ここまでで79話もかかってしまいました……この調子だと、臨海学校もどれだけかかるか……
一応、最終回はこの辺にしようかなぁ、というのは考えていますが……伸びるかもしれません。
今回は一夏の視点から入ります。
「このぉぉ!」
黒い千冬姉の姿をしたラウラに雪片二型で斬りかかる。
しかし、ラウラは黒い雪片で受け止める。
ラウラは千冬姉を尊敬していることは、ラウラと話をしたから聞いている。だからこそ許せない。ラウラが千冬姉を侮辱するような力を望んでいないのは知っていた。
だとしたら、誰かが仕組んだことなのはすぐに分かった。
将冴はさっきの試合でシールドエネルギーが少ないし、時間稼ぎも難しいはずだ。なら、俺がやってやる。みんなを守ってやるんだ!
「ラウラ!お前はこんなものを望んでいたのか?」
「……」
「違うだろ!こんな紛い物になんかに負けるな、ラウラ!」
「……」
ラウラは何も答えない。
聞こえていないのか……なら、この黒いのを切り裂いて中から引きずり出してやる。
それには……
「将冴!手を貸してくれ!零落白夜でこいつの中からラウラを……」
「……一……夏」
「ど、どうしたんだよ、将冴……」
「そこ……どけて」
ぞくっと、心臓を鷲掴みにされる感覚。こいつ……本当に将冴なのか?
「どけてって……何言ってんだよ!消耗してるのに、お前一人でやるつもりか!?」
「いいから……それを止めるのは……ボクダカラ」
「お前……ぐわぁ!?」
ラウラに押し返された。くそっ、偽物とはいえ千冬姉ということか……
「将冴!二人で同時に突っ込んで……」
「一夏は下がっていて」
「なっ!?」
将冴が俺の腕を掴んで投げ飛ばした。
なんとか姿勢を制御して安定するが、どうしたんだ将冴……。こんなところ見たことが……。
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一夏を投げ飛ばして、VTシステムに取り込まれたラウラを見る。
待ってて、今僕が助けるから。その邪魔なものを潰して……
僕は手に持ったロングランチャーとサイズが一体となった武器、アイフリーサーをラウラに向け、引き金を引き絞る。
エネルギー弾がVTシステムに向かっていくが、VTシステムは黒い雪片を振るいエネルギー弾を弾いた。さすがに簡単にはいかないか。
なら、エネルギー弾を連続で放つ。千冬さんがモンドグロッソで使っていた暮桜は、一夏の白式と同じ近接武器だけ。遠距離からなら反撃できない。
「……」
「早くラウラを離してよ。君は存在していいものじゃないんだから」
「……」
「何か言いなよ。ねぇ、ねぇ、ねぇ?」
休みなくエネルギー弾を放ちながら、VTシステムに近づく。
ある程度近づいた時、VTシステムが動きを見せた。
瞬時加速で間合いを詰めてきた。そりゃ千冬さんをトレースしているんなら使うか。まぁ、分かっていたけど。
僕は射撃を止め、サイズを展開する。
「その黒いの、全部剥がしてあげる」
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「将冴……なのか?あの戦い方は……」
ピットにいる者は、みんな黙ったままだった。
私……クラリッサは、アリーナで起こっていることを信じられずにいた。
「一夏を投げ飛ばして……」
「将冴、シールドエネルギーなんてほとんどないはずよね!?あんなに連射したら……」
「もう無いはずだ……それだけ撃っている」
「それではなぜ!?」
「私にもわからない!」
将冴……あのスペシネフのせいなのか……?
「待機命令さえなければ、今すぐにアレを止めに行くのに!」
織斑先生は、これ以上被害を広げないために、専用機持ちを待機させていた。一夏は勝手に飛び出したが……
その時、ピットの扉が開き、生徒が一人入ってきた。
「ハルフォーフ先生!」
「篠ノ之?なぜ来たんだ!」
保健室で休んでいるはずの篠ノ之箒だった。
「非常事態が起こったと聞いて……一夏と将冴は?」
「アリーナで対処している。篠ノ之はすぐにピットから出るんだ。お前にできることはない」
「しかし……」
「篠ノ之!」
「くっ……」
何もできないのが歯がゆいのだろう……それは私達も同じだ。
将冴……今はお前に頼むしかない。隊長を助けてくれ……。
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アイフリーサーと雪片が、何回目になるわからない斬り合いが続いていた。
「エネルギーが尽きないみたいだね。何度か斬りつけたけど、怯む様子もないし。中にいるラウラのことは気にしていないみたいだ。もう離してもらうよ」
VTシステムの雪片が僕の肩を斬りつけた。
わざと隙を開けたんだ。こうすれば……
「捕まえた」
肩に切りつけられた雪片を掴み、VTシステムの動きを止めた。
「まず、動き回られると面倒だから、磔にさせてもらうよ」
瞬時加速でVTシステムをそのまま壁まで押しやった。
そして、僕の背中についている二つの翼を取り外し、VTシステムの腕が動かないように壁に突き立てた。
「これで動けないでしょ?それじゃあ、ラウラを返してもらうよ」
スペシネフの大きな爪でVTシステムのお腹を突き破った。
「いた」
ラウラがいる確かな感触を感じ、それを傷つけないように掴み引き抜いた。
引き抜いた瞬間にVTシステムはドロドロの液体のようになり消えていった。
スペシネフの手の中で、ラウラが小さな寝息を立てている。
「よかった……」
僕はさっき投げ飛ばしたままにしていた一夏の方を見た。
なにやら呆然としているけど……僕も限界なんだ……。
「一夏」
「な、なんだ……?」
「ラウラを頼んでいいかな?僕はもう……」
ガシャンと僕は膝をついた。ラウラとの試合で無茶をしすぎたせいで、体がボロボロ……それに初めてスペシネフを使ったが、これがかなりキツイ。
「将冴!?大丈夫か!?」
「お願い……」
駆け寄ってきた一夏にラウラを渡して、僕は意識を手放した。
ヤットオワッタァ!!
あとはエピローグ書くだけですね。それは明日までお待ちください。