破滅フラグしかないボンボンに転生してしまった件 〜グフに踏み潰される運命なんて、全力で回避してやる!〜《完結》   作:kiakia

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 本日はここまで!

 基本ユウナが叫びまくってるシーンは、正気度とストレス値が高まりまくって判断力が低下しています。


第三十五話 殺してやる…殺してやるぞデュランダル…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君との対話は、私にとって大きな収穫だった。君は私の理解者であり、そして――決して相容れぬ宿敵だ」

 

 

 

 

 

「……ああ、残念だよ。あんたと手を取り合えれば、世界を救うのはもっと簡単だったはずなんだがな。だが、互いに譲れないものがあるのは仕方ない。……ただ、ギルバート。これだけは約束してくれ。戦うにしても、最低限の『ルール』だけは守れ」

 

 

 

 俺の言葉に、デュランダルは怪訝そうに眉を上げた。

 

 

 

「ルール、かい? 戦争という理不尽の極致において、それは随分と牧歌的な願いだね」

 

 

 

「難しいことじゃない。……頼むから、自分の思い通りにいかなくなったからって、味方を後ろから撃とうとしたパトリック・ザラのような真似だけはするなよ」

 

 

 

 

 デュランダルの動きが一瞬、止まった。

 

 

 

 前大戦の終盤、ヤキン・ドゥーエ。狂気に取り憑かれたパトリック・ザラは、ジェネシスを地球へ向けて発射しようとし、それを止めようとした自軍の部下を射殺した。その「後ろから撃つ」という卑劣な行為が、ザフトという組織の誇りを内側から崩壊させたんだ。

 

 

 

「あんたは神官だと言ったろ。なら、最後までその気高い理想を掲げて戦え。謀略だろうが暗殺だろうが何をしてもいいが、あんたにまで背中から撃たれたら、あんたを信じて戦う兵士たちが救われないだろ」

 

 

 

 原作では、彼は最後まで「理性的」であろうとした。だが、それでも最後に彼は『レクイエム』という巨大な暴力で世界を強引に塗り替えようとした。俺は、それを牽制したかった。

 

 

 

「…………パトリック・ザラ、か。確かに、あれは最悪の結末だった」

 

 

 

 デュランダルは寂しげに、あるいは自戒するように呟いた。

 

 

 

 

「安心していい。私は彼のような狂信者ではないし、何より、私は人間という存在に絶望はしていても、彼らの献身を汚すほど無作法ではないつもりだ。……君との戦いは、正々堂々としたものにしたいね」

 

 

 

 その言葉に、俺は心の中で「本当に忘れるなよ」と念を押した。

 

 

 脳裏に浮かぶのは、前世の記憶にある『スーパーロボット大戦L』の議長だ。あの作品の彼は、ある種「理想の議長」に近い、高潔で理知的な人物として描かれていた。

 

 

 だが、そんな彼ですら、土壇場の決戦において自軍の背中を撃つような真似をしてしまった。極限状態の「正しさ」がいかに脆いか、俺は知っている。

 

 

 

「……ギルバート。あと、もう一つだけ言っておく」

 

 

 

 俺は彼の、あえて今の彼にとって最も「柔らかい」部分の名前を投げかけた。

 

 

 

「ミーア・キャンベルのことだ」

 

 

 

 

 デュランダルの足が、再び止まった。

 

 

 

「今のところ、彼女の正体を公にするつもりはない。……だが、あの子は今、必死に『ラクス・クライン』という与えられた役目を果たそうとしている。まさに、あんたが理想とするデスティニープランの縮図そのものだ。そして何より、彼女はあんたの言葉を、あんたの理想を心から信じている『信者』の一人だろ」

 

 

 

 俺は椅子から立ち上がり、彼の背中に向けて言い放つ。

 

 

 

「いらなくなったからって始末するような真似をしてみろ。……もしそんなことをしたら、俺が直々に、あんたのその整った前髪を一本残らずむしり取ってやるからな!」

 

 

 

 カナードにやられそうになった屈辱を、そのまま脅し文句に変えてぶつけてやった。

 

 

 

 デュランダルはしばらく背中を向けたまま沈黙していたが、ふっと肩を揺らして、一度だけ振り返った。

 

 

 

 

「……前髪、か。それは手痛い脅しだ。今の私にとって、これほど心に響く言葉もないよ」

 

 

 

 冗談めかした口調。だが、その瞳にはどこか影が落ちていた。

 

 

 

 

「約束しよう。彼女は……ミーアは、私の大切な『ピース』だ。それ以上に、君が言うように、彼女の献身に報いるのは私の義務でもある」

 

 

 

 

「いらなくなったら俺の所に投げろ。ミーアの居場所くらい、このクソボンボンがいくらでも作ってやるよ。暗殺、謀略、扇動……あんたの周りには不穏な空気が絶えないが、忘れるな。」

 

 暗殺、謀略、煽動。どの技能もデュランダルに確実に俺は負けている。だが、それでも……甘いと言われようが、CE世界で数少ない『本気で』世界から争いを無くそうとしている男に俺は問いかける。

 

 せめて味方殺しだけはやめろと。自分を信じている連中を背後から撃つ。どれだけ非道に手を染めようがそれだけはこの男にはして欲しくはなかったんだ。

 

 

「最後に俺は、あんたを死なせたりはしない。きっちり独房送りに収監して、死ぬまで反省させてやる。だから無駄に死のうとするなよ……特にレイのことだ。あの子はあんたのことを、本当の父親だと思ってる。それを忘れるな」

 

 

 

 その瞬間、デュランダルの歩みが完全に止まった。

 

 

 

 

 今までどんな罵倒を浴びせても、どれだけ本来知り得ない知識で揺さぶって披露しても崩れなかった彼の余裕が、微かに揺らいだ。

 

 

 彼の顔は、いつもの微笑を浮かべていようとしていたが、瞳の奥に隠しきれない動揺が走っている。

 

 

 

「……レイについてまで、君は知っているのか。……ふ、ふふ。本当に君には、隠し事はできないようだ」

 

 

 

 

 

 デュランダルは寂しげに、自嘲気味な笑みを浮かべた。

 

 

 

「……彼に、ラウになれと言ったのは、私の間違いだったのかな?」

 

 

 

 

「当たり前だろ、このバカ……遺伝子情報が同じだろうがクローンだろうが、魂が違えばそれは別人だ。あいつはあいつであって、死んだ仮面の男の代わりじゃない。人は神にはなれない。あんたは『神』ではなく『神官』止まりなんだから」

 

 

 

 

 

 自身の現状を振り返りつつ、俺の吐き捨てた言葉に、デュランダルは何も答えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オーブ軍の秘密発着場。

 

 

 

 三機のザクウォーリアが、大気を震わせる重低音と共にリフトオフの準備を整えていた。

 

 

 

 その先頭、ひときわ鮮やかな深紅の機体のコクピットで、ギルバート・デュランダルは操縦桿を握りながら、眼下に広がるオーブの街並みを見下ろしていた。

 

 

 

 

「……『何も無いからこそ、何かが出来れば僕らが生まれた意味もあるんだ』、か」

 

 

 

 ユウナ・ロマ・セイラン。

 

 

 

 

 かつてこれほどまでに、自分の胸の奥に土足で踏み込み、かき乱していった男がいただろうか。

 

 

 

『議長、帰還コースのクリアを確認しました。いつでも行けます』

 

 

 

 

 通信パネルに映るレイ・ザ・バレルが、いつもの無機質で、だが揺るぎない信頼を込めた瞳で彼を見つめている。

 

 

 

 デュランダルはその少年を見つめ返し、先程のユウナの言葉――「あの子はあんたを父親だと思っている」というフレーズを反芻した。

 

 

 

「……ああ、分かっているよ。レイ、発進する。我々の『意味』を守るために」

 

 

 

 

 紅い残光を引き連れて、三機の影がオーブの空を切り裂き、宇宙(そら)へと昇っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 それは、一つの決別であり、同時に「運命」という名の巨大な奔流の始まりでもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数日後のことだ。

 

 

 

 

 プラントへ帰還したギルバート・デュランダル議長から、公式な感謝状と共に一通の「私的な手紙」が俺の元へ届いた。

 

 

 

 

 

『先日は素晴らしいハーブティーと、何より得難い対話と経験をありがとう。君が、かつてミネルバへ無償で提供してくれた資材や協力へのお礼、そして、君の語った「意味」とやらへの、私なりの祝福として、プラントの最新鋭MSを贈らせてもらう。君なら、この機体の価値を正しく理解してくれると信じているよ』

 

 

 

 

 

「……へぇ。あの食えない議長にしては、なかなか粋なことをするじゃないか」

 

 

 

 俺は手紙を閉じ、少しだけ見直した気分で、トダカ一佐と共に秘密のハンガーへと足を運んだ。

 

 

 

 

 中には、厳重なコンテナに収められた「贈り物」が鎮座している。

 

 

 

「最新鋭MSか……。デスティニーは流石に早すぎるだろうが、レジェンドのプロトタイプか、それともザクのカスタム機か? どれが来てもオーブの技術研究にはプラスだしな」

 

 

 

 

 俺はワクワクしながら、ハッチを開けるように合図を送った。

 

 

 

 重厚な油圧の音と共に、コンテナの壁がゆっくりと左右に展開し、照明の中にその機体が姿を現す。

 

 

 

 鮮やかな水色。

 

 

 

 特徴的な背部のフライトユニット。

 

 

 

 そして、獲物を絡め取るためのヒートロッドを備えた両腕。

 

 

 

 

「……あ」

 

 

 

 

 俺の思考が、一瞬で真っ白になった。

 

 

 

 

 

 目の前に鎮座しているのは、ザフトの次期主力MS、グフイグナイテッド。

 

 

 

 

 原作の『SEED DESTINY』において、情けない姿を晒したユウナ・ロマ・セイランが、最後に真っ先に踏み潰されて「死」を迎えた時の、あの因縁極まりない機体そのものだった。

 

 

 

 

「……ユウナ様? どうされました、震えておられますが。やはり最新鋭機の威容に圧倒されましたか?」

 

 

 

 

 トダカが不思議そうに覗き込んでくるが、俺の耳には届かない。

 

 

 

 脳裏に浮かぶのは、巨体に踏み潰される直前の、あの絶望的な視界。

 

 

 

 

 

 あいつ……!

 

 

 

 

 

 「君なら、この機体の価値を正しく理解してくれると信じているよ」だと!?

 

 

 

 

 

 「祝福」だと!?

 

 

 

 

 喧嘩を売っている。これ以上ないほど、最高に洗練された嫌がらせで、俺に全力の喧嘩を売ってきてやがる!!

 

 

 

 

「あの……種無し浮気チンポ野郎がぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!! ふざけんなよ!! 絶対に前髪だけじゃ済まさねえぞコラァッ!!!」

 

 

 

 

 

 静かなハンガーに、俺の魂の絶叫が木霊した。

 

 

 

 

 

 オーブの平和な空の下、俺と議長の「絶対に譲れない戦い」の火蓋は、ハーブティーではなく、一機の水色のMSによって、最悪の形で切られたのであった。

 

 

 






議長「ふふ…ザフトの最新鋭MS。ユウナ君喜んでくれるかなぁ」



ユウナ「あぁぁぁぁぁ!!!!」SANチェック1D10/1D100。




 この後、発狂してトダカに腹パン(精神分析)されて沈黙しましたとさ。

どっちのアスランが見てみたいでしょうか?

  • 通常の優柔不断アスラン
  • 報連相の化身と化したアスラン
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