実はシャルの問題の次に書くのが憂鬱だったりします。
ゴスペル……君はすごく面倒くさいのだよ。ナタルがいなければカットしているところだよ←
低く唸るエンジン音と、心地よいバスの揺れを感じながら窓の外を眺めていた。
まぁ、今はトンネルの中だからコンクリートしかみえなのだけれど。
なんでバスに乗っているのかというと、言わずもがな臨海学校だ。IS学園から一時間以上かかるということで寝ていようかと思ったのだけれど……。
「くぅ〜……すぅ……」
ラウラが僕に寄りかかって寝ているから、なんとなく寝る気分になれなかった。あ、クラリッサは前の方で織斑先生と山田先生と座っている。
起こすのもかわいそうだし、黙って窓の外を眺めていたわけで。
「お兄さんやってるな、将冴」
前の席に座っていた一夏が座席越しに顔を出してきた。
「そんなんじゃないよ」
「でも、本当にラウラさんは将冴さんにベッタリですわね。最初の頃の軍人という感じが、もうありませんもの」
「確かにな。トーナメント前の厳格な雰囲気は跡形もないな」
通路を挟んで反対側にいたセシリアさんと箒が言葉を挟んでくる。
まぁ、一番びっくりしているのは僕なんだけど……。
「勝負勝負言われるよりは、この方がいいけどね」
「こうしてれば、可愛いだけなんだけどね」
一夏の隣に座っていたシャルも一夏同様に顔を出してこちらを見てくる。
「なんでも、一組の間では弟は将冴、妹はラウラって広まってるみたいだよ」
「そのネタ、まだ続いてたんだね……」
僕は前から弟って言われてたし、その妹ならみんな妹ってことか……安直すぎやしないかな。
「あ、そろそろトンネルを抜けるみたいだぜ」
一夏がそう言うと、窓から光が流れ込む。
少し目が眩むが、徐々に慣れ外を見ると、そこには海が広がっていた。
「わぁ!海だ!」
「すごい!青ーい!」
「早く泳ぎたいね!」
バスの中にいるみんなが騒ぎ始める。これじゃあ……。
「う……ん……騒がしいな……」
「あ、ラウラ起きちゃった?」
「兄さん。すまない、肩を借りてしまって……」
「気にしないで。それより、ほら。海みえてきたよ」
「む、本当か?」
ラウラも窓の外を見て目を輝かせる。
ふふ、楽しみにしていたみたいだしね。
と、ここで織斑先生がアナウンスをかける。
「お前たち、少し静かにしろ。もうすぐで旅館に着く。降りる準備はしておけ。いいな!」
『はい!』
旅館か……しおりには、僕の部屋だけ書いてないんだよなぁ……嫌な予感がする。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
バスが旅館の前に止まり、みんなが降車を始める。僕はラウラに手伝ってもらいながら降車し、車椅子に座った。義足はできるだけ使わないようにしている。外出先だし、海では使うだろうからと、節約中だ。
旅館の前には着物を着た女性が待っていた。
「皆様、遠いところをよくいらっしゃいました。当旅館の女将をしております、清洲景子と申します。どうぞよろしくお願い致します」
『よろしくお願いします!』
みんなが一斉に挨拶。
すると、女将さんが僕と一夏の方に目をやった。
「あら、こちらが噂の男性操縦者の方ですね?」
「ええ。温泉の割り振りが面倒になってしまい、申し訳ありません」
「いえいえ、とても元気そうでよろしいじゃありませんか。今日はごゆっくりと」
そう言うと、女将さんは旅館の中に戻っていく。
「では、それぞれ自分の部屋に荷物を置き、それ以降は自由時間とする。くれぐれも、従業員の方々に迷惑をかけないように」
『はい!』
自分の部屋って言われても……。
「織斑、将冴は付いて来い。お前たちの部屋は別に用意してある」
別で用意してある……か。嫌な予感が的中しそうだ。
「兄さん、すまないが私は自分の部屋に行ってくる」
「うん、手伝ってくれてありがとう」
「隊長、ここからは私が引き継ぎます」
いつの間にか、クラリッサが僕の後ろにいた。
今日、クラリッサと話したの初めてな気がする。朝は準備があるみたいで、先に部屋を出てたし……。
「さ、将冴。部屋に行くぞ」
「うん」
さて、この嫌な予感の正体はなんなのか……。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
「やっぱりか……」
「将冴は予測済みかよ……」
僕はクラリッサ、山田先生と同じ部屋。一夏は織斑先生と同じ部屋だった。
嫌な予感はこれか……。
「俺は別にいいけど、将冴は……」
「まぁ、二人とも一緒に住んでたことあるし大丈夫だよ」
「……まぁ、頑張れ」
一夏から謎の応援をもらった。
「将冴、もう部屋に入るぞ?」
「うん」
クラリッサと一緒に部屋に入ると、中にはすでに山田先生がいた。
「あ、将冴君にハルフォーフ先生」
「山田先生。同室、失礼します」
「かしこまらなくていいですよ?少しの間ですけど、一緒に暮らしていたんですから」
「はい、わかりました……」
若干クラリッサが険しい顔をする。
クラリッサの気持ちを知っているから、そんな顔をしたくなるのは分かるけれどもさ……。
「将冴、荷物はここに置くぞ」
「あ、うん。ありがとう」
僕の荷物の横に、クラリッサの荷物を置いているところを見逃さなかったけど……まぁ、つっこまないでおこう。
「将冴君は、この後海に行くんですか?」
「はい、そのつもりです。多分、そろそろ一夏が……」
そう言った瞬間、扉をノックする音が。
僕は車椅子を動かして扉の方へ向かい、扉を開けた。
「将冴、海行こうぜ」
「開口一番がそれっていうのもなかなか無いね、一夏」
「そうか?」
「そうだよ」
一夏らしいといえば、一夏らしいけど……。
「まぁ、いいだろ?更衣室あるらしいから、行こうぜ」
「わかったよ」
その前に……
「クラリッサ、山田先生。僕は一夏と海に行ってきますね」
「ついていかなくて大丈夫か?」
「うん。ついてこられても困るから……着替えとか」
「別にお互い全部見ているではないか……」
「一夏いるところでそう言うこと言わないで……」
水着くると思った?
残念、もう1日お待ちください。