IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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昨日は更新できず、申し訳ありません。
用事が重なりに重なって全く書く時間がありませんでした。

さて、前回ネタを募集いたしました。たくさんネタをいただき、感謝感激でございます。

今回、いただいたネタで書こうと思っていたのですが、いただいたネタは原作に追いついてからの方がいいかなと判断いたしました。

なので、原作に早く追いつくために、本編を進めます。ネタを提供してしまった方には申し訳ないですが、今しばらく待っていただけたらと思います。


31話

 

ラウラと勝負してから、早くも数ヶ月が経っていた。

あれ以来、ラウラは事あるごとにIS勝負を挑んでくる。AIC(アクティブ・イナーシャル・キャンセラー)を使って勝ったことが気にくわないとかなんとか……。今のところ、勝敗は25戦中13勝12敗で僕が勝ち越している。AICを使われても対処さえ覚えてしまえば、攻略は可能だった。

まぁ、そんな感じでISの操縦の練習を予想外の場所で行っていた。

 

さて、今日僕は寮の前にいる。なんで寮の前にいるかというと、待ち合わせのためだ。

 

誰と待ち合わせかというと……

 

 

「将冴!」

 

 

寮から出てきて僕を呼んだクラリッサさんとだ。

クラリッサさんはいつものドイツ軍服ではなく、ホットパンツに白いシャツという、ラフな格好をしていた。シュバルツェ・ハーゼのトレードマークとも言える眼帯はつけたままだったけど。

 

 

「すまない、待たせてしまったな」

 

「ううん、僕もさっき準備できてここにきたから、そんなに待ってません」

 

「そうか。じゃあ、行こうか」

 

 

クラリッサさんが車椅子を押してくれる。

なんで僕がクラリッサさんと出掛ける事になったのかというと、それは昨日の夕飯の時間まで遡る。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

いつものように、千冬さんと夕食を取っていた。

 

 

「将冴、どうだ最近は」

 

「どうと言われても……まぁ、普通ですね。日本に帰っても、授業に追いつけるように勉強もしてますし。

 

 

千冬さんが日本に帰る日が近づいていた。それに伴い、僕も日本に帰る準備をし始めている。

 

 

「ドイツでの生活に慣れてきたところで、すまないな」

 

「いえ、前から決まっていたことですし、千冬さんにこれ以上迷惑はかけられません。重要人保護プログラムがどういうものかは、正直わかっていませんが、どうにかなります」

 

「ああ、政府には便宜を図っておこう。安心してくれ」

 

 

本当に、何から何まで世話になってしまった。

 

 

「そうだ、将冴。明日……「織斑教官、相席よろしいですか?」

 

 

千冬さんが何か言いかけた時、クラリッサさんとルカさんが夕食を持ってそう言ってきた。

 

 

「あ、ああ構わんぞ」

 

 

クラリッサさんは千冬さんの隣に、ルカさんは僕の隣に座った。

 

 

「千冬さん、何か言いかけてましたけど……」

 

「いやなんでもない……」

 

 

そう言って、千冬さんは食事を再開した。なんだったんだろう?

 

 

「そういえばクラリッサ」

 

 

静かに食事をしていると、ルカさんがクラリッサさんに話を振った。

 

 

「なんだ?」

 

「明日非番よね?」

 

「ああ。まぁ、特にやることもないが」

 

「ふぅん……」

 

 

一瞬、ルカさんが僕の方を見た気がする。

そして、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

 

 

「じゃあさ、明日将冴君と出掛けてきなよ」

 

「ぶふぅ!?げほっ!けほっ!?」

 

 

クラリッサさんは口にしていたスープを吹き出した。

 

 

「ちょ、ルカさん!?そんな急に……」

 

「だって、将冴君も明日は何もないんでしょう?リョーボさんから聞いたよ。明日は勉強会はしないって」

 

「いつの間に聞いたんですか……」

 

 

この根回しの良さは一体……。

 

 

「ルカ!そういうことは勝手に決めるんじゃない!」

 

「はいはい、クラリッサに拒否権はありません」

 

 

そう言って、ルカさんは2枚のチケットを取り出した。

あれは、映画のチケットかな?

 

 

「この前懸賞で当てた映画のチケットあるから、2人で行って来なさい」

 

「え、いや、あの、しかし……」

 

 

クラリッサさんは顔を真っ赤にしてゆでだこ状態。

 

 

「将冴君は行きたいよね?」

 

 

言葉の裏に隠れた闇が見える。行くって言えと言っている……。これには逆らえない気がする……。

 

 

「えっと……クラリッサさんが良ければ……行きたい、かな?」

 

「将冴……い、いいぞ!明日、一緒に行こう!」

 

 

かなり興奮気味のクラリッサさん。

でも……僕も結構ドキドキしている。

 

 

「私も……明日は非番だったんだがな……」

 

 

千冬さんが何か言っていたが、僕の耳には届かなかった。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

とまぁ、そんなこんなで僕とクラリッサさんは映画を観に行く。

 

……これってもしかして、デートなのでは?僕なんかとでいいのか……というか、この状況みたら周りの人は……。

 

 

「あら、あの2人姉弟かしら?」

「男の子の方は車椅子なのね」

「お姉さんが車椅子を押してくれてるのね。いいお姉さんだわぁ」

 

 

……姉弟に見られてた……。まぁ、そうだよね。僕はまだ13歳で、クラリッサさんは20歳。年の差的にも、デートには見えないか。

 

 

「ん?将冴、どうした?具合でも悪いか?」

 

「ううん、なんでもない」

 

 

僕は考えすぎかな……。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

「さ、着いたぞ」

 

 

将冴の車椅子を押していた私は、将冴の車椅子を止める。

 

 

「将冴、私は受付してくるから、ここで待っていてくれ」

 

「はい」

 

 

そう笑顔で返しくれる。

や、やめてくれ……なんだか恥ずかしい。

 

逃げるようにして、チケットを手に受付しに行く。

幸いにも人は少なく、すぐに受付できそうだ。

 

 

「大人二枚頼む」

 

「はい。お席はいかがいたしますか?今なら全て空いておりますが」

 

「連れが車椅子なんだ。車椅子用の席で頼む」

 

 

将冴の方に目をやる。

受付の人も将冴を見つけたようだ。

 

 

「はい、わかりました。ふふ、お若い彼氏さんですね」

 

「なっ!?私と将冴はそんな関係じゃ!?」

 

「ふふ、ごゆっくりどうぞ」

 

 

くっ、余計なことを言って……余計に意識してしまうではないか……。

 

せっかくデートだと意識しないように……

 

 

「ただ……2人で映画を見に……きた……」

 

 

これをデートというのか……?

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

戻ってきたクラリッサさんはなんだか上の空だった。

上映中もずっと……。どうしたんだろ?具合悪いのかな?

 

そんなクラリッサさんが気になって、映画の内容をあまり覚えていない。

 

映画が終わった後、ハンバーガーチェーン店で昼食を取ることになった。まぁ、クラリッサさんはまだ上の空のようだけど……。

 

 

「クラリッサさん」

 

「ふぇ!?なんだ!」

 

「それ、コーヒーじゃなくてコーラですよ?僕が頼んだ」

 

 

あまり確認せずに飲み物を取ってしまったらしい。コーラには既にミルクと砂糖が入れられてしまった。

 

 

「す、すまない!今、新しいのに……」

 

「いいですよ、そのままで」

 

 

僕はミルクと砂糖が入れられたコーラを飲む。

 

 

「うん、少しだけだったから甘さが増しただけです」

 

「本当にすまない……」

 

「クラリッサさん、今日は調子悪いんですか?映画の間も、ずっと上の空でしたし……やっぱり僕と映画は迷惑でしたか?」

 

「そんなことはない!これはその……」

 

 

もじもじと、言いずらそうにしている。

 

 

「……年甲斐もなく、緊張してしまったというか……」

 

「緊張?」

 

「その……今日のこれはまるっきりデートのようだし……私はこういうことは一度も経験がなくて。そんな私が将冴とデートなんてって思って」

 

「んー」

 

 

それで上の空だったと……まぁ、僕もデートなんてとは思っていたけど。

 

 

「それじゃあ、クラリッサさん。これからデートしましょう」

 

「え!?」

 

「さっきまでの映画とかは忘れて、これから本当にデート。いいですよね?」

 

「でも、私でいいのか?」

 

「クラリッサさんがいいんです。さ、早く食べ終わって遊びに行きましょう」

 

「……ああ!」

 

 

僕とクラリッサさんはハンバーガーにかぶりついた。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

クラリッサさんと買い物をしたり、ゲームセンターで遊んだりして気づいたら日も暮れかけていた。

 

 

「久しぶりこんなに遊んだ。将冴、楽しかったか?」

 

「うん、クラリッサさんと遊べてすごく楽しかった」

 

 

車椅子を押してもらいながら帰り道を歩いていた。

ドイツでこんなに遊んだのは、本当に初めてだった。

なんだかんだで、いろんな事が起きていたから。

 

 

「ドイツにいる間に、こんなに遊べるなんて思いませんでしたから。遊びに行くとなると、周りの手を借りなきゃいけないこともあるので」

 

「将冴……」

 

「ドイツを離れる前に、いっぱい遊べて良かったです」

 

 

クラリッサには、迷惑かけちゃったけど……

 

 

「……なぁ、将冴」

 

「なに?クラリッサさん」

 

「前に、私の嫁になれと言っただろう?」

 

「ああ、あの使い方間違えていた時の……あの時は本当にびっくりしました」

 

「その……あの時の言葉、訂正させてもらってもいいか?」

 

「訂正?」

 

 

クラリッサさんが車椅子を止めた。そして僕の前へ回り込む。

 

 

「クラリッサさん?」

 

「将冴、私を嫁にしてくれ」

 

「え……んむっ」

 

 

目の前にクラリッサさんの顔がある。

唇には二回目の感触……。

感触はすぐに離れ、赤い顔のクラリッサさんが僕の方を見つめている。

 

 

「私の気持ちだ」

 

「クラリッサさ……」

 

「何も言わないでくれ。……将冴はドイツから出て行ってしまう。その前に伝えたかったんだ。それだけ」

 

「……クラリッサさん……」

 

「あと、これも言っておこうと思っていたんだ。私にさん付けしないでくれ。クラリッサと、呼んでくれ」

 

 

そう言って、クラリッサさんはまた僕の車椅子を押し始めた。

 

 

「クラ……リッサ……」

 

 

僕の胸が、チクリと刺されたように痛んだ。




急展開すぎるかな?


いや、これでいい。少女漫画の知識を間違ってとらえたクラリッサならやりかねない……!


え?やらない?
んなバカな!?
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