1ヶ月近く更新できず申し訳ありません。
大阪滞在から帰ったあと、卒業式に引っ越しの準備諸々が重なり、ようやく落ち着きました。
新社会人になるので、頻繁な更新は難しいかもしれませんが、また宜しくお願いします。
一夏が箒たちを意識し始めてから数日が経った。
一夏は、事情を知らないクラスメイトたちから見ても様子が変だった。まぁ、箒たち3人のことを露骨に避けているところを見られたら誰だって気づきそうなものだけど。
僕やクラリッサ、シャル、ラウラなど、事情を知っているものからすれば、大変愉快で仕方ないのだけれど、他のクラスメイトはそうはいかない。様々な憶測が飛び交っている。
一夏が学外に女を作っただの、性欲が限界を迎えただの、酷い話ばかりだ。しまいには、男に目覚めたという話も出たとかなんとか……。それだけはさすがに違うと言っておいたけど、一夏がこのまま煮え切らない態度をとり続けると、また僕が出張ることになってしまう。介入しないでおこうと思ったけど、さすがにもう限界か……。一夏がしっかりしてくれればよかったんだけど。
そんなことを考えながら、僕は自室でクラリッサが毎週楽しみにしているアニメを一緒に見ていた。
「……将冴、また何か考え事をしているな」
「うん。一夏の事でね。そろそろ一夏が何かしらの行動をしないと、僕が強制的に出て行かなきゃいけなくなりそうで」
「どういうことだ?」
「それは……」
コンコン
説明しようとした時、部屋をノックする音が響いた。あちゃー、もうきたか……。
「ん?誰かきたようだな」
クラリッサが扉のところまで行き、ゆっくりと開くとそこには今回の件の当事者たちがいた。
「箒、セシリア、鈴。来ると思ってたよ」
予想より早かったけどね。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
3人を部屋へ招き入れ、コーヒーとお茶受けを用意した。
「突然押し掛けてすまない。将冴、クラリッサ先生」
「そんなこと気にしなくていい」
「そうそう。それで、今日は3人揃ってどうしたの?」
僕がそう聞くと、3人は言いづらそうに……いや、自分で口に出したくないような雰囲気を醸し出していた。
この3人が口にしたくないこと、ね……。
「一夏に嫌われたんじゃないか」
僕がそう口にすると、3人は面白いくらいに同時に反応した。あぁ、やっぱりか。
一夏にあんな態度取られたらそう思うよね。いつも超絶鈍感で、デートに誘われてもデートと認識しない男だし。その一夏があれだけ露骨に避けてるんだから、心配にもなる。
「まぁ、大体予想通りといったところだね」
「私たちが来ること、わかってたの?」
「一夏大好き3人組が、一夏に露骨に避けられてたからね。この学園のもう1人の男である僕のところに来るだろうなとは思ってた」
「毎度のことながら、あんた鋭すぎるわよ……」
鈴の声に覇気がない。そんなになるまで落ち込んでいたようだ。他の2人も同じく。
「将冴さん、私たちは一夏さんに嫌われてしまったのでしょうか?」
「どうしてそう思う?」
「その……いろいろと心当たりが……」
あぁ、まぁ……結構物理的に痛めつけられてる時があるって言ってたっけ。一夏。
それでもいつも通り話してたのに、ここ最近はあの態度……不安になるのも無理はない。
さて、どうしたものか。3人は完全に一夏に嫌われたものと思っているだろう。かといって、ここで僕が「一夏は3人のことが気になっているんだ、女子として!」なんて言っても一夏のためにならないし……そうだな……。
「3人はどうしたい?一夏と以前のように接したい?それとも、それより先に行きたい?」
「っ……」
「それは……」
「……」
3人は黙り込んでしまった。仮にも恋敵がいる前で、そういうことを言うのは勇気がいるだろう。
「私は……」
一番最初に口を開いたのは鈴だった。
「もっと一夏と近づきたい。友達以上になりたい」
「わ、私だって!幼馴染のままは嫌だ!」
「私もですわ!このまま終わるなんてできません!」
ふむ、3人の意気やよし。ならば、すべてが解決するであろう作戦を伝授してあげよう。
「将冴、よからぬことを企んでいる顔をしているぞ……」
クラリッサが最近、僕の表情を読んでくる……。
次回、一夏恋愛騒動ラスト(予定)