IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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本日二つ目。

ちょっとプロローグ長くなりそうですが、お付き合いいただけたらと思います。

ここのシリアス抜けたら、少し楽しい感じになると思います。


第3話

 

クラリッサ中尉から聞いた病院に向かうと、手術室の前でISスーツのまま項垂れているクラリッサ中尉を見つけた。

 

 

「中尉」

 

「ラウラか……」

 

 

中尉は随分やつれている。作戦で疲れているのだろうか……。

 

その時……

 

 

パチン

 

 

手術室のランプが消えた。

扉が開き、手術を担当したと思われる医者が出てきた。

 

クラリッサ中尉が立ち上がる。

 

 

「先生、容体は……」

 

「あなたは……保護者の方ですか?」

 

「いえ……」

 

 

保護者……おそらく、私が看取ったあの二人が少年の……。なんと言えばいいのか、私にはわからない。

 

 

「保護者の方は……」

 

「もう、亡くなっています」

 

 

答えあぐねているクラリッサ中尉の代わりに、私がそう答える。医者が目を見開き、すぐに俯いた。

 

 

「私が……私が代わりに聞きます」

 

 

クラリッサ中尉の言葉は、予想外だった。

 

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

「私が……私が代わりに聞きます」

 

 

何故こう言ったか、私にはわからなかった。だけど、聞かなきゃいけない気がした。償い、というわけでもない。ただ、守れなかった自分が許せなかったんだと思う。

 

 

「……わかりました。ではこちらへ」

 

「はい。ラウラ、すまないがここで待っていてくれ」

 

 

そう言って通されたのは診察室。

医者と対面して座らされる。

 

 

「今から見せる写真は、かなりショックを受けると思います。写真がなくても説明はできますが、どうしますか?」

 

「見ます……見せてください」

 

 

医者はわかりましたと言い、レントゲン写真を取り出した。

 

全身を写したその写真を見て、半分は予想が当たった。しかし、もう半分は完全に予想外だった。

 

少年の小さな身体にはあるべきものがなかった。両足がなくなっていたのは、私も見た。しかし……

 

 

「両腕まで……そんな……」

 

 

肩から先も、無くなっているのだ。

私が助けた時にはあったものが……。

 

 

「両腕の損傷が酷く、細胞が壊死していました。切り取るしか方法がありませんでした」

 

 

その言葉は、ショックでしかなかった。

胸を重機で殴られたような気分だった。

 

 

「なんとか一命は取り留めました。まだ油断は出来ませんが、容体は安定してます。今後の治療なのですが……」

 

 

医者の話が頭に入ってこない……目の前で身体を失い、両親まで失ってしまった少年。

 

今までこんなことはなかった。経験したことなかった。20歳にもなって、その重さを受け止められない。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

クラリッサ中尉を待っていると、手術室から担架に乗せられた少年が出てきた。しかし、すぐに集中治療室に運び込まれた。少し見ただけだったが、違和感を感じた。あるべき場所あるものがないような。チラッと見ただけだから、よくはわからないが。

 

私は、あの女性から受け取ったペンダントを眺める。

 

どうやらロケットのようになっているようだ。中には少年と殺された両親が写っていた。

 

 

「親か……」

 

 

私は親などはいない。人工的に作られた人造人間だ。親のいる者の気持ちはわからない。

 

あの少年にこのことを伝えたら、ショックを受けるのだろうか。

 

ロケットの蓋の裏に、なにかが彫られている。

 

 

柳川玲二

柳川有香

柳川将冴

 

 

日本語で書いてあって読めない。一応勉強はしているが、漢字というものは訳がわからない。

 

それからしばらくすると、クラリッサ中尉が戻ってきた。

 

 

「中尉。お話はもうよろしいのでしょうか?」

 

「ああ……すまないが、ラウラ。私は先に帰る……お前の帰還許可も降りているから、帰りたいときに帰れ」

 

 

クラリッサ中尉はそのまま行ってしまった。

いったい何が……




主人公の名前出てきましたね。
出番はほとんどないけど。

原作と色々違ってる箇所が多いとは思いますが、ご理解いただけたらと思います。

クラリッサさんは悩みますね。
今までこんなことがなかった分の反動が大きようです。

次回も、クラリッサにたくさん悩んでいただきましょう。

次回更新予定は金曜日になるとおもいます
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