クラス対抗戦決着。
が、頑張ります……
頭に強い衝撃。ISの絶対防御で守られてるとはいえ、衝撃までは無くしてくれない。
「があぁぁ!?」
意識を手放しそうになるけど……踏ん張る。
視界が赤い……血が出てるのか。頭の装甲も割れて、右半分が無くなっている。
「将冴!大丈夫!?」
鈴が駆け寄ってくる。一夏は球体と応戦している。
あぁ……頭がガンガンする。
「大丈夫……ちょっと当たっただけ」
「ちょっとどころじゃないわよ!頭から血が出てるじゃないの!?装甲だって、割れて……」
「シールドエネルギーはまだ残ってる。戦えるよ。」
とは言っても、もう無茶できない。あと1発も耐えれない。
さっきの声や、V.コンバータのことが気になるけど……そうも言ってられない。
あの球体を倒さなきゃ。
「鈴、頼みがあるんだ」
「頼み?」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
「このぉ!」
球体に接近したいのに、球体のビームが邪魔で近づけない!あいつに零落白夜をぶつけれれば倒せるはずだ。
みんなを危険に晒して、将冴に怪我をさせたこいつは!
「くそっ、くそっ!なんで近づけないんだ!隙はないのか!」
全方位に撃ってくるビームを掻い潜って、奴に……
「一夏!」
「鈴、将冴は!」
「話は後!球体の意識を将冴の方に向かせないで!」
「な、なんでだ?将冴に何か……」
将冴の方を見たら……違うISをつけてる!?
なんかゴツいぞ!?
「お、おい!将冴、二つもIS持ってるのか!?」
「後で説明するっていってんでしょ!私だってわけわかんないのよ!」
「わ、わかった!」
「3分よ、3分もたせて!」
3分って、結構つらいぞ!
でも、それでどうにかなるなら……。
「やってやる!」
「喋る前に突っ込みなさいよ!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
「3分、時間を作って欲しいんだ」
「3分って……あんた、何するつもりなの?」
「あれを倒す」
一夏の零落白夜は近づかないと意味がない。鈴の衝撃砲はエネルギーが少ないから、あいつを仕留めるほどの威力を出せない。
じゃあ、どうするか。
遠距離から超火力で消し飛ばすしかない。
僕には、ちょうど良い装備がある。
「どうやって倒すのよ!?」
「こうやってだよ……『ライデン』」
ISを粒子化、再構成する。頭の装甲は直んないみたいだ。左半分しかない。
「な、な、あんた!二つもIS持ってんの!?」
「あ〜、同じISなんだけど、説明してる時間ないから終わってからね」
「ちょっ、そういうわけには……」
「鈴」
「わ、わかったわよ……3分ね?」
頷いて肯定する。
ライデンのバイナリー・ロータスに、バーチャロンのエネルギーを全てつぎ込めば、一撃で倒すことができるはずだ。
鈴は一夏に加勢しに行く。
さぁ、僕は……
「エネルギー充填開始……全てを武装に……」
視界の端に、チャージの状況がパーセンテージで現れる。
1%……2%……
一夏と鈴は……なんとか引きつけてくれている。
早く……早く。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
「織斑先生!生徒の避難、完了しました!」
「わかった。山田先生も避難を」
「はい。織斑先生は?」
山田先生に聞かれる。
私は戦闘中の競技場に目を向ける。
「彼らを、見ていなければいけない。私が、彼らを送り出したのだから……」
「織斑先生……」
すぐ横に山田先生が並んだ。
避難しないのか?
「私も、一緒に見守ります」
「山田先生は避難を」
「いいえ、私も教師ですから!」
山田先生……貴方という人は……。
「どうなっても知らないからな」
「はい!」
しかし……戦況はいいとは言えない。一夏と凰は試合でエネルギーを消耗。将冴も、相手の攻撃をまともに受けてしまった。
遠目で確かではないが、将冴は怪我をしているようだ……。大丈夫だろうか。大事に至っては……。
「織斑先生、将冴君のISが!」
「あれは……ライデン?」
そうか、あれの超火力で敵を倒すというのだな。
「将冴君、大丈夫でしょうか?」
「信じましょう。それしかできません。……山田先生、いつの間に将冴を下の名前で?」
「織斑先生も、ずっと下の名前で呼んでましたよ?」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
95%……あと少しだ。
「きゃあ!」
「うわぁ!?」
一夏と鈴の声!?
「一夏!鈴!」
二人とも倒れてる。もう限界か……!
「将冴……まだなの……」
「あと少し……3%……」
2……1……100%!
「終わった!一夏、鈴離れて!」
二人が離れるのを確認し、両肩のパーツを展開する。
「バイナリー・ロータス、フルチャージ!」
「決めろ、将冴!」
「行きなさい!将冴!」
「いっけぇ!」
閃光が走り、音がかき消える。
放たれた光は球体を包み込み、視界が真っ白になる。
《……ミツ、ケ……タ……》
あの声が聞こえた瞬間、僕は意識を失った。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
「う、ん……」
痛つ……目が覚めた瞬間に、頭痛が……外側も内側も痛い。頭怪我してたしなぁ……内側の痛みは、義手が折れ曲がった時の痛みで許容範囲を超えたかな。
とてもじゃないけど、起き上がれないや。ここは……医務室かな。初めて来たな。白いカーテンに囲まれてる。
その時、シャッとカーテンが開かれた。
「将冴!気がついたのか!」
「あんた、大丈夫!?」
「無事でよかったですわ、将冴さん」
「怪我の方は大丈夫か?」
一夏、鈴、セシリアさん、箒さんの順に声をかけられる。
頭に響くから、あまり大声を出さないで欲しいなぁ……。
「あはは……」
「あはは、じゃないわよ!あんた、本当に心配したんだからね!」
「そりゃ悪いことを……って、あの球体は?どうなったの?」
あれについて、詳しく聞かないと。倒した……とは思うけど、あれについて何か……ていうか、あの球体に人とか乗ってたのかな!?なんも気にしないでぶっ放しちゃったけど……。
「将冴の攻撃で、バラバラになった。今、千冬姉や教員の人達が調べてる」
「そっか……」
「現時点でわかっていることは、あの球体は無人だったってことですわ。それ以外は、私たちにも説明はありませんでしたわ」
よかった、誰かを傷つけてしまうことはなかった……。
「とりあえず、みんなが無事でよかったよ」
「で、将冴。説明してもらえる?あんたのISについて」
「あぁ〜……」
そういえば、そんなことを戦闘中に……。
「あとじゃダメかな?」
「今説明しなさい「スパァン!」ったぁ!?」
鋭い音が響き、鈴が頭を抑える。
鈴の後ろには、何故か出席簿を持った織斑先生がいた。
「怪我人に無理をさせるな」
「織斑先生……」
「今から将冴と話がある。お前達は部屋に戻れ」
織斑先生に逆らう者はおらず、一夏達はすごすごと医務室を出て行った。
どんだけ織斑先生のこと怖いんだよ。
「さて、将冴」
「はい?……むぐ!?」
織斑先生に抱きかかえられた?え?何がどうなっているの?
「無茶をして……心配させるな」
「す、すいません……無我夢中で」
「もう無茶するな。お前の両親に顔向けできない」
「はい……」
数分ほど、その状態のままだったけど、すぐに戻される。
「こほんっ……すまない、少し取り乱した」
今のが取り乱した……?
「で、お前に話というのは……」
織斑先生は、何かの破片を見せてくれる。これは……
「あの球体の残骸から出たものだ。おそらく、お前のISについている……」
「V.コンバータ……」
「ああ。何か、心当たりはあるか?」
「いえ……V.コンバータのことを知っているのは束さんですが、束さんがあんなのを作るとは思えません。それに……」
あの電話。あの時はわからなかったけど、あの声は……。
「どうかしたか?」
「……なんでもありません」
「そうか……一応、私の方で束に聞いてみる」
「お願いします。あ、ついででいいんですけど、束さんに伝言頼めますか?」
「ああ、いいぞ」
「じゃあ、義手の修理を頼みたいと伝えてください。壊れちゃって」
「なっ、大丈夫なのか?どうして……」
「避難する人たちに巻き込まれて……」
いやぁ、逃げる暇も義足つける暇もなかったなぁ。
あと、腕折れたらあんな感じなのかな?
「っ……そうか。すまない、私がしっかり避難誘導していれば……」
「織斑先生が謝ることじゃありません。僕がちんたらしていたからです」
「しかし……」
「織斑先生は僕の無茶を聞いてくれました。それだけで十分です。ありがとうございます」
頭を下げて、お礼を言う。
本当に、織斑先生に無茶を言ってしまったと、今更になって思う。
「……将冴」
「はい?」
「もう、お前に無茶はさせない。私がお前を守る」
「織斑先生……」
「……疲れたろう。少し休め。束には、私が伝えておく」
そう言って、織斑先生は僕の頭を撫でて、医務室を出て行った。
「妙に優しかったな……織斑先生」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
『……もしもし、束か?』
「おー!ちーちゃんじゃないか!何々?どうしたのー?」
『わざとらしいな……もうわかっているんだろう?』
「まぁねー。結論から言ってしまうと……私が作ったものじゃないよー」
『そうか……将冴の言った通り……』
「束さんも調査しておくよー」
『ああ、頼む。それと、将冴の義手なんだが……』
「わかってるよー。取りに行くねー」
『……助かる。もう切るぞ』
「はいはーい!まったねー」
ブツッと通話がきれる。言うだけ言って、すぐきっちゃうんだから。もう、ちーちゃんのイケズ!
さてと……
「くーちゃん!お使いお願い!」
「はい、束様。委細承知いたしました」
さっすが、私の娘さんだね!
あとは、亡国の三人に連絡かなぁ……進捗状況を聞かないと。まぁ、そんなにいい情報が手に入るとは思えないけどー。
「私のしょーくんに手を出したこと……許さないから」
束さんを怒らせたこと、後悔するんだね。『ダイモン』
やっと1巻分が終わったのかな?
あれ、1巻はどこまでだっけ?
忘れちった。テヘペロ。
次回から二人の転入生編。
やっとくるぜ、フランスとドイツ。