問題児たちとブリテンの王(100万分の1の候補)が異世界から来るそうですよ?   作:エステバリス

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……はい。やること盛りだくさんなのにこんなことしてる甲殻類です。

というわけで今回の主人公は……問題児シリーズでは二人目、魔法使いさん以来の女主人公です!

……え?竜胆くん?あれ男だから。あれ女ちゃうで。




扉は開けられた。

 

その剣は選ばれた者によって引き抜かれた。

 

その剣は人々の願いを乗せた。

 

頼まれたから。航路を切り拓きたいから。二者択一だったから。ドジったから。

 

色々あるが、剣は願いを乗せたのだ。

 

ならば、それが招かれるのは当然なのかもしれない。

 

一人の少女に一枚の手紙が現れた。

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能(ギフト)を試すことを望むのならば、己の家族を、友人を、財産を、全てを捨て、我らの箱庭に来られたし』

 

瞬間、少女の世界は540°変わった。

 

◆◇◆

 

「へ?」

 

少女は目の前の景色に唖然とした。目の前には広がる地平線、真下には水平線。いや、湖と水の膜。

 

「わわわわっ!?」

 

少女は地球上誰しも公平な力、重力に引かれて近くにいる見知らぬ人三人と共に落ちていく。

 

「へぶっ!?」

 

「わっ!?」

 

「きゃっ!?」

 

「おわっ!?」

 

四者四様、似たような、そうでないような悲鳴を挙げながら複数の水膜に勢いを殺されながら湖に落下していった。

 

「ぶはっ!ったくもー、こんな配慮くれるんならそもそもこんなことするなって話ですよ!」

 

金髪の少女はショートヘアをブルブルと振って水を飛ばしながら湖から上がる。少し遅れて金髪の少年、ロングヘアの少女、茶髪ショートヘアの少女と子猫の順で湖から出てくる。

 

「まったくよ……信じられないわ。問答無用で呼び出した挙句、空に呼び出すなんて……!」

 

「両右に同じくだクソッタレ……場合によっちゃ即ゲームオーバーじゃねえか。石の中に呼び出された方がまだマシだぜ」

 

「そんなもんですかね?私としちゃあこう、石や川の中よりも平原かお宝の前にでも呼び出してほしいものですよ」

 

「ちょっと待って、石の中って動けなくないかしら?」

 

「俺は動ける」

 

「そう、傲慢ね」

 

三人が軽口を叩きながらも服に染み込んだ水を絞り、軽く整える。

 

ある程度乾いたところでジャケットを着た茶髪ショートヘアの少女がふと疑問を口にする。

 

「ここ……どこだろう?」

 

「さあな。落ちてる時に世界の果てっぽいの見えたし、もしかしたらどこぞの大亀の背中の上じゃねえのか?」

 

「いや……そんな大きな亀はいないと思うんですけどね……いるんですか?」

 

「いない。古代インドの宇宙観のことだよ?」

 

「???インド……どこでしょう?」

 

「はぁ?お前そんなのも知らねえのかよ。いいか、インドってぇのはな……って、そうじゃねえか」

 

金髪同士が会話をしていると、ふと正気に戻った少年は三人に向かって同一の質問をすることにした。

 

「一応聞くが、オマエらもあの変な手紙が?」

 

「そうだけど、まずはその"オマエ"っていうのを訂正して。

私は久遠飛鳥。以後は気をつけて。……それで、猫を抱えている貴女は?」

 

「春日部耀。以下同文」

 

「そう、よろしく春日部さん。じゃあ次、野蛮で凶暴そうな貴方は?」

 

「高圧的な自己紹介ありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義のロクデナシなので、用法と容量を守った上で接してくれよお嬢様?」

 

「……そう。考えておくわ。説明書をくれたらね」

 

「マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけよ」

 

十六夜と名乗った少年はヤハハ、とやや特徴的な笑い方をして笑みにならない笑いを浮かべる。多分素なのだろうが、どこか中身を感じさせない笑い方でもあった。

 

そう、まるで中身は全てなにかによって強制的に注がれたかのような……

 

「じゃあ最後ね。そこの金髪ショートで、三本のアホ毛が風車みたいな貴女は?」

 

「おっ、私ですか?私は……うん、アーサーです」

 

「……アーサー、か。もしかしてオマエ、あのアーサーか?」

 

「あの……っていうのがどういう意味かは知りませんが、少なくとも本名ではないですね。それでも本名よりもこっちに馴染んでるのでアーサー、もしくは私の前職に因んで盗賊と呼んでください!」

 

「と、盗賊?じゃあ貴女、泥棒をしていたの!?」

 

「そうですよ。でも火事場泥棒はしてませんよ?金目のものの匂いがあればやって来て盗んで……の繰り返しです」

 

「かなりアバウト」

 

アーサーと名乗った少女に対して三者三様の反応を見せる。十六夜はアーサーという名に、飛鳥は彼女が盗賊をしていたことに、耀は彼女の性格に対してだ。

 

そしてそんな四人を物陰から眺めている人物が一人……

 

(うわぁ……険悪ムードではありませんが、見事に問題児サマばかりでございますねぇ。しかも一人に至っては盗賊って……)

 

彼女の名は黒ウサギ。彼女こそが四人を召喚した張本人であるのだが、どうも四人が黒ウサギ達に協力してくれる姿は……全く想像できなかった。






というわけでプロローグでした。

……まあ、色々ぼかしてるけど間違ったことは言ってないよね?

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