IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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な、長々と更新を止めてしまい申し訳ありません……。
新生活って大変だね、うん。

一夏の恋模様完結編です。
……正直、一夏ならこうしかねないかなぁ、と思いつつこの話を書きましたが……楽しんでいただけたら幸いです。


一夏の選択

僕が箒たち3人に全てが解決するであろう作戦を伝授した翌日の放課後。僕とクラリッサは屋上の貯水タンクの影に隠れていた。

 

 

「将冴……私達がこうする必要はあるのだろうか?」

 

「あそこまで関わっちゃったら、最後まで見届けないとね。まぁ、クラリッサは巻き込まれた感じになっちゃったんだけど……」

 

「私はいいのだが……あの3人、大丈夫か?」

 

 

屋上には僕達の他に箒、セシリア、鈴がいた。僕達のように隠れてはいないけどね。3人とも、これから決闘にでも行くかのような顔をしてる。緊張とかその他諸々重なったせいで心の余裕がなくなっているんだと思う。

 

 

「まぁ、なるようになるさ。あとは、この騒動の中心である一夏がどうするか……っと、来たみたいだね」

 

 

屋上の扉が開き、恐る恐るといった足取りで一夏が現れた。一夏からは、僕達が見えていないはずなので、その目は自然と箒たちの元へ向かっていた。

 

 

「よ、よう、3人とも。どうしたんだよ、こんなところ呼び出して。早くアリーナいかないと、練習できないぞ」

 

 

一夏、逃げようとしているのがバレバレだよ。

今まで恋愛感情なんて持ったことも気づいたこともないであろう一夏が、どう行動すればいいかわからず困惑している姿は見ていて愉快だけど……。

 

 

「一夏、これから私たちは大切な話をする。茶化さずに、聞いてくれ」

 

「あ、ああ……」

 

 

箒、なんか殺気放ってない?一夏が気圧されてるよ?

 

 

「まず私から……」

 

 

箒が一歩前に出る。一夏は後ずさりそうになるも、なんとか踏みとどまった。後ろから見てると面白いなぁ、これ。ISで録画しておこう。

 

箒はふぅと小さく息を吐くと、一夏をまっすぐ見た。

 

 

「一夏……幼い頃から家族ぐるみで仲が良くて、剣道もやっていて、姉さんがISを開発して離れ離れになるまで一緒にいてくれた。私に何かあればいつも真っ先に助けてくれた……一夏と離れた後でもそのことを忘れたことはない。IS学園で再開した時は、心が躍った。また一夏と一緒に過ごせると……」

 

 

言葉を紡いでいくごとに、箒の表情が柔らかくなっていく。

 

 

「IS学園で一夏が頑張っている姿を、ずっと見ていた。初めてのISでセシリアと戦うために一生懸命になっていたところも、鈴に勝つために練習を重ねていたところも、全部……見ていた。やはり、一夏は昔から変わらない……そんな一夏が、私は大好きだ」

 

 

その言葉に、一夏は何かを言いかけるが、すぐに口を閉じた。

箒は顔を真っ赤にしている。まぁ、恥ずかしいだろうか、ねぇ……。すぐに後ろを向き、元いた場所へ戻ると、次はセシリアが一歩前に出る。

 

お気づきだろうけど、これが僕が教えた作戦。3人同時に思いを伝える、強攻策だ。正直、回りくどいのは一夏に効かないからねぇ……。

 

 

「一夏さん。私はあなたの強さに心打たれました」

 

 

セシリアはど直球でいくようだ。

 

 

「初めてのISで、私を追い詰めた……初心者とは思えないほど、ISの技術が向上しているのを見て、きっと一夏さんは私にはわからない思いや強さを持っているのだと思いました。私はこれからも強くなっていくあなたを見ていたいです。ずっとそばにいさせてください……あなたが好きです」

 

 

一夏は黙ったまま、ただ呆然というか……頭の処理が追いついていないような顔をしてる。

 

セシリアは最後まで凛としていた。さすがだな、セシリアは。

 

 

「最後は私ね」

 

 

正直、1番不安なのが鈴なんだけど……。

 

 

「まぁ、2人の話聞いて、なんとなく流れは察しているだろうからわかると思うけど……。私もね、一夏が好き。日本に来て、みんなと馴染めなかった私のために動いてくれた一夏が好き。私と将冴をいつも引っ張っていた一夏が好き。一夏がいなかったら、私はこの場にいないと思う。一夏が支えてくれたから、代表候補生にもなれた……。だからさ……こんな私でもよかったら、これからも一緒にいさせて」

 

 

恥ずかしくなって一夏に手が出なくてよかった。

なぜだかヒヤヒヤしたよ、鈴。でも……うん、よかった。

 

さて、一夏。3人の告白を受けて、君はどう返す?

 

 

「えっと……その……あれだよな。今のは友達としてとかじゃないもんな」

 

 

自分に言い聞かせるようにそう言うと、一夏は頭を抱えた。

 

 

「わ、悪い。突然のことで、ちょっとこんがらがって……でも、ありがとう。こんな俺のこと、好きになってくれたんだもんな……」

 

 

3人は気が気じゃない。一応、どうなってもいいように、あらゆる可能性は伝えておいたんだけど……一夏はほぼ確実に……。

 

 

「ああ、くそ……どうすればいいんだよ……」

 

「一夏……その今無理に答えを出さなくても……」

 

「違うんだよ、箒」

 

「え?」

 

 

一夏はバツの悪そうな顔をあげて、小さく呟いた。

 

 

「実はさ……前に将冴から、3人が俺のこと好きとかいう話聞いててさ……」

 

 

その言葉に、3人は僕の方を一瞬睨んできた……うわ、後で追い回されるぞ、これ。

 

 

「それからさ、3人のこと余計に意識しちまって……なんていうかさ……俺、3人とも好きになった……ていうか……」

 

 

ああ、やっぱり。

 

 

「だから、誰か1人とか選べなくて……ごめん!こんな優柔不断な答えで……」

 

 

頭を下げた一夏に対し、箒たちはゆっくりと近づいていく。3人は一夏の頭を上げさせると、一斉に一夏に抱きついた。

 

 

「え!?」

 

 

突然抱きつかれた一夏はバランスを崩し後ろに倒れる。

まぁ、なんのこっちゃわからんよね……。

 

 

「さ、3人とも?何を……」

 

 

 

「一夏が……」

「3人とも好きだとおっしゃるなら……」

「それでも、いいわ!」

 

 

言い終わると同時に、3人は順番に一夏の唇にキスをしていった。

 

っと……

 

 

「クラリッサ、ここは見ないであげよう」

 

「ああ」

 

 

こうして、一夏の唐変木問題は、ハーレムという形で幕を閉じた。

 

ちなみに、僕のISに3人から「覚えておきなさい」のメッセージが来ていたのは言うまでもない。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

翌日の朝。

1組の光景は昨日までとはまるで違っていた。

 

 

「一夏、次の休日だが……」

「私達、行きたいところがあるのですが……」

「一夏も来てくれるわよね?」

 

「お、おう。もちろんだよ」

 

 

ははは、一夏が困惑している。

そしてこの状況に、1組のみんなは「やっとか」といった雰囲気だ。

 

 

「兄さん、あの様子だと……」

 

「うまくいったみたいだね」

 

「まぁね。あとで2人に面白いもの見せてあげるよ」

 

 

ラウラとシャルも事情は知っていたからね。あの時録画したものを見せてあげよう。

 

さて、これで色々と気を回す必要はなくなっ……

 

 

「将冴」

「放課後」

「時間空いてるわよね?」

 

「はは……空いてます……」

 

 

今日の放課後まで、心休まらなそうだ。




一夏ハーレムエンド。
……いや、3人くらいならいいかなってさ……ダメかな?

次回から生徒会関係のお話を書いていきたいと思います。
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