私はフラグを否定する!   作:ビレッジイ

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暇つぶしに書いたものなので暇つぶしに読んでくれたら幸いです。


原作開始前
プロローグ


私の名前は西条蘭華。

私立の大学に通うごくごく普通の20歳です。

趣味は料理、好きなものは甘いものとまあ普通ですね。

今日は私が20歳になったということで同じサークルの人達と一緒に居酒屋に来ています。

人生初のお酒の付き合いです。

 

「ほらほら蘭華ちゃん。どんどん飲んでよ。今日はあなたが主役なんだから!」

 

「とっとっとー、ありがとう京鳴ちゃん。みんなもありがとうね私なんかのために時間取ってくれて」

 

私はビールを注いでくれた親友の京鳴ちゃんと今日集まってくれたサークルのメンバーにお礼を言う。みんなバイトなんかが忙しくてなかなか揃うことが無いんだが、この日はほとんどのメンバーが集まってくれた。

私の所属しているサークルは人数が多いのでこの時間店を貸切にしてもらっている。

 

「いいっていいって。それにお前の誕生日祝いなんて酒飲むための口実なんだから。少なくとも俺はな」

 

私のお礼にぶっきらぼうに返す龍次君。

しかしなんだかんだ言ってるけどこの飲み会を提案してくれたのが彼であることを私は知ってる。本人は隠してるみたいだけど他のメンバーがあっさりと教えてくれた。

 

「ふふふっ。龍次は素直じゃないね〜。このツンデレ君」

 

「誰がツンデレ誰が!てか本当にただの口実だしー!、酒飲みたかっただけだしー!」

 

「・・・・・・・・龍次。蘭華はもう既に真実を知っている。それ以上言い訳しても無意味」

 

「なっ!?ちきしょうてめーら裏切ったな!だれだ明智光秀はっ!」

 

「「はははははははははははっ」」

 

「笑うなっ!」

 

ほんと相変わらず龍次君は素直じゃないなー。もっと素直になればいいのに。

そんなんだからいつまで経ってもいじられキャラなんだよー。まあそれも彼の魅力の一つでもあるんだろうけどね。

 

「蘭華さん」

 

私がビールをちびちび飲みながら愉快なサークルメンバーを見て一緒に笑っていると、隣に誰かがが隣から声をかけてきた。声の方を見るとそこには全体的に少し長いサラサラの髪と甘いマスクを持った男の子がビールを片手に私の隣に腰掛けた。

 

「ん?ああ翔君。どうしたの?」

 

「いや、改めてお祝いが言いたくて。誕生日おめでとう」

 

「これはご丁寧にどうもどうも」

 

彼の名前は高坂翔君。

我が大学一のハンサム君です。大学には彼のファンが大勢いてファンクラブがあるほどです。このサークルにも彼目当てで入った娘が何人かいるみたいです。親友の京鳴ちゃんなんかがそうです。

私?私はちがうよ。男よりもスイーツが食べたい女ですから!美味しいは正義です!

 

「蘭華さん。よかったら今度の日曜日二人で映画でも見に行かないかな?僕個人でもお祝いがしたいんだ」

 

しばらく雑談をしながら二人でビールを飲んでいると翔君がそう言った。今度の日曜日と言われ私はその日何か予定が入っていたかを考える。

今度の日曜日は、11月9日・・・・・・たしかその日はスイーツフェスがあったはず!

甘いもの好きと名乗っているからには行かないわけにはいかないイベントじゃ!

誘ってくれた翔君には悪いけどここはお断り一択だね。

 

「えーと、ごめん。その日用事が入ってるや」

 

「そっか・・・・じゃあその次の日曜日は?」

 

その次の日曜日って言ったら・・・・はっ!高野ケーキの新作発売日じゃん!

あそこのケーキはすぐ売り切れるからオープン前から並ばないと人気の商品は手に入らない。ましてや高野ケーキ史上最高傑作という前評判の新作ならなおのことだ。これは戦争が起きるぞ・・・・・!

 

「その日もちょっと無理だわ。ごめんね、せっかく誘ってくれたのに」

 

「いやいいんだよ。蘭華さんには蘭華さんの予定があるもんね。でももし予定が空いたら連絡して、僕はいつでも大丈夫だから」

 

そう言って残念そうにビールを飲む翔君。

うーん。流石にちょっと申し訳ないかなぁ。でもっ、それでも私は美味しいスイーツが食べたいんだ。

 

「なんだ翔、ナンパ失敗かい?」

 

「な、ナンパじゃないし。僕はただたんにお祝いがしたくて」

 

「そうだよ。翔君は私のお祝いって言って誘ってくれたんだから。あんたと一緒にしないのっ。ていうか翔君が私なんかをナンパするわけないじゃん」

 

私と翔君のやりとりを聞いていたメンバーの男子が彼の肩を叩いて意味のわからないことを言う。

なんで翔君が私をナンパしたことになる?

わざわざナンパなんかしなくても翔君なら相手の方から声をかけて来るだろう。本人がそういうことを公にしないのであまり分からないが。噂では一週間に最低でも一回は告白されているという噂である。普通なら、そんな馬鹿な、と思うだろう噂だけど彼に限ってならかなり信憑性がありそうだ。

そんな超絶モテ男の翔君がちょっと料理が得意ってだけの私にナンパ。うん、あり得ない。

 

「翔・・・・前途多難だな。ほら飲め」

 

「・・・・・ありがとう」

 

「?」

 

この後飲み会は男子が酔った勢いで脱ぎ出そうとしたり、意外にも泣き上戸だった龍次が泣き出したりとやんややんやしながらも楽しい時間が過ぎて行った。

そんなこんな楽しんでいるうちにいつの間にか終電の時間になり飲み会はお開きとなった。

会計で自分の分の代金を出そうとしたら翔君が今日は私のお祝いだからと代わりに払ってくれた。流石大学一の紳士。

ぞろぞろと店から出る私達サークルメンバー。

 

「それじゃ明日なー」

 

「やっべぇ、飲み過ぎた。明日二日酔いきつそー!」

 

「・・・・・あの程度で音を上げるなんで未熟」

 

「相変わらず引くくらいの酒豪っぷりだな。だがそこに痺れる憧れるぅ!」

 

最後まで賑やかなみんなと別れて私は京鳴ちゃんと一緒に駅に向かって歩く。

店を出る時、翔君が家まで送ろうか?って言ってくれたけど彼の家は私の家とは真逆なので断った。夜道を女の子一人で歩かせられないからなんて、彼はどこまで紳士なんだろうか。ほかのサークルの男子にも見習って欲しいものだ。

まあそのセリフは翔君が言うから様になっているのだろうから、ほかの男子メンバーが言っても気色悪いだけかもしれないけどね。

 

「ねぇ蘭華ちゃん」

 

「ん?なに京鳴ちゃん」

 

星を眺めながら歩いていたら京鳴ちゃんが声をかけてきた。

なんだろ、心なしかさっきまでより声のトーンが少し低いような。気のせいかな?

 

「さっきさ。翔君となにか話してたよね。なに話してたの?」

 

さっき?さっきと言うと翔君が私に言った『家まで送ろうか』のことだろうか?

そういえばあの時京鳴ちゃんは支払いで少し離れてたっけ。でもなんでそんなこと聞くんだろ?

まあ京鳴ちゃんは翔君のことが好きだから彼のことだとなんでも気になっちゃうんだろうな。

特に隠すこともないのでありのままを話す。

 

「たいしたことじゃないよ。ただ家まで送ろうかって言われただけ。まあ断ったけど。彼の家逆だし」

 

「・・・・そうなんだ。優しいね、翔さん」

 

「本当だよねー。別に誕生日だからってそこまでしてくれなくてもいいのに。そう言えば翔君飲み会の時も映画に行かないかって誘ってきてね、個人でもお祝いしたいって。まあその日は用事があるから断ったんだけど」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんで。あなたばっかり」

 

「え?何か言った?」

 

「・・・・ううん、なんでもない。それより急がないと終電来ちゃうよ」

 

「え、あっ本当だ!?急ご京鳴ちゃん!」

 

京鳴ちゃんに言われて腕時計を確認してみると確かに時間ギリギリだった。

私たちは少し早足で駅に向かった。

 

・・・・・・・・この時、半歩後ろからついてくる京鳴ちゃんの嫉妬に狂った表情に気づいていたらこの先の結果が少しは変わっていたかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅー。なんとか間に合ったね」

 

「・・・・・そうだね」

 

私たちは終電が来る3分前でギリギリ駅に着いた。

私は額の汗を拭う。アルコールが入ってるせいか走ったことでちょっと気持ち悪くなった。吐きそうというほどではないがあまり長く続くようだとキツイかもしれない。

京鳴ちゃんの方を見ると彼女もあまり顔色が良くないようだった。暗い顔でちょっとうつむいている。

 

「大丈夫?ちょっと顔色が良くないみたいだけど?」

 

「大丈夫だよ。・・・・・・そういう蘭華ちゃんも顔色良くないよ」

 

「そんなに飲んでないつもりだったんだけどねぇ。私ってお酒弱いのかな?」

 

「初めてだからじゃない?」

 

「かもねー。あーでもちょっと落ち着いてきたかも」

 

「・・・・・蘭華ちゃんさ、もし翔君に告白されたら、どうする?」

 

「えっ!?どうしたの急に?」

 

「仮定の話だよ、仮定の。で、どうなの?もし告白されたら、受けるの?」

 

なんの脈略もなく突然そんなことを言われて困るというものだ。どうしてそんなことが聞きたいのか分からなかったけど多分酔った勢いみたいなものだろう。

えっと、もしも告白されたら、か。

甘いものが一番の私でも流石に全くそういういわゆる男女の交際ってやつに興味がないってわけじゃない。休日にスイーツ巡りをしていて仲良く一緒にスイーツを食べているカップルを見ているところ、まあちょっといいなぁなんて思ったりもする。

翔君ならきっと私に付き合って一緒にスイーツ巡りしてくれそうだ。違う種類を頼んで一口ずつ交換したり。あーん、なんてしてみちゃったり。それはちょっと楽しそうで悪くないと思う。でも、

 

「大丈夫。親友の好きな人は取らないから」

 

それでもやっぱり私は親友との仲を取ると思う。

京鳴ちゃんとの仲はかれこれ5年になる。中学生の頃からの親友だ。あの頃から私は何度も京鳴ちゃんにお世話になってる。それを男女のあれこれで台無しにするようなことはしたくない。

女の子同士の仲のもつれは、ほとんど男関連が原因って聞くし。

 

「・・・・・・・親友、ね」

 

「京鳴ちゃん?」

 

私は京鳴ちゃんの言葉に何か含みのようなものを感じた。

とそこでスピーカーからアナウンスが鳴り出した。

 

『間もなく3番ホームに電車が参ります。安全のため黄色い線の内側までお下がりください。繰り返します・・・・』

 

「ん、そろそろだね」

 

京鳴ちゃんが呟く。

少し離れたところから電車の走る音が微かに聞こえてきた。その音はだんだんと大きくなっている。

アナウンスを聞いて私は黄色い線を踏んでいることに気がついたので少し後ろに下がることにした。

しかしいつもなら問題なかったのになぜか今日は足元が少しフラついた。

 

「おっ、ととー」

 

「・・・・・ちょっとフラついたけど、大丈夫?酔ってるの?」

 

「大丈夫だって、全然酔ってないから」

 

あ、このセリフ飲酒運転しちゃう人みたいじゃん。うーん、でも言われてみればちょっとフワフワしてるかも。

 

「ほら。気をつけて。酔ってる時はちょっとしたことでも注意しないと」

 

「はーい」

 

気楽な私に注意をする京鳴ちゃん。きっと私のために言ってくれてるんだろう。

相変わらず京鳴ちゃんは優しいなー。

京鳴ちゃんは私がホームから落ちないようにわざわざ手を私の腰に、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・蘭華ちゃんが悪いんだからね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・え?」

 

トンっと軽く背中を押される感覚。

 

突然の浮遊感。

 

私の顔を照らす電車のライト。

 

・・・・・あれ、おかしいな、なんで私の目の前から来るんだろう?

 

ホームに響く人々の悲鳴。

 

・・・・・なんだが音がゆっくり聞こえる。そういえば何かで聞いたような。たしか人間死が迫ってくると世界がスローモーションに見え、

 

そこで私の意識はプツリと消え失せた。




更新日は未定です。
あくまでも暇つぶしで書いているので気長に待っていてください。
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