IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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とうとう50話です。そしてUAが10万を突破しました!めちゃくちゃ嬉しかったです。これからもよろしくお願いします。

クラス対抗戦決着。
が、頑張ります……


50話

頭に強い衝撃。ISの絶対防御で守られてるとはいえ、衝撃までは無くしてくれない。

 

 

「があぁぁ!?」

 

 

意識を手放しそうになるけど……踏ん張る。

視界が赤い……血が出てるのか。頭の装甲も割れて、右半分が無くなっている。

 

 

「将冴!大丈夫!?」

 

 

鈴が駆け寄ってくる。一夏は球体と応戦している。

あぁ……頭がガンガンする。

 

 

「大丈夫……ちょっと当たっただけ」

 

「ちょっとどころじゃないわよ!頭から血が出てるじゃないの!?装甲だって、割れて……」

 

「シールドエネルギーはまだ残ってる。戦えるよ。」

 

 

とは言っても、もう無茶できない。あと1発も耐えれない。

さっきの声や、V.コンバータのことが気になるけど……そうも言ってられない。

 

あの球体を倒さなきゃ。

 

 

「鈴、頼みがあるんだ」

 

「頼み?」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

「このぉ!」

 

 

球体に接近したいのに、球体のビームが邪魔で近づけない!あいつに零落白夜をぶつけれれば倒せるはずだ。

 

みんなを危険に晒して、将冴に怪我をさせたこいつは!

 

 

「くそっ、くそっ!なんで近づけないんだ!隙はないのか!」

 

 

全方位に撃ってくるビームを掻い潜って、奴に……

 

 

「一夏!」

 

「鈴、将冴は!」

 

「話は後!球体の意識を将冴の方に向かせないで!」

 

「な、なんでだ?将冴に何か……」

 

 

将冴の方を見たら……違うISをつけてる!?

なんかゴツいぞ!?

 

 

「お、おい!将冴、二つもIS持ってるのか!?」

 

「後で説明するっていってんでしょ!私だってわけわかんないのよ!」

 

「わ、わかった!」

 

「3分よ、3分もたせて!」

 

 

3分って、結構つらいぞ!

でも、それでどうにかなるなら……。

 

 

「やってやる!」

 

「喋る前に突っ込みなさいよ!」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

「3分、時間を作って欲しいんだ」

 

「3分って……あんた、何するつもりなの?」

 

「あれを倒す」

 

 

一夏の零落白夜は近づかないと意味がない。鈴の衝撃砲はエネルギーが少ないから、あいつを仕留めるほどの威力を出せない。

 

じゃあ、どうするか。

遠距離から超火力で消し飛ばすしかない。

 

僕には、ちょうど良い装備がある。

 

 

「どうやって倒すのよ!?」

 

「こうやってだよ……『ライデン』」

 

 

ISを粒子化、再構成する。頭の装甲は直んないみたいだ。左半分しかない。

 

 

「な、な、あんた!二つもIS持ってんの!?」

 

「あ〜、同じISなんだけど、説明してる時間ないから終わってからね」

 

「ちょっ、そういうわけには……」

 

「鈴」

 

「わ、わかったわよ……3分ね?」

 

 

頷いて肯定する。

ライデンのバイナリー・ロータスに、バーチャロンのエネルギーを全てつぎ込めば、一撃で倒すことができるはずだ。

 

鈴は一夏に加勢しに行く。

さぁ、僕は……

 

 

「エネルギー充填開始……全てを武装に……」

 

 

視界の端に、チャージの状況がパーセンテージで現れる。

 

1%……2%……

 

一夏と鈴は……なんとか引きつけてくれている。

早く……早く。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

「織斑先生!生徒の避難、完了しました!」

 

「わかった。山田先生も避難を」

 

「はい。織斑先生は?」

 

 

山田先生に聞かれる。

私は戦闘中の競技場に目を向ける。

 

 

「彼らを、見ていなければいけない。私が、彼らを送り出したのだから……」

 

「織斑先生……」

 

 

すぐ横に山田先生が並んだ。

避難しないのか?

 

 

「私も、一緒に見守ります」

 

「山田先生は避難を」

 

「いいえ、私も教師ですから!」

 

 

山田先生……貴方という人は……。

 

 

「どうなっても知らないからな」

 

「はい!」

 

 

しかし……戦況はいいとは言えない。一夏と凰は試合でエネルギーを消耗。将冴も、相手の攻撃をまともに受けてしまった。

 

遠目で確かではないが、将冴は怪我をしているようだ……。大丈夫だろうか。大事に至っては……。

 

 

「織斑先生、将冴君のISが!」

 

「あれは……ライデン?」

 

 

そうか、あれの超火力で敵を倒すというのだな。

 

 

「将冴君、大丈夫でしょうか?」

 

「信じましょう。それしかできません。……山田先生、いつの間に将冴を下の名前で?」

 

「織斑先生も、ずっと下の名前で呼んでましたよ?」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

95%……あと少しだ。

 

 

「きゃあ!」

「うわぁ!?」

 

 

一夏と鈴の声!?

 

 

「一夏!鈴!」

 

 

二人とも倒れてる。もう限界か……!

 

 

「将冴……まだなの……」

 

「あと少し……3%……」

 

 

2……1……100%!

 

 

「終わった!一夏、鈴離れて!」

 

 

二人が離れるのを確認し、両肩のパーツを展開する。

 

 

「バイナリー・ロータス、フルチャージ!」

 

「決めろ、将冴!」

 

「行きなさい!将冴!」

 

「いっけぇ!」

 

 

閃光が走り、音がかき消える。

 

放たれた光は球体を包み込み、視界が真っ白になる。

 

 

《……ミツ、ケ……タ……》

 

 

あの声が聞こえた瞬間、僕は意識を失った。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

「う、ん……」

 

 

痛つ……目が覚めた瞬間に、頭痛が……外側も内側も痛い。頭怪我してたしなぁ……内側の痛みは、義手が折れ曲がった時の痛みで許容範囲を超えたかな。

 

とてもじゃないけど、起き上がれないや。ここは……医務室かな。初めて来たな。白いカーテンに囲まれてる。

 

その時、シャッとカーテンが開かれた。

 

 

「将冴!気がついたのか!」

 

「あんた、大丈夫!?」

 

「無事でよかったですわ、将冴さん」

 

「怪我の方は大丈夫か?」

 

 

一夏、鈴、セシリアさん、箒さんの順に声をかけられる。

頭に響くから、あまり大声を出さないで欲しいなぁ……。

 

 

「あはは……」

 

「あはは、じゃないわよ!あんた、本当に心配したんだからね!」

 

「そりゃ悪いことを……って、あの球体は?どうなったの?」

 

 

あれについて、詳しく聞かないと。倒した……とは思うけど、あれについて何か……ていうか、あの球体に人とか乗ってたのかな!?なんも気にしないでぶっ放しちゃったけど……。

 

 

「将冴の攻撃で、バラバラになった。今、千冬姉や教員の人達が調べてる」

 

「そっか……」

 

「現時点でわかっていることは、あの球体は無人だったってことですわ。それ以外は、私たちにも説明はありませんでしたわ」

 

 

よかった、誰かを傷つけてしまうことはなかった……。

 

 

「とりあえず、みんなが無事でよかったよ」

 

「で、将冴。説明してもらえる?あんたのISについて」

 

「あぁ〜……」

 

 

そういえば、そんなことを戦闘中に……。

 

 

「あとじゃダメかな?」

 

「今説明しなさい「スパァン!」ったぁ!?」

 

 

鋭い音が響き、鈴が頭を抑える。

鈴の後ろには、何故か出席簿を持った織斑先生がいた。

 

 

「怪我人に無理をさせるな」

 

「織斑先生……」

 

「今から将冴と話がある。お前達は部屋に戻れ」

 

 

織斑先生に逆らう者はおらず、一夏達はすごすごと医務室を出て行った。

 

どんだけ織斑先生のこと怖いんだよ。

 

 

「さて、将冴」

 

「はい?……むぐ!?」

 

 

織斑先生に抱きかかえられた?え?何がどうなっているの?

 

 

「無茶をして……心配させるな」

 

「す、すいません……無我夢中で」

 

「もう無茶するな。お前の両親に顔向けできない」

 

「はい……」

 

 

数分ほど、その状態のままだったけど、すぐに戻される。

 

 

「こほんっ……すまない、少し取り乱した」

 

 

今のが取り乱した……?

 

 

「で、お前に話というのは……」

 

 

織斑先生は、何かの破片を見せてくれる。これは……

 

 

「あの球体の残骸から出たものだ。おそらく、お前のISについている……」

 

「V.コンバータ……」

 

「ああ。何か、心当たりはあるか?」

 

「いえ……V.コンバータのことを知っているのは束さんですが、束さんがあんなのを作るとは思えません。それに……」

 

 

あの電話。あの時はわからなかったけど、あの声は……。

 

 

「どうかしたか?」

 

「……なんでもありません」

 

「そうか……一応、私の方で束に聞いてみる」

 

「お願いします。あ、ついででいいんですけど、束さんに伝言頼めますか?」

 

「ああ、いいぞ」

 

「じゃあ、義手の修理を頼みたいと伝えてください。壊れちゃって」

 

「なっ、大丈夫なのか?どうして……」

 

「避難する人たちに巻き込まれて……」

 

 

いやぁ、逃げる暇も義足つける暇もなかったなぁ。

あと、腕折れたらあんな感じなのかな?

 

 

「っ……そうか。すまない、私がしっかり避難誘導していれば……」

 

「織斑先生が謝ることじゃありません。僕がちんたらしていたからです」

 

「しかし……」

 

「織斑先生は僕の無茶を聞いてくれました。それだけで十分です。ありがとうございます」

 

 

頭を下げて、お礼を言う。

本当に、織斑先生に無茶を言ってしまったと、今更になって思う。

 

 

「……将冴」

 

「はい?」

 

「もう、お前に無茶はさせない。私がお前を守る」

 

「織斑先生……」

 

「……疲れたろう。少し休め。束には、私が伝えておく」

 

 

そう言って、織斑先生は僕の頭を撫でて、医務室を出て行った。

 

 

「妙に優しかったな……織斑先生」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

『……もしもし、束か?』

 

「おー!ちーちゃんじゃないか!何々?どうしたのー?」

 

『わざとらしいな……もうわかっているんだろう?』

 

「まぁねー。結論から言ってしまうと……私が作ったものじゃないよー」

 

『そうか……将冴の言った通り……』

 

「束さんも調査しておくよー」

 

『ああ、頼む。それと、将冴の義手なんだが……』

 

「わかってるよー。取りに行くねー」

 

『……助かる。もう切るぞ』

 

「はいはーい!まったねー」

 

 

ブツッと通話がきれる。言うだけ言って、すぐきっちゃうんだから。もう、ちーちゃんのイケズ!

 

さてと……

 

 

「くーちゃん!お使いお願い!」

 

「はい、束様。委細承知いたしました」

 

 

さっすが、私の娘さんだね!

あとは、亡国の三人に連絡かなぁ……進捗状況を聞かないと。まぁ、そんなにいい情報が手に入るとは思えないけどー。

 

 

「私のしょーくんに手を出したこと……許さないから」

 

 

束さんを怒らせたこと、後悔するんだね。『ダイモン』




やっと1巻分が終わったのかな?
あれ、1巻はどこまでだっけ?

忘れちった。テヘペロ。

次回から二人の転入生編。
やっとくるぜ、フランスとドイツ。
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