この小説を書き始めた当初は割愛してシャルやラウラと一緒に転入する予定でした。ドイツの代表候補生として。まぁ、いろいろと無理があったのでボツにしましたが。
まぁ、一夏と鈴の戦闘は将冴の視点になるので臨場感とかは期待しないでください。多分うまく書けません。
謎の電話から数日が経ち、クラス対抗戦当日。僕は観客席で1組のみんなと試合を見に来ている。
あの電話が本当なら、今日襲撃があるという……信じていいものかもわからないけど、あの電話の声には聞き覚えがある。
少し、気を張っていた方がいいかも。
「やなしー、どうしたの?なんか怖い顔してるよ?」
「え?ああ、大丈夫。ちょっと考え事をね」
隣に座っていた布仏さんが声をかけてくれる。
因みに僕の席は、観客席入り口のすぐ近く。車椅子用のスペースがあるわけじゃないので、観客席からはみ出ている。通る人の迷惑になりそうだ。
「何かあったらいつでも言ってね〜。トイレとかなら連れて行ってあげるから」
「自分で行けるから大丈夫だよ……」
義肢がない頃に千冬さんに介助してもらっていた時は、しょうがないと割り切っていたから。千冬さん年上だったし……。
しかし、同級生に連れて行ってもらうのは色々と問題がある。色々と。
「あ、おりむーとりんりん出てきたよ」
「うん。鈴のIS、初めて見るけど結構大きいね」
鈴のIS……確か『甲龍』だったかな。
手には両端に刃がついた青龍刀。目立った武装はそれだけだけど、肩のユニット……あれは……
考えているうちに、試合が始まった。先に仕掛けたのは一夏。雪片二型で斬りかかる。真っ直ぐ突っ込むバレバレの戦法だ。
鈴は青龍刀で受け止める。
「あれじゃ、受け止められてもしょうがないね」
「そうですわね」
「あ、セシリアさん」
後ろからセシリアさんが歩いてきた。
セシリアさんは、確か一夏のピットに……。
「ピットからだと、映像になってしまいますので。直接見に来ましたわ」
「そっか」
「セッシーがおりむーの特訓してたんだよね〜?あとしののんも?」
僕に断られた一夏は、セシリアさんと箒さんに頼ったようだね。まぁ、そうしろって言ったのは僕だった気がするけど。
「ええ、そうですわね。とは言っても、大して伸ばすことができなかった、というのが結論ですわ」
「一夏とセシリアさんはタイプが全然違うからね。せめて、同じ近接タイプならもう少し伸びたんじゃないかな」
「将冴さんが加わってくれれば良かったですのに……」
「生憎、僕は一夏も鈴も応援してるんだ。どっちかに肩入れはできないよ」
「そうですの……前から思っていましたけど、将冴さんは案外意地悪ですわね」
「いやー、それほどでも」
「褒めていませんわ!」
うん、知ってる。
「こほん……それで、将冴さんから見てどうです?」
一つ咳払いし、セシリアさんが聞いてくる。僕から見てか……
「今のままだと一夏が負けるね。鈴はまだ本気じゃないし、武装があの青龍刀だけとは思えない」
「私も同意見ですわ」
「二人とも、おりむーを応援してないの?」
「ううん、そういうわけじゃないよ。一夏には零落白夜がある。あれは相手のシールドエネルギーを大幅に削ることができるから、一夏がそれを鈴に当てることができれば……」
「一夏さんの勝ち、ですわね」
改めて一夏と鈴の試合に目を向ける。
二人とも近接武器での勝負を続けている。少し一夏が押してるように見える。武装の大きさの問題もあるけど、一夏が剣道の勘を取り戻しているのかもしれない。
ここで、鈴が一夏を青龍刀で弾き飛ばし距離を取る。
二人は何か話しているみたいだけど、プライベートチャンネルで話しているからこちらまで声が聞こえない。
「試合が動きますわ」
「うん……多分、鈴が仕掛ける」
鈴の肩のユニットが開く。やっぱりあれが鈴の隠し球。
そして、突然一夏の後ろの壁に衝撃が走る。今の、鈴の攻撃なのか?
そのあと、続けて一夏の地面が音を立てて割れていく。何が起こって……。
「あれは中国で開発された衝撃砲ですわ。IS用に配備されていたのですね……」
「衝撃砲?」
「空間に圧力をかけて見えない砲身を作って、その時に生まれた衝撃をそのまま撃ち出すんだよ〜。空間自体に砲身を作り出すから、どんな方向にでも砲身を作り出せるんだ〜」
「なるほど、360度好きな方向に撃ち出せるのは厄介だなぁ」
「将冴さん、華麗にスルーしていますけど、布仏さんが衝撃砲の説明をしたことに驚きませんの?」
「別に?布仏さんだって、この学校に来たってことはそれなりに勉強しているんでしょ?」
「こう見えてもISの知識には自信があるのだよ〜」
「そ、そうですの……」
セシリアさんが納得いかないといった顔をしているけど、まぁ気にしないでおこう。
さて、鈴が衝撃砲を使い始めて状況は変わったね。
一夏は後ろに回っても撃ち込まれる衝撃砲に戸惑っているようだ。掻いくぐることができても、鈴の青龍刀が待っている。さぁ、どうするつもりかな、一夏。
「将冴さん、一夏さんの動き……少し変わってきていませんか?」
「うん、衝撃砲に慣れてきたんだね。どこに撃ち込まれるかを予測している。多分、一撃決めるためにタイミングを計ってるね」
鈴がバカスカ衝撃砲を撃っていたから、予想以上に早く慣れてしまったんだ。
その時、一夏が動いた。衝撃砲をギリギリで躱し、鈴に突っ込む。だけど、このままじゃ青龍刀で受けられる。
しかし、ここで予想外のことが起きる。
一夏が急激に加速を始めたのだ。あれは……
「瞬時加速?」
「この短期間で習得したのですか!?」
「みたいだね」
完全に鈴は出遅れている。雪片二型の刀身が光り輝く。零落白夜。一夏の奥の手だ。
瞬時加速で一気に距離を詰めた一夏が剣を振りおろし勝負が決着……する時だった。
ドォン!
「なに!?」
「爆発?」
「一体何が起こっていますの!?」
突然、一夏と鈴が戦っていた場所が土煙をあげる。よく見ると、アリーナの天井に大きな穴が開いている。
これって、まさか……
土煙が晴れる。そこにいたのは黒い、ISほどの大きさの球体であり、緑のラインと、横一列にならんだ穴。そして極め付けは、球体のてっぺん。
「あれはV.コンバータ?」
とりあえずここで終了。
バーチャロンマーズをやっていた人はわかると思います。球体の正体。
次回、将冴が大暴れ