IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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続きです。忘れていたわけではありません。決して。
そう、彼女たちは特別な存在なのだから……。

すいません、ガチで忘れてただけです。なんでもしますから許してください。

バレンタインの次の日ということで書いていきます。
2人は忙しかったから当日に会えなかったんだよ。


続・バレンタイン特別番外編:大天災と娘のバレンタイン

 

目が覚めて、昨日もらった大量のチョコを朝ごはんにして、胃に詰め込んだ。クラリッサにも手伝ってもらった。途中で山田先生のクッキーでワンクッション置きながら食べると結構たべれるものだ。さすが山田先生。

 

 

「うぅ、胃がムカムカするな……」

 

「今日はお休みだし、ゆっくりしたらいいんじゃないかな。僕は出かけるけど」

 

「どこに行くんだ?」

 

「束さんに会いに行くんだ。なんか、来てくれないと義手をコンニャクにするぞ〜とか言われちゃって」

 

「地味だけどものすごく困るな、それ」

 

「まぁ、そんなわけで着替えるから、こっち見ないでね」

 

「何を今更、一緒に風呂に入った中ではないか。私も手伝おう。……久しぶりに、腹筋を見たいしな」

 

 

最後の方聞こえなかったけど、なぜか僕のお腹がピクッとしたよ。

 

ひん剥かれました。

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

電車とバスを乗り継ぎ、とある村についてから徒歩30分。僕の場合は徒歩ではないけど。

 

この辺境に、束さんのラボがあるらしい。

因みに月一でラボの場所が変わる。場所は束さんの気分次第だそうだ。

 

 

「えぇっと、ここかな」

 

 

そこにあったのは、随分とメカメカしい兎耳がついたマンホール。

あぁ……これだな。

 

マンホールを開けると、随分と改良されているようだ。エレベータみたいになってる。

 

車椅子だと入れないので義足をつけて、いざ地下へ……と意気込んで乗ってみると、気づいたらラボにいた。え、ワープ装置?

 

 

「あ、しょーくぅん!」

 

「もがふ!?」

 

 

僕の頭ががっちりもっちりホールドされる。ラボに来たばかりの頃に毎日抱きつかれていたことを思い出す。

 

 

「ムフフ〜、久し振りだねぇ。しょーくんてばいつまでたっても会いに来てくれないんだもん、束さん寂しんぼだったんだぞ〜」

 

「すいません、色々と忙しくて」

 

「ふーん、まいっか!くーちゃん、しょーくんの義肢外して、部屋に連れて行ってあげて」

 

「かしこまりました、束様」

 

 

クロエさんがポポポンと僕の義肢を外してしまう。ちょっ、いきなり外さないで。というか、なんで外すの?

 

 

「じゃあ、パパッとメンテしてくるねぇ〜。はい、くーちゃん抱っこしてあげて」

 

 

束さんは義肢を持って行ってしまった。今、僕はクロエさんに抱っこされている。う、顔が近い……

 

 

「あら、将冴様。また筋肉がつきましたか?」

 

「え?そうかな……」

 

「ふふ、立派でございます」

 

 

さわさわとお腹をなでられる。朝にクラリッサが撫で回したばっかりなんだ、やめてください!

 

 

「おっと、こんなことをしている場じゃありませんね。今お部屋へ」

 

 

抱っこされたまま、前に僕が使っていた部屋に連れてこられ、ベッドに寝かされる。

今日メンテなんて聞いてないんだけどなぁ。

 

 

「将冴様、これを」

 

 

そう言ってクロエさんが差し出してきたのは、お皿に綺麗に並べられたチョコレート。

 

 

「1日遅れですが、バレンタインのチョコレートです。束様以外で渡すのは初めてで、お口に合うかわかりませんが……はい、あーん」

 

 

う、チョコレートは正直勘弁願いたいのだけれど……せっかく作ってくれたんだ。

 

 

「あーむっ……あ、美味しい。甘さもくどくなくて、あっさりしているというか」

 

「塩チョコレートです。将冴様のことですから、学園でたくさんチョコレートをもらっていると思いましたので」

 

「うわぁ、わざわざありがとうございます!すっごく美味しいです!」

 

「ふふ、もう一つ食べますか?」

 

「はい」

 

 

もう一つ塩チョコレートを食べさせてもらった時、部屋の扉が開いて束さんが入ってくる。

 

 

「あ、もう食べてる〜!くーちゃん私にも!」

 

「ちゃんと束様の分もあります。はい、口を開けてください」

 

「あーん!んー、やっぱりくーちゃんの作るお菓子は美味しいね!さすが私の娘だよ」

 

「ありがとうございます」

 

 

甘さでムカムカしていた胃も、大分良くなってきた。

塩チョコレート様々というところかな。

 

 

「む、しょーくん口にチョコレートついてるよ」

 

「え、どこに……」

 

「私が取ってあげるよー。んっ」

 

 

唇に柔らかい感触……目の前に束さんの顔。クラリッサにキスされた時と同じ光景だけど、唇の感触は違う。

 

 

「んー……むっ。はい取れたよ」

 

「た、束さん……今……」

 

「ムフフ〜、チューしちゃったね。束さんの初キッスだぞ☆」

 

 

なんということだろう……

 

 

「あ、くーちゃんもしちゃいなよ、チューって」

 

「た、束様!?わ、私は……」

 

「いいからいいから、はい、チュー!」

 

 

束さんがクロエさんの頭を抑えて、無理やり僕とキスさせる。

 

 

「む……ぷはっ!」

 

「……僕、動けないのに……」

 

「くーちゃん、どうだった?」

 

「えっと……甘かった……です……」

 

 

頬を赤らめて、そう呟くクロエさん。

僕はもう頭が痛いです……。

 

 

「将冴様、もう一度いいでしょうか?」

 

「ちょっと落ち着いて!?」

 




……これで許してもらえるとは思っていませんが、楽しんでいただけたでしょうか?

次回、今度こそフランスとドイツ。乞うご期待。


……板チョコ買ってきたんだけど、間違えて塩チョコレート買ってきちゃったかな……しょっぱいぜ……。
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