初めての授業の合間の休み時間。
初めての授業が終わった後の少しの休み時間
チャイムが鳴った瞬間に、私の周りの空気が一変しました。
「八木さん! 私、八百万百(やおよろず もも)と申しますわ。改めてよろしくね」
先ほど消しゴムを拾ってくれたポニーテールの生徒――八百万さんを初め麗日さんが私の机を囲み初めました。気がつけば、芦戸さんや蛙吹さんといった女子生徒たちが集まっていて、私は少し身を硬くします。
「あ……はい、よろしくお願いします」
「八木さんってさ、髪の赤色めっちゃオシャレだね! 地毛? それとも染めてるの?」
「……えっと、生まれつき、です」
「すごーい! 名前も『朱奈』でしょ? ぴったりだね!」
質問の砲火。でも、そこには殺意も敵意もなく、ただ純粋な「好奇心」という温かいエネルギーが満ちていました。それは今の私にとって、航空機の扱いよりも処理が難しいものでした。
「ねぇねぇ、八木さんの『個性』って何なの? 編入生ってことは、やっぱりすごいの?」
芦戸さんの言葉に、一瞬、教室の空気が変わった気がしました。
少し離れた席で、髪色が左右違う少年――轟くんも、こちらを盗み見ているのがわかります。
(……カバーストーリーを)
私は、八木さんと根津校長から共有されていた「設定」を脳内で再生しました。
「私の個性は……『航空母艦』、と言います」
「コウクウボカン? なにそれ?」
と芦戸さんが首を傾げると
「かつて存在した航空機つまり戦闘機を格納、いわゆる海上を進む滑走路みたいな物です」
と八百万さんが説明する
私はそれにこうするように
「はい……飛行甲板のようなものを展開して、小さな無人機を飛ばしたり、そこからエネルギーを放ったりできます。でも……」
私は、袖に隠れたリストバンドを意識しながら言葉を繋ぎました。
「まだ制御が未熟で、使いすぎると周りを壊してしまうので……今はこうして、抑制装置をつけています」
「あぁ、なるほど……強力すぎる個性あるあるだな」
少し奥で見てた上鳴くんが納得したように頷きます。
「じゃあ、今までどうして雄英にいなかったの? 別の学校から転校してきたの?」
一番、答えるのが苦しい質問。
私は、八木さんの優しい顔を思い出しながら、用意された偽りの過去を口にしました。
「……私は、家が少し特殊で。ずっと、外の世界から離れた場所で、個性の訓練だけをさせられていました。学校という場所には、一度も……。だから、勉強も運動も、皆さんに比べたら……」
「……あ」
麗日さんが、少し悲しそうな顔をしました。
「訓練だけをさせられていた」という言葉に、彼女たちはそれぞれ「英才教育の厳しさ」や「孤独」を読み取ったようでした。それが、かつて私を兵器として磨き上げた「組織」の惨酷さと奇妙に一致しているのは、皮肉なことでした。
「そっか……大変だったんだね。でも、もう大丈夫だよ!」
芦戸さんが、私の肩をガシッと掴みました。
「ここには私たちがいるし! 分からないことがあったら何でも聞いて!」
「……ありがとうございます。皆さん」
私は、小さく頭を下げました。
嘘をついている。本当の私は、1500人の命を奪った「07」という名の怪物。
でも、彼女たちの笑顔を見ていると、胸の奥の「不調」――涙が出そうになるあの感覚が、また顔を覗かせます。
すると、それまで黙って聞いていた轟くんが、静かに立ち上がり、私の横に立ちました。
「……八木」
「はい」
「……お前の顔、どっかで見たことがある。…………昔日本にいなかったか?」
と問いかける彼に私は
「い、いえ………そのような記憶は」
濁します……ですが私も少し引っかかります
何故…………なのでしょうか
−−−−−−−−
「07……………早く再開したいね……………君が
兵器から………人間になった時にね」
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