破滅フラグしかないボンボンに転生してしまった件 〜グフに踏み潰される運命なんて、全力で回避してやる!〜《完結》 作:kiakia
よかった……ほんっとうに、よかったぁぁぁぁぁぁぁぁっ……!!!!
目の前の青年エーデル・ジ・リンと軽く世間話をしながら俺は内心、喉の奥から絞り出すような絶叫を堪えつつ手を胸に当ててみせる。
バクバク、バクバク、と胸の肋骨を突き破らんばかりの勢いで激しく脈打つ鼓動。手のひらに伝わるその暴走した心臓の振動を必死に抑えつけながらもポーカーフェイスを張り付けるその姿は彼にとってどんな奇妙な男に見えただろうか?
いや、言い訳させて欲しい。これには本当に、ほん、とう、に!!深いわけがあったんだ!
俺はこの世界に転生してから、本当に色々あったさ。デュランダルの野郎に転生前の写真を見せつけられて一触即発の事態になり、破滅させられそうになったこともあったし、前世の記憶には姿形すら存在しなかったアコードの連中と一歩間違えば破滅しかねない修羅場を潜り抜けたことだってあった。
それも全て乗り越えることができたさ。俺一人では絶対に無理だったが少しずつ理解者な仲間を集め、前世の知識から役に立ちそうな概念を捻り出して必死に泥にまみれながら足掻き続け、そんな破滅フラグを全て踏み潰してきた。
だが、断言してもいい。
ハインラインとの世間話で偶然、彼の名前を見つけた瞬間。そして、今日この場所で彼をこの目で直接見合わせた瞬間に俺へともたらされた恐怖は……間違いなく俺がこの世界で経験してきたあらゆる危機の中でも五指……いや、間違いなく三指に入るレベルの極限の恐怖であったと。
生きた心地なんて、一秒たりともしなかった。
マジでその場で心臓が跳ね上がって、そのまま麻痺して死ぬんじゃないかと本気で思ったくらいだ。
なぜなら、俺が対峙していた相手の名は『エーデル・ジ・リン』。その響きと顔立ちだけで、俺の前世の知識が悲鳴を上げながら、破裂せんばかりの勢いで危険だと警報を鳴らし続けていた。
ジ・エーデル・ベルナル。
『スーパーロボット大戦Z』という多重並行世界を舞台とした作品において、ある意味ではすべての元凶の一人としてとして君臨した悪夢のような存在。
その人物像を一言で表すなら、完全無欠の人格破綻者だ。極度の快楽追求主義者であり、異常なまでの自己中心癖と唯我独尊の塊。己以外のあらゆる存在……世界も、人類も、部下すらもすべてを「暇潰しの玩具」か「使い捨てのゴミクズ」としか思っていない狂人。その上、極度のサディストでありながら極度のマゾヒストでもあるという、常人には到底理解不可能な欲望の化身。
だが、彼の真の恐ろしさはその歪んだ性癖や性格などではなく、この野郎の最もやばい部分は『アカシック・レコードに触れてしまった男』という点にあるんだ。
黒の叡智と呼ばれる……まぁ色々と説明は難しいが、とんでも無くヤバい知識の源泉にとある時空のジ・エーデル・ベルナルという男?は莫大な知識と狂気と引き換えに破滅の未来を知って狂ってしまった。クトゥルフ神話的を知っているものなら邪神ヨグ・ソトースと接触したせいで知識と引き換えに正気度チェック10D100のダイスを強制的に降らされたようなもんだ。
れだけならまだしも、彼が触れた「黒の叡智」は、その一人の男を特異点として、なんと無数に存在する並行世界の同位体である『すべてのエーデルたち』の脳髄へと、時空と次元を超えて劇薬の如く一斉に共有・普及してしまったのだ。
その結果どうなったのかといえば、多くの世界の同位体であるジ・エーデルが同時に快楽主義に目覚めるわ、発狂するわ、己の快楽と絶望の狭間で暴走したらしい。中には狂わなかった同位体などもいたらしいがそれは本当にレアな存在なんだろう。
無数の世界を混ぜこぜにして自分の退屈を紛らわすための巨大な遊園地へと変え変えたジ・エーデルは、確かにスーパーロボット大戦Zにおける最初の絶望、すなわち「初代ラスボス」にほかならなかった。
だが……話はここで終わらない。ここからがこの男の、そしてこのスパロボZという地獄のような複雑な展開の中でも最も厄介で、救い難くも歪んだところだ。
彼が自らの快楽のために引き起こした諸々の狂行の裏で、ジ・エーデルは同時に、この多元世界そのものを根底から食い物にしようとする真の敵——『御使い』の存在に気づいていた。
宇宙の理を歪め、人間をただの生体パーツや余興の道具としか見なしていない、あのどうしようもないクソ野郎どもに対抗するため、彼は彼なりに世界を救うために足掻きを続けていたんだ。
狂気に満ちた快楽主義者でありながら、その実態は、最終シリーズに至るまで宇宙の真相に挑み続け、自らの野望と生存のために人類の敵(御使いについて説明するのも面倒なので人類の敵かゴミカスと思ってりゃそれでいい)を出し抜こうと暗躍し続けた男。
ある意味では、多元世界の存続を賭けた戦いにおいて、人類の味方と言えなくもない。いや、味方と呼ぶにはあまりにも危険すぎてお釣りが来る、あまりにも複雑怪奇で狂おしい存在。それがジ・エーデル・ベルナルという厄災だった。
……だからこそだ。
そんな化け物の因子をその身に宿したかもしれない危険分子が、よりによってこのC.E.の世界に、しかもただのピカピカの大学生として目の前に現れた時の俺の絶望が、どれほど凄まじかったかお分かりいただきやがりますだろうか?
こいつが存在している時点でこの世界には御使いの下部組織であるサイデリアルが次元の壁を超えて侵攻してくる可能性だってゼロではない。というかスパロボZにSEEDが参戦している以上俺は意図的に彼がこの世界にも存在しているかもしれないという可能性を意図的に考えないようにしていたのかもしれない。
なんせ既にこの世界にはグレンラガンやマジンガーZと行ったスーパーロボットアニメが放送されていたんだ。俺が転生した直後にこの世界がスパロボシリーズではないか?と念入りに調べていたし、そうではないと確信したからこそ今まで頑張ってこられた部分もあったんだ。
だからこそ、俺は油断していた。心のどこかで「ここはコズミック・イラだ、スパロボの枠組みとは違う単独の世界なのだ」と、勝手に思い込もうとしていた節があったんだ。
だが、忘れていたわけではない。知っていたはずなのに。かつて、『スーパーロボット大戦Operation Extend』という、かつて配信をメインに展開された、いささかマイナーながらも狂気的なクロスオーバー作品があったことを。
その作中において、あろうことか『ケロロ軍曹』の一味が参戦しており、彼らケロロ小隊は、地球侵略の傍らで地球のサブカルチャー、とりわけ『ガンダム』をはじめとするロボットアニメの熱狂的なファンとして描かれている。そして彼らは、参戦した際に作中でこう言い放っていた。
――「だが気をつけねば…。ガンダムの話題にうかつに触れると歴史が変わりかねないであります…」
――「もしモビルスーツ開発の系譜が変わってしまったら、あんなMSやMAが開発されないなんてことに…」
――「そんなことになったらせっかくの実物を見れるチャンスが台無しであります!」
――「この先、ガンダムの話題に触れるのは極力避けるべきでありますな」
そうだよ!あのボケガエルは!?ガンダムシリーズという巨大な作品群をメタ的に、フィクションとして完全に理解し把握していながら、あえてそれを口に出さず、歴史の改変を恐れながら(あるいは自分たちのロマンを守るために)大人しくその世界に「参戦している」という前代未聞の凶悪な前例を作りやがったんだ!!?
完全に失念していた。盲点だった……!
「メタ的な知識を持っている者は、必ずや表舞台で大暴れするか、あるいは分かりやすく奇行に走るものだ」などという、勝手な思い込みに囚われていた。というか俺だってそうだ。ユウナという破滅フラグしかない存在に憑依転生した以上破滅の未来をしか残っていない。だからこそ生き残る為にがむしゃらに足掻くしかないと今日まで足掻いてきたんだよ。
だが、あのケロロの事例が証明している。
例えメタ知っていようが、原作の展開を知っていようが、「あえて口を閉ざし、何食わぬ顔で一般市民やただの学生として世界に溶け込んでいるだけの存在」というのは、スパロボという広大なマルチバースの文脈において、いくらでも発生し得るし、実際に存在しているのだと。
……いや、侵略的宇宙人であるケロロを一般市民や学生扱いするのは問題あると思うよ?だがまぁそれはそれとしてだ。
つまり、だ。
ここが純粋なC.Eの世界であっても、いや、むしろコズミック・イラという特異な歴史の歪みを抱えた世界であるからこそ、「意図的に黙っているだけ」「何も知らない一般人を装っているだけ」の、いわゆる隠れスパロボ案件や、厄介なメタ転生者・同位体なんかは、俺が気づいていないだけで足元にごろごろと転がっている余地がいくらでもあるのではないか?
その結果が目の前のエーデルだ。学生にしては珍しい論文だと趣味で論文漁り(もうこの時点で俺と頭の作りが違う)をハインラインにデータを見せられた時の衝撃はもう発狂しなかったことを褒めてやりたいくらいだ。
ここにきて!ここにきてスパロボ参戦案件だと?その中でも最悪レベルに近いZシリーズのエーデルがこの世界にも存在しているだって?やっと生き残ってミーアという嫁まで貰った俺にとってはもう吐きそうになったさ。と言うかエーデル君と会うまでに何度も吐きまくったがなぁ!?
その癖、今日この目で確かめたエーデルの見た目は、どう見てもあのスパロボZのラスボスであるジ・エーデル・ベルナルそのもので。彼が安いリクルートスーツ姿で俺のことを見つめていたあの瞬間なんて、もう足元の床が全部ガラガラと崩れ落ち、俺一人だけが永遠の奈落の底へと真っ逆さまに落ちていくような錯覚すら覚えたほどだ。
ついに掴み取った平穏も、ミーアという最高にかわいい嫁と築き上げた幸せも、すべて一瞬で奪われる。今まで死に物狂いで足掻き、破滅フラグを折り折って手に入れてきた実績のすべてが無駄になる……本気でそう絶望したさ。
だってそうだろ!?
例えばジ・エーデルが最終的に敵対しようとしていた『御使い』共が繰り出す兵器の一つに、ゼル・ビレニウムなんていうどうしようもない代物があるんだぞ?
それはたった二機あれば天の川銀河に存在する恒星間航行が可能なレベルの文明すら、跡形もなく完全に撲滅可能とすら言われている超絶デタラメ兵器として描かれており、地球一個を吹き飛ばすのすら生温いような、存在そのものが嫌がらせみたいな次元の化け物だ。
そんなものがデフォルトでゴロゴロ転がっているような連中と戦う羽目になったらどうなる?
いくら俺たちが技術開発を進めてコンパスの戦力を強化しようが、最新のモビルスーツを量産しようが、やってることはアリが素手で超巨大な熊に挑むようなものだ。
勝ち目なんて万に一つ、いや億に一つすらありはしない。確かにスパロボ世界のシン達は御使いに対抗するための真化融合にいたってはいるが、それはスフィアリアクターとしてサードステージに突入したヒビキが「いがみ合う双子」の力を使い周囲を同調させた結果なもんで、「いがみ合う双子」のスフィアはこの世界にまず間違いなく存在していない。
詰みだ、終わりだ。ジ・エーデルの玩具や奴隷になりながら対御使いの尖兵となるか。御使いの圧倒的な武力により隷属や封印という破滅的な未来しか待ちうけてはいない。だからこそ、俺はあの場で心臓をバクバクさせながら、冷や汗を全身から噴き出して必死に問診を行ったんだ。
「君……ちょっとこの紙に書かれた単語で、意味が分かるものに丸をつけてくれないか……?」
ガタガタと震える手で差し出したあの紙切れ。あれは俺が命懸けで仕掛けた、最後にして最大の一賭け……メタ的な知識や狂気が覚醒しているかを判別するための『真偽判定の踏み絵』だったんだよ
その結果は、シロだった。
どうやら、エーデル・ジ・リンという青年にはあの厄介な『黒の叡智』の記憶も、狂気に満ちたマルチバースの知識も、一切合切存在していなかったらしい。
もちろん、人間というのは狡猾だ。本当に何も知らない素振りをしながら、内心では真っ黒な悪意を隠し持っている可能性だってゼロではない。その気になれば、イングリットの読心能力に頼り、青年の心を丸裸にして嘘を暴くという最終手段だって残されていた。
だが、あの時の彼の様子を思い返してみても、どうにも「嘘をついている」ようには見えなかった。
大体、スパロボの宇宙には、どんな欺瞞も「真実」として周囲に思い込ませる凶悪なスフィア『偽りの黒羊』なんて代物も存在しているし、さらには『御使い』の一人であるアドヴェントのように、存在そのものが人間の疑う心を麻痺させ、絶対的な忠誠や信頼を植え付けてしまうような反則的な手口だって確認されている。油断は禁物だ。どこにどんな隠し玉が潜んでいるか分かったもんじゃない。
……それでも、だ。
それにしたって、あの時の彼の様子はあまりにも無知で、あまりにも「普通の学生」だった。高価な帝国ホテルのサンドイッチを前にして庶民的な貧乏性に悶絶し、緊張のあまり胃をキリキリさせ、あまつさえ腹の音を鳴らして赤面するような男が、平行世界を揺るがす黒幕の分身であるはずがない。
テストの紙に並んだ『黒歴史』といった単語の数々を前にして、彼はただ純粋に「なんだこれ?」という困惑と、自分の勉強不足に対する冷や汗を流していただけなのだ。そこには狂気も、多元世界を遊び場にするような傲慢さのかけらもなく。「ちょっとハインラインの目に留まる程度には優秀で庶民派の真面目な工学部学生」が一人、そこに転がっているだけなのだ。
偶然か!いやー良かった!良かった!!と、これで終わらせる事も可能ではあるんだが……論文の内容を知ってしまえばそうは問屋がなんとやら。
取り合えず今の彼に俺を害する意図や狂気が一切存在しないと確信できた以上、思い切って「毒を食らわば皿まで」「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の精神で虎穴にダッシュで突撃して見ることにするかぁ!
「……ふぅ。驚かせてすまなかったね。実は君の適性検査というわけでもないんだが、ちょっとした心理的なアプローチを試させてもらったんだ。気を取り直して、本題に入ろうじゃないか」
俺は手にしていた不気味な単語リストを引っ込めると、手元のタブレット端末を操作し、一機のモビルスーツのコンセプト設計図をテーブル中央へ滑らせた。
「それにしても、実に面白い案だね。たまたまウチの技術官……ハインラインという男なんだが、彼と一緒に東アジアの若手研究者の論文を眺めていてね。まさか工学部の学生が、こんな斬新な概念を発表するとは思ってもみなかったよ」
画面に映し出された設計図であるそれを見た瞬間、エーデル君の目つきが就活生のオドオドした顔から、一人の「技術者」の真剣な眼差しへと一変する。
「これ……僕の提出した構想論文の……!?」
「そう、これだよ。素体となるMS自体は極限までシンプルに削ぎ落とし、汎用性と整備性を担保する。その上ですべての回答を、背部に背負わせる多目的武装『大型ウェポンプラットフォーム』へと集約させるというこの構造だ」
俺は指先で画面の構造図をピンチアウトし、巨大な兵装ブロックを拡大してみせた。というか本当に凄いなこれ、学生が作り出しとは思えないくらいには……いやマジで見たことあるからこそ心臓がバクバクしてたわけなんだが。
「このプラットフォーム内部に、実体弾の連続射出機構、接近戦用の小型実体剣、高出力のビームサーベル、果ては遠距離狙撃用の高出力ビーム兵器に至るまでをぎっしりと集約する。そして、それらを複雑なモーションプログラムによって一瞬で切り替え、戦場のありとあらゆる盤面に対応させるという発想は……実に斬新だ」
「あ、ありがとうございます……! ですが、オーブやザフトには既に『ストライカーパック』や『ウィザードシステム』といった優れた換装機構が存在します。僕の案は、それらの二番煎じと言われるのではないかと……」
控えめに謙遜するエーデルに対し、俺は大きく首を振ってみせた。
「いいや、根本的な思想が違う! 従来の換装システムは『母艦や基地で装備を付け替えて戦術を変える』というものだ。戦場に出た後での臨機応変な対応には限界がある。だが君の案は違う……『装備の換装』ではなく、『あらゆる局面に対応できる多機能武器そのものに集約する』というアプローチだ!」
そう……これこそが、スパロボZにおいてセツコ・オハラが駆ったあの名機『バルゴラ』、そしてその主武装である『ガナリー・カーバー』の根底に流れる設計思想そのものだったのだ。
機体そのものはどこまでも扱いやすく、搭乗者の技能を問わない極めて汎用性の高い素体を目指す。そのために柔軟かつ強靭な関節構造と圧倒的な追従性を追求し、堅牢なフレーム構造によって将来的な拡張や負荷の増大にも耐えうる余裕を持たせる。そして、その背中に「全領域対応汎用武装システム」——すなわち、たった一つの巨大な武装ユニットを背負わせることで、近接格闘から遠距離砲撃に至るまで、戦場のあらゆる局面を単機で破綻なく制圧しようという構想。
そう。これこそが、俺が前世の画面越しに何度も目にしたあの名機『バルゴラ』の設計思想そのものだったのだ。
そして、論文に描かれたあの多機能武器の概念図。 はどこをどうどう見ても、セツコ・オハラの愛機が携えていた伝説の主武装『ガナリー・カーバー』そのもの以外の何物でもなかった。
だからこそ、俺は気になって夜も眠れなかったんだ。
よりによって『エーデル』という名を持つ青年が、なぜこのC.E.の世界において、「栄光の星」を司るあの量産試作機を……そして、のちに「悲しみの乙女」のスフィアをその身に宿すことになる宿命の機体を、一から構想し生み出そうとしているのか?
彼の中に狂気や『黒の叡智』が眠っていないと分かった今だからこそ、俺はこの目で、そしてこの耳で直接確かめなければならなかった。彼がどういう思考プロセスを経て、どのような“衝動”に突き動かされてこの機体に行き着いたのか。
この青年が、多元世界の運命を揺るがしたあの栄光と悲劇の機体を、どうやってこの世界に産み落とそうとしているのか……その真実を解き明かすために。
俺は手にしていたタブレット端末を静かに卓上へ置くと、ソファーの向こうで未だ恐縮したように身を縮こませている青年……エーデルへと視線を戻した。
「だが、ひとつだけ個人的な興味として聞かせてくれないかね。君はどうやって、この独創的な設計思想に辿り着いたんだい?何か……君をそこへ突き動かすような、特別な“きっかけ”でもあったのかな」
俺の問いかけに、エーデルは一瞬だけ意外そうに目を丸くした。技術的な着想のルーツという深い部分まで踏み込まれるとは思っていなかったのだろう。
彼はどこか戸惑うように視線を泳がせ、膝の上で握りしめた自らの手元をじっと見つめながら、躊躇いがちに唇を噛み締めた。
「あの……セイラン副総裁……」
「なんだい?」
「……笑わないで、いただけますでしょうか?」
「もちろんだとも。君の技術的な原点に関わる大切な話だろう? どんな内容であれ、俺が笑うはずがないさ」
俺が努めて静かで優しく、そして真摯な眼差しで頷いてみせると、彼は小さく生唾を呑み込み、意を決したようにゆっくりと重い口を開き始めた。
「実は……僕は幼い頃に、とても奇妙で……不思議な『夢』を見たことがあるんです」
「夢……?」
「はい。本当に幼い頃……たしか、まだ三歳になるかならないかといった、物心すらつくか怪しい時期に見た夢なんです」
そう語るエーデル君の瞳は、どこか遠い異界の景色でも見つめているかのように虚空を彷徨っていた。
「普通なら、そんな幼少期の……しかも『夢』の話なんて、成長するにつれて綺麗さっぱり忘れてしまうのが当たり前ですよね。自分でもどうかしていると思うんです。ですが……不思議なことにその光景だけは、まるで昨日見せられた鮮明な映像のように、どれだけ時が経っても脳裏に焼き付いて離れないんです」
……あっこれ?ヤバくない?アウトかセーフで言えばかなーりヤバくない?
「その夢の中で……僕は、ものすごく巨大な機体に乗っていたんです。なんて言えばいいんでしょう……どこか刺々しくて、毒々しくて、まるでお話に出てくる悪役……ううん、世界を滅ぼす本物の悪魔みたいな機体だったんです」
エーデル君はどこか遠い目をしたまま、己の記憶の底に眠る不気味な残影を手探りで語り続ける。
「自分の意思とは無関係に、その巨大な悪魔の中で僕は震えていました。怖くて、恐ろしくて、息もできないくらいの絶望感で……。そんな時だったんです。暗闇を切り裂いて、一機のロボットが僕に向かって突進してきたのは」
「……どんなロボットだったんだい?」
俺はもう嫌な予感しかしないが、出来る限り努めて穏やかな声を作りながら、静かに続きを促した。
「全体が深い青色に包まれた……すごく綺麗な機体でした。その青いロボットが、自分の背丈ほどもある大きな多機能武装を縦横無尽に振り回しながら、僕の乗る悪魔に凄まじい勢いで斬りかかってきたんです。殺される……!って思いました。本当に死ぬんだって」
そこまで語ったところで、エーデル君の頬が微かに上気し、その瞳にどこか恍惚とした熱っぽい光が宿った。
「でも……迫り来るその青い機体と、あの大きな武器の圧倒的な力強さを見た瞬間……僕、雷に打たれたみたいになっちゃって。怖いハズなのに、死にそうなのに……『なんてカッコいいんだろう!』って、心底惚れ込んでしまったんです。あの美しい機体と!あの武器に……!」
「……ふーん、なるほどねぇ」
俺はあごに手を当て、深く感心したように相槌を打ってみせた。
セーフじゃねぇよ!!!アウト寄りのアウトじゃねぇかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!
表向きは優しげな笑みを崩さず優雅に頷いているが、内心の俺は頭を抱えて絶叫していたがなぁ!!
青い機体! 背丈ほどもある巨大な多機能武器! そして悪魔のような機体に乗り移ったエーデル!!
どう見てもそれってセツコの駆るバルゴラ・グローリーが、スパロボZの最終決戦でジ・エーデルのカオス・レムレースを叩き潰しにいったあの決戦の瞬間じゃねぇかよぉ!!!
殺される間際のトラウマの記憶を、「あの青いロボットと武器カッコいい!」に脳内変換して惚れ込んでんじゃねぇよ!! どんな超絶ポジティブ変換だよ!!?
狂気の記憶が芽生えて覚醒したのかと焦ったら、ただ「幼少期に並行世界の自分が死ぬ瞬間のビジョンを垣間見て、敵の機体に命がけで一目惚れしただけのメカオタク」が爆生していただなんて予想できるわけねぇだろ!しかも3歳だぞ?3歳の時の記憶でこれって性癖ぶっ壊れてるじゃねぇか!!
目の前で熱っぽく語るエーデルの様子は、客観的に見ても明らかにおかしかった。頬をポッと朱に染め、瞳をウルウルと輝かせながら、うっとりとした恍惚の表情で空を仰ぎ見ている。まるで初恋の相手を思い出す恋する乙女そのものの顔つきだ。
……正体を知っている俺から言わせてもらえば、正直言ってかなりキモかった。
(あー……うん。間違いねぇわ。コイツ、間違いなくあの『ジ・エーデル・ベルナル』の並行同位体だわ)
俺の記憶が正しければ、ジ・エーデルの同位体たちってのは「固有の概念や欲望に異常な執着を示し、あらゆる束縛を嫌って自由を追い求める」という、とにかくタチの悪い体質になりがちだったはずだ。
だが、この目の前にいる『エーデル・ジ・リン』という青年におけるその「執着」の矛先は……まさかまさかの、3歳の時に夢(並行世界の死に際)で見たバルゴラの雄姿だったわけだ。
世界を滅ぼす狂気でも、黒の叡智の悪知恵でもなく、ただただ敵のメカと巨大武器に心を奪われた純情乙女(メカオタク)。
(グラハム・エーカーかてめぇはよぉっ!? 「抱きしめたい! ガンダム!」ならぬ「作りたいなぁ!バルゴラぁ!」かよ!!)
愛が重すぎる! 歪みすぎている!よりによって自分をブチ殺しに来た主人公機に命がけで一目惚れして、その初恋(トラウマ)をこじらせた結果、工学部に進学してまで自手でその初恋を再現しようとしてるんだから、性質が悪すぎるだろなんだよコイツ!ちなみに男だからな!!!セツコはまぁ美人だったがバルゴラそのものに惚れてるメカニー野郎だわコイツ!!
「そ、その……! 他にも、夢を見たことはあったり?」
流石に冷や汗を拭いながら俺がそう問い返すと、エーデルは先ほどまでの緊張をすっかり忘れ、今や我が世の春と言わんばかりに目を爛々と輝かせ、身を乗り出すようにして語り始めた。
もうやだ、こいつ。身振り手振りで嬉しそうに話してるけど股間を見ると明らかに勃起してんだよなんだよもぉぉぉ!!!
「はいっ! 実は、5歳の時にもう一度だけ、鮮烈な夢を見たんです!」
「お、おう……今度はどんな夢だ……?」
「あの時、僕を圧倒したあの青いロボットが……今度は世界中の、見たこともないような数え切れないほどのロボットたちと肩を並べて共闘していたんです! 相手は……ものすごく巨大で、すべてを黄金に輝かせる不気味な『神様』みたいな奴でした!」
彼は両手を大きく広げ、まるで目の前でその光景が繰り広げられているかのように興奮気味にまくし立てる。
「その『神様』みたいな存在を相手に、あの青いロボットが仲間たちと一丸となって立ち向かい、傷だらけになりながらも一歩も引かずに戦い抜く姿が……もう、言葉にできないほどカッコよくて……っ!」
——あぁ、なるほど。
完全に理解した。全部分かってしまった。
(至高神Zじゃねぇかよぉぉぉぉ!!!!)
表向きは「ふむふむ」と穏やかに頷いてみせているが、俺の脳内では特大のテーブルを両手で激しく叩き割っている。5歳の時に見た夢っておい、それスパロボZシリーズの正真正銘の最終決戦、『至高神Z』との最終局面じゃねぇか!!
次元の果てで全軍団が総力を挙げてラスボスをボッコボコにしたあの歴史的激戦のビジョンが、何故か幼少期のエーデル君の脳髄にダイレクト中継されていたというのか!?
「その時、強く心に誓ったんです。『いつか、僕自分の手であの機体を作りたい! あんな風に世界を救う……いや、あの青いロボットそのものをこの手で再現してみたいんだ』って! だから、現実の世界でこうして戦争が始まり、モビルスーツなんていう夢のある兵器が実際に開発されるようになってからは、もう死に物狂いで工学を叩き込んで……気付けばこの道に進んでいたんです!」
彼は胸を張り、眩しいほどの純粋な熱意に満ちた笑顔を浮かべてそう締めくくった。
その顔は、野望に満ちた悪の科学者でもなければ、世界を滅ぼす狂人でもない。ただの「憧れのロボットに人生のすべてを狂わされた、一途で不純なガチのメカオタク」そのものだった。
はぁぁ……。
はぁ、うん。もう分かった。大体わかったわ。
恐らく彼は、あの「黒の叡智」に汚染された本家ジ・エーデルを経由して、人生の節目で計3回の毒電波を受信……いや、接触を受けていたってわけだ。
だが、おそらく1回目の接触……すべてのマルチバースのエーデルたちを強制的に網の巣に引きずり込み、「おいお前ら、御使いどもをブッ殺して僕達の世界を取り戻すぞ!」と本家変態エーデルが脳内エーデルチャンネルで緊急全社集会を開いたあの時、彼は……おそらく、まだ物心どころか受精卵か赤ん坊の時期だったに違いない。
いくら頭のいい同位体だとしても、SANチェックどころか「恐怖」の概念すらない赤ん坊の脳髄に、宇宙の真理や狂気の知識を強制インストールしたところで意味なんてあるわけがない。データ容量がオーバーしてフリーズするのがオチだ。
そして、その脳内エーデルチャンネルがバグったまま不完全に接続されてしまったせいで、2回目の時にバルゴラに文字通りボッコボコに叩きのめされ、破滅へと向かうカオス・レムレースに乗っていたエーデルの断末魔と記憶がダイレクトにリンクしてしまった。
その結果、恐怖を通り越して美しき死に様と青いロボットの雄姿が脳裏に刻まれ、見事に性癖が致命的なまでにぶっ壊れてしまったというわけだ。
さらに、5歳の時には『至高神Z』との最終決戦において、完全にスフィアを覚醒させたセツコが乗りこなす『バルゴラ・グローリーS』の神がかった戦闘と魂の輝きに脳を焼き尽くされ——トドメとばかりに、彼のメカオタクとしてのリビドーはもはや取り返しのつかない領域へと到達してしまったのだろう。
具体的に言えば、「バルゴラの設計図や3Dモデルを想像するだけで生理的に興奮して仕方がなくなる」レベルの、取り返しのつかないトランス状態を刻み込まれたのだ。何が言いたいのだって?今のコイツもうビンビンなんだよ下半身が。もうやだコイツ。
……まあ、身も蓋もない例えだが、収穫と言えば最大の収穫が一つだけある。
彼は間違いなくジ・エーデルの並行同位体でありながら、あの「最後の戦い」以降はパタリと夢を見なくなった。ということは、多元世界を揺るがした『至高神Z』との決戦はすでに過去の出来事であり、あの壮絶な宇宙の歴史はきっちり「決着済み」だということだ。
つまり、マルチバース全域を巻き込むような本気の『御使い』の本隊や、『サイデリアル』の大軍勢がこのC.E.の世界に攻め込んでくる可能性は、極めて低いと考えていい。
脅威があるとすれば、せいぜい次元の歪みに巻き込まれてこの宇宙に迷い込んだ「はぐれ残党」や、どこかの厄介な奴……例えば、ガイオウがアークセイバーの連中を次元獣に変えまくった時のような、一発レッドカード級の偶発的事故さえ起きなければ、この世界は一応の平和を維持できると。
セーフどころかアウト寄りのアウト。だがゲームセットしていたので無効試合となってるので問題ない……という所かね。
「……よし、決めた」
俺は思考の海から浮上すると、目の前で緊張に身を硬くしているエーデル君をまっすぐに見据え、不敵かつ鮮やかな笑みを浮かべてみせた。
「うん、採用だ。もし君が嫌じゃなければ、オーブのモルゲンレーテに来ないか?」
……自分で言っておいてなんだけど、頭のどこかでは本気で「お断りして実家に帰ってもらおうかな……」という悪魔の囁きが聞こえるんだけどな。
なんせ中身がいくら「バルゴラに人生を狂わされただけの純情(?)なメカオタク」だと分かっていても、頭の片隅で「バルゴラを考えるだけで全身体温が上がってる変態野郎」だと思うと、なんかこう……精神的にすごく複雑な気持ちになるんだよ! 直属の部下にするには業が深すぎるだろコイツの性癖!!
だがしかし、だ。
そう簡単に切り捨てるわけにはいかない決定的な理由があった。なにせ、あの論文の出来栄え自体はガチで本物だったからだ。
なにせ、あの偏屈技術者であるハインラインが、あの時は普段であれば余程ではない限りは、他人の研究なんて一瞥もしないくせに、エーデルの論文を見るや否や、早口でまくし立てるように「ここは机上の空論です!」「だがこのフレームの荷重分散の着眼点は面白い!」「ここをこう改修すれば実用に耐えうる!」と、嬉々としてダメ出しと改善案を叩き込み、最終的には「学生の論文としては悪くありませんね」と大絶賛していたのだ。
嘘みたいだろ?「悪くありません」って言葉はハインラインにおける最大限かつ最上位の褒め言葉なんだぞ?
あいつは興味のないものにはマジでゴミを見るような目しか向けない男だ。その男が認めたという事実だけでも、この青年脳内にある設計思想がどれほど途方もない価値を持っているかの証明だった。
「今の段階ではその複合武装のコンセプトは、まだ『机上の空論』の域を出ない。モビルスーツの発電効率や、一基のプラットフォームに武装を集中させた際の機体バランス、関節への負荷……解決すべき課題は山積みだ」
俺は机に置いた設計図を指でトントンと軽く叩き、引き締まった声で彼に告げる。
問題点も多いだろう、そもそもバルゴラは数年単位で戦乱に次ぐ戦乱でモーションパターンやコンバットアクションを必死に会得しながら何度もデータを収集した上でようやく量産が決定した代物だ。素体がいくら乗りやすくとも新兵に至るまで扱えるようにするのは並大抵の苦労ではないのは確実だろう。
「だが、君の努力と、ウチの技術陣の総力を合わせれば……必ず形にできる。ハインラインも認めていたよ。君の着想は、これからのモビルスーツ開発の常識をひっくり返す可能性を秘めているってね」
流石に、いまのオーブ軍の主力量産機(例えばムラサメの次期主力とか、アストレイの系譜)としていきなり一線級で採用するには、運用思想が特殊すぎてハードルが高すぎるかもしれない。
だが——これは「輸出用機体」や、独立傭兵部隊、あるいは特務仕様としてはどうだ?
優秀な素体MSと、どんな戦場・局面であっても単機で対応可能な「全領域対応ウェポンプラットフォーム」の組み合わせがあれば、それだけで喉から手が出るほど欲しいという勢力はいくらでもあるはずだ。
汎用性の塊のようなその武装システムは、星の数ほどある戦場において間違いなく唯一無二の強みになる。ウェアシステムやウィザードシステムとは違い武器一つで完成してるというバルゴラのガナリーカーバーは独自の強みが存在しており、セールスポイントとしても悪くはない。
「どうだい、エーデル君。君のその脳内にある夢の結晶を、このオーブの技術力を使って、現実の鋼鉄として組み上げてみないか?」
エーデル・ジ・リン。
後にオーブにてハインラインやエリカさんと並ぶ程の才覚を発揮し。スカンジナビア王国や赤道連合などにおいて使用される事となった輸出用MS『バルゴラ』の主要開発者としてその名を刻む事となる。
そして硬く、手を握りしめつつも俺はこの日決意したんだ。
例え御使いやサイデリアルが壊滅していたとしても、エーデルが存在する以上この世界に新たな脅威がやってくる可能性はゼロではない。
なら、未来の子孫達が生き残る為にはどうすればいいのか?を考える事が、俺の最期のオーブへの奉公になるのかもしれないと。
例えば……全世界を巻き込み、マクロスの様な移民船団をつくって人類種というSEED(種)の生存圏を広める事、なんてね。
・エーデル・ジ・リン
その正体はスパロボZに登場するジ・エーデルの平行同位体。ですが彼の場合は覚醒があまりにも幼い頃だったので他のジ・エーデルと比べるとかなりまとも寄りだったりします……一つを除けば。
それはかつて並行世界で自分を倒したはずのバルゴラと呼ばれる機体に完全に心を奪われてしまった事。そして、モビルスーツという概念が生まれた結果死に物狂いでバルゴラをこの世界で再現しようと努力する変態技術者になってしまった事。流石にいくら彼でも人造スフィアの様なものは多分、きっと、恐らく将来的には作らない…じゃない、かなぁ?
ともかく今後オーブは輸出用機体としてバルゴラを完成させれば販売していく事でしょう。
大国やオーブやプラントであればウィザードシステムやウェアシステムは有効であり、この作品においてはマルチロールと言う言葉でなんでも手を伸ばしてしまうよりは、特化した方がいいと描かれがちですが。第三国からすれば話は別。単体で完成した万能マルチロール機体の方がありがたがれたりしますし、今後の彼はバルゴラ完成のために心血を注ぐことになるでしょうね。ユウナはすごく微妙な顔をしていますが。
・移民船団
移民船トダカについてのネタバレ。なぜ最終的にトダカの名を受け継いだ移民船が作られたのかと言えばユウナが存命中にエーデルの存在を知ってしまい、どれだけ確率が低くてもこの世界に並行世界や外宇宙からの来訪者がやってくる可能性がある事。それらが決して友好的とは限らないと理解してしまったせいで、それならばとまず人類の生存権を広げて分散させよう。そして星間文明にも対抗できる下地を作り出そうと足掻こうとした結果であったり。それがうまくいくかどうかは未来の彼ら次第です。
あとは何気にアスクレピオスとその妹達についてもちょっとしたスパロボZ要素の前振りであったり。ともかくアスクはあんなアドヴェントの様な存在にならない様にと相当気を使って育てられてるので問題はないでしょうが。
・ガナリー・カーバー
実はアストレイのロウ・ギュールもカレトヴルッフというMS用マルチツールを作り出していたりするのである意味同じ系譜。きっとロウとエーデル君は仲良しになるでしょう。あまりの奇行にロウはドン引きするかもしれませんが……この世界のエーデルくんは基本善良ですよ。メカニー野郎なだけで。
大西洋連邦の選挙結果は?展開によって今後のお話に影響が出ますが、あくまで大西洋連邦国民の一人として投票して頂けると幸いです。
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