IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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今回で戦闘終了。

次は全く考えてません……。

もし、こんなの書いて欲しいというのがあればメッセージに送っていただけると嬉しいです。ネタ切れの作者にお恵みを……。番外編としてではなく、本編として掲載するとおもうので、まだ出ていないナターシャや山田先生なんかは書けないかもしれません。

番外編として後で書くかもしれないので、ナターシャや山田先生のリクエストでもありです。


30話

「捕まえたぞ」

 

 

ワイヤーに巻きつかれた僕は、全く身動きが取れない。

肩のバイナリー・ロータスも開けない。武装は展開してないけど、ライデンの武装は連装ビームライフル。この状況を打破できる武器じゃない。

 

 

「あはは……どうしようか」

 

「笑っていられるだけの余裕があると捉えていいのか?」

 

「いや、余裕がないから笑うしかないんだよ……」

 

 

考えろ……拘束を外せる方法を。ライデンで使える武装は連装ビームライフルとバイナリー・ロータス。

 

連装ビームライフルは、さっきも言った通り今は役に立たない。バイナリー・ロータスを展開する力で強引にワイヤー引きちぎる?いや、このワイヤーをちぎるだけの力はない。何かないのか……何か他に……他に……?

 

 

「どうする?降参するか、私にシールドエネルギーをゼロにされるか……」

 

「どっちも嫌かな」

 

「そうか、なら私自ら勝負をつけようか!」

 

 

ラウラが距離を詰めてくる。

そのままビームの手刀で勝負をつける気だ。

 

 

「これで終わりだ!」

 

 

今だ!

 

 

「フォームチェンジ『アファームド』!」

 

 

ライデンの時と同じように、装甲が粒子化し再構築。姿を表すのはライデンよりもスマートな装甲。迷彩柄が特徴的な、IS。

 

再構築が終わったIS『アファームド』の腕を盾にし手刀を受け止めた。

 

 

「まだ隠していたのか……」

 

「まぁね。あんまり得意なフォームじゃないけど、ね!!」

 

 

腕で手刀を受け止めたままローキックを放つ。しかし、ラウラは後ろに飛んだ。

 

 

「見た所、武装はないようだが……」

 

「ちゃんとあるよ。ここにね」

 

 

腕の部分を指差す。腕に沿うように棒のようなものがついている。

 

 

「それは……」

 

「こうやって使うんだよ!」

 

 

ラウラと距離を詰めると同時に腕の棒……トンファーを起動。ビームと一緒展開されるトンファーは、起動する前よりもリーチが伸びた。これがアファームドの基本装備、ビームトンファーだ。

 

 

「ふっ!」

 

 

振るわれたビームトンファーをビームの手刀で受けるラウラ。

 

 

「くっ、やるな。いいぞ、楽しくなってきた」

 

「こっちは必死なんだよ!」

 

 

さらにトンファーを振るう。僕自身、剣は得意だけど肉弾戦は得意ではない。これはラウラのほうが強い。

 

 

「動きが鈍くなってきたぞ、将冴!」

 

 

ラウラは僕の隙を突き、バーチャロンのシールドエネルギーを削っていく。

さっきのバイナリーロータスや、最初のレールカノンでかなりのエネルギーが減っている。

残りは150。ラウラは200。

 

勝つには、ここで決めるしかない。

 

僕は一度ラウラを押し返し、距離を取る。

 

 

「フォームチェンジ『テムジン』」

 

 

フォームをテムジンに戻す。決めるなら、これで決めるしかない。

 

 

「装甲を戻したか。ここで決めるつもりか?」

 

「そうだね。これで最後」

 

 

これが通らなければ、僕の負け。

ラウラもかなりのギリギリの状態だと思う。決めるなら、今だ!

 

 

「行くよ!」

 

 

ブーストを最大で点火。「瞬時加速(イグニッションブースト)」。スピード狂のクロエさんが教えてくれた。そして、今からやるのは束さんが使えるようにしてくれた技……

 

 

「突貫か。安易だぞ、将冴!」

 

 

ワイヤーを4本同時に放つラウラ。まっすぐこちらに向かってくる。

 

そして、ワイヤーが目の前に迫った時。そこを僕は狙っていた。

 

 

「曲がれぇ!!」

 

 

ワイヤーが僕にあたる直前、速度を維持したまま90度右へ方向転換。ワイヤーは僕を捉えられず、そのままあらぬ方向へと飛んでいく。

 

 

「そのままの速度で曲がっただと!?」

 

「もう一回!」

 

 

さらにもう一度、90度左に曲がる。これが束さんが使えるようにしてくれた技「バーティカルターン」。速度を維持したまま、90度直角に曲がる軌道操作だ。

 

 

「これでー!」

 

 

MPBR-7にビームの刀身を形成。ラウラに斬りかかる。

 

 

「くっ!」

 

 

ラウラは左手をかざした。その瞬間、僕の斬撃はラウラに直撃する直前で……止まった。

 

 

「なっ……」

 

 

次の瞬間、ラウラのISの拳が僕の顔面を捉え、僕は意識を手放した。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

「……!……き……」

 

 

体を揺さぶられている気がする……それに声も聞こえる気が……。

 

 

「おき……ご!起きろ、将冴!」

 

「っ!?」

 

 

パッと目を覚ました。

目の前には、なぜか涙目のクラリッサさんが……。

 

 

「将冴!気がついたか!?」

 

「クラリッサさん……僕は……」

 

「よかった……目を覚まさなかったらどうしようかと……」

 

 

そう言ってクラリッサさんが僕を抱きしめる。

……なんだか安心した。

 

周りに目をやると、ここは医務室のような場所のようだ。僕とクラリッサさんしかいない。

 

というか、僕義肢をつけてない。

腕だけつけよう。

 

 

「あの、クラリッサさん。僕はなんで……」

 

「覚えていないか?ラウラ隊長に顔面にパンチを受けてそのまま意識を失ったんだ」

 

 

ああ……そう言えばそうだった。

絶対防御があっても、衝撃まで無くしてくれるわけじゃないから……。

 

そうだ、ラウラに聞かなきゃいけないことがあったんだ。

 

 

「あの、クラリッサさん。ラウラは……」

 

 

その時、医務室の扉が開いた。

入ってきたのは千冬さんと、すこししょぼくれた様子のラウラ。

 

 

「将冴、目が覚めたか。よかった」

 

「すまなかったな、将冴。思いっきり殴ってしまって」

 

「いや、怪我はないみたいだし大丈夫だよ」

 

 

特に痛いところもない。

意識を失っただけだ。

 

 

「あれから大変だったぞ。ラウラは取り乱すし、クラリッサはモニタールームの窓を突き破って助けに行こうとするし……」

 

「はは、お疲れ様です。千冬さん」

 

 

恥ずかしそうに顔を伏せるラウラとクラリッサさん。

 

 

「そうだ、ラウラ。最後のあれはなんだったの?僕の剣が止まったんだけど……」

 

「ああ、あれはドイツで開発されてるアクティブ・イナーシャル・キャンセラーと言ってな。まだ試作中の第三世代装備だ。相手の動きを任意に止めることができる」

 

「なにそれ、反則の域だよ……」

 

「まぁ、デメリットもある。かなり集中力が必要だし、複数戦闘には向かない。エネルギー兵器にも、効果は薄いな。まだ試作段階で、使用は避けていたんだが、ついな」

 

「つい、で大事な装備使うな。馬鹿者が」

 

「す、すいません。教官……」

 

 

ああ、さっきまで千冬さんに怒られてたからしょぼくれてたんだ……。

 

 

「しかし、驚いたぞ。あんな操縦技術があるとは思わなかった。まぁ、ISをもらった場所が場所だったのもあるが」

 

「特訓の毎日でしたから。わからないところはすぐに教えてもらえますし」

 

 

クロエさんも結構スパルタだったし、束さんは無茶な要求ばっかりするし……。

 

 

「操縦技術もそうだが、あのISはいったいどうなっているんだ?」

 

 

クラリッサさんが興味津々に聞いてくる。

まぁ、気になるよね……。

 

 

「えっと……単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)って言えばいいのかな?僕のISの背中にディスクみたいなのがあったのを見ました?」

 

 

3人は頷く。

 

 

「あれが、僕の両親が開発した『V.コンバータ』というものです。簡単に言えば、拡張領域を飛躍的に伸ばすことができます。あと、男の僕がISを動かせるのも、V.コンバータのおかげです」

 

 

束さんは遺伝子情報がどうのこうの言っていたけど、詳しい原理はわからない。

 

 

「なるほどな……確かに、人前に出せない代物だ」

 

「男がこんなもの持ってたら、いろいろ問題ですからね……」

 

 

とりあえず、身近な人には事情を知ってもらえたから、すこしは過ごしやすくなったかな。

 

 

「ラウラ、勝負したんだから、内緒にしてよ」

 

「わかっている。約束は守るさ」

 

 

よかった……。

 

 

「将冴が目を覚ましたし、帰るぞ。もう夕飯時だ」

 

「うわ、僕そんなに眠ってたんですか……」

 

「ああ。本当に心配したんだからな……」

 

 

またクラリッサさんが抱きしめてくる。

 

うぅ……まずい、クラリッサさんに抱かれるのに慣れてきてる……。

 

 

「ごほんっ……二人とも、仲良くしてるところ悪いが、早く帰るぞ」

 

「クラリッサ、いちゃいちゃするのはいいが、公私の区別ははっきりさせるんだぞ」

 

 

ボフンと、クラリッサさんの顔が真っ赤になった。




難産……戦闘苦手スギィ!


お目汚し申し訳ないです……。
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