鳥羽鎮守府はなんとやら   作:新月ふわブイ司令官長

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どうも、新月ふわブイ司令官長です。
この作品を開いてくださりありがとうございます。そして前話に引き続きお読みくださっている方もありがとうございます。
投稿遅れて申し訳ございませんでした……
それでは本編をお楽しみください〜…………


第一一戦 其々の道、其々の恋路と無自覚二人 乙

 

 

 

(数時間後………)

 

 

(新月)

………名張よ、君は制服でいいのかい?

(名張)

えっと…………艦長殿と釣り合う服はこれ以外持ち合わせてないであります………

(新月)

ふ〜ん……そうかねぇ〜。俺のほうが釣り合わないと思うがねぇ〜、君みたいな可愛くて優しい子は。

(名張)

なっ………///そ、そんな事言われるとすこし恥ずかしいであります………///

(新月)

事実を言ったまでだが?

名張は真面目で、素直で、気が利く。さらに可愛い。そんなやつの隣に立てるほどおれはできた人間でもないし格好もよくないぞ?

(名張)

……そ、そんなふうに言われると……

どう返せばいいのかわからなくなるであります……///

(新月)

はは、困らせたならすまない。

(名張)

……艦長殿……。

 

(名張、ぎゅっと拳を握って)

 

(名張)

本日はご褒美でありますよね?

(新月)

あぁ、そうだが何か?

(名張)

なら今日一日は我儘をいっても良いでありますかね……?

(新月)

あぁ、当たり前だ。あんなに過酷な試験をさせ、合格したのだ。我儘の一つや2つ、言ってもバチは当たらんぞ

(名張)

……!?

なら………今日一日はすこし我儘に行かせてもらいますであります!!

(新月)

そうか、ならいこうか

(名張)

了解であります!!艦長殿!

 

(名張、少し遅れて歩き出しながら、心の中で)

 

(名張・心中)

(これは……演習でも試験でもない……

 でも……

 艦長殿の隣を歩くこの距離は……

 どんな褒美よりも……)

 

 

 

 

(その頃山口副司令たちは………)

 

 

 

(飛龍)

ねぇ多聞丸ー!!あのお店行こー!!

(山口)

…………なぜ腕を組んでいる……

(飛龍)

え?だってこれデートじゃん。

(山口)

………まったく……傍からみたらどうなるのやら………

(民間人A)

なにあれ……パパ活?

(山口)

………離れなさい

(飛龍)

ヤーダー!!

(山口)

……飛龍。

腕を組む必要性について、論理的説明を求めたいところだが――

今は人目がある。離れなさい。

(飛龍)

えぇ〜?

だって多聞丸、さっき「今日だけ」って言ったじゃん。

今日だけの特別なんでしょ?ならこれくらい普通普通♪

(山口)

普通ではない。

それに今しがた、民間から妙な誤解を受けている。

(飛龍)

え、聞こえてたの?

……あはは、パパ活だって〜。

まぁいいじゃん。多聞丸と私はお似合いって事ー♪

(山口)

そういう問題ではない。

私は威厳と信用で飯を食ってきた男だ。

あとパパ活とやらはそもそも意味が違う。

(飛龍)

じゃあさ、威厳ある副司令さんは

可愛い空母と腕組んで歩いたらダメなの?

(山口)

……「可愛い」という自己評価には触れないでおくが。

少なくとも、誤解を招く行為は控えるべきだ。

(飛龍)

むぅ……。

じゃあ妥協案!

(山口)

……嫌な予感がするな。

(飛龍)

腕組みはやめる。

その代わり――

 

(飛龍、山口の袖をちょこんと掴む)

 

(飛龍)

これ。

迷子防止用。

(山口)

私は迷子にならん。

(飛龍)

でも多聞丸、方向音痴じゃん。

前に鎮守府内で三回同じ廊下通ってたよ?

(山口)

……記憶違いだ。

(飛龍)

はいはい。

じゃ、決まりね。

 

(山口、深く息を吐いて)

 

(山口)

……五分だ。

店に入るまでの五分間だけだぞ。

(飛龍)

ほんと!?

やったー!!多聞丸大好き!!

(山口)

……声が大きい。

(飛龍)

甘いもの奢ってね、副司令殿♪

(山口)

……今日だけだと言ったはずだが。

(飛龍)

うん、今日だけ今日だけ。

だから全力で楽しまなきゃ損でしょ?

(山口)

……まったく。

君は本当に――

 

(少し間を置いて)

 

(山口)

……手強いな。

(飛龍)

えへへ♪

 

 

 

(その頃菅野航空当直長たちは………)

 

 

 

(榛名)

あ、あの………

(菅野)ん?どうした?

(榛名)

あの………私遊園地に行ってみたいです………

(菅野)

おぉ、遊園地かぁ〜、なかなか行くことないな……よし、そうするか

(榛名)

!!は、はい!!

 

(そして遊園地に向かい………)

 

(菅野、歩きながら上機嫌で)

 

(菅野)

しかし遊園地なんて久しぶりだなぁ。

最後に行ったの、いつだったか……訓練の合間に寄った地方の遊具くらいか?

(榛名)

そ、そうなんですね……

榛名も……実は、こういう場所はあまり来たことがなくて……。

(菅野)

へぇ、意外だな。

もっと慣れてるもんかと思ってた。

(榛名)

い、いえ……

艦としての任務が優先でしたし……

その……今日は、少し特別で……。

(民間人A)

見た?

あの二人……完全に映画のワンシーンじゃない?

(民間人C)

……リア充は重力に逆らって消えてくれ。

(榛名)

……あの……周りの視線が……

少し、恥ずかしいです……///

(菅野)

ん?

あぁ、まぁ目立つかもな。

榛名、背高いし綺麗だし。

 

(榛名)

なっ……!?

そ、そういうことを急に言われると……困ります……!!

(菅野)

はは、悪い悪い。

でも事実だろ?

 

(榛名、俯いて小さく)

 

(榛名)

……褒められるのは……嫌ではありません……。

(菅野)

ん?

今なんか言ったか?

(榛名)

い、いえ!!

な、何でもありません!!

(菅野)

そうか。

……お、クレープあるじゃね〜か。

うまそうだな………食うか?

(榛名)

…………………

(菅野)

榛名?

(榛名)

………あっ、はい!?な、なんですか!?

(菅野)

クレープ食うか?

(榛名)

え……は、はい……!!

(菅野)

よし、決まりだ。じゃあ買ってくるからここで待ってろ

(榛名)

……はい。

 

(榛名・心中)

(これって……

 やっぱり……

 デート、ですよね……?)

 

 

 

(そして各デート開始から1時間後……)

 

 

 

(新月)

さて…………どこに行きたいんだい?

(名張)

えっと………あっ、喫茶店というものに行ってみたいであります!!

(新月)

喫茶店かぁ……朝ごはんまだだったな、じゃあまずはそこに行こうか。

(名張)

…!!は、はい!!

(新月)

喫茶店にも色々あるが……

落ち着いた店の方がいいな。

(名張)

……た、たしかに……であります。

で、でも……

「落ち着いた喫茶店」というのも……

なんだか大人で、少し緊張します……。

(新月)

はは、肩肘張らなくていい。

珈琲とパンを食べて、少し話をするだけだ。

演習前の作戦会議よりは、ずっと楽だろう?

(名張)

……それは、間違いありません……!

 

(喫茶店・扉のベル)

 

(店員)

いらっしゃいませ。お二人様ですね。

(新月)

あぁ、

(名張)

……わ、わぁ……。

落ち着いた雰囲気であります……。

(新月)

気に入ったか?

(名張)

は、はい……!

鎮守府とは全然違って……

胸が……少し、ふわふわします……。

(新月)

初上陸の港で補給を受ける時みたいなものだな。

(名張)

……それ、とても分かりやすいであります……。

 

(メニューを見ながら)

 

(名張)

あ、あの………艦長殿?こ、ここの喫茶店とやら、お、お高いでありませんか……べ、別の場所に致しましょう!!!

(新月)

ん?いいっていいって。お金はあるし。使うときなんて趣味と娯楽と出かけたときぐらいなんだし。

(名張)

し、しかし………艦長殿にそこまでの負担を強いるなど艦娘として失格であります………

(新月)

俺がいいって言ってるんだからいいって

(名張)

で、ですが………

(新月)

ふむ………そんなに甲斐のない男だと思ってるのかい?

(名張)

い、いえ!!そ、そんなことありませんであります!!

(新月)

なら黙って奢られとけ。せっかくのご褒美なんだ。自分のやりたいことは遠慮なく言えよ?

(名張)

わ、わかりました………

(新月)

ならよし

(店員)

ご注文はお決まりでしょうか?

(新月)

あぁ。

モーニングセットを二つ。

コーヒーは……名張、飲めるか?

(名張)

は、はい!!

……少しだけ苦いですが……頑張ります……。

(新月)

頑張らなくていい。

ミルクと砂糖、遠慮なく使え。

(名張)

……艦長殿は……

その……本当に、優しいお方であります……。

(新月)

優しいんじゃない。

単に、こういう時にケチる男が嫌いなだけだ。

(名張)

……それを……

「優しい」と言うのでは……?

(新月)

さて、どうだろうな。

 

(少し間を置いて、運ばれてくる朝食)

 

(名張)

……わぁ……。

これが……喫茶店の朝食……。

(新月)

うまそうだな。

(名張)

はい……。

(新月)

さて………おれはガムシロップをとってくる

(名張)

……?艦長殿も苦いのは苦手でありますか?

(新月)

…………ブラックは飲めんのだ。

(名張)

………ふふっ、

(新月)

な、何がおかしい!?

(名張)

……艦長殿でも珈琲には勝てなかったのでありますね

(新月)

そ、そうではない!!ただ甘党なだけだ!!!

(名張、少し笑いながら)

それを負けと言ってるのでありますよ

(新月)

むぅ………あまり虐めるな………

(名張)

わかっているでありますよ………ふふっ、艦長殿の弱み、少し知れましたであります。

(新月)

弱み……なのか?

 

(少し間を置いて、照れながら)

 

(名張)

はい……立派な弱みであります……想定外な弱みでありましたがね?

 




次戦、第十二戦 『其々の道、其々の恋路と無自覚二人 丙』
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