IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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お久しぶりです、作者です。
おとといぶりでございます。

昨日は煮詰まってしまったので1日お休みさせていただきました。展開は浮かんでいるのに、文が書けないという感じです。

しばらくはこんな感じが続くかもしれませんが、おつきあいくださいませ。


61話

「それで、私に話しとはなんだ?」

 

「まぁ、そんな急かさないで、久しぶりに剣道なんてどう?前に手合わせしたのは、僕が腕を無くす前だからかなり前だよね」

 

 

いつも片手で扱っているセイバーを両手で構える。

 

 

「生身じゃなくてISだけど、どうかな?」

 

「わかった。一本勝負でいいな?」

 

 

箒さんが刀を構える。打鉄の基本兵装だったかな?

僕のセイバーは剣道には向いてないだろうからなぁ……日本刀的なの欲しいかも。

 

 

「うん。じゃあ、行くよ」

 

 

スラスターは使わずに地面を蹴る。放つのは面。

 

箒さんは簡単に受け流してしまう。まぁ、これくらいは序の口か。しかし、箒さんは不満そうな顔をする。

 

 

「なぜスラスターを使わない。瞬時加速やあのターンを使えば、簡単に私の背後を取れるだろう」

 

「言ったでしょ?剣道をしようって。剣道には瞬時加速もバーティカルターンもないよ」

 

 

一気に接近して、再度面を狙うが箒さんは刀で受ける。そしてそのまま鍔迫り合いとなる。

 

 

「今はISに乗っているのだ。ISらしい戦いをするべきではないのか?」

 

「確かにその通りかもしれないね。でも、箒さんが悩みを抱えたままISの練習をするのは、箒さんのためにならないと思うから」

 

「悩みだと?」

 

 

お互いに押し合い、距離を取る。一歩踏み込めば、また剣が交わる距離だ。

 

IS越しにみる箒さんの顔は少し狼狽している感じがする。見抜かれていた、とでも思っているのかな。

 

 

「僕の予想だと一夏のことかな?」

 

「……」

 

 

黙ったまま……。図星ってところかな。

 

 

「一夏のことは、さしずめ遠くに行ってしまったと感じるってところかな。一夏は専用機を持ち、セシリアさん達と同じところにいるように感じる。自分もあそこに行きたいって思ってるとか?」

 

「……無駄に鋭いのだな。反論する気も起きない」

 

「そりゃどうも」

 

 

僕の予想どおりということか。

まぁ、簡単に言ってしまえば、箒さんは一夏と並べる力が欲しいんだ。恋する乙女、というやつ?

 

 

「で、箒さんはどうしたい?」

 

「……強くなりたい。力が欲しい。一夏の隣にいれるように、強い力が……」

 

「力ね……」

 

 

力だけを追い求めるのは、一つの正解かもしれない。おそらく、箒さんの求める力っていうのは専用機とか、そういう形のものだろうな。でも、箒さんに今必要なのは力ではないと思う。

 

 

「箒さん、力だけ求めても意味はないと思うよ」

 

「なにっ……どういうことだ!」

 

「今の箒さんには、強い力を受け止めることはできない。力しか望まない、今の箒さんでは……」

 

「では、私はどうすればいいというのだ?専用機を持っているわけではない私は、どうすれば一夏に追いつけるというんだ!」

 

 

専用機ね……多分、束さんに頼めばいつでも作ってくれると思うけどね。まぁ、頼まなくても作りそうだけど。

 

 

「専用機がなくても、一夏より強くなればいい。簡単なことだよ。己を強くすればいい。剣道みたいにね」

 

 

再度セイバーを構える。

 

 

「剣道と同じだよ。心技体を強くする。たったそれだけ」

 

「将冴……」

 

「さ、まだ勝負はついてないよ?」

 

「……ああ。そうだな」

 

 

お互いに剣を構え、次の瞬間一気に踏み込んだ。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

「で、結局どっちが勝ったんだ?」

 

 

アリーナの練習を終えて僕とクラリッサ、ラウラ、シャルルは夕食を取っていた。他の人たちは一夏と一緒に食べたいようで、違う場所で食べてる。

 

ラウラが、僕と箒さんの勝負の結果を聞いてくる。

 

 

「見事に突きを食らって僕が負けた」

 

 

クラリッサに夕食を食べさせてもらいながら、ラウラの質問に答える。

 

 

「え、将冴負けちゃったの?」

 

「うん。高校から剣道で突きが使えるの忘れてて、完全にノーマークだったところすぽーんと」

 

「でも、将冴ってセシリアやラウラにも勝てるほどの実力があるんでしょ?」

 

「剣道のルールでやってたからね。これは箒さんの方が剣道の実力があるっていうことだよ」

 

 

ISバトルだったら〜、なんて言い訳はしない。完全な僕の敗北だ。

 

 

「しかし、将冴に怪我がなくてよかった。篠ノ之の刀が将冴の喉に突き刺さった時は、一瞬息が止まったぞ」

 

「いや、突き刺さってはいないから……」

 

 

クラリッサが心配そうにこちらを見ている。

ISの絶対防御のおかげで僕が怪我することはなかったけど、衝撃はものすごかったなぁ。少し呼吸困難になったし。さすが全国優勝者。

 

 

「まぁ、大事に至らなくてよかったではないか」

 

「うん。もう二度と喉に攻撃は受けたくないよ」

 

 

刀が迫ってくるのは、絶対防御があるとわかってても怖かったし。

 

 

「さて、もういい時間だ。私は部屋に戻らせてもらう」

 

「あ、僕も一夏回収して部屋に戻んないと。将冴、クラリッサ先生、また明日」

 

「うん、二人ともおやすみ」

 

「おやすみ」

 

 

ラウラとシャルルは食器を片付け、自室に戻っていった。

 

 

「僕たちも戻ろうか」

 

「ああ。将冴の荷物を解かなくてはいけないからな」

 

 

そう、今日からクラリッサと一緒の部屋になるんだ。

不思議と、山田先生の時よりは緊張はしていない。やっぱり、前からの知り合いだからっていうのもあるのかな。

 

 

「ごめんね。いっぱいお手数かけて」

 

「構わないさ。私は将冴のためなら、なんだってする」

 

「うん……ありがとう、クラリッサ」

 

 

食器を片付け、クラリッサは車椅子を押してくれる。

本当に、何から何まで世話になりっぱなしだ。義肢が戻ったら、何かお返ししないと。

 

 

「そうだ、荷ほどきの前にシャワーに入ろう。私が洗ってやる」

 

「え……」




箒さんの問題は、これで解決でいいかな(震声

正直、同世代組の問題はあまり触れたくなかったりします。クラリッサとか千冬さんとかやまやとかの方が書きたいです。


さて、ここで紹介したいものがあります。
前に書いてた番外編の将冴の結婚式。それの裏側を禿げ眼鏡様がスピンオフとして書いてくださいました!ご本人から許可をいただきましたのでご紹介させていただきます。

「一発ネタ AC×IS 将冴君の結婚式の裏側」

将冴君の結婚式の裏で、こんなことが起きていたのです。ぜひご覧ください。

こういったスピンオフ的なのは作者大好物です。
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