シャーレの決戦兵器   作:わんぱくフォックスですまない

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誤字報告ありがとうございます!


今回はちょっと鬱展開、流血多めです。
苦手な人は飛ばしてください。


第7話 えっ、拉致ってマ?

本日2度目のシャワーを終わらせ午後の紅茶を飲み気持ちをリセットする。

やはり5日分の仕事はおおく1日程度ではちょっと遅れを取り戻せそうにない。自業自得な部分があるとはいえ徹夜で仕事を進める羽目になった瞬間だった。

 

ふと、時計の短針が2回ほど回っていたことに気が付く。どうやら集中しすぎていたようだ。

少し休憩をはさみながら、ポコポコとかかってくる電話や連邦生徒会から追加で回されてくる仕事をこなしていると先生から画像付きでモモッターが来ていることに気が付く。

 

 

 

―――あの野郎飯テロしてきやがった。こちとらペットボトル1本しか摂取してないというのに。

先生にはきっと他意はないのかもしれないけどタイミング的には完全に飯テロのそれだった。

 

 

 

「柴関、らーめん?くそっ、おい、しそう、むかつく。これ、はギルティ。」

 

 

 

誰もいないシャーレの執務室で一人ごちる。サエカは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の先生をシバかなければならぬと決意した。

そうと決まれば早速行動だ。キリのいいところで仕事をやめ、シャーレ不在の看板を出してからアビドスに向かう。

夕方だし約束の時間には到着できそうだ。モモッタ―で先生に”今から向かいます。飯テロは許さない、首を洗って待っていてください。”と脅迫メールを入れておくのも忘れない。

待ってろ先生、食べ物の恨みは怖いんだからな。

 

 

 

 

 

 

せっかくだからと合流前に例のラーメン屋を探し歩いていると薄暗い道で一人歩くセリカさんを見つける。そういえば柴関ラーメンで働いていたって先生が連絡してくれていたっけ。となるとバイトは終わりで店も閉まっているのかな、残念無念また明日。

 

 

「こん、ばんは、セリカさん。いま、帰り、ですか?」

 

 

極力驚かさないように気を付け声をかける。

 

 

「あら、サエカじゃない。私は帰宅途中で先生の場所は知らないわよ?」

 

「いえ、先生、から柴関ラーメン、の飯テロされ、まして。セリカさん、がバイトしている、そう聞いた、んですけど、もう店じまい、しまいました、か?」

 

「それは惜しかったわね、今日はもう店じまいしちゃった。飯テロされて気の毒ではあるけど、また明日食べに来て。大将の作るラーメン、絶品なんだから!」

「せっかく食べに来てくれたのに、ただ返すのも可哀そうだから先生のところまで送って行ってあげるわ。」

 

 

優しい!ラーメンのことで気分良くなったのかな?送ってくれるならその厚意に甘えちゃおうかな。先日のワカモさんからの扱いの差に感激して思わず抱き着―――こうとして転んだ。

 

 

 

つんのめってセリカさんを突き飛ばすような形で盛大に転ぶ。スローモーションのように映る光景。驚いた顔をするセリカさん。同時に私の脇腹に突き刺さるロケットランチャーの弾頭らしきもの。えっ、なんで????

まるで理解もできず、そこで私の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

sideセリカ

 

シャーレの小さな子。あの信用できない大人の先生と一緒にやってきたのはつい先日のことだった。

今まで誰もアビドスのことを助けてなんてくれなかった。連邦生徒会も、大人も。

そんな中、突然来て助けるだなんて言われても信用できない、そう思うのは仕方のないことだと思う。

今日もホシノ先輩の提案だろう、バイト先の柴関ラーメンまで来た先生。朝から行く先々で会うものだから気味の悪さを感じ取る。そんな先生が態々シャーレで仕事をしていた小さな子に、おいしかったと自慢していたのだという。

それに憤慨してか態々こんな遅い時間にラーメンを食べに歩いてきた。その目はアイマスクによって見えないが、心から柴関のラーメンが食べたいのだと訴えている。

 

アビドスを助けたい。不信感は拭えない、そんな言葉よりももっと純粋で身近な言葉だった。

そこで思い返す。私はこんな純粋に善意で接しているであろう彼女に不信感を抱き、あまつさえその伸ばした手を振り払おうとしていることを。

そこまで考え目的のラーメンも食べれないばかりか、夜道を一人で歩いて帰らせるのも罪悪感も合わさって気が引けた。

 

 

先生のいる校舎までならそう遠くないしと、小さな罪滅ぼしをしようと歩き出した瞬間、彼女に突き飛ばされた。何か気に障ってしまったのだろうか?スローモーションのようにゆっくりと流れる時間の中彼女の表情は見えない。

 

 

 

尻もちをつく瞬間私の目は捉えていた。彼女―――サエカの脇腹にロケランの弾頭が突き刺さるのを。

一拍。そして轟音とともに凄まじい爆発と衝撃波が襲う。私も至近弾でダメージを負うが直撃ではないため軽症で済む。

 

 

「っくうっ…!いったいわね!こんな住宅街で何考えてるのよ!?」

 

「くそ、外した!あれ一発しかないっていうのに!けど至近弾だ!ダメージはある!囲め!」

 

 

わらわらとヘルメット団が出てくる。まって、外した?

 

 

「任務失敗しましたじゃ、マダムに何されるかわからん。さっさと終わらせるぞ。」

 

「あのチビがいなければ、一発で終わる楽な仕事だったってのに。」

 

 

あのチビ?何かを忘れている。囲まれて絶体絶命のピンチなのにその言葉が引っかかる。

 

 

 

―――ズガァァン!

 

 

 

少し離れたところに何かが降ってきた。重そうな音を立て、舗装されたアスファルトを貫き聳える。

それは普段あの子が背負っていた白いはずの大楯だった。赤く濡れ、静かに持ち主のダメージの深さを物語っていた。

そこでようやく私はただ突き飛ばされたのではなく、庇われたのだと知る。

 

 

 

「えっ、あっ、うそ、そんな。」

 

「捕らえろ。」

 

混乱から立ち直ることができず私は一矢報いることもなく意識を闇に落とした。

 

 

 

 

 

 

side先生

 

最後にサエカから連絡が来てから1時間は経つ。柴関ラーメンの件で私に対するお仕置に燃えていた彼女だったが柴関ラーメン付近まで来た、という連絡から連絡がつかない。

距離的にも校舎から遠くなく地理的にも難しい場所ではない。

 

胸騒ぎがして書置きを残してから、外に出る。

昼間に行った柴関ラーメンに向かう途中ホシノが歩いていたのを見て彼女に声をかける。

 

 

”こんばんは、ホシノ!いてくれて良かった。サエカのこと見かけてないかな?この辺まで来てから連絡取れなくなっちゃって。”

 

「んにゃーおそよう先生ー、さっきぶりだねー。んで、サエカちゃん見てないか、だっけ?おじさんは見かけてないよー。」

 

”そっかぁ。遭難してなければいいんだけど…あの子方向音痴だし。ホシノはどうしてこんな時間に?”

 

「方向音痴なんだね―あの子ー、アビドスでそれは致命的だから危ないかもねー。おじさんはさっきこの辺で爆発音があったから、確認しに来たんだよー。」

 

 

爆発音?サエカが見つからないせいもあってか妙な不安感がこびりついて離れない。

 

 

”そっか、そんなことが。けが人とかいたら困ってるかもしれないし、私もいっしょに行くよ。”

 

 

ホシノと一緒に住宅街の路地を進んでいく。サエカのことも心配だが、怪我人のことも心配なので先に此方を対応しようと思う。

何回か角を曲がり目的の爆発音のあった場所にたどり着く。

付近には硝煙の匂いと瓦礫、そして戦闘があったのか複数の薬莢が転がっていた。

 

そんな中ホシノは地面にしゃがみ一つの薬莢を拾う。

 

 

「これ、セリカちゃんが使ってる銃の薬莢だ。」

 

 

おもむろにホシノはセリカに電話をする。―――が、何コールたってもつながらない。

そして次に対策委員会全員に片っ端から電話をかける。それで分かったのはセリカの居場所はわからないという、結果だけだった。

 

ホシノが焦った表情をする。駄目だ、私まで焦っていたら事態の収拾が難しくなる。自分に冷静になるよう言い聞かせる。

 

 

「いや、まだセリカちゃんもバイトから帰って今はシャワーを浴びてる時間帯だと思う。」

「ここで戦闘をしたのがセリカちゃんであるという前提はいったん外そっか。焦っても事態は良くならないのはよく知っているからねー。」

 

 

そう自分に言い聞かせるようにつぶやくと焦りの表情からいつもの表情に戻っていく。

私もほっと胸をなでおろし可能性を複数考えていると近くのオブジェクトが倒れるのを視界の端にとらえる。そこそこ重量のありそうだったオブジェクトは私のよく知っているものだった。

最も知っているのは形状だけで色は違っていたが。

 

 

 

「っ…!先生、これ…!」

 

”うん、間違いなくサエカのものだ。そしてこの血…あまり悠長には構えていられないかもしれないね。”

 

 

 

 

 

そこから夜にもかかわらず、仲間のためと対策委員会の生徒たち全員が集まる。

 

 

「これは、ひどいですね。いったい誰がこんなひどいことを…。」

 

「かわいい後輩2人に手を出すのは許せない。」

 

「うーん、これはちょっと許せませんねー。」

 

”まずは捜索するためにもいったん校舎に向かおう。情けない話、私ではサエカの武装どちらも持てそうにないから頼めるかな?”

 

「ん、まかせて。ノノミはそっちの盾をお願い。私はこっちの銃を持っ―――!?」

 

「わぁ☆この盾重たいですー!!!」

 

 

ノノミは何とか背負いあげることができたが、シロコは予想に反して重すぎたのかすぐに持ち上げられないでいた。

そうなのだ。彼女の武装はその大きさと耐久性のせいで、武器の範疇を大きく超えた重量となっていた。

 

 

 

「んぐ、んぎぎ、……無理。ホシノ先輩手伝って。」

 

「おじさんもう年で腰がねぇー。まぁでもさすがにこれは重そうだし、手伝うよー。」

「アヤネちゃんは先生の護衛を頼むねー?行くよーシロコちゃん、せーの!」

 

 

えっちらおっちらと、サエカの武器を校舎まで運び移動中に捕捉した二人の奪還作戦を考える。

 

 

”今回、医療班として連邦生徒会よりヘリと医療チームが派遣、協力に当たってくれることとなった。現場処理及び後詰にはヴァルキューレが、予備戦力としてシャーレに協力してくれる生徒がいる。奪還作戦にはアビドス対策委員会の皆が、矢面に立って戦闘してもらおうと思ってる。

目標の二人を確保後治療班に預けることを最優先目標とし、彼我の戦力差によってはそのまま殲滅戦へ移行、難しそうなら撤退。ここまでで何か質問はある?”

 

 

皆首を振る。あとは準備が整い次第決行だ。

 

 

「にしてもよくもやってくれたな~って感じだよねー。どうゆう思惑が動いてるのかわかんないけどさー?こうゆうときなんて言うんだっけ?ただで済むと思うなよ?」

 

「ん、シマ荒らしとはいい度胸。ケジメつけさせるべき。」

 

「首を洗って待っておけー☆ですよー!」

 

「部屋のスミでガタガタ震えて命乞いをする心の準備はできているんでしょうか?」

 

若干皆の殺意が高すぎる気がするが士気は十分。

 

”そろそろだからみんな準備しよっか。”

 

 

 

2人の無事とこの子たちがやりすぎないことを祈りながら目的地へと向かった。

 

 

 

 

 

 

sideサエカ

 

夢を見ていた。

あつい。いや、さむい。

くらい。いや、まぶしい。

いたい。いや、なにもかんじない。

 

 

ここはどこだ?そうだ。病院のベットだ。

”私”は余命宣告されただ死を待つだけの哀れな存在。

ただの一度も外で遊ぶことなく。

ただの一度も学校に行くこともなく。

ただの一度も買い物することもなく。

ただの一度も恋愛することもなく。

 

 

生まれてからこの部屋の外を知らないで暮らしてきた、言葉の通り”籠の中の鳥”

それでも幸せだった。幸せを知らなかったから。

親族には治療費がかさむ疫病神と罵られ。

唯一の話せる相手は症状が悪化する前に同じ病室にいた女の子。その子も退院して私は症状が悪化し面会謝絶。

もはや誰も来なくなった病室で孤独に死んでいた。

私の意思疎通能力がなくなったのをいいことに延命するための機械が外されていく。

 

 

もう体を動かすことはかなわないけど、意識はあるし耳もしっかり聞こえてる。

これでようやっとムダ金くらいとはおさらばできるな。そんな言葉が聞こえてくる。

どうして。神様はこんな惨いことをするのだろう。

”私”は呪った。神を。家族を。己を。その世界のすべてを。

死ぬことは別に怖くはなかった。ただ一つだけどうしても受け入れられないことがあった。

私の存在価値。生まれてきた価値。ただ無意味に生まれ何も為せず、何も知らずに終わる。

利用されてもいい。”私”でなくとも”だれか”が得をしてくれれば。

それだけでもこの命に価値があったと、そう思える。

神様なんてもう頼らないし信じない。悪魔でいい。無駄に消えるのなら。この”魂”を有効活用してくれ。

 

 

その死に際の願いが聞き届けられたのか分からないけど、病室に声が聞こえた。

 

 

≪なら、その魂ちょうだい。わたしは無が欲しい。そしてあなたは有がほしい。≫

≪良い取引だと思わない?互いの欲しいものを交換する。≫

≪…もう思考能力も残ってないか。同意をとれないのは残念だけどごめんね。≫

≪―――私はわがままだから―――≫

 

 

 

 

 

意識が少しずつ覚醒するのが分かる。

ここは、どこだろ?気温は暑いけど体は寒い。おなか周りがひどく痛い。

近くですすり泣く声が聞こえる。それを見て思考がようやくクリアになる。

ああー、確か転んだ拍子になんか爆発物おなかにもらったんだっけか。

それにしてもセリカさんだけしかいないのも、泣いてる理由も気になる。

 

 

「お゛ぁ゛っ……!?」

 

 

体を起こそうと動くとあり得ないくらいの激痛が襲い、変な声が出る。

 

 

「―――ッ!?い、生きてる!?う、動いちゃダメッ!」

 

 

え?私死んだと思われてた?冗談がうまいねセリカさん。

確かに今にも死にそうなくらい痛いし、腹部がどうなってるのかわからなくて怖いけど、早々死なないから大丈夫だよ、これでもキヴォトスの体だし。

 

 

 

「大、丈夫、です、あまり動け、ませんが、大丈夫、です…落ち着いて、ください。」

 

「これが落ち着いていられるっていうの!?あんた!私、私!ふっうぐ…!」

 

 

困った。状況聞きたかったのに精神分析に失敗した(ファンブった)

しばらくは何も聞き出せそうにないねこれ。体力温存のためにもう少し休んでいようかな…。

 

 

 

 

 

 

sideセリカ

 

死んでしまったと思った。他ならぬ私のせいで。

あの爆発をもろに受けるはずだったのは私のはずだったのだ。

今更悔やんでも仕方ないけど、それでもと、悪いことばかり考えてしまう。

 

 

「こわい…怖いよみんな…どうすれば…助けて…。」

 

 

ふと、すがるような気持ちで物言わぬ骸と化した命の恩人に目を向ける。

ヘイローがうっすら見えるうえに身じろぎしている。

 

 

 

「―――ッ!?い、生きてる!?う、動いちゃダメッ!」

 

 

 

そう言って起き上がろうともがくサエカの肩を抑える。下手に動くと”中身”がこぼれかねない。

 

 

「大、丈夫、です、あまり動け、ませんが、大丈夫、です…落ち着いて、ください。」

 

「これが落ち着いていられるっていうの!?あなた!私、私!ふっうぐ…!」

 

 

どうしてそんなこと言えるのだろう、私より幼く小さい体で。自分が情けなくて涙が止まらない。

気持ちが落ち着くころにはサエカの意識はなかった。最悪の想像が頭をよぎり慌てて脈を確認する。まだ生きてる。けどこのままじゃいずれ本当に想像の通りになってしまうのは、時間の問題だと理解していた。

私がなんとか、なんとかしなきゃ。今度は私が助けなきゃ。彼女は無理に動かせないし、助けが間に合う保証もない。

 

 

 

私は意を決してコンテナの扉の前に立つ。そして力いっぱい蹴飛ばした。足がしびれるもビクともしない。もう一回。結果は同じ。もう一回。何度でも。この子の方が痛いはずなのに笑ってた。

なら私も笑わないと。それから何度も何度も蹴りつける。血が出ても関係ない。蹴る。

遠くで爆発音が聞こえる。やばい、早くしなきゃ。渾身の蹴りを放つとついに扉の蝶番の部分から外れた。

 

 

「くそっ何だってんだ!襲撃者の次は脱走者かよ!?」

 

「はっ!満身創痍じゃねぇか!さっさとこいつ気絶させて襲撃者のところに―――おごぉっ!!」

 

 

近づいてきたヘルメット団にすっかり板についてきた蹴りを放つ。クリーンヒットして一撃で気絶していた。次。

 

 

 

「私はあんた達を絶対に許さない。死にたい奴からかかってきなさい。」

 

 

 

ヘルメット団は気迫に押されてじりじりと下がる。

―――距離はとらせない。

一気に距離を詰め蹴りを放つ。背中を撃たれるが気に留めず近くのヘルメット団の胸ぐらをつかみ上げ、盾にして距離を詰める。盾をぶん投げ蹴る。これで4人。あと2人。距離を詰めるために腰を落とす。そこで近くの建物で爆発が起きる。その煙の中から現れたのは―――

 

 

「ん、こちら野生の手負いセリカを発見。先生、治療班回して。」

 

 

―――シロコ先輩だった。

 

 

「くそ!もうここまで!割に合わねぇ!にげっ――ぎゃっ」

 

「うへーここまでのことしておいて、今更逃げられるとか本気で思ってるのー?」

 

「年貢の納め時です☆」

 

「せ、せんぱぁい…!!!」

 

 

思わずホシノ先輩に抱き着きに行ってしまう。もういろいろ限界だった。

 

 

 

「おーよしよし、かわいいかわいいうちの子がこんなに甘えてくるなんてよっぽど寂しかったんだねー。」

 

「ん、泣き虫セリカ。でも今回は仕方ない。ママに甘やかされるべき。」

 

「うーん、セリカちゃんは見つかりましたけど、サエカちゃんは見当たりませんねー。」

 

「そう!サエカ!私と一緒にコンテナの中で!私をかばって!死にそうなの!助けて!」

 

「うわっ落ち着いて、セリカちゃん。今先生が手配した治療班を乗せたヘリが向かってるからさ。まずはそのコンテナがどこにあるのか、教えてほしいな?」

 

 

泣きじゃくりながら先ほどまでいたコンテナに戻ってくる。中にはまだ意識のないサエカが倒れたままになっていた。

 

 

 

「―――ッ!これはひどいね。無理にも動かせない。少しでも早く治療を受けられるようすぐそこにヘリポート作るよ。みんな手伝って。」

 

 

 

ホシノ先輩の迅速な指示を受け私たちはヘリの離着陸ができる場所を作っていく。

その後ヘリに乗せられた意識のないサエカと一緒に私も治療のためヘリに押し込まれる。

ヘリには先生も乗っていて治療のサポートをしていた。行先は連邦生徒会の直営である大型病院でSRTなどがよく利用していた場所らしい。

私は緊張の糸が切れ疲労もあってか眠くなる。最後に見たのは手元のタブレットをうっすら光らせ、サエカの手を握る先生だった。

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