GEが楽しすぎてついついサボりそうになりますが、書いていきます。
クラリッサが来てから二週間ほど経った。クラリッサが介助してくれるおかげで日常生活に何ら問題はなく、シャワーのたびに僕の中で何かがすり減る以外、良好だ。
最近、一夏の特訓に付き合っているけど、それとは別に箒からもISの特訓を頼まれるようになった。
「私に稽古をつけてくれ!あとさん付けしないでくれ」
といった具合に、ISの特訓をしている。
僕がこの間お話ししたのが効いたのかな。僕としては嬉しい限りなので、快く引き受けている。
まぁ、そんな感じで最近は平和な日々を過ごしている。
でも、今日はちょっと慌ただしくなると思っている。
「それでは、取材させてもらいますね〜。あ、私は新聞部の黛薫子。よろしくね、シャルル君」
僕に呼び出された一夏とシャルルが、新聞部の部室で黛先輩に取材されている。
これはシャルルが転入してきた当日に、僕と黛先輩の間で交わされた取引の結果だ。
『階段下りるの手伝ってくれたら、一夏とシャルルにアポイントメント取っておきますよ』
『オッケー、のった』
という取引があったので、一夏とシャルルには供物として黛先輩に捧げた。
「じゃあ、まずは……」
「くっそー、将冴め……今度のトーナメント覚えてろよ……」
「あはは、一夏じゃまだ勝てないんじゃないかな?ていうか、なんで僕まで……」
「それでは、黛先輩。僕はこの後予定があるのでこれで失礼しますね」
「了解よ。今度取材させてねー」
「お断りします」
丁重に断ってから新聞部の部室を出る。部室の外ではクラリッサが僕のことを待っていてくれていた。
「将冴も、なかなか酷いことをするな……」
「使えるものは使わないとね。一夏とシャルルには悪いと思ってるけど」
「その割には笑顔だな」
別に楽しんでないよ?面白いだけ。
「えっと、次は整備室だったか?」
「うん。簪さんにISを見せる約束してるから」
「わかった」
クラリッサに車椅子を押してもらうのも慣れてきてしまった。クラリッサもやらなきゃいけない仕事があるのに、僕につきっきりで申し訳ない。早く義肢が戻ってくるのを待つばかりだ。
そんなことを考えているうちに、整備室に到着した。簪さんはもういるかな?
「失礼します」
整備室に入ると、簪さんと楯無さんが簪さんのIS「打鉄弐式」を整備していた。整備というよりは、制作?
「あ、将冴君……」
「お、来た来た。待ってたわよ、将冴君」
「楯無さんも来てたんですね」
「ええ、映像は見せてもらったけど、間近で見てみたくてね」
生徒会長である楯無さんも見たいと言うとは、ちょっと予想外だったかな。
「将冴、彼女はロシアの国家代表だぞ。下手にISを見せないほうが……」
「楯無さん、そんなにすごい人だったのか。でも、大丈夫だと思うよ。楯無さんは国家代表の前に生徒会長なんだし」
「どうしてそう言い切れるんだ……」
「生徒会長は生徒のことを生徒の立場から考えるのがお仕事だから、だよ」
さて、時間も限られてるし本題に入ろうかな。
「相談は終わったかしら?」
「はい、大丈夫ですよ。楯無さんも見ていってください」
「お許しをもらえたようでよかったわ」
僕は整備室のハンガーにテムジンを展開する。
整備状態では、テムジンの胸の部分が開いており、乗り込むことができるようになっている。
「すごい!なんだかコックピットみたい!わぁー、あのISが目の前に!将冴君、これ触ってもいい?」
「どうぞ」
テンション上がりまくっている簪さんに気圧される。簪さん、本当にロボットとか好きなんだろうなぁ。
「ねえ、将冴君」
「何ですか?楯無さん」
「この背中についてるディスクは何?」
V.コンバータのことか。楯無さんには申し訳ないけど……
「すいません、それにはお答えできません」
「企業秘密、ということかしら?」
「そんなとこです」
「……わかったわ。じゃあ、何も聞かない」
「そうしてくれると助かります」
束さんが作ったものなんて生徒会長に知られたらどうなるかわかったものじゃないからね。
「ねえ!ねえ!変形しているところ見たいんだけど、いい?」
「もちろん。フォームチェンジ『ライデン』」
音声認識で命令を出す。
テムジンの装甲が粒子化し、また再構成され、ライデンが現れる。
「わぁ!変形した!でも変形というよりは機体そのものが変わったような感じ」
「拡張領域に各フォームがインストールされてるんだ。それを再構成することで、いろんなフォームを使えるんだ」
「そうなんだ……ねぇ、他の何があるの?」
「他?後はアファームドとその他二つだね」
「全部で5つもあるんだ」
「まあ、使うのはテムジンとライデン、アファームドだけだけどね。他はほとんど使わない」
「え、どうして?」
「それは……」
「簪、すまないがそれ以上は答えられない」
クラリッサが僕の代わりに答えてくれる。
ちょっと精神衛生的に危ないから、僕もあまり答えたくないんだよね。
「わ、わかりました」
クラリッサの言葉ですぐに縮こまってしまった簪さん。楯無さんはそんな簪さんの頭を撫でながら、僕の方を向いた。
「まぁ、企業のISだものね、詳しくは聞かないわ」
「助かります」
そのあと、簪さんが満足するまでテムジンを見せて、楯無さんはそんな簪さんの姿を涎を垂らしながら見ていた。
更織姉妹を出すことが難しかったり。まぁ、どうにかなるでしょう。
将冴がだんだん黒くなっていく……