しばらく更新が滞ってしまい申し訳ありません。
さて、今回はアメリカ二人組とのお話となります。
はてさて、どんな話なのか......本編どうぞ。
生徒会で起こってしまった大惨事を引きずりつつ、僕は自室へ戻った。
マドカに夕食を食べに行こうと誘われたけど、どうにも食べる気にもならず、マドカには悪いけど断った。
新学期から幸先悪いなぁ。去年も去年で酷かったけど、今回は精神的に来ているというかなんというか......。
そんなことを考えていると、部屋の扉が開く音がした。クラリッサが帰ってきたようだ。
「将冴、もう戻っていたのか」
「お帰りクラリッサ。仕事は片付いたの?」
「ああ。放課後、一緒にいられなくてすまない」
「ううん、仕事があるんじゃ仕方ないよ」
僕はそういいながら、コーヒーを淹れる準備をする。このあとジェニーとステフが来るから多めに淹れておこう。
「将冴、私が淹れるぞ?」
「クラリッサは座っていて。仕事で疲れているだろうし」
「しかし......将冴、いつもより疲れているように見えるが」
クラリッサにはお見通しか......。
しかし、この件に関しては僕やクラリッサがどうこうできるものでもないし、クラリッサに言うべきか否か。
と、クラリッサが僕のことを突然後ろから抱き締めてきた。
「また悪い癖だ。どんな些細なことでもいいから、私にだけは話してくれないか?」
「......そうだね」
僕はコーヒーを淹れつつ、放課後の出来事を話した。
クラリッサは黙って聞いてくれる。僕が一人で勝手に罪悪感を抱いている......ただそれだけのことだけど、真剣に聞いてくれている。
「......そんなことがあったわけでね。なんか申し訳ない気持ちになってしまったんだ」
「そうか......だが、その蘭という新入生は、遅かれ早かれ知ることになっていた。少し早すぎただけだ」
「そうかもしれないけど......」
「将冴が気負う必要はない。あとは蘭次第だ」
そういうものなのかな......でも、クラリッサ言う通りだ。今出来ることはない。蘭がどうにか立ち直ってくれるのを願うだけだ。
「ありがとうクラリッサ。少し楽になったよ」
「それならよかった。ところで、将冴。いつもよりコーヒーを淹れる量が多いようだが」
「ああ、そういえば言ってなかったっけ。このあとジェニーとステフがくるんだ。なんか話があるって」
「そうだったのか。しかし、転入してそうそうに将冴に話とは......」
クラリッサもなにか感じ取ったようだ。胸騒ぎ、といえばいいのか......。
とても大きな何かに巻き込まれるような、そんな感じがする。
まぁ、話を聞いてみないとわからないんだけどね。もしかしたら、気の抜けるような話かもしれないし。
コンコンコン
丁度コーヒーの準備ができたところで、扉をノックする音が響く。
クラリッサが扉を開くと、予想通りジェニーとステフが立っていた。
「こんばんは」
「こんばんは、クラリッサさん。あ、先生の方がいいのかな?」
「気を使わなくていい。さ、中に入れ」
クラリッサが二人を椅子に座らせている間に、僕はカップを人数分用意しコーヒーを淹れ、皆のところへ向かう。
「お待たせ。二人ともコーヒーでいいよね?」
「ありがとう、ショウ」
「いい香り。なんか手が込んでる香りがするね!」
ステフが何を言ってるかはわからないのでとりあえずスルーしておこう......。
二人がコーヒーを口にするのを見てから、僕とクラリッサもコーヒーを飲む。
さて、こっちから話を降った方がいいのかな。
「で、二人とも。話って何かな?」
「いきなり聞いてくるのね。まぁ、気になるではあるか......」
「ねぇ、ジェニー。本当にショウに話すの?」
「私たちだけじゃ、解決できない......ショウに話すのが一番なのよ」
ステフはまだ話すことにためらっているようだ。
ああ、気の抜ける話ではないんだなぁ......。
「ショウ、これから話すことはショウにとって負担になるかもしれない。それだけは覚悟して」
「そういう話なのは、何となくわかっていたよ......話して」
ジェニーとステフは意を決したようにうなずくと、ゆっくりと話し始めた。
「ダイモンが従えていた機体が、大量に日本に運び込まれている。それと同時に、テロリストの残党も日本に入ってきているみたいなの」
「な......」
「ダイモンの残党が......」
その話は、僕の心を乱すには十分だった。クラリッサもまた、驚愕の表情を浮かべている。
「恐らく、近いうちに大規模なテロが起こる。私たちは、その調査を命じられて日本に来たの」
ダイモン......またダイモンなのか......僕があいつを殺して、束さん達が後詰めをしてもまだ僕にまとわりついてくるのか。
「この事......IS学園は知っているの?」
「うん。日本政府にも話はいってるよ。規模が規模だし」
「そっか......」
クラリッサに目配せをすると、首を横に振った。クラリッサには知らされていない。恐らく、織斑先生は知っているんだろう。
「学園からは、この件に関して私たち二人は自由に動いても構わないと言われてる。政府からも同様にね」
「調査事態は、まだ本格的には動いていないけど、明日から動いていくつもり」
「でも、私たち二人だけじゃ、正直厳しいっていうのが現状なの。だから、お願い。ショウも協力して」
事の大きさが僕の想像を越えていた。
これだけのことを、ジェニーとステフが命じられていたなんて......。
放っておけるわけがない。ダイモンが関係しているなら、尚更だ。
僕が口を開こうとすると、それを遮ってクラリッサが立ち上がった。
「二人とも、すまないがこの件に関して、将冴を協力させるわけにはいかない」
「クラリッサ、どうして!?」
「将冴は、ようやくダイモンと決別したんだ。これ以上、将冴を苦しめるようなことをさせられない」
「待って、クラリッサ。僕は!」
「頼む、将冴。今だけは、黙っていてくれ......」
クラリッサにそんなことを言われるなんて、思いもしなかった。だから僕は、それ以上言葉を発せられなかった。
「ジェニー、やっぱり......」
「うん......」
ジェニーはそのまま立ち上がると、僕の前まで進んでくる。
「ごめん、ショウ。この話、忘れて」
「ジェニー......」
「ショウの負担になることはわかってた。それでも、ショウに手伝ってもらいたかったの。でも、クラリッサさんの言う通り。あんたはもう十分に苦しんで、やっと解放されたんだものね。私の我が儘を聞かせてごめん。今日はもう失礼するわ」
ジェニーはそれだけ言って、部屋から出ていった。ステフもごめんねと謝りながら、ジェニーについていった。
そして、部屋には僕とクラリッサだけが、残った。
「将冴......」
先に口を開いたのはクラリッサだった。
「勝手をしてしまってすまない。だけど私は......」
肩を震わせて、クラリッサはその場に膝を折った。
「もう、将冴が危険な目に合うのを見たくなかったんだ......」
「クラリッサ......」
「将冴は、絶対に二人に協力すると思った。でも、もうダイモンはいないんだ。将冴とダイモンは、もう関係ないんだって思ったら......」
「うん......大丈夫、クラリッサの気持ち、わかってるから」
ただ、僕に戦ってほしくない。ただそれだけなんだ。
もう離れ離れにはなりたくないから......僕も同じ気持ち。
「将冴......頼むから、今回だけは......」
「......ごめん、クラリッサ。目の前で困っている人がいるのに放っておくことなんて、できない」
「......やっぱり、将冴は将冴だな」
クラリッサはそういうと、僕に抱きついてきた。
「もう一人では戦わせない。私も一緒だ」
僕は、その言葉に対して、首を縦に振ることしかできなかった。
急展開になって参りました。
まぁ、シリアスになりそうな雰囲気ですが、ちょくちょくギャグパートみたいなのは挟んでいきます。
果たして、しょーくんの胃はこの展開に耐えられるのか。次回をお楽しみに。