどうなんだ?クラリッサ先生とは」
「ん?どこまで話せばいい?」
「どこまでって……」
「話せというなら週に一回の夜の情事まで事細かに話すけど」
「あ、うん、もう聞かなくてもいいや」
ここにクラリッサがいたら顔を真っ赤にして、頭から湯気出してるだろうなぁ。因みに、週に一回というのは嘘だからね。2週間に一回くらいだからね?
っと、一夏の話を逸らされるところだった。
「ねぇ一夏。なんで3人に怒られたのか心当たりはないの?」
「ないけど」
即答ですかそうですか。
「はぁ……ねぇ一夏。少しは考えないの?その3人が一夏に気があるんじゃないかって」
「いや、それこそないだろ。箒と鈴はただの幼馴染だし、セシリアなんてイギリスの貴族でエリートだぜ?」
「それがどうしたの?」
「え?」
「人を好きになるのに、そういうの関係ある?」
もう僕がはっきり言わないと分からないだろうから、今日は強気に行かせてもらおうか。
「一夏。僕とクラリッサを見てみなよ。7歳差で、学生とドイツ軍人だよ?」
「……」
「一夏、そろそろ自覚したら?……あの3人には悪いけど、僕から言わせてもらうよ。3人とも、一夏の事が好きなんだよ。男として」
さぁ、ここまで言ってやった。これで自覚しなかったら、僕はもう打つ手がない。一夏は一生独身だ。
一夏は考え込むように頭を抱えている。今までの3人のやり取りを振り返っているようだ。
「将冴……マジなのか?」
「こんな嘘ついてなんの得があるのさ」
「だよ、な……」
「それで、ようやく気がつけた?」
「お、おう……なんか、そう思うと納得できる気がしてきた……」
「よし。じゃ、僕は帰るね」
「え!?」
「1人で大いに悩むがいい、少年よ〜」
「だから、俺とお前は同い年だって!」
「僕は経験あるから、一夏より先輩だから。がんばれ一夏。休み明けが楽しみだなぁ!」
僕は最後に煽るような台詞を吐いて、一夏の家を出て行った。それと同時に、ラウラとシャルからお誘いの連絡を受けたので、3人で遊びに行くのだった。
クラリッサは予想通り朝にグッタリした顔で帰ってきたので、看病してあげた。
一夏、ようやく唐変木脱却←
さて、これからどうなるやら←