IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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平日の時間の取れなさと、帰ってから書く気が起きない感じがヤバイ......。
以前のような毎日更新は難しいな......。

前回は突如転校してきたジェニーとステフのせいで将冴君の胃がマッハで弱りそうって感じでしたね。
作者の胃もマッハなんじゃないだろうか←

さて、どうやってしょーくん痛め付けようか←


舞い込む問題事

ホームルームが終わり、すぐに授業が始まって、なにがなんだか飲み込めないうちに休み時間になっていた。授業の内容が全然頭に入ってないよ......。

 

とりあえず、二人に色々聞かなければならない。

本当に、色々と......。でもその前に......。

 

 

「クラリッサ、二人が来ること知ってた?」

 

 

教育実習生とはいえ、クラリッサも教師。知らないはずがない。絶対に数ヵ月前から知っていたはずだ。

 

 

「すまない、前から来ることは知っていたのだが、あの二人に黙っていてくれと言われてな......。将冴を驚かせたかったらしい」

 

「これ以上ないくらいに驚いたよ......。まぁ、そういうことならお仕置きは無しにしておこう」

 

「違う理由だったらアレをされていたのか......」

 

 

もちろんさ。手加減なしで。

......でも、最近クラリッサはアレを楽しんでいる節があるんだよなぁ。今だって、頬を赤く染めて若干嬉しそうにしてるし。別のお仕置きを考えた方がいいかな......。

さて、クラリッサのことは置いて、二人に話を聞くとしよう。

 

ジェニーとステフは数名のクラスメイトに囲まれていたが、去年ほど騒いでる様子はないな。

ダイモンの時に少し滞在していたから、その時に交流があったんだろう。

 

 

「ジェニー、ステフ。話してるところ悪いんだけど、ちょっといいかな?」

 

「あ、ショウ!久しぶり~」

 

「なんかやつれてるわね。ちゃんと食べてる?」

 

 

君たちのせいでやつれているんだよ。

 

 

「大事な話みたいだね。ジェニー、ステフ、またあとでね」

 

 

二人と話していた人たちがが気を使わせてくれた。申し訳ないことをしてしまったが、僕もそれどころじゃないんだ。

 

 

「さて、まず聞きたいんだけど、どうして学園に?僕に連絡も無しに」

 

「ショウを驚かせようって、ステフが」

 

「私のせいにするの!?ジェニーも面白そうって乗っかったじゃない!」

 

「言い出しっぺはステフだし」

 

「そうだけど~......」

 

 

その目的は十分に達成されたけどね。

しかし、僕が聞きたいのはそこじゃない。

 

 

「二人とも、軍に所属しているし、あっちでも十分な教育とかされてるんじゃないの?」

 

 

実際、僕が留学にいったときも、ISの教育環境は学園に引けをとらないものだった。

 

 

「ああ、ほら、私たちって結構特殊な立ち位置でしょう?軍に教育環境があるとはいえ、学校に通っている訳じゃないし」

 

「同年代は私とジェニーだけだからね」

 

「それで、同年代の、同じような訓練設備がある学園に入れようってことらしいわ。チーフからは交友関係を広めてこいって言われてるし」

 

「ついでに、他の国の専用機の情報も集めろって。まぁ、そっちに関しては、余裕があればって感じだったかな」

 

 

なるほど......確かにIS学園なら、同年代の人がたくさんいるし、各国の代表候補生とのパイプを作ることも可能か......。

政府の思惑が見え隠れしてるけど、チーフさんはそういうのを気にせず楽しんでこいって感じみたいだ。

 

とりあえず、国が無理矢理何かしようってことはないようでよかったといったところか。

 

 

「ショウ、難しい顔してるけど大丈夫?」

 

「アンタがそんな顔してると、なにか起きるんじゃないかって不安になるんだけど」

 

 

僕は何かの疫病神とでも言いたいのか......否定はできないけど。

 

 

「気にしないで。国絡みで、二人に何かあったんじゃないかって思っただけだから」

 

 

僕のその言葉を聞いて、二人は少し顔曇らせた。

......やっぱり何かあるのか?

 

 

「......ショウ、夜に時間もらえる?」

 

「ちょっと、ジェニー」

 

「ショウなら大丈夫よ。チーフやハッター軍曹も言ってたでしょ。頼れるものは頼れって」

 

「そうだけど......」

 

 

ああ、やっぱりなにかあったのか......。

 

 

「それで、時間はもらえるの?」

 

「いいよ。クラリッサも一緒で大丈夫?」

 

「ええ」

 

「ごめんね、ショウ」

 

 

さて、どんな話なのか......。

厄介なことなのは間違いなさそうだ。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

今日の授業がすべて終わり放課後。

夜まではとりあえず生徒会の仕事をやっておかないと。

 

クラス対抗戦やら、学年別トーナメントの準備もしなきゃいけないし、やることはたくさんだ。

楯無さんと虚さんは、これを二人でこなしていたのか......しかも、本音さんが増やした仕事も片付けながら。まだまだ僕は遠く及ばなそうだ。

 

しかし、ジェニー達の話......いったいどんな内容なのか......

 

 

「将冴、こちらのものはすべて片付けた」

 

「ありがとうマドカ。今日はもう戻ってもいいよ」

 

 

僕は自分の書類を片付けつつ、マドカにそう促す。

しかし、マドカはじっとこっちを見つめていた。

 

 

「マドカ?」

 

「また、一人で抱え込もうとしているのか?」

 

「......」

 

 

ダイモンの事件以来、周りのみんなが鋭くて困る。

抱え込んでるつもりはないんだけど、昔からの癖なのかな。

 

 

「抱え込むのは自由だが、もっと周りを頼れ。またスペシネフに取り込まれたときのようにはなりたくないだろう」

 

「そうだね。大丈夫だよ、マドカ。どうにもならなくなる前に、頼らせてもらうから」

 

「ならいい」

 

 

マドカはそう言うと、徐にコーヒーを淹れる準備を始めた。いつもなら気にならないんだけど、今日はひとつ違和感があった。

 

 

「カップが三つ?」

 

「生徒会室に近づいてくる足音が一つ。楯無ではない誰かだ」

 

 

マドカ、足音が判別できるなんて初耳なんだけど......。

しかし、楯無さんでないなら誰が......。

 

と、僕にも聞こえるくらいに近づいてきた足音は、生徒会室の前で止まり、続けてコンコンとノックの音が響いた。

 

 

「どうぞ」

 

 

そう声をかけると、ゆっくりと扉が開き、恐る恐るといった様子で一人の女生徒が「失礼します」と言って入ってきた。

 

リボンの色から、一年生だとわかる。それに加え、真っ赤な髪をバンダナでアップにしているその姿に、僕は見覚えが......っていうか、彼女は

 

 

「蘭?」

 

「あ、将冴さん。やっぱりここにいたんですね。本当に生徒会長なんですね」

 

 

僕と一夏、鈴の共通の友達である五反田弾の妹、五反田蘭だった。

まさか、IS学園に入学していたなんて......去年の遊園地以来会ってなかったからな......。

 

 

「将冴、知り合いか?」

 

「うん。僕の中学の時の同級生の妹さん」

 

「え、え、千冬さん!?でもなんか小さいような......」

 

 

ああ、千冬さんの知り合い全員がする反応を見事に......。

 

 

「柳川マドカ。将冴の従姉妹で、生徒会の会計だ」

 

「千冬さんにそっくりだけど、織斑家にはなんの関係もないよ」

 

 

千冬さんのクローンだから、織斑家にがっつり関係あるけど、混乱するし公言するわけにいかない話だから、嘘をつく。ごめんね、蘭。

 

 

「そう、だったんですか。えと、五反田蘭です」

 

 

そう言って、頭を下げる蘭を見つつ、マドカは用意していたコーヒーを来客用のテーブルにおいた。

 

 

「立ったままもなんだ。とりあえず座れ」

 

「は、はい!」

 

 

千冬さんにそっくりだから、わかっていても背筋が伸びるときがあるんだよね。今の蘭のように。

 

蘭が座ったのを見てから、僕も一旦書類を置き、蘭の正面に座る。マドカは自分のデスクに腰かけた。

 

 

「蘭、この学園に入学したんだね」

 

「はい。適正試験がA判定でしたので。お爺ちゃんやお兄には反対されましたけど」

 

「そっか。まぁ、心配する気持ちはわかるけどね」

 

 

ISは今でこそ競技等で使われているが、兵器としての側面ももつ。怪我をすることだって少なくない。僕がいい例だ。

 

 

「それに、その......」

 

「一夏、でしょ?」

 

 

僕の言葉に、蘭は顔を赤くする。

一夏の被害者だからね、蘭は。本人も一夏の前では素直になれないっていう困った性格の持ち主だし。

しかし......蘭も間の悪いときに入学してきたなぁ......。

 

 

「その......一夏さんは、今どうなんですか?彼女とか......」

 

 

ああ、やっぱり聞いてくるかぁ......どうしたものか。

ハーレムを築いてるなんて言ったら、蘭が燃え尽きてしまう。真っ白に。

 

 

「えっと......」

 

 

僕が言い淀んでいると、マドカが口を開いた。

 

 

「一夏なら箒、セシリア、鈴を侍らせているぞ」

 

 

マドカぁぁぁぁぁ!?

そこでそれ言っちゃう!?

僕がなんとかやんわり伝えようとしていたことを言っちゃう!?

 

 

「......」

 

 

蘭もキョトンとしちゃってるよ!

ああ、もうどうしようこれ......。

 

と、僕の胸中がカオスになっていると、蘭がポツリと言葉を漏らした。

 

 

「そっか......本当だったんだ」

 

「蘭?」

 

「噂になってたんです。一夏さんに彼女が複数いるって」

 

 

噂になるの早すぎでしょう......黛先輩の仕業だな......。

 

 

「はは、気持ち伝える前にフラれちゃいました。でも、そうなりそうだなって思っていたので」

 

 

僕が一夏をそそのかしたせいなんだけどね......。

 

 

「ごめんね、蘭」

 

「なんで将冴さんが謝るんですか。私が素直になれなかったのが悪いんですから。それに、将冴さんは私を気遣ってくれてましたよね?それだけで十分です」

 

 

こんなに強い子だったのか、蘭は。

うう、罪悪感が半端ない......。

 

 

「うん、吹っ切れました。一夏さんに会う前に知れてよかったです。これで、一夏さんとも普通に話せます」

 

「大丈夫、なの?」

 

「はい。五反田家の女を舐めないでください!」

 

 

蘭はそう言うとコーヒーを飲み干し、立ち上がる。

 

 

「突然お邪魔してすいませんでした。コーヒー、ご馳走さまです。今日は失礼しますね」

 

「......うん。何かあったら、いつでも相談に来てね」

 

「はい。将冴さんなら安心して相談できます。では、また」

 

 

そのまま生徒会室をあとにした蘭を見送る。

本当、申し訳ないことをしてしまった。

 

 

「将冴、すまない。要らないことを言ってしまったようだ」

 

「ううん。僕が取り繕った言葉をいうより効果があったんじゃないかな。予想外ではあったけど」

 

 

入学早々、蘭は災難に見舞われてしまったな。

うう、新入生を早速突き落としてそうするんだ僕は......。

 

 

「将冴、もう聞きあきているだろうが......」

 

「ごめん、今だけはなにも言わないで」

 

「......わかった」

 

 

はぁ......。




しょーくんは不幸の星のもとに生まれたのではないかと。

いやぁ、厄介事が舞い込む舞い込む。

そして、蘭の登場です。蘭もなかなかに不幸な......。
書いてる途中で、ある考えが頭をよぎったのですが、これはこれでまた蘭が......。


次回は、ジェニーとステフとお話。
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