今回から学園に入学。
原作を持っていないので、原作キャラの口調やセリフが曖昧です。大目に見てやってください。
体育館でISを動かしてから、どれくらい経っただろう。僕は今、政府の車に乗っている。
あの後すぐに政府の人が来て、保護された。まぁ、重要人保護プログラムも適用されてたから、当たり前の話だと思う。
で、政府の監視下で軽い軟禁状態だったわけで……。今日、ようやく外に出れた。IS学園の制服を着て。
そう、僕は藍越学園の推薦を白紙にされ、IS学園へ入学することになった。すぐに千冬さんから連絡が来たよ。
『こっちで準備は済ませておく。心配するな。一夏もいる』
と、お世話にならないようにしていたのに、また千冬さんのお世話になってしまうという……。なんとも悲しい現実。
まぁ、確かに男一人という事態にはならなかったけど……。
車が止まり、外側から扉が開けられた。スーツにサングラスをかけた政府の人が、無言で僕を抱えた車椅子に乗せてくれた。
「あ、ありがとうございます……」
「……」
返事なし。怖いな……。
改めて、周りを見ると大きくて新しい建物。ここがIS学園……。女の人しかいない、女子校同然の学校か……。
と、学園の方から見覚えのある誰かが歩いてくる。
スーツを着こなし、カツカツと歩いてくるその人は、何度もお世話になっている千冬さんだ。
「待っていたぞ、将冴。よく来た」
「また、お世話になります」
千冬さんは微笑み、政府の人に一言二言言葉を交わして、僕の車椅子を押してくれる。
「将冴、個別で話がある。入学式の方には出なくていいから、少し時間をくれ」
「はい、わかりました」
特殊なケースだし、仕方ないよね……。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
連れて来てもらったのは、生徒指導室。
扉を開けると、そこには緑のボブカットにメガネをかけた女の人がいた。
「紹介しよう。山田真耶先生だ。お前が入ることになる一年一組の副担任になる」
「は、はじめまして!」
緊張してるのかな?声が強張ってる。
「はじめまして。柳川将冴です。よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「ちなみに、担任は私だ。何かあれば、私か山田先生に伝えろ」
「はい、わかりました」
義肢があるとはいえ、本体は手足がない言わば身体障害者なんだ。ここに呼ばれたのも、そういう類の話だろう。
「それで、ここにお前を連れてきたのは今後の学生生活についての相談だ」
「やっぱりそういうことでしたか。まぁ、しょうがないですね」
「すまないな。この学園は障害者のための設備が整っていないからな。車椅子用のエレベーターなんかも設置していない」
「階段の件なら大丈夫です。短時間なら義肢をつけれますから」
「そうしてもらえると助かる。あとは……」
そのあと、トイレや食堂での話をした。女性しかいないため、職員用のトイレを使ってもらうことや、車椅子用の食事スペースを用意するといったことだ。
「最後に、寮のことだ。この学園は全寮制になっている」
「政府監視中にパンフで読みました。でも、当然……」
「ああ、男子寮があるわけじゃない。それに、世間的にはお前は障害者。それなりの対応が必要だ。お前も、介助が必要な時もあるだろう」
四肢を使えるのは、せいぜい50分程度。どうしても、両手か両足どちらかしか使えないことの方が多い。僕が車椅子を使っているのは、腕を使えたほうが便利だからだ。
「そこで、お前には山田先生と教員寮で相部屋してもらう」
「……へ?」
「学生寮を使うとなると生徒と相部屋になる。生徒に介助を頼むのは負担が多すぎる。だから、山田先生に頼んで相部屋になってもらった」
「ちょ、千冬さ「ここでは織斑先生だ」……織斑先生!生徒と教師が相部屋って問題が……それに、生徒と相部屋が無理なら一人部屋でも……」
「空き部屋が無くてな」
「山田先生とじゃなくても、ドイツみたいに織斑先生とでも……」
「私は寮監でな。生徒と住むのは示しがつかないし、部屋も1人用のでな。スペースがないんだ」
「うっ……」
まさか、初対面の女の人と住むことになるとは……。
「や、柳川君、私と相部屋はそんなに嫌ですか……?」
な、涙目でこっちを見ないでください……本当にこの人僕より年上なんですか!?
「い、嫌とかそういうわけじゃ……」
「言いたいこともわかるが、決定事項だ。それに、山田先生の好意を無為にするな」
「……わかりました。山田先生」
「ひゃい!?」
「これからお世話になります」
「は、はい!任せてください!なんでも頼ってくださいね!」
胸を張る山田先生。
その時、すごい何かが揺れた。何かって……胸が……。
「どうした、将冴。顔が赤いぞ」
「いえ、なんでも……」
「?そうか……っと、山田先生。そろそろ教室に行ってくれ」
「あ、もうそんな時間ですか。では、先に行っていますね」
山田先生が生徒指導室を出て行き、部屋には僕と織斑先生の2人だけになった。
「さて、将冴。束とは連絡を取ったか?」
まるでこの時を待っていたかのように、織斑先生が聞いてくる。
ドイツにいた時、織斑先生やクラリッサ、ラウラには普通のISは使えないことを伝えておいた。僕がここに入ることになったのは普通のISを動かしてしまったから。そのことで束さんと連絡を取ったのかを聞いているんだろう。
「はい。束さんは詳しくはわからないと言っていました。考えられる可能性は、ISのコアネットワークを通じて僕がISに乗れる人物だと共有したか、僕自身がISを持つことで体質が変わったかということ……らしいです」
「そうか……」
「ミクロ単位で解剖すれば何かわかるかも、とは言われました」
「断ったか?」
「当たり前です」
はぁ、と織斑先生がため息を吐く。束さんの親友だからこそ、いろいろと心配なんだ。
「まぁ、動かしてしまったものはしょうがない。今は、ここの生活に慣れることを優先しろ」
「わかりました」
「よし、それじゃ教室に行こう。少し遅くなったが、今は自己紹介中だろう」
「はは……自己紹介か……」
少しトラウマがあるんだよな……箒さんにはずっとからかわれたっけ。
「そうだ、忘れるところだった」
織斑先生が小さな紙を渡してくれる。紙には番号が書いてある。
「織斑先生。これは?」
「夜にでもかけてみろ。私からの入学祝いだ」
はて?
山田先生がわからねぇ!?
書けねぇぞ!?どういうことだ!
ふぅ、入学編。まだ続きます。