IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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クラリッサが出てきません。

どうなってる。←


7話

 

支度を終え、将冴の入院する病院まで来た。

 

私が今更あったところで、という気もするが……。

それに、将冴の怪我は一夏が誘拐されたことも関わっているかもしれない。ドイツ軍から聞いた話では、テロリストの制圧任務は本来クラリッサとラウラだけではなかったという。一夏が誘拐されたため、私に恩でも売るつもりだったのだろう。戦力をこちらに集中させた。

 

殴り飛ばしてやろうかと思ったが、意味のないイザコザを起こすのは本意ではない。

 

さて、受付で病室を……

 

 

「ちーーーーーーちゃぁーーーーーーーんって痛い痛い痛い!束さんの頭からなってはいけない音がしてるよ!?メキゴリってなってるよ!?」

 

 

私めがけて走ってきた兎耳つけたバカに、咄嗟にアイアンクローをお見舞いした。挨拶だ、挨拶。

 

私は手を離すと、こめかみあたりを撫でる兎耳つけたバカ……もとい束は涙目になりながら私にポカポカと殴りかかってくる。

 

 

「もう、ちーちゃん!いくらそれがちーちゃんの愛情表現だからって、限度があるよ!」

 

「うるさい。それより、なんでお前がここにいる?」

 

「だってしょーくんいるでしょ?」

 

 

そうだった、こいつは個人的に将冴と知り合いだったな。こいつに気に入られることの大変さを教えてやらんとな。

 

 

「はぁ……余計な真似はするなよ」

 

「分かってるよー。私だって、しょーくんが心配で来たんだから」

 

 

本当に大丈夫なのか?

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

はぁ、外を眺めるだけの1日だった。もう夕暮れが見える……手足がないと、こんなにも不便なのか……。

 

今日やったことといえば、看護師さんにあーんされて羞恥に苦しんだ食事と、なんの抵抗もできなかった看護師さんによる体拭きだった。

 

入院中はこれが毎日か……いや、これからもずっとか。

 

と、その時、病室の扉をノックする音がした瞬間ガラッバンッという音共に扉が開け放たれた。

 

 

「ふぇ!?」

 

「しょーーくーー〈ガシッ〉痛い痛い!ちーちゃん痛い!?」

 

「騒がしくてすまんな。邪魔するぞ、将冴」

 

「千冬さんに束さん?どうしてここに?」

 

 

日本代表と大天災が、なんでこんなところに……。

束さんは、なんとなく納得してしまうけど。

 

 

「今、ドイツ軍のIS教官をしていてな。お前がここに入院してると聞いた。災難だったな……両親のことも、お前のことも」

 

「いえ、そんな……」

 

「私にできることがあれば、何でも言ってくれ。力になる」

 

「ありがとうございます」

 

「ちーちゃん!そろそろこのアイアンクローを解いてくれないかなぁ!?」

 

「すまん、忘れてた」

 

 

千冬さんが束さんを解放する。「本日二度目だよぉ〜」と言いながらこめかみをさする束さん。

 

言ってはなんだけど、なんでここにいるのだろうか。

 

 

「しょーくん久しぶりだね!大天才、束さんだよ!」

 

「久しぶりです、束さん。まさか、ここに来てくれるとは思いませんでした」

 

「しょーくんのお父さんとお母さんは、私が認めた人だからねー。もちろんしょーくんも同じだよ?」

 

「ありがとうございます。2人も束さんにそう言ってもらえて嬉しいと思います」

 

 

ちらりと、ペンダントの方に目を向ける。

 

千冬さんと束さんも同じところに目を向けた。束さんがペンダントを開き、中を見た。

 

 

「まだ聞きたいことあったのになぁ〜。大天才の私でも考え付かないこと思いつくからね〜。ほーんと、びっくりだよ」

 

「ふふ、でもIS開発した束さんには敵わないって、いっつも言ってましたよ」

 

「むふふ、素直に嬉しいかなぁ」

 

「私も、世話になった。本当に……」

 

 

お父さんとお母さんは、すごい人だと改めて思い知った。世界最強とIS開発者に、認められているんだから。

 

 

「あれれぇ?」

 

 

束さんが、突然素っ頓狂な声をあげた。手に持ったペンダントをジロジロと眺めている。

 

 

「どうしたんですか?」

 

「うーん、なんかこの写真の裏にもう一つ蓋みたいなのがあるね。開けてもいい?」

 

「あ、はい」

 

「束、壊すんじゃないぞ」

 

「わかってるよぅ。この束さんにまっかせなさーい!」

 

 

大きな胸を叩き、ペンダントに手をかけたが、ものの数秒で開いたみたいだ。

 

 

「こんぷりぃ!」

 

「何が入ってました?」

 

「これは……」

 

 

束さんが取り出したのは、データチップだった。これはもしかして、お父さんたちの研究の?

 

 

「もしや、柳川夫妻の研究データか?」

 

「中身見ないとわかんないよぉ」

 

「多分、千冬さんの言う通りだと思います。束さん、お願いがあるんですが」

 

「お、なになにぃー?束さんが何でも聞いてあげようじゃないか!」

 

「そのデータ、廃棄してくれませんか?」

 

 

そう言った瞬間、千冬さんと束さんがびっくりしたような顔をする。

 

まぁ、両親の研究をなくしてくれと言っているのだ。当然といえば当然だろう。

 

 

「将冴、いいのか?」

 

「僕が持っていても無用の長物ですし、この体ではすぐに奪われてしまうかもしれません。悪用されたらお父さんたちに申し訳ないです。だからいいんです」

 

「将冴……」

 

「うん、わかった!この束さんがきっちり削除してあげよう!」

 

「束!」

 

「ありがとう、束さん」

 

「しょーくんの頼みだものね!」

 

 

星が出そうなウィンクをして、可愛らしく舌を出した束さん。これで絶望的なコミュニケーション能力がどうにかなれば、何の心配もないのに。

 

 

「じゃあ、束さんは早速頼まれごとを果たしてくるよ!またねー、ちーちゃん、しょーくん」

 

 

嵐のように去っていった。

 

千冬さんも少し唖然としていたが、すぐに元に戻った。

 

 

「将冴、お前に伝えなければいけないことがある」

 

「何かな?」

 

 

千冬さんは、僕が日本に戻った後の政府の対応を離してくれた。重要人保護プログラム。対象者に危険が及ばないようにするためのものらしいけど、僕にはよくわからない。

 

 

「私が引き取ることも考えている。もちろんお前の意思を尊重するが……」

 

「すいません。まだ判断がつきません」

 

「そうか。急ぐ必要はない。私はあと1年はドイツにいる。退院後は、私が面倒を見よう。一人で日本に帰るよりはいい」

 

「はい、何か何までありがとうございます」

 

「構わん。では、私もそろそろ帰ろう。長居は、お前の負担になる」

 

 

扉へ向かう千冬さんに、再度礼を言うと、千冬さんは手を振ってくれた。

 

不覚にも、可愛いと思ってしまった。




束さん難しくありませんか!?難しいですよね!?

なんでこんなにも書きづらいんだ!?
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