IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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番外編最後。

本編の方も、読者の方からアドバイスいただいたので、なんとか形にできそうです。
本当に、読者の方々に助けていただいてます。ありがとうございます。


番外編:なんやかんやあって卒業してクラリッサと結婚しました。その3

結婚式場である講堂までの道。千冬さんから段取りを伝えられる。まぁ、一般的な結婚式と変わらない。

 

 

「式の時は義足をつけるのか?」

 

「はい。こういう時くらいカッコつけたいです」

 

 

足があるんだから、自分で立たなきゃ。今までクラリッサに支えてもらった分、僕がクラリッサを支えるんだ。

 

 

「そうか……思えば、この数年はお前のことばかり考えていた」

 

「千冬さん?」

 

「ドイツで一緒に暮らした。一年空いたが、IS学園でも一緒に過ごせた。いつも心配していた。だけど、将冴は強かった。泣き言は言わず、ハンデを背負っても強く生きていた」

 

 

車椅子が止まる。

振り返り千冬さんを見ると、嬉しそうな表情で目を潤ませていた。

 

 

「もう、こうやってお前の車椅子を押すことはないのかもしれないな」

 

「……」

 

「結婚、おめでとう。先を越されてしまったな」

 

「ここまで来れたのは千冬さんがいてくれたからです。千冬さんがいなかったら、こうはなりませんでした。本当にありがとうございます」

 

 

千冬さんは一筋涙をこぼし、すぐに指で拭った。

 

 

「お前は、私の家族だ。これからもな」

 

「はい、千冬さん」

 

「さ、早く講堂に行こう。みんな待ってる」

 

 

再び車椅子を押してくれる。

お互い、アリーナに着くまで何も話さなかった。

 

 

 

講堂に着くと、本当の教会のように装飾されていた。

両サイドに椅子が並べられ、みんな座っている。山田先生は司会のようで、前の方で立っている。

一夏、箒、セシリア、鈴、シャル、ラウラ、簪、同級生の皆、涙目の楯無さん、虚さん、スコールさん、オータムさん、マドカ、ナターシャさん……シュバルツェ・ハーゼのみんなもリョーボさんもいる。

 

 

「緊張しているか?」

 

「いえ、こんなに知り合いがいるのに、緊張なんてできませんよ」

 

「そうか」

 

 

僕は義足をつけて立ち上がり、椅子の間を歩く。みんなが僕の事を見て笑いかけてくれる。

 

みんなの前まで来たら、あとは待つだけだ……。

 

 

「新婦の入場です」

 

 

山田先生の言葉と同時に、講堂の扉が開く。

 

真っ白な、純白のドレスをきた愛しい人……クラリッサがそこにいた。

一歩ずつ、歩いてくる。

 

 

「クラリッサ……綺麗だよ」

 

「将冴……」

 

 

僕の前まで着いたクラリッサを見ると、もう言葉にしていた。

 

クラリッサと腕を組む。なんだか、さっきまで緊張してなかったのに、一気に緊張してきた。

 

さっき聞いた段取りでは、ここで神父が……。

 

 

「やっほーい!本日の司祭様は、束さんだよーん!」

 

 

どこからともなく、大天災が現れた。

会場が唖然としている。

 

 

「た、束さん!?」

 

「後でとっちめる……」

 

 

殺気を含んだ千冬さんの声が聞こえた気がした。

 

 

「はいはい、みんな度肝抜かれてるところ悪いんだけどぉ、早速始めちゃうよ!もうめんどくさいのは飛ばしちゃうから!」

 

「し、篠ノ之博士!?あまり勝手なことは……」

 

「うるさいよ、無駄乳星人!ではでは、まずは誓いの言葉を……くらちゃんはしょーくんの事を愛してますかぁ?」

 

 

やりたい放題とはこのこと……僕はもうどうでもよくなってきたよ……。

 

 

「えっ、あ、はい!愛しています!」

 

 

突然のことで処理しきれていないようだったクラリッサ。

かなり段取りと違うから、戸惑うのは当然だ。

 

 

「しょーくん。しょーくんはくらちゃんと私のことを愛していますか?」

 

 

この司祭ダメだ。

 

 

「僕は、クラリッサを愛しています」

 

「むぅ、振られちゃった……」

 

 

むくれてないで、続きをしてくれないかな。

 

 

「では、指輪の交換でーす」

 

 

やる気を感じない声で言われた。束さん、やるなら最後までしっかりやろうよ。

 

と、指輪を持ってきてくれたのはクロエさんだった。まぁ、束さんが来ていたら、クロエさんも来ているだろう。

 

 

「どうぞ、将冴様、クラリッサ様」

 

「ありがとう、クロエさん」

 

 

クロエさんから指輪を受け取り、クラリッサの左手の薬指にはめる。

 

 

「なんだかめちゃくちゃだね。結婚式」

 

「そうだな。でも、これもなかなかいいものだ」

 

 

クラリッサもクロエさんから指輪を受け取り、僕の指にはめてくれる。

 

 

「はい、では次はメインイベント!誓いのキッスです!」

 

 

指輪をはめた余韻すらも与えない束さん。これは色々とどうなんだ?

 

とりあえず、言われた通りにしよう。

クラリッサのヴェールをあげる。

 

綺麗に化粧をしているクラリッサ。

でも、少し顔が赤いのがわかる。

 

 

「緊張するね」

 

「いつもしているではないか」

 

「でも、こういう場だとさ……」

 

「確かに……少し照れくさいな」

 

「愛してるよ、クラリッサ」

 

「私も、愛してる」

 

 

お互いに顔を近づけ、唇が触れ合った。

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

〜現在〜

 

「あの後も大変だったよね。一夏達専用機組が、ISに乗って祝砲あげたり……」

 

「篠ノ之博士と楯無が将冴を拉致しようとしたりな……」

 

「ふふ、千冬さんのアイアンクローをまともに受けてたっけ」

 

 

普通とは思えない結婚式。でも、楽しかった。一生忘れない思い出だ。

 

 

「っと、そういえばもう着いてたんだよね。早く荷ほどきしなきゃ」

 

「ああ、そうだな」

 

 

車から降りると、そこはドイツ軍の女子寮。僕がドイツにいた時暮らしていた、あの寮だ。

 

 

「しかし、本当に良かったのか?ドイツ軍に入るなんて……私がドイツ軍をやめて、日本に残るという選択肢も」

 

 

そう、僕はドイツ軍に入ることになった。ラウラというコネを使ってシュバルツェ・ハーゼ隊に入隊することになっている。

 

本当は結婚式を終えたらすぐにドイツに来る予定だったんだけど、日本政府にごねられたり、いろんな資料書かされたり、ドイツ国籍とったりしている間に一ヶ月も経ってしまった。おかげで、クラリッサと新婚旅行にも行けていない。というか、クラリッサとあまり会えなかった。許すまじ……

 

 

「ううん、いいんだよ、これで。ISを動かす仕事に就きたかったし、大学はお金がかかるから行くつもりはないし、それにクラリッサと同じ職場がいいから」

 

「そ、そういうことをサラッと言うな……嬉しいけど……」

 

 

恥ずかしそうにするクラリッサ。全く、可愛すぎるな、僕のお嫁さんは。

 

 

「荷物、結構あるからね。急いでも夜になっちゃうかな」

 

「ああ、そうだな……夜に……」

 

「どうしたの?クラリッサ」

 

「将冴!」

 

「今日、荷ほどきが終わればゆっくりできるんだな!」

 

「うん、そうだね。正式な入隊は一週間後だし……」

 

「なら……」

 

 

クラリッサがなにやら意を決したような表情を浮かべる。

 

 

「今夜が……初夜ということでいいな!」

 

「そういうことは大声で言わないの!」




こんな終わり方でいいのか……いいよね。クラリッサが最後の最後で残念な感じになる……うん、アリだね。

いかがだったでしょうか。完全な思いつきでしたが、楽しんでいただけたでしょうか?

明日から本編です。
本編は、今回の番外編のことは忘れて、お楽しみください。
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