今回は一応R18の続きですが、読んでいなくても大丈夫です。大浴場でなんやかんやあって、将冴君がのぼせてしまったことだけ、おさえておいてください。
大浴場でのことがあった次の日。
さすがに僕も疲れていたのか、起きたら12時を回っていた。
今日は土曜日でよかった。確実に遅刻していたよ……。
でも、この時間まで寝てるとか……生活リズムが崩れそう。というより、クラリッサが起こしてくれてそうなものだけれど……。
クラリッサのベッドを見てみるけどもぬけの殻。はて、どこに行ったんだろう?とりあえず、義足をつけて……。
「あれ?」
机の上に紙が……なんか書いてある。
『将冴へ
緊急の職員会議が開かれることになったので、今日は留守にする。
将冴はゆっくり休んでくれ。
クラリッサ』
ふむ……職員会議か。まぁ、十中八九、昨日のことだろうね。
なんだろ……何か忘れているような……。
その時、僕の携帯が着信音を鳴らした。
電話か。相手は……束さん?
「もしもし?束さ『しょーくん、スペシネフ動かしたって本当!?』
耳がキーンとする。突然の大声量に僕もびっくりした。
「ああ、うん。なんか動いたみたいです。原因はわかんないけど……」
『ふーん……わかったよ。今度直接メンテナンスした時に調べてみるねぇ』
「お願いします。で、電話はスペシネフのことだけですか?」
『いや、まだあるよ。前に頼まれていた件について』
そうだ、VTシステムの件ですっかり忘れていたけど、束さんにデュノア社のことを頼んでいたんだった……。
『結果からいえば、全て上手くいったよ〜。会社の不正、社長夫人の横領、政府との繋がり……ぜーんぶ公開しちゃった。で、会社が弱まったところで、MARZ名義で全て吸収。これによって、MARZは名前だけの会社じゃなくなったわけだね』
「すいません、MARZの立場とか面倒なことに……」
『ううん、全然構わないよ。定期的お金が入るようになったしね〜。はした金だけど』
「はは……」
ISシェア3位の会社吸収して、そこから入るお金がはした金か……。
『そうそう。今後、外部と繋がりができることになるから、くーちゃんにリリン・プラジナーっていう偽名で外部取引をやってもらうことになったからね。MARZのことも、今後は束さんが関わっているってこと以外は話していいからね』
「はい、わかりました。何から何まですいません。あ、シャルルのことはどうなりました?」
『ああ、男装して学園に入った子?もう男装する必要はないかなぁ。元凶の社長夫人は、横領の容疑で捕まることになるし、会社の基本的なことは、社長に任せるつもりだし。あ、フランス政府は脅しておいたから、代表候補生云々のことはなにも言ってこないよ、安心してね』
どうやって脅したのかは聞かないでおこう……。
「それでは、シャルルはこのまま学園にいても……」
『問題なしだよ。ふふ、束さんにしては気が利いてるでしょ?今度会った時に、目一杯甘えさせてねー!』
「やることによりますが、できる限り答えます」
『やったー!しょーくん愛してる〜。それじゃ、束さんはちょっとやることあるから、そろそろ切るね。まったね〜!』
「はい。ありがとうございました」
通話が切れる。
束さんに何もかも頼ってしまったけど、どうにかなってよかった。
さて、シャルルに伝えに行こうかな。
いい時間だし、お昼も食べようかな。
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車椅子で一夏とシャルルの部屋まで来た僕は、とりあえずノックする。すると、ゆっくりと扉が開き、一夏が出てきた。
「おはよう一夏。あ、もうこんにちは、かな」
「そうだな。あ、とりあえず部屋の外でいいか?シャルルが電話してるんだ」
「電話?」
「ああ、母親らしい。なんか、デュノア社がいろいろ大変なことになったみたいで……あ」
一夏はそこで何かに気がついた。
「もしかして、お前がやったのか?」
「僕は束さんになんとかできないか頼んだだけだよ」
「あぁ……」
納得したような顔をする一夏。
ふむ、デュノア夫人が電話しているなら、僕もいろいろ言いたいことがあるな。
「ちょっと失礼するよ」
「お、おい、将冴?」
一夏を押し退け、部屋に入る。
シャルルはベッドに腰掛けて、電話をしている。僕に気がつき、困ったような苦笑いを浮かべた。
「シャルル、電話かして」
「え、将冴?」
「大丈夫。任せて」
「う、うん……」
シャルルから電話を受け取り、耳に当てた。
『あんたでしょ!?会社や私のことを世間に公表したのは!!おかげで会社はMARZとかいう会社に吸収されて、何もかもめちゃくちゃよ!ちょっと、聞いてるの!?これだから愛人の子は……』
イラッときた。
「どうもはじめまして、デュノア夫人。MARZの所属のテストパイロットをしています、柳川将冴と言います」
『はぁ?柳川って……二人しかいない男性操縦者の……あなた、MARZ所属だったの?じゃあ、あなたが私の会社を!」
「私の会社、ねぇ……」
全く、こういう人は大っ嫌いだ。
「お言葉ですが、名義上デュノア社の社長はアラン・デュノアとなっています。あなたはアランさんの奥さんというだけですよね?」
『あの人は何もできない人ですもの。あの会社は私が動かしていたの。だから、私の会社よ!』
「その結果が横領に不正取引ですか。随分といいご身分ですね」
『子供のあなたに何がわかるのよ!だいたい、男が会社のトップなんてやってる方がおかしいのよ!』
「あなたの考え方は知りませんが、男をそんなに見下していても、何にもいいことがありませんよ?」
『バカにしてる!?いいわ、全力であなたと、あなたの会社を潰してあげるわ!』
「あなたは今後そんなことはできませんよ」
『なんですって?』
「あなたがこれから行くのは刑務所です。もみ消すことはもう無理ですよ。世界中にあなたの横領や不正の情報が流れています。もう警察が来てるんじゃないんですか?」
『何を……』
「ではもう切りますね。あなたは、会社にはは関係ないですし、シャルルとも関係ありません。刑務所の中で、お元気に」
『ちょ、まちな』
デュノア夫人の声を遮る形で通話を切り、シャルルに携帯を返す。
「あー、すっきりした。電話、貸してくれてありがとうね。シャルル」
「それはいいんだけど……今の話は全部……」
「うん、本当のこと。シャルルは女の子としてIS学園で過ごしても大丈夫だよ。専用機もそのまま。あ、でもお父さんとは話しておいたほうがいいかもね。一応、お父さんも被害者だし」
「ありがとう、将冴……僕、なんてお礼言えば……」
「その気持ちだけで十分だよ。夫人でストレス発散したし。いやぁ、いい気味だね」
やっと全ての問題が片付いた。すっきりした。
「じゃあ、僕はお昼食べに行ってくるね。またね」
一夏とシャルルをそのまま置いて、僕は食堂に向かった。
「ねぇ、一夏……将冴って、かなり怖い?」
「あいつを怒らせないほうがいいぞ……下手したら千冬姉と同じくらい怖いから……」
シャルルの問題がこれで片付いた……ってことでいいのかな。
一番面倒ですよね。チートキャラの束さんがいなかったらどうなっていたか……。
さて、次から章が変わりまして臨海学校編。
……そこまで長くやるつもりはないですが、ナタルが登場ということで楽しみです。
ではまた