拗らせロリババア魔女が救世用召喚陣を究極理想の旦那様召喚陣に作り替えた異世界生活 作:唯のかえる
盛りのついた猿みたいだ。
それは拗れに拗れたロリババア魔女のこと……ではない。いや、彼女はいわゆる男子中学生的な、妙に偏った性知識を持っていたからそうと言えばそうではあるが、ここでは違う。
となると『誰が』と言う話になってくるのだが。
「俺は(欲望に)弱い……ッ!」
俺はベッドの上で頭を抱えた。
最低な懺悔である。
違うのだ。
元々俺の性欲は並みな方であったはずだ。
持っていた本や動画やゲームがニッチよりではあったが、こんな三日も暴れん坊続けられるような暴君ではなかったはずだ。
異世界転移した後の体が超絶倫なのとスイッチオンが早すぎるのだ。
むらむらイラっとするとすぐ『THISWAY.』してボ! である。
こんなの泣きそうな顔で黄昏ちゃうよ。
状況を説明しよう。
王宮へ行くために暴れるシルヴィアさんを止めようとしたら、お互いの力が強すぎて押さえ込んだ彼女の服がまずお亡くなり、ふわふわのフリルブラウスの向こう側に存在したレモンちゃんとパフィなさくらんぼちゃんと出会う。
スットンって言ってませんでしたか……?!
癖ィ!
——その思考を最後に体が暴走。
頭の中が肉体の性欲に上回られたような、そんな謎の力を感じた。
その後、天蓋ベッド召喚からベッド上で決戦が繰り広げられ、872年生きた英雄ロリババア魔女をついに屈服させ、やってしまった……! と、一度落ち着くのであった。
すると、わえわえ状態の屈服シルヴィアさんが、猫みたいにごろにゃんですり寄ってくる。
再び暴走。
……これはもうしょうがないと思う。
可愛かったんだもの。
でも決戦後なのに、万全の状態で戦いに挑み始めたのよね、この肉体。
日が落ち、再び日が昇り、おれはしょうきにもどった! と叫んだら、目の前に
正気にもどったなんていう奴は信用できないと、異世界でも改めて思う。
最後にシルヴィアさんを泉で清めようとして、こすこす艶めかしくて限界凸破。
最後は自爆の様な気もするけど、もうなんというかお互いの色々でぐちゃぐちゃだったんだもの……。
洗ってしまいたいじゃん。
綺麗にしたらまた、その……シルヴィアさんがきれいで……。
クッ……! 落ち着け俺……!!
再び荒ぶりそうなハイパー兵器を、押さえつけ心で叫ぶ。
鎮まれ! 鎮まりたまえ!
さぞかし名のある性欲溢れる肉体と見受けたが、何故そのように荒ぶるのか!?
俺にも分かんないよぉ! 俺の体なのに!!
「ギギギ……!」
「だいじょうぶかのう……?」
心配そうなシルヴィアさんも、ベッドの横にいます。
現在は召喚された布団で、シルヴィアさんはオクルミ状態。
何故って? 肌面積を減らして、俺の暴走を食い止めるためだよ!
……だめだ、そういうプレイに思えてきた。
違う、耐えろ!!
そう前回の俺が言った最後のセリフ。
「ああだめだこれ」は、拗らせロリババアがエロ暴走したのではない。
いや、していたけれど、彼女自体は鎮めることが出来た問題で。
俺の下半身がダメダメだったのである。
終わりだよ終わり、かいさーん!!
なお、彼女からではなく俺から彼女を求めたので、シルヴィアさんはそこで感極まってそりゃあもう昇天した。
「の、のう。ニシキがまだヤリたりないなら、わえもやぶさかではないんじゃよ……? ずぅーといっしょじゃ……♡」
「会話どころか仕草が全部誘惑に感じる! とんでもねぇシルヴィアさんだ……!」
目に♡浮かべて情欲まみれた拗らせロリババア魔女は全く気にしていないが、絶対に器物損壊、衛兵への暴行が行われた事に関して何も補填を行わずに失踪するのは絶対に良くない。
いや、そもそも悪いことをしたという誹りは受けなくていけないんだけども……!
とにかく、多少遅れたとしても謝りに行くべきだ。
俺たちの未来のために!
「のぉ、もうちょっと遅れるだけじゃ……。もう遅れておるのじゃし、そんなに悪いことかのぅ? わえといーっしょに……わぷ!?」
「綺麗な唇まで、お布団で包んじゃいましょうねぇ。良い声で耳元にささやかれるのは正直効きます」
いかん、彼女からの誘惑が止まらん。
これに乗ってしまえば数十年数百年は戦ってしまいそうな……そう、凄味がある! この肉体の性欲とロリババアの欲望には凄味があるのだッ!
そうなってしまえば、目の前の美しい湖畔と森林は白濁に染まるだろう。
どこのエロゲメーカーのタイトルだよ。
そんな環境破壊は嫌だ……!
オクルミ状態の中でも、上目遣いでこちらに流し目をくれるシルヴィアさんを説得するような言葉を選び、話しかける。
お付き合いってのは突きあうだけじゃないんだってことを思い出させなくては……!
「シルヴィアさんと夜景デートに街巡り手繋ぎショッピングしたいな」
「!?」
「彼女とお家デートで庭見ながらぎゅっとか最高だろうな」
「!」
「密着お風呂エッチ……ギギギッ……!」
「ふー♡」
だめだ俺も性欲に支配されてるのだった……!
むしろ俺が煩悩の塊だった……?
ロリババアの付き人が性欲に支配されているのは永○娘でもよくあるパターンだけど、俺もそうなってしまったというのか!?
「ふー♡ ふー。フー……。んむ」
そんな俺が自分の欲望と戦っている中、シルヴィアさんは俺のピンクに染まる思考を他所に落ち着いていった。
俺の言葉の誠意は届いたみたいだ。
性意も届いた気もするが、この現状打破からしたら些細な問題だ。
「う、うむ。我も確かにか、かかかか彼氏と色々したいと思っていたんじゃ……!」
いや、現状の欲より、未来のための欲に振りきれたらしい。
自分の欲望に素直なロリババアだ。
カッ! とオクルミが光を放ち、豪奢な天蓋ベッドが消え失せた。
凛とした格好のロリババア魔女が復活した。
中身はだいぶ拗らせてるが、こうしてみるとやはり美しい。
いつの間にかどこか飛んで行った装飾まみれの三角魔女帽に、破けてしまったふわふわフリルブラウスも何もかも元通りだ。どでかいオーブつきの杖がどこからともなく飛んできて、小さな手のひらにパシンッ! と収まる。
変身バンクかな?
「ゆくぞニシキ!」
「ああ、王宮へ向かおう! そして、その前に俺にも服をください!」
「……わえは、そのままでもいいんじゃけどなぁ」
「お願い!」
「しょうがないのぅ」
そう俺は全裸だった。
暴走途中に俺の服は弾け飛んだ。
パツパツの服着せられてたからね……。
そして服を着た俺たちは一刻もここから離れるべき、そう思ってシルヴィアさんの手を握る。
そこから、その手を握る感覚でロリババアが飛び上がったり真っ赤になってすり寄ってきて、また暴走しかけるも未来のために王宮へと向かうのだった!
◇
王宮に到着後、俺とシルヴィアさんは離れ離れになっていた。
「な、なんだこのドスケベな気配を放つ男は……!?」
「すごい言い草だ」
いつぞやの豪奢な騎士が、部屋に入ってきて早々ニシキに向かって言いはなった。
現在、ニシキがいるのは窓に鉄格子がはまった部屋である。
……といっても地下牢の様な冷え冷えとした場所ではなく、きちんと調度品や寝具などが置かれた要人用の軟禁室である。
拗らせロリババア魔女のシルヴィアさんは、城に魔法で着くなりたくさんの人に心配されるように囲まれ、この国の女王のもとへと案内されていった。
その際に、我にとって重要な人物であるからと言ったので、この扱いなのだろう。
ニシキはそう思っている。
だが正確には、シルヴィアが今回の事の経緯と状況の補填についての話を行うために、別行動になった状況である。もしもの時の為に得体のしれないニシキの拘束拘留が条件となっているのだが、本人はあずかり知らぬ話であった。
正直、ニシキ自身の予想では速攻で獄中に連れていかれて、拷問とかにかけられるのかもなぁ……。どうしようかなぁ……。と思っていたので、助かる扱いである。
入ってきた騎士は、ドサリとニシキの正面にある椅子に座り込むと、頭が痛そうに呟く。
「襟元を大きく開けて、虫刺されかと思ったら大量のキスマークこさえてる男をそう言うのはおかしくないだろうが……!」
「それは確かにそう」
むわっっ……! と無駄に色気のある肉体を持たされたニシキは同意するように頷いて、開けていた襟元を締め始めた。
また与えられて服がパツパツすぎて上まで止めてると苦しいんだよね……。
と言うか面と向かって言われる程ということは、ここまで連れてきた衛兵たちが極悪人を見るような目で、こちらを見ていた理由がわかってしまった。
うーん、どんな顔して道を歩けばいいんだ。
ロリコン面か……? 嫌でもロリババアは合法やしな……。
そんなニシキの様子を対面の椅子に座る豪奢な騎士は、胡乱な目つきで眺めていた。
そして、ニシキが服のボタンを留め終わると男はおもむろに質疑応答を開始し始める。
「私はこの国の騎士団長を務めるベッツ・チカラモチ・ダンチョだ。貴様にはいくつか容疑が掛かっている」
「あ、これはご丁寧に。ニシキ・スケコマです。よろしくお願いします」
自己紹介されたので、こちらも礼をきちんとする。
いかめしそうな顔つきだったベッツさんが鼻白んだような気配。
意外そうな目つき。
この人との初対面は、全裸+ハイパー兵器起動からの逃亡だったから、常識があると思っていなかったのだろう。
「まず、ここ数日国から逃亡をしていた件だ」
「……ううむ」
困った。
何て返せばいいのやら。
日がなイチャイチャして過ごしてました、で通るだろうか?
でもそれ以外に何もしてないよ……!
いや、でも言うしかないよなぁ。
赤裸々に語る必要はないけど、お互い大人だ。
隠すようなことでもないか。
「シルヴィアさんと男女の関係で付きあうことになったので、欲望を受け止めたり発散したりしてました……?」
「……まて。少し待て」
本当に頭が痛そうに、額を抑える目の前のベッツ。
目の前の男は召喚の間に駆けつけて、錯乱した様子のシルヴィアさんの言動も聞いていたわけだし、ある程度予想はついていたのだろう。
「……まさか本当にハネムーンに行ったというのか?」
「いやぁ、それは……これからかな。なんというか数百年分の想いを受け止めるのに精いっぱいだったというか……」
どちらかというと数百年ロリババアに受け止めてもらっていたわけでもあるのだが。
まぁ良いだろう。
ハッ! と、ベッツが顔を上げ、何かに気が付いたように叫んだ。
「ま、まさか貴様!? マジョリーヌ様に手を出したというのか!!」
「それ以外にだれが!?」
え、なに急に!?
というかそこを疑問に思われるのは、シルヴィアさん以外の誰かとやったことになってるの俺!?
驚いてニシキものけぞりながら返答。
「純朴なマジョリーヌ様を騙し、ハネムーンと偽り各地を練り歩き、この数日で別な女性を捕まえたと思っていたんだよ!」
「最低やろうでは?」
「そう思われてたんだよお前は! マジョリーヌ様の進言がなくば貴様は既に獄中だ!!」
「ナ、なにィ!?」
だから、あんなに衛兵の目が生ごみを見るような感じだったのか!?
大英雄の拗らせロリババアを連れて、ほかの女と良いようにやって王宮に帰ってきたカス野郎だと思われていたって事!?
さ、最悪すぎる。
「俺はシルヴィアさん一筋だ!!」
「……それは………、それで、どうなんだ……?」
なに!? また何かおかしいのか?
ベッツは本当に頭が痛いのか、こめかみをグリグリとも見込みながら言う。
「ちょっと立ってみてくれ」
「?」
立てと言われたので、立ってみる。
開放感がすごい。
やはりこの肉体は大きく、要人用の机や椅子とは言え小さく、窮屈に感じていたのだ。
「マジョリーヌ様の頭はここくらい!」
「? それが?」
「わ、分からんのか!? 貴様から見て、子供にしか見えんだろうが! 庇護対象だろう!!」
「あー……それね」
ズビシ! 俺のへそのあたりを思いっきり指さすベッツ。
あー、あれか。
ニシキは嘆息する。
本当にあれなんだな、とシルヴィアさんが数百年世界をさまよっていた理由を思う。
この認識が、シルヴィアさん自身が俺を信じれない理由なんだろうと思い至ったのだ。
「そりゃ庇護対象だよ。俺が愛することにした人だ」
「な、なな。手を出した、というのにか……?」
「……もっかいキスマーク見せようか?」
「いや、いい……。出したのも出されたのも分かったから……」
相手は茶化す感じもないし、常識的におかしい人を見てしまった様子だ。
でもしょうがないだろう。
好きになってしまったんだし、彼女もそれを望んでいるのだ。
後、彼女はロリババアである。
それも872年者である。
では何の問題もないと、ニシキは思っている。
「では、貴様は彼女の事を恋愛対象として見ているということでいいのか……? 本当に?」
「うーん。俺自身の言葉じゃないけど、彼女を庇護対象とする貴方に、送りたいセリフがあるな」
「なんだ、言ってみろ」
常識が通じず、わなわな震える目の前の騎士団長に、好きな熱血少年の言葉でも送らせてもらう。
あと、俺自身が目指すべきスタンスの言葉だ。
「『好きになっちゃったんだから、あったりまえだろう』ってね。そう言ってる少年が居たんだよ」
「……貴様も、そう思ったということでいいのか?」
「当然」
それを聞いてだらんと肩の力を抜いたベッツは、自信満々のニシキをオカシイものではなく、不思議なものを見るような視線に変えるのだった。
短編四話で〆る予定だったんですが、書けそうだし長くしちゃえということでとりあえず1章目指してみます。
連載に変えときました。
感想評価お気に入り、大変励みになり、続きが書けました。
本当にありがとうございます。
我じゃロリババアは需要ありそうか
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ある
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興味ないね…