どうも、新月ふわブイ司令官長です。
この作品を開いてくださりありがとうございます。そして前話に引き続きお読みくださっている方もありがとうございます。
なんか精神やられかけてる………
それでは本編をお楽しみください〜…………
(菅野)
いやぁ……ほんと、もう一度榛名に乗組みたいもんですよ〜。
(山口)
なら、榛名と新月司令に打診しようか。
(菅野)
いいんすか!?
(山口)
ああ。
航海訓練の名目なら、新月司令も反対はしないだろう。
……しかし、あの航空馬鹿の菅野くんが
飛行機以外に興味を示すとはな。
(菅野)
いやぁ……そりゃ〜……ねぇ〜。
(山口)
……理由は聞かんでおこう。
(菅野)
助かります。
(その後、司令部)
(山口)
新月司令。
菅野大佐を一時的に榛名へ乗艦させたい。
航海訓練の随伴としてだ。
(新月)
ん?
菅野くんが艦艇に?
……珍しいな。本人の希望か?
(山口)
ああ。
(新月)
ふーん……。
まぁ、訓練名目なら問題ないな。
榛名が嫌じゃなければ、だが。
(榛名)
えっ!?
わ、私ですか……!?
(新月)
ああ。
どうだ?
(榛名)
……。
……航海訓練、ですよね?
(新月)
建前上はな。
(榛名)
……でしたら……
榛名は……問題ありません。
(菅野)
よっしゃ!
(大淀)
……提督。
(新月)
なんだ?
(大淀)
「ついで」による乗艦が最近多すぎます。
書類が増えるので、事前申請はきちんとしてください。
(新月)
はいはい。
(金剛)
OH……
また火種が一つ増えたネー。
(瑞鶴)
……航海訓練、ねぇ。
(翔鶴)
瑞鶴。
今から眉間に皺を寄せても意味はないわよ?
(榛名)
……えっと……
菅野大佐、航海中は規律を守ってくださいね……?
(菅野)
もちろん!
いやぁ〜……
空じゃなくて海も、悪くないなぁ。
(山口)
……菅野くん。
(菅野)
はい?
(山口)
浮つくな。
ここは前線だ。
(菅野)
……はい。
……でも、楽しみなのは本音っす。
(山口)
……まぁ、否定はせん。
(大淀・小声)
……提督。
航海訓練終了後の人間関係修復計画、
今から立てておいた方がよろしいかと。
(新月)
……そんなに荒れるかなぁ?
(大淀)
ええ。
確実に。
(新月)
……だろうなぁ。
(榛名・内心)
(榛名)
(こ……これって……)
(航海訓練って言ってるけど……実質……)
(榛名)
(デートというものでは!?)
(榛名)
(し、しかも……
「もう一度榛名に乗り組みたい」って……
それ……それって……)
(榛名)
(告白……ですよね!?
告白ですよね!?!?)
(榛名)
(い、いえ……落ち着きましょう榛名……
相手は歴戦のエース、冗談の可能性も……)
(榛名)
(でも……
あんなに真っ直ぐに言われて……
しかも目を逸らさずに……)
(榛名)
(む、無理です……!
心臓が主砲斉射みたいに……!!)
(表情は平静、だが耳まで真っ赤)
(瑞鶴・小声)
……ねぇ翔鶴姉。
榛名、今すごい顔してない?
(翔鶴)
……ええ。
完全に「自分だけ特別だと思ってしまった顔」ね。
(瑞鶴)
うわぁ……
あれはもう……自覚するのも時間の問題じゃん。
(翔鶴)
ええ。
そして――
(視線の先、菅野)
(翔鶴)
あの方は、
無自覚に爆弾を投下するタイプね。
(瑞鶴)
……提督と同系統だ。
(その頃・当人)
(菅野)
いや〜、航海っていいっすねぇ。
甲板の風、最高だ。
(榛名)
は、はい……っ!
そ、そうですね……!
(菅野)
?
……顔、赤くない?
(榛名)
い、いえ!!
ボイラーの熱であります!!
(菅野)
……戦艦って大変だなぁ。
(山口・遠くから)
……菅野くん。
(菅野)
はい?
(山口)
余計なことは言うな。
(菅野)
……?
もう言っちゃってます?
(山口)
手遅れだ。
(大淀・資料片手)
……やはり、
航海訓練一日目にして
恋愛進捗率が急上昇していますね。
(新月)
え、なにが?
(大淀)
いえ。
榛名さんの内心ログです。
(新月)
こわ。
(その日の夕食後・廊下)
(名張)
……あ、あの………
艦長殿………………
お、お背中……お流ししましょう……か?
(新月)
?
いや、遠慮しとく。
あまりよろしくないからね。
(名張)
……………………
そ、そう……であります……か……。
(新月)
ということで、おやすみ。
明日は性能評価のための演習がある。
早く寝給え。
……期待しているよ。
(名張)
……っ!
は、はい!!
おやすみなさいであります、艦長殿!!
(新月、去る)
(名張・その場に立ち尽くして)
(名張・内心)
(こと、断られた……)
(でも……)
(「期待している」……)
(……それは……任務の話……ですよね……?)
(……ですよね……)
(耳まで赤い)
(そこへ)
(大淀)
……名張さん。
(名張)
ひゃっ!?
お、大淀さん……!
(大淀)
今のやり取り、聞こえていました。
(名張)
……っ。
(大淀)
提督は、
距離感を誤らない方です。
特に部下に対しては。
(名張)
……はい……。
(大淀)
ですから――
今の対応は、
とても“提督らしい”正解です。
(名張)
……。
……でも……少しだけ……
寂しかったであります。
(大淀)
……ええ。
それも、自然な感情です。
(名張)
……え?
(大淀)
ですが。
急ぐ必要はありません。
(名張)
……?
(大淀)
提督は、
信頼を積み重ねた相手ほど
無自覚に大切にします。
(名張)
……信頼……。
(大淀)
ええ。
まずは――
明日の演習で、
「期待に応える」ことです。
(名張)
……っ!
は、はい!!
名張、全力を尽くします!!
(大淀)
結構です。
……では、おやすみなさい。
(名張)
おやすみなさいであります!
(大淀、去り際・小声)
(大淀)
……それにしても。
断られて落ち込む艦娘が
また一人増えましたか。
(廊下の向こう)
(金剛)
OH……
提督、今日も無自覚キルデース。
(飛龍)
ほんと罪な男よね。
(山口)
……規律的には、正しい。
(菅野)
でも心にはダメージ入ってますよ、あれ。
(山口)
……それは、知らん。
(名張・自室)
(名張・内心)
(……艦長殿……)
(期待している、と……)
(なら……)
(名張は……艦として、全力で応えます……!)
(翌日の演習が、また一つの波紋を生むことを――
この時、まだ誰も知らなかった)
次戦、第七戦『演習』