感想で、将冴の腕はどこから無くなっているのか?という質問をいただきまして、改めて読み直したところ描写がなかったので、3ページ目に加筆させていただきました。
作者の頭の中にはあるけど、文にで来ていないのは、物書きとしてまだまだ甘いということだとおもいます。今後はこのようなことがないように精進していきたいと思います。
こんな作者ですが、これからもよろしくお願いします。
では、本編どうぞ。
箒さんとセシリアさんと学食にいると、まだ早い時間だったようで、かなり空いていた。まぁ、僕にはあまり関係ないんだけどね。車椅子席があるから。
「将冴は何を食べる?取ってこよう」
「え、いいよ。自分で取りに行けるから」
「いいえ、将冴さんは先に席についていてくださいまし。さぁ、何が食べたいですの?」
「えっと……じゃあ、麻婆豆腐定食で」
二人はわかったと頷き、受け取り口の方へ行った。
なんだろうな、前から何かと助けてくれてたけど、今日はやけに過保護というか……。セシリアさんはともかく、中学で1年間一緒だった箒さんまでここまでになると、なんだかからかわれているのではないかと疑ってしまうなぁ……。
考えすぎかな。
「将冴、持ってきたぞ」
箒さんが自分の和風定食と僕の麻婆豆腐定食を器用に両手で持ってきた。流石は剣道日本一、力あるなぁ。女性に対して失礼だから声には出さないけど。
「ありがとう。箒さん」
麻婆豆腐定食を受け取ると、遅れてセシリアさんもきた。セシリアさんはパスタだ。てっきりナイフとフォークでお上品に食べるようなものを食べるかと思っていたけど、こういうのも食べるんだなぁ。
「将冴さん?どうかいたしましたか?」
じっと見すぎたようだ。
「いや、なんでもないよ」
「冷めないうちにいただこう」
「うん、いただきます」
静かに食事を始める。
ん、結構辛いな、この麻婆豆腐。でも絶妙な辛さ。これは当たりだ、美味しい。
「そういえば、将冴さん」
麻婆豆腐に舌鼓をうっていると、セシリアさんが話しかけてくる。
「今日の模擬戦で使っていた技……瞬時加速からの直角のターンは、私との試合では使わなかったですわよね?」
「そういえばそうだね。学校で使ったのは一夏が初めてかな」
意図してバーティカルターンを使わなかったんじゃないけどね。
「セシリアさんには悪いけど、あの時の試合では使う必要がなかったんだよね」
「それは私も理解しておりますわ。ミサイルはビームで撃墜が可能、私の近接装備であるインターセプターは展開に時間がかかってしまいます。使う場面は確かにありませんでしたわ」
近接攻撃が得意な人と戦うと、うまい具合に騙せるけど、セシリアさんのように遠距離特化の人には直線的な攻撃の方が効果的な部分があるからね。全部が全部そうじゃないけど。
「セシリアの目から見て、あの技はどうなんだ?私はあまりISには乗っていないから、感覚がわからないのだが」
「そうですわね……まず瞬時加速自体が高度なテクニックですわ。その名の通り、瞬時に爆発的な速度で移動するのですから。空気抵抗や圧力の関係で軌道を変えるのはほぼ不可能で、直線的な動きになりますわ」
「なるほど……その技を将冴は曲げた」
「ええ。普通ではあり得ないですわ。将冴さん、一体どういう原理であのような軌道ができますの?」
「ん〜……」
どういう原理か……まぁ、言ってもいいけど。
「わかんない」
「「……へ?」」
「開発者の人に説明してもらったにはもらったけど、最終的には『フィーリングだよ!』という一言で纏められてね。僕自身も、詳しい原理とかはわかってないから、フィーリングとしか言えないんだよね。機体の性能についても、企業所属だから詳しいことは言えないし」
「そ、そうですの……開発者の方は、なかなか個性的な方のようですね」
確かに個性的だね。色々な意味で。
「まぁ、将冴の技術の高さも一つのファクターなのだろう」
「そうですわね。油断していたとはいえ、あんなにあっさりやられるとは思いませんでしたわ……」
「あっさりじゃないよ。BT兵器にはこっちも度肝抜いたし」
「軽々と躱していましたわ……」
クロエさんのスピードに比べたら……ね?環境が違ったんだよ。
「それに、将冴さんは本気を出していない気がしますの」
「そうなのか、将冴?」
「ん〜、どうだろうね?あ、早く食べないと冷めちゃうよ」
強引に話を終わらせて、麻婆豆腐を口に運ぶ。うん、明日もこれ食べよう。
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食事を終え、寮が違う箒さんとセシリアさんと別れた。
見送ると言われたけど、大丈夫だと言って断った。
2人も、教員寮には入りたくないだろうし。
「そうだ、飲み物買っておこう」
寮に戻る途中で部屋に飲み物がないのを思い出した。売店はやってないから、自販機で買うかな。山田先生はアップルティーでいいかな?
自販機まで来ると、近くにあるベンチに誰かが座っている。あれは……
「鈴?」
「あ、将冴……」
酷く落ち込んでいる様子の鈴。
一夏と何かあったのかな?
「大丈夫?なんか元気ないけど」
「うん、大丈夫よ。心配しないで」
無理をしているようにしか見えない。
僕は自販機で缶のミルクティーを二つと紙パックのアップルティーを買い、ミルクティーを鈴に差し出した。
「飲む?」
「……うん、ありがと」
鈴はミルクティーを受け取るが、蓋を開けず手の中で転がしていた。
「……」
「一夏と何かあった?」
「何も言ってないのに、よくわかるわね」
「二人っきりにしたのは僕だし、この状況でわからないほど鈍感じゃない思ってるけど?」
「そうだったわね。将冴は妙に鋭いときあるから」
ミルクティーを転がす手を止め、恥ずかしそうに顔を伏せる鈴。
「1年前ね……私が中国に帰る時、一夏に告白したの」
うん、予想どおり。
「驚かないのね」
「知ってたから」
「本当に、変な時に鋭いわね……。まぁいいわ。一夏に『帰ってきたら、毎日酢豚作ってあげる』って告白したの。プロポーズめいた感じで。で、さっき一夏と話しててね、覚えてるか聞いたの」
「覚えていなかった?」
「ううん、覚えていたわよ。覚えていたけどね……一夏なんて言ったと思う?」
ああ、なんとなくわかった。
「「酢豚を毎日奢ってくれるって約束か?」」
僕と鈴の声が重なった。
一夏……君ってやつは……。
「信じられる!?こっちは真剣だったのに!」
「まぁ、それはわかるんだけどね……。味噌汁とか、シンプルなのでよかったんじゃないかな?」
「お味噌汁作れないし……」
「別に今すぐって意味じゃないんだから味噌汁でいいじゃないか……」
変なところ律儀だな、鈴。
「それに、鈴だって一夏が唐変木なのは知ってるでしょ?」
「うっ……」
「言い方にも、問題があったんじゃない?」
バツの悪そうな顔をする鈴。一夏が鈍感なのは今に始まったことじゃないし、それで何人の女子が泣いたかは、鈴だって知ってるはずだ。
まぁ、いいや。話の続き。
「で、一夏と喧嘩したと……」
「うん……」
はぁ、また面倒なことに。
鈴はどうしたらいいかわからないといった様子だし、一夏はなんで怒られているかも理解していないだろう。鈍感だから。一応、どうするのか聞いてみるかな。
「これからどうするの?」
「一夏が謝るまで口聞かない」
「子供じゃないんだから……」
「じゃあ、どうすればいいのよ!」
「素直に思いの丈をぶつける」
「無理!」
いや、無理って即答されても……これが一番手っ取り早いんだけど。あ、でも一夏に伝わるかは別だな。
「なら、一夏と勝負してみたら?」
「勝負?」
「うん、シンプルに勝った方は負けた方に一つなんでも言うことを聞かせることができる、とか。鈴が勝てば、一夏に謝らせるなり付き合わせるなりすればいい。一夏はどうせ飯奢れだのどうでもいいお願いしかしないから、丁度いいんじゃない?」
「な、なるほど……」
「勝負の内容は鈴が決めればいいよ。自分が勝てそうなのにすればいいよ」
そう言って、僕は車椅子で回れ右する。
「まぁ、どうするかの最終決定は鈴がしてね」
「うん、わかった」
「それじゃあね」
そのまま、寮に向けて車椅子を動かした。山田先生帰ってるかな?
あ、クラリッサは昼休みの時間かも。電話しようかな。
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私……鈴は将冴からもらったミルクティーの蓋を開け、一口飲んだ。
勝負か……。将冴も突飛なことを言うわね。
「はぁ、なんか1日で色々ありすぎたわ。部屋に戻って寝よう」
ミルクティーを流し込んで、自販機の横にあるゴミ箱に捨てたところで、ふと気になった。
「将冴……ミルクティーの他にアップルティーも買ってたけど、誰の分だろう……」
ISの機能とか、性能とか、テクニックとか……そういうのわからんです!←
一応調べはしました。間違っていたらすいません。バーチャロンはなんでもありな機体でいいよね?いいよね!?
すいません、なんでもありません。
そして、この段階で鈴は知らなかった。
将冴が数々の年上女性を落としていることに……