私はフラグを否定する!   作:ビレッジイ

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時系列が原作に突入します。


無印編
ジュエルシード飛来


こんにちは。リリなのの世界に転生したけど海鳴市に産まれることが出来なかった天霧蘭華です。

いや何でこうなってしまったのか。確かにここも『魔法少女リリカルなのは』の世界で間違えはないけど普通ここは海鳴市に産まれるのがお約束じゃん?それが沖縄って、間に海挟んじゃってるんですけど。

いや沖縄が嫌ってわけじゃないよ?沖縄には沖縄のいいところがあるしさ、海とか綺麗だしさ、美味しいものもいっぱいあるんだけどさ、

 

「これじゃ翠屋のシュークリームが食べられないじゃないか!?」

 

『いやご主人ちゃん、問題はそこじゃ・・・・・いや、ご主人ちゃんはそういう奴だったな』

 

「あらあら、リュウも随分と私のことを理解してるじゃない」

 

『そりゃ4年間もずっといりゃあな。ご主人ちゃんの頭の中がスイーツだらけってことは数日で分かった分かったけどな』

リュウが呆れたような声音でそう言った。リュウに身体があったらきっとやれやれとアメリカンなオバーリアクションをしていただろう。私の思考回路は変わらないので一生このまま付き合ってもらうしかない。

当然私がリリカルなのはの世界に転生すると聞いてまず思い浮かんだのが翠屋のシュークリームだ。

原作?何それ美味しいの?

私はこの世界の美味しいものとちょっとばかりの魔法が使えたらそれで満足なのだ。まあ魔法を使うためにはどうしても一度は原作に関わらないといけないんだけどね。

 

「何にしても海鳴市には行かないといけないんだけどね。・・・・・シュークリームのためにも!」

 

『ああ、やっぱりそれが先に立つのね。まあ理由は何にせよご主人ちゃんの言うとおり海鳴市には行かねーとな』

 

しかし海鳴市というのはリリカルなのはにだけ存在する創作市なので私はそれが何県にあるかすら分からないし、海鳴市そのものも知名度の低い町なので誰かに聞いても『海鳴市?何それ美味しいの?』となってしまうのがオチだ。

インターネットで調べようにも9歳の私じゃ両親がパソコンに触らせてくれない。

様々な方法を模索した結果私とリュウが出した答えは、

 

「結局原作が始まるまで待つしかないないんだよねぇ」

 

『ジュエルシードがド派手に魔力撒き散らせてくれりゃあ俺っちがその発生源を探知できるしな』

 

「まさかまだなのはちゃん産まれてないってことないよね?」

 

産まれた場所からしてもないとは言い切れない。自分で言っておいて何だが不安になってきた。

大丈夫だよね、神様?もう少しで私精神的に30歳になってしまうよ!?

だが私のそんな不安も長く続くことにはならなかった。

 

 

 

 

 

 

 

『ご主人ちゃん、来たぜ!しかもこの町にもひとつ!』

 

「えっ!?なに!?モンブラン!?」

 

『いや、寝ぼけてねーで起きろ!ジュエルシードだよ!』

 

同日の夜、スヤスヤ気持ちよく寝ていた私はリュウが出したアラーム音に叩き起こされた。

どうやらリュウがジュエルシードの飛来を感知したらしい。つまり原作開始の合図だ。

私は、ついに来た!という気持ちよりもいい夢を見ていた途中で起こされたことに少し機嫌が悪い。あと少しで、あと少しで巨大モンブランが食べられたのに!

しかもリュウが言うには21個あるジュエルシードのうち一個が何故かこの町に落ちてきたようだ。なぜこのようなイレギュレーションが起きたのか分からないがこの町に落ちたからには私が何とかしなければいけない。正直面倒くさいけど仕方がないのでベッドから這い出てパジャマから外出用の軽装に着替える。

 

「反応はどこから?」

 

『基地の中からだな』

 

「うーん、ちょっと厄介なところに落ちてくれたなぁ。これは急いだ方だいいね」

 

リュウとの会話をそこそこに済ませ、着替え終わった私は隣の部屋で寝ている両親を起こさないよう音を潜めて部屋を出る。こんなこともあろうかと音を立てない歩き方の適性を習得しておいてよかった。

ちなみに私は一人部屋だ。5歳の誕生日にリュウと一緒にプレゼントしてもらった。見た目幼女でも中身はいい歳した大人なのでいつまでも両親と一緒に寝るのは恥ずかしい。

私はさながら暗殺者のように両親の部屋を通り抜けようとした。

 

ーーーーーーあんっ・・・・・はあぁん、あなた、あなたぁぁあああぁあああぁ

 

ーーーーーーあぁ、可愛いよ、もっと可愛いところを僕に見せてくれ

 

ーーーーーーそこっ、そこはらめぇぇええええええぇぇええ・・・・・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

私はそっと家を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

両親のエロボイスを聴いてしてしまった私たちはなんとなく気まずい空気の中目的の場所、米国基地の敷地内に侵入していた。いくら強力なスキルと高い身体能力があるからと言ってもやっぱり軍施設に不法侵入するのは緊張する。軍服を着た見回りの厳ついお兄さん達をを切り抜ける度に緊張で身体が震える。手とか汗でびっしょりだ。

ある程度ジュエルシードに近づいたことで私にもジュエルシードの魔力を感知することが出来た。

 

『どうやらまだ暴走してないみたいだな。魔力は落ち着いてる』

 

「うん。でも急いだ方がいい。反応がある方って確か見回りが歩いて行った方角だったはず!」

 

私は一気に進む速度を速めてジュエルシードのある方に向かって走る。

高い身体能力のおかげであっという間に反応のあった場所にたどり着いた。

しかしほんの少し遅かった。私たちがたどり着いたときに見たのはジュエルシードを握り今まさにジュエルシードに呑まれようとしている見回りますお兄さんの姿だった。そして次の瞬間、ジュエルシードから迸る光が見回りのお兄さんを包みむ。

その眩しさに私は一瞬目をそらす。

そして光が治るとは同時に視線を元の位置に戻し、私はそれを見た。

 

「うゔゔ、うぅゔ、ゔゔゔゔゔゔぅぅゔうゔっ!」

 

そこにはジュエルシードも見回りのお兄さんおらず、代わりに背の丈2メートルを超える全身ムキムキの大男が立っていた。腕は丸太の様に太く、その手には明らかにヤバそうなロケットランチャーが握られていた。軍服のサイズが合わず、筋肉でパッツンパッツンになっていた。以降は筋肉と呼ぼう。

筋肉は鬼のような厳つい顔で唸りながら私たちの方に振り向いた。おそらく私の中の魔力を察知したのだろう。

 

「あーくそっ。間に合わなかった!余計な仕事が増えた!」

 

『ぼやいててもどうしようもねぇ!来るぞ、構えろご主人ちゃんっ!』

 

「わかってる!」

 

私はリュウに言われるもなく拳を構える。

面倒なことこのうえないが戦うしかないようだ。私はこんなバトル漫画みたいな展開望んでないっていうのに!こういうのは主人公のなのはちゃんや他の転生者でやっていてもらいたかった。私が力をつけたのはあくまでも快適な生活と自衛のためでしかないというのに!

だがやるからには仕方ない、先手必勝だ!

なぜかって?早く帰って寝たいからだ!

そして途中まで見たあの夢の続きを再び見るために!

私は全速力で筋肉の元に走る。私が本気で走った時の最高速度はあのウサイン・ボルトにも匹敵する。数十メートル程度の距離なんて私にとって無いに等しい!ちなみにこの世界の時代ではまだウサイン・ボルトは世界記録を記録していない。つまりこの瞬間私は人類最速になる!なんちって。

筋肉は高速で接近してきた私に戸惑ったのか今だに構えてすらいない。残り数メートルのところで跳躍、筋肉と私の視線の高さが等しくなる。

 

「おりゃぁあ!モンブランの恨みぃっ!」

 

「ゔゔっゔっっ!?」

 

『何の話!?』

 

もちろん夢の話だ!例え夢の中であろうと私はスイーツの恨みを忘れない!

私が放った拳が筋肉の顔面にめりこみ、筋肉が僅かにたたらを踏む。

しかしそれだけだ。八つ当たりを籠めた渾身のパンチを受けた筋肉はのけどりはしたがたいしたダメージは入っていないようだ。証拠に私のパンチが入ると同時にロケットランチャーを棍棒のようにして殴りかかってきた。ダメージを感じさせない豪快なスイング。もしかしたら筋肉は最初からカウンターを狙っていたのかもしれない。

空中に滞空していた私は筋肉を蹴りその反動で距離を取ることでそれを回避した。

 

「ちっ、思ったより硬い!まるでコンクリートだよ!てか殴った拳の方が痛い!」

 

『ご主人ちゃんの殺人パンチくらってピンピンしてりゃ。こりゃ本当に化け物だな。どうするご主人ちゃん、このまま殴り合っててもこっちの分が悪いぜ』

 

「うーん。と言っても距離を取りすぎるとあの見るからにヤバそうなロケランが飛んできそうだしなぁ。避けるのは簡単なんだけ、周辺被害がなぁ・・・・・はぁ」

 

『町の方に行ったらヤバそうだしな。全く本当に厄介な奴に取り憑いてくれたもんだぜジュエルシードも』

 

「もうめんどくさい。家に帰って早く寝たい・・・・・」

 

『もうちょっとやる気出そうぜご主人ちゃん。ご主人ちゃんがこういことに興味ないのは知ってるけどさぁ』

 

「私こんな筋肉がいるようなところに居たくない!私自分の部屋に帰る!」

 

『ご主人ちゃんそれ死亡フラグ!翌朝死体で発見されるやつ!』

 

「第一発見者はご両親?ふあぁぅ・・・・」

 

『こんな状況であくびって、頼むから寝落ちとかしないでくれよ』

 

「おk」

 

リュウの注意に私はしょぼしょぼする目を擦りながら返す。

中身が大人でも身体は幼女ということなのか9時くらいになると自然と眠くなってしまう。今もこのロリィボディーが睡眠を求めている。ぶっちゃけこの戦いやる気が起きないから眠気に負けそうだ。

だが筋肉の方はやる気いっぱいのようで今度は積極的に攻撃をしかけてきた。雄叫びを挙げながら真上から振り下ろされたロケットランチャーをパックステップの要領で回避する。目標を失ったロケットランチャーがコンクリートの地面を抉る。

 

「ゔゔぅゔぅゔうぅーーーーーっ!」

 

「避ける!避ける!避ける!たまに弱パンチ!」

 

『格ゲー気分かご主人ちゃん』

 

「初戦からボスとかマジクソゲー」

 

『さらにハードモード。目指せ新記録』

 

「今からでもイージーモードを所望します」

 

呑気な会話をしながら私はもはや鈍器と化したロケットランチャーの猛打を躱し改めて筋肉の動きを観察する。確かにこの筋肉のパワーと頑丈さは凄いのだろうがスピードの面が私に大きく劣る。いくら強力な攻撃でも当たらなければどうということはない。

あとはあのロケットランチャー(鈍器)をロケットランチャー(銃器)として使わせないためにちょくちょくちょっかいをかけていれば少なくとも負けることはない。しかし同時に勝つこともできない。

 

『そうだ、ご主人ちゃんの()()を使えばあいつの防御力を突破できるんじゃねーか?』

 

「あれは長期戦に向かないから未知数のやつ相手に使うのは控えた方がいい。あと眠気で集中しづらいから難しいかも」

 

あれとは魔力が少ない、魔法が使えない私がそういうもの相手に対抗する為に習得した私の切り札と言える技術だ。しかしその技術の適性は習得してまだ身が浅いのでまだ完成には程遠い。使用するには高い集中力が必要で、なおかつ体力の消費も激しい。強力ではあるがいまいち使い勝手の悪いものなのだ。

そのようなものを使うにはまだ筋肉の情報が少なすぎる。力を過信するのは愚の骨頂。ただでさえジュエルシードは未知の部分が多いのだ。もし万が一これ以上の暴走があったときのためにも切り札は取っておいた方がいい。

私とリュウはどうしたものかと頭を悩ませていると、ふと一つの案というか、可能性が思い浮かんだ。早速その内容をリュウに伝える。

 

「そういえばジュエルシードって滅んだ魔法文明の結晶だったよね。てことはあいつ越しに魔法のデータを収集出来たりしないかな?私は無理だけどリュウなら」

 

今はただの喋るペンダントでしかないリュウだが、腐っても神印のデバイスなのだ。解析やデータの収集なら得意なはず。じゃなかったら本当にただのおしゃべりツールだ。《最高の友人》という要素が叶っているのでそこまで高望みはしないけどね。

 

『なるほど。試してみる価値はありそうだな。でもそのためにはあいつと直接接触しなきゃ無理だ。それも解析が完了するまですっとな。・・・・・・・いけるかご主人ちゃん?』

 

「やってみる」

 

そう言って私は筋肉の動きに集中して隙を探す。狙うのは攻撃と攻撃の間、ロケットランチャーを振り切り構え直すまでの僅かな時間だ。失敗すれば大怪我ではすまない。スキルのおかげで身体そのものが一般人よりだいぶ頑丈な私だがこれは冗談なしで死んでしまう。

つまりチャンスは一回。最大限の隙を狙う。

そしてそのチャンスは思っていたよりも早く訪れた。

筋肉の攻撃でボコボコになった地面に筋肉が足を取られ大きく大勢を崩した。絶好のチャンスに私はすかさず筋肉の太い首に飛びついた。突然のことに筋肉も慌てているようだ。

 

「ぅゔゔぅゔぅ!?」

 

「取り憑いたよ、これでいい!?」

 

『ああ、解析にはちと時間がかかるからしばらくそのまま張り付いといてくれ』

 

「了解」

 

短く返して私はしがみつくことに集中する。

筋肉は私を引き剥がすためにロケットランチャーを捨てる。首の後ろにぶら下がっている私を掴もうと腕を回すが付きすぎた筋肉が邪魔で上手く捕まえることができないでいた。

しばらく同じことを繰り返していたが無理であることを悟って今度は上体を激しく動かすことで私を引き剥がそうとした。私の小さい身体が遠心力で振り回される。

 

「リュウまだ!?」

 

『あと21秒。踏ん張ってくれご主人ちゃん!』

 

「くうっ、腕がキツイよぉ!」

 

『ご主人ちゃん!そいつをケーキだと思うんだ!ご主人ちゃんがここで手を離したら地面にグチャッと・・・』

 

「離すもんかぁぁぁあぁあああ!」

 

リュウの言葉に私はしがみつく力を強める。筋肉もこのままではまずいと感じたのか私を引き剥がそうと今まで以上に暴れる。だが私は意地でも離さない。

ぜ、ぜったいに離さないんだからね!

そしてきっちり21秒が経ったところでリュウの声が轟く。

 

『よっしゃ、魔法の認識が完了したぜ!今ならバリアジャケットくらい出せるぜ!おしゃべりツール卒業だぜ!ヒャッホー!』

 

リュウがデバイスらしくない高いテンションで言った。というか気にしてたんだ。

もうしがみついている理由もないので筋肉から離れる。

 

「よしっ、セットアップ!」

 

その言葉を発するとリュウが発光し、魔法少女物特有のコミカルな変身シーンに突入する。

 

ーーーーてれ、てれ〜てれれ〜、てって、て〜・・・・♪

 

はい変身完了。過程はキングクリムゾン!

 

私のバリアジャケットは上がノースリーブのパーカー、下はホットパンツといったラフなもので、両腕には肘までを包帯だ包んでおり、手の甲には青い水晶体が付いている。私の戦闘スタイルは近接戦闘なので動きやすさ重視だ。この日のためにバリアジャケットのデザインは前々から考えておいていた。

 

「さあ、ここからが本番だよ。魔法少女デビューだ!」

 

『魔法少女っつってもバリアジャケットだけだけどな』

 

手の甲の水晶体がチカチカ点滅しながら余計な一言を言った。

 

「うっさい!・・・・じゃあ、潰しちゃいますか」

 

私はそう言って改めて目の前の筋肉に対して拳を構える。




戦闘描写は苦手です。
できればほのぼのとしたリュウとの掛け合いを書いていたいです。
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