IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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とっても更新が遅れて申し訳ありません。

この時期って何かと忙しいですよね……。言い訳ですね、すいません。



千冬、困惑する

 

昼休み。僕はいつものようにクラリッサ、シャル、ラウラと食堂で昼食を食べていた。新しいメニューの牛カツ定食を頬張りつつ、3人に今一夏が置かれている状況について説明していく。

 

 

「……とまぁ、そんな状況なわけなんだ」

 

 

説明を終えて、牛カツを一切れ口に運ぶ。これは美味しいな。塩つけてもわさびつけても美味しい。これで千円いかないなら毎日でも食べたいくらいだ。コスパとかどうなってるんだろう。

 

 

「完全に将冴が戦犯なんだね」

 

「戦犯なんて言い方は酷いなぁ。ちょっと煽っただけだよ」

 

「そもそも煽る必要があったのか、兄さん」

 

「これくらいしないと、一夏はいつまで経っても唐変木だったから仕方ないよ。まぁ、これ以上煽るつもりはないけどね。あとは当人達の問題だから」

 

 

ここからは遠くから眺めていた方が面白い。下手に関わると面倒なことになりかねないしね。

 

 

「しかし、将冴。本当に将冴が煽っただけで、一夏のそれが変わるのか?将冴と一夏は小さい時から一緒と言っていたし、これまで指摘したこともあるのではないか?」

 

「まぁ、指摘はしてきたけどね……あの唐変木はそんなの意に介さず、いつも通り過ごしていたよ。それに、その頃はそこまで強くは言わなかったんだ。一夏が超絶鈍感なのは周知の事実だったからね。みんなも半ば諦めてたよ」

 

「それじゃあ、なんで今になって将冴は一夏に?」

 

 

なんで、と言われると明確な理由は無いんだよなぁ。単純にそういう話になったからっていうのが本音なんだけど、無理やり理由をつけるとしたら……。

 

 

「僕の心境の変化、かな?」

 

「将冴の?」

 

「うん。ようやく僕の周りのゴタゴタが落ち着いたからね。少し余裕が出来たってのが一番大きいかな。前までは、一夏に関する色恋沙汰にはそこまで深く突っ込まなかったんだけどね。ゆとりがある状態で一夏の話聞いてたら、なんだか色々と物申したくなったんだ」

 

 

あと、僕が普通とは違う恋愛しているのも関係しているかもしれない。でもこれを言うとクラリッサが傷つくかもしれないから、言わないでおこう。

 

お話ばかりしていても仕方ないので、そそくさとご飯を食べ終わり、クラリッサ達が食器を片付けている間(僕の分はクラリッサが片付けてくれた)、僕は1人お茶を啜りながら今日の放課後どうしようか考えていた。

 

誰かとISの訓練をする予定も無いし、生徒会の方も大体の仕事は終わらせて、仕事放り出してる楯無さんがチェックしてくれるまで次の仕事は無いし……。

 

 

「暇、だな……」

 

「暇なら、放課後時間をもらってもいいか?」

 

 

唐突に声をかけられて目を向けると、そこにはいつものように腕を組んで立っている織斑先生がいた。さすがにこれはびっくりする。

 

 

「織斑先生!」

 

「そんなに驚くことは無いだろう。私だって、学食に来る」

 

 

いやまぁ、そうなんだけど……突然現れるとびっくりしますって……。

 

 

「す、すいません。……えと、放課後でしたっけ」

 

「ああ、少し話したいことがある。悪いが付き合ってくれ」

 

「わかりました」

 

「クラリッサも一緒でいい。それでは、頼んだ」

 

 

織斑先生はそれだけ言うと食堂を後にした。はて、何かしただろうか?と、ここでクラリッサ達が戻ってくる。

 

 

「将冴、今織斑先生がいなかったか?」

 

「うん、なんか用事があるって……僕何かしたっけ?」

 

「織斑先生にはしてなかったけど、一夏にはしてたでしょ」

 

「あぁ〜……」

 

 

あれで弟思いだからね、織斑先生。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

言われた通り、放課後に織斑先生の元へ行くと、生徒指導室へ連れて行かれた。やっぱり一夏のことなのかな?

 

 

「すまないな将冴、クラリッサ。時間をもらって」

 

「いえ。大丈夫です」

 

「織斑先生、将冴に話というのは?」

 

「ああ、実は一夏のことなのだが……」

 

 

ああ、やっぱりそうだったんだ。

しかし、織斑先生がなにやら深刻そうな顔をしている。織斑先生が頭を悩ませるような案件では無いはずなのだけれど……

 

 

「一夏がどうかしましたか?」

 

「ああ……それが……」

 

 

言いづらそうに口を閉じるが、意を決したように話し始めた。

 

 

「あの一夏が、女性を好きになるってどういうことだ、と聞いてきてな」

 

「……あぁ〜」

 

 

クラリッサ、今少し笑いを堪えたでしょ。

 

 

「今までそんなこと聞いてきたこともなかったし、まさかあの鈍感な弟が言うとは思えない言葉を投げかけてきたものでな……一夏になにがあったか聞いても、なんでも無いとシラを切る。将冴、何か知らないか」

 

「えっと……」

 

 

僕が戦犯だと知ったら、織斑先生はどう思うだろう。でも話さないわけにもいかないし……。

 

 

「……何か知っているようだな」

 

 

目が全部話せと言っている。これは抗えない。うん、無理だ。試しにクラリッサに目を向けたけど、そっと逸らされた。

 

僕は全て話した。

 

話さなければならなかった……。

 

 

「……そうか。別に一夏が勝手におかしくなったわけでは無いのだな」

 

 

実の弟に対してその評価は如何なものか。

 

 

「まぁ、あとは一夏が勝手に悶々と考えてどうにかすると思います。僕らから下手に手出ししても、関係がややこしくなるだけだと思うので」

 

「そうだな……。2人とも、時間を取らせてすまなかった」

 

「いえ、元はと言えば、僕のせいでもありますから」

 

「だが、おかげで一夏はいい方向に転びそうだな」

 

「一夏が身を固めていないと、職員会議でも議題に挙がってましたからね」

 

 

一夏、君のその唐変木は職員会議にも持ち込まれるほどなんだね。まぁ、この学校で男は僕と一夏しかいないから当たり前だと思うけど。

 

 

「何か進展があれば教えてくれ。今日はもういいぞ」

 

「わかりました。それでは失礼します」

 

「失礼しました」

 

 

クラリッサと生徒指導室を出た。

 

 

 

 

 

「クラリッサ、さっき僕から目を逸らしたでしょ」

 

「その……すまない」

 

「甘いコーヒーが飲みたいな」

 

「戻ったらすぐ淹れよう」




ちまちま進行していきます。

今日中に新作あげれたらいいな……
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