IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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リアルが忙しくて昨日更新できませんでした。申し訳ありません。

今回で99話。(タイトル的には89話ですが)次の更新で100話となりますが、できたら今日中にアップしたいなと思っています。

100話記念は色々とふざけようと思います。


89話

 

「えぇっと……クラリッサでいいんだよね?」

 

「ああ」

 

 

タオル怪人もといタオルに包まれたクラリッサは、小さく頷いた……ように見えた。タオルに包まれているからよくわからない。

 

 

「なんでそんな格好を……いや、ラウラと同じか」

 

「それは……」

 

「僕が水着を選んだのに、僕はそれを見れないのか……」

 

「うっ……」

 

 

少し後ずさるクラリッサ。

僕だって男だし、選んであげた水着を着ているところは見たいに決まっている。

 

 

「恥ずかしがるな、クラリッサ。選んでくれた将冴に失礼だぞ」

 

「お、織斑先生……」

 

 

いつの間にか、織斑先生がクラリッサの隣にいた。その後ろには山田先生。二人とも、あの時買った水着を着ていて、なんというか男の僕からは眩しい。

 

 

「そういうわけだ。山田先生、そちら側を」

 

「はい」

 

「お、織斑先生!?山田先生!?」

 

 

織斑先生と山田先生がクラリッサの両サイドに立ち、クラリッサのタオルに手をかけ引っ剥がす。

 

 

「そら!」

 

「えい!」

 

 

クラリッサを覆っていたタオルが宙を舞い、僕はやっとクラリッサの姿を見ることができた。

 

白いパレオつきの水着。顔は水着とは正反対に真っ赤になっていて、眼帯を外していた。

 

なんというか……見ているこっちも、顔が熱くなる感じがした。

 

 

「み、見ないでくれ将冴!」

 

 

僕に背を向けてうずくまってしまうクラリッサ。

むぅ……もう少し見せてくれてもいいのではないだろうか。

 

僕は立ち上がり、クラリッサの近くまで行く。

 

 

「クラリッサ」

 

「……すまない将冴……。いざ着てみると、とても恥ずかしくて……」

 

 

既に何度か僕に裸を見せているのに恥ずかしいときたか。裸の方が恥ずかしいだろうに……。

 

 

「恥ずかしがる必要はないよ。すごく似合ってる。綺麗だよクラリッサ」

 

「将冴……」

 

 

クラリッサがやっと僕の顔を見てくれる。多分お互いに顔が赤いだろう。

 

 

「こほんっ」

 

 

織斑先生がわざとらしく咳払いをし、僕とクラリッサはハッと我にかえった。

 

 

「ここには教師も生徒もいるのを忘れるなよ。二人とも」

 

「「はい……」」

 

 

完全に忘れていました……。

 

 

「まぁいい。デュノア、ボーデヴィッヒはついてこい。私と山田先生の暇つぶしに付き合え」

 

「わ、わかりました!」

 

「私は兄さんと……」

 

「いいから来い」

 

「は、はい……」

 

 

シャルとラウラは織斑先生に連行されていき、山田先生は僕とクラリッサに失礼しますと一言言ってから織斑先生についていった。

 

 

「……とりあえず、そこのパラソルの下にいようか」

 

「あ、ああ……」

 

 

さっきまでいたパラソルの下まで行き並んで座って、みんなが遊んでいるところ眺めた。

 

一夏と鈴は水泳対決をしているようだ。

 

浜辺ではセシリアさんが手にオイルの容器を持ってキョロキョロしている。一夏に塗ってもらいたいんだろう……早く塗らないと焼けちゃうと思うんだけど……。

 

織斑先生と山田先生、それと連行されていったシャルとラウラは、何故かビーチバレーをしていた。既に人だかりができている。織斑先生と山田先生のペアは、流石教師というか……シャルもラウラも歯が立たないようだ……。

 

 

「先生方、生徒相手に本気でバレーしてる」

 

「のようだな。いくら隊長でも、織斑先生には敵わないだろうな」

 

「クラリッサはいかなくていいの?」

 

「私は将冴の近くにいる。ヘルパーだからな。そういう将冴は……すまない」

 

 

言いかけたことばを止めて、謝罪するクラリッサ。何が言いたかったかは察しがつくし、それについて謝る必要はない。

 

 

「謝らないでよ。もともと、泳ぐのはそこまで得意じゃないし、眺めてる方が楽しいから」

 

「しかし……」

 

「しかしもおかしもないよ。僕は眺めていたいから眺めるだけ」

 

「そうか……」

 

 

会話が止まり、二人でみんなの様子を眺める。

 

10分ほど眺めたところで、僕は大きく欠伸をした。

 

 

「ふあぁ……」

 

「眠いのか?将冴」

 

「うん、ちょっとね。バスで寝ようと思ったんだけど、寝れなくてね」

 

 

ラウラが僕に寄っかかって寝ていたからね……。

 

 

「悪いけど、少し眠るね。30分くらいしたら起こしてくれるかな」

 

「ああ、わかった」

 

 

僕は体育座りになり、自分の膝に上半身を預けた。こういう時、義足は疲れないからいい。

 

目を閉じ、眠りに入ろうとしたところで、ぐいっと引っ張られる感覚と、頭に柔らかい感触が……

 

 

「え?何?」

 

「横になった方がいい。私の膝を使え」

 

 

気づけば、クラリッサに膝枕されていた。

普通なら慌てたり、ドキドキしたりするんだけど……

 

 

「うん……それじゃ、遠慮なく……」

 

 

眠気の方が強かったみたいだ。そのまま僕は瞼を閉じた。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

将冴が私の膝の上で寝息を立て始めた。

ふふ、可愛い寝顔だ……。

 

 

「ハルフォーフ先生」

 

 

突然名前を呼ばれ、声のする方を見ると、水着姿の篠ノ之箒がこちらに向かって歩いてきた。

 

 

「篠ノ之か。どうした?」

 

「はい、一夏と将冴を見かけなかったかと思いまして」

 

「一夏は海で泳いでいるようだぞ。将冴はここに。」

 

 

膝の上で寝ている将冴を篠ノ之に見せる。

 

 

「ね、寝ているのですか?」

 

「ああ。バスで眠ろうとしていたが、できなかったみたいでな。少し寝かせてやろうと思ってな」

 

「そうですか。お礼を言いたかったのですが……また後でにします」

 

「そうか。篠ノ之が用があることを伝えておこう」

 

「ありがとうございます。それでは、私は海の方に行ってきます」

 

「ああ。怪我をするんじゃないぞ」

 

 

篠ノ之は海へと走っていった。一夏を探しに行ったのだろう。将冴が以前、一夏は複数の女生徒から好意を寄せられているということを聞いた。篠ノ之もその一人なのだろう。おそらく、オルコットや凰も……

 

 

「好意……か……」

 

 

将冴はどう思っているのだろう……。

 

将冴がドイツから離れる時、答えが出るまで待ってくれと言われたが……その答えはまだ聞いていない。

 

アプローチはしているつもりではあるが、将冴はどう思っているのだろう。

 

織斑先生と山田先生も、将冴に好意を寄せているようだからな……将冴は気づいているかわからないが……。

 

 

「将冴……私は怖いぞ……」

 

 

寝ている将冴の頭を撫でる。

 

 

「うっ……ぅん……」

 

「ふふ……」

 

 

かき乱されてばかりだな。




水着回終了。

次回は100話記念になります。

悪ふざけだったり、裏話だったりを暴露していきたいと思っていますので、楽しんでいただけたらと思います。
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