破滅フラグしかないボンボンに転生してしまった件 〜グフに踏み潰される運命なんて、全力で回避してやる!〜《完結》   作:kiakia

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第六十四話 最高のエンジョイ勢デュランダル

 

 

 

 月面ダイダロス基地は、紅い炎に包まれていた。だが、そこにあるはずの光景が欠けている。史実であれば、この要塞には地球連合軍の切り札である破壊の権化、デストロイが鎮座し、圧倒的な火力でザフトを迎え撃っていたはずだった。

 

 

 しかし、この世界線ではそれら絶望の権化はすべて、先のヘブンズベース攻防戦において地上へと移送されていたのだ。その事実は一見、ザフトにとって幸運に思えたが、現実は真逆だった。

 

 

 

 軍事知識に乏しく、ただ感情のままに現場を振り回すジブリールとは異なり、実務派の軍人であるミケール大佐は、自軍の戦力不足を冷静に悟っていた。故に防衛や死守ではなく、徹底してザフトにダメージを与えつつ人員を温存する、実戦的かつ冷徹なゲリラ戦を構築していたのだ。

 

 

 

 要塞の入り口は陥落したものの、主要区画は蜘蛛の巣のように張り巡らされたブービートラップと、熟練の工作兵による決死の抵抗によって、ミネルバ隊を筆頭とするザフト軍は、デストロイとの正面衝突よりも遥かに神経を削る、陰惨な消耗戦を強いられることとなった。

 

 

 通路ひとつ進むごとに仕掛けられた指向性対人地雷、ダクトから散布される神経ガス、そして死を覚悟して自爆を試みる歩兵たちの猛攻。MSの火力で踏み潰せない「人間の悪意」に、ザフトのパイロットたちは極限まで疲弊していった。

 

 

 

 結局、レクイエムのコントロール奪取には成功したものの、掃討戦の結果はザフトに冷や水を浴びせるものだった。要塞司令部からミケール大佐の遺体は発見されず、脱出艇の記録も一切残っていない。

 

 

 それどころか、捕虜となった連合兵の口からは、驚愕の事実が漏れ出す。ミケールは陥落の数日前から、ダイダロスだけでなくアルザッヘル基地からも、自分に忠実なブルーコスモスの過激派残党を組織的に逃亡させていたのだ。

 

 

 ジブリールが権力に固執して死に場所を求めたのに対し、ミケールは「コーディネイターを根絶やしにする」という憎悪の意志を宇宙の闇へと霧散させ、より危険な潜伏勢力として再編してしまったのである。

 

 

 

 その影響は、占領後のザフトにとって史実以上の脅威となって跳ね返ってきた。軍の組織系統から切り離され、純粋な殺意のみで結ばれたミケールの残党は、宇宙各地の廃コロニーや小惑星帯に潜伏。補給艦を狙った執拗なテロ活動や、プラント近傍での無差別な自爆攻撃を繰り返す「形のない軍隊」へと変貌したのだ。

 

 

 実態が掴めない組織的なゲリラ戦は、ザフトの治安維持能力を限界まで削り、市民の間に拭い去れない恐怖を植え付けていく。

 

 

 だが、メサイアの司令座でその報告を受けたギルバート・デュランダルは、不敵な笑みを消さなかった。

 

 

 

 

「……ジブリールよりも遥かに厄介だ。だが、それで構わない」

 

 

 議長は、手元の端末に映る逃亡勢力の推定マップを見つめながら、静かに独り言ちる。

 

 

 

「人は、目に見える巨大な悪……デストロイのような象徴を打ち倒せば、それで平和が来ると信じたがる。だが、ミケール大佐が撒き散らしたこの形なき憎悪こそが、人類が抱える本質的な病巣なのだよ。理不尽なテロに怯え、安らぎを奪われた人々は、やがて叫ぶだろう。もっと強力な秩序を、自分たちを導く絶対的な管理を、とね」

 

 

 議長は優雅に椅子に背を預け、チェスの駒を動かすように指先を遊ばせた。

 

「君の憎悪は、私の『デスティニープラン』の正当性を証明するための、最高のスパイスになる。……ありがとう、ミケール大佐。君の役割もまた、この来るべき世界のために必要な欠片だったよ」

 

 

 

 

 

 

 だが、彼の視線はすでに、霧散したブルーコスモスの残党など見てはいなかった。議長の静かな、それでいて熱を帯びた瞳が向けられているのは、モニターの隅に映る中立国――オーブの動向、そしてそこを拠点に動くユウナ・ロマ・セイランという男だ。

 

 

 対ロゴス連合の猛攻を退け、あまつさえ「ミーア・キャンベル」という自身の不確定要素さえも飲み込んでみせた、理解不能な「異物」。

 

 

 

「ジブリールは己の欲望に溺れ、ミケール大佐は憎悪に殉じた。だがユウナ君……君は何を望んでいるのかな? 君が守ろうとするその『自由』が、どれほどの悲劇を再生産し続けるか、君ほどの聡明な男なら理解しているはずだが」

 

 

 デスティニープランという名の「救済」を完遂させるために。

 

 

 

 議長の目には、もはや逃亡者たちの掃討など、盤面の端に散らばった不要なポーンの掃除に過ぎなかった。彼の視線が捉えているのは、盤上の中央に鎮座し、自らの完璧な定跡を真っ向から拒絶し続ける不確定要素――「オーブ」という名のキングである。そのキングは誰であるかは言う必要すらないだろう。

 

 

 

 デュランダルは、どこか楽しげに、チェスの駒を指先で弄んだ。

 

 

 

 その表情には、すべてを管理下に置こうとする独裁者の冷酷さよりも、解きがたい難問を前にした学者のような、純粋な知的好奇心が滲んでいた。

 

 

 

「……面白いね、ユウナ君。君は私に、背後から味方を撃つなと『フェアな戦い』を望んだ。この欺瞞と暴力と狂気に満ちた世界で、私という人間に『道徳』を求めたのは、後にも先にも君だけだよ」

 

 

 

 デュランダルは、どこか遠くを見るような瞳で独りごちた。

 

 

 もし、彼が私の提示するプランに賛同してくれたのなら。

 

 

 

 もし、彼が秩序の構築に手を貸してくれたのなら、どれほど心強い同胞となっただろうか?それは一時の幻想に過ぎないと理解していながらも、議長の胸中には拭い去れないほど本気の後悔が兆していた。

 

 

 

 

 自由と明日を望み、泥を啜ってでも運命に抗おうとするユウナ。秩序と安寧を望み、痛みを伴う管理で世界を救おうとする議長。

 

 

 二人は、決して重なることのないコインの裏表だ。相容れないからこそ、その「違い」がこれほどまでに愛おしく、誠に残酷に響く。

 

 

 ミーア・キャンベルの件にしてもそうだ。

 

 

 

 彼女をオーブへ送れば、議長自身が「偽物を使って大衆を欺いていた」という決定的なスキャンダルを隠滅することになる。ユウナは、自分が不利になると理解した上で、一人の少女の命を救うためにその亡命を受け入れたのだ。

 

 

 

 

「……私の本質が、人々の幸福を祈るだけの『神官』であると。君はそう見抜いていたね」

 

 

 

 かつて迎賓館で交わした言葉。ユウナに「あんたは政治家でも軍人でもない、神官だ」と看破されたあの日を思い返し、デュランダルの唇が微かに綻ぶ。

 

 

 

 

 自分を「傲慢な独裁者」と罵る者は数多くいたが、自身の根底にある「祈り」という名の絶望をこれほど的確に、そして真正面から肯定してみせたのは、世界中でユウナ・ロマ・セイランただ一人だった。

 

 

 

 「味方を背後から撃つな」という願い。それは打算でも戦略でもなく、神官を自称しようとする男が、その魂の純潔を汚さぬよう求めた、ユウナなりの「情」であったのだろう。

 

 

 

「私人としては、私は君を……いや、君たちのことをとても好ましく思っているのだよ。だが、悲しいかな。神官が捧げる祈りは、時に最も残酷な供物を要求する」

 

 

 

 デュランダルは、どこか吹っ切れたような、凪いだ瞳でモニターを見据えた。皮肉にも好敵手という存在が史実以上に彼をプランというものに没入させる事を強めたのである。

 

 

 

 ユウナという男への好感、その生き方への敬意。それらすべてを心の奥底に封じ込め、彼は「救世主」としての仮面をより深く被り直す。

 

 

「君との約束は果たした。だからこそ、ここからは手加減なしだ。さあ、見せてくれたまえ。君たちが繋ごうとするその不確かな『明日』に、私の描く完璧な『運命』を覆すほどの輝きがあるのかを」

 

 

 

 それは、自分を見抜いた好敵手に対する、彼なりの最大の誠実。デュランダルは静かに立ち上がり、全宇宙を揺るがす、デスティニープランの開始を、一点の曇りもない声で宣言した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 デュランダルの演説は、月面ダイダロス基地の制圧とレクイエムの確保を経て、満を持して全世界へ向けて発進された。

 

 

 

 

 

「……今私の中にも、皆様と同様の悲しみ、怒りが渦巻いています。何故こんなことになってしまったのか? 考えても既に意味のないことと知りながら、私の心もまた、それを探して彷徨います」

 

 

 その声は、かつてないほど穏やかで、慈愛に満ちていた。史実においては、本物のラクス・クラインが介入し、自身の「偽物」が存在することを暴露して議長の欺瞞を突くという彼の支持にヒビを入れかねない劇的な逆転劇が存在していた

 

 

 

 だが、この世界ではその「偽物」であるミーア・キャンベルは、他ならぬデュランダル自身の手でオーブへと送り届けられている。

 

 

 

 仮に今、ラクスがこの放送に割り込み、ミーアと共に議長の非道を訴えたとしても、それはもはや致命的な暴露にはなり得ない。史実のような「衝撃的な事実」としての破壊力は失われ、議長側からすれば「世界の敵であるロゴスと内通していた疑惑があるユウナ・ロマ・セイランが、我々を貶めるために巧妙な替え玉を用意して反逆を企てているだけだ」と一蹴すれば済む話だった。

 

 

 

 そう、ユウナがミーアを引き受けたことで、議長は「証拠」を「政敵が抱える爆弾」へとすり替えたのだ。オーブ側が何を言おうと、それは「追い詰められたロゴスの残党による悪あがき」という筋書きに回収されてしまう。

 だが、それすらもなかった。

 

 

 モニターに映る自分を遮る者は誰一人現れず、放送は完全に彼の独壇場となった。

 

 

「私たちは、つい先年にも大きな戦争を経験しました。……にもかかわらず、ユニウスセブンは墜ち。努力も虚しくまたも戦端は開かれ。私たちはまたも同じ悲しみ、苦しみを得ることとなってしまいました。本当にこれはどういう事なのでしょうか。愚かとも言える、この悲劇の繰り返しは」

 

 

 

 議長は説く。ロゴスという死の商人を滅ぼしてもなお(オーブのことはあえて口にしない)人類が克服できない「無知と欲望」こそが真の敵であると。そして、自らを知り、明日を知るための唯一の防衛策として、「デスティニープラン」の導入を宣言した。

 

 

 この演説と同時に、月面の裏側からその全貌を現したのは、巨大な機動要塞「メサイア」であった。

 

 

 

 これまで秘密裏に建造され、その存在すら秘匿されていたザフトの最終拠点が、プランの実行を物理的に担保する絶対的な力として、ついに全世界に公開されたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 大西洋連邦の主要都市にて。

 

 

 

 

 ロゴス崩壊という激震の余波で、街の空気はどこか殺伐としていた。連日のように繰り返される「ロゴス協力者」への魔女狩りや、秩序の綻びからくる治安の悪化。そこからさらに反転した様に行われるブルーコスモスたちの集会とヘイトスピーチにより市民たちは、正義という名のもとに振るわれる暴力に、心底疲れ果てていた。

 

 

 そんな中、モニターをジャックして流されたデュランダル議長の演説を、一人の市民はどこか上の空で眺めていた。

 

 

 

 

「デスティニープラン、か……」

 

 

 

 

 議長は甘い言葉で説く。争いの原因は無知と欲望であり、自分自身を知り、明日を知ることこそが救いであると。だが、具体的な「管理」の詳細は巧妙に伏せられていた。

 

 

 

「よくわからないが……プラントの議長が言ってるんだ、悪いようにはならないだろ。ロゴスを倒してくれたのもあの人だしな」

 

 

 

 多くの市民は、事態をどこか楽観的に捉えていた。彼らにとって、この演説は「地獄のような混乱を誰かが終わらせてくれる、魔法の呪文」のように聞こえていたのだ。

 

 

 

 「適性に応じた役割」という響きに、失業や将来への不安が解消されるのではないかと淡い期待を抱く者さえいる。管理されることの恐ろしさよりも、目の前の不透明な明日を誰かが保証してくれるという「安寧」の誘惑が、彼らの思考を停止させていた。

 

 

「まあ、プラントが勝手にやる分にはいいんじゃないか。俺たちには関係ない話だろ」

 

 

 

 そんな、無関心に近い肯定が大西洋連邦市民の、そして大西洋連邦だけではなく多くの連合加盟国の人間の思想を覆っていた。

 

 

 

 彼らは間違いたくないのだ。それならば偉い人が考えてくれるのならそれでいいじゃないか。彼らにとって大切なものは今の生活と安定であり、それ以上のものは求めないのだから。

 

 

 

 

 

 

 一方、プラントでは、もはや狂信に近い熱狂的な支持が爆発していた。

 

 

「議長ならやってくれる。あのジブリールを倒したんだ、今度こそ本当に戦争のない世界を作ってくれるんだ!」

 

 

 街中の大型モニターの前で、人々は歓喜の声を上げ、抱き合った。かつて、ユニウスセブン落下という、言葉を絶する絶望を経験した彼らにとって、デュランダルの言葉は単なる政策ではなく、魂への「絶対的な救済」として響いていたのだ。

 

 

 

 もともと、出生率の低下という生存の危機に直面していたプラントでは、遺伝子適性に基づく婚姻統制がすでに受け入れられてきた土壌がある。ゆえに、デスティニープランが提示する「遺伝子による社会管理」という概念に対して、彼らは恐怖を抱くどころか、むしろ「より効率的で、正当な秩序」としてごく自然に受け入れていた。

 

 

 

 さらに、議長による徹底したプロパガンダが人々の心を完璧に掌握していた。そう、オーブ戦の敗北を隠す程の熱狂を。地球と宇宙という物理的な距離がオーブ戦における敗北という結果ですら。

 

 

 ラクス・クラインという絶対的な平和の象徴が不在の今、人々は代わりの拠り所を求めていた。そこに、ロゴスという巨悪を討ち果たし、人類を導く論理を掲げたデュランダルが現れたのだ。

 

 

 今やプラントの市民にとって、デュランダルは単なる最高評議会議長ではない。迷える羊たちに道を示す、文字通りの「神官」として、その全幅の信頼を勝ち得ていた。彼が指差す先こそが、唯一残された平和への道であると信じて疑わない民衆の熱狂は、プラント全土を眩いばかりの希望の色に塗り潰していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「デスティニープラン……管理された生活、か」

 

 

 東アジア共和国、北京地区。「ブレイク・ザ・ワールド」で降り注いだ火の雨により、すべてが灰となったこの地では、ザフトの演説は冷ややかな、あるいは明確な「怒り」をもって迎えられていた。

 

 

 がれき撤去の重機を止めた兵士が、月面からの放送を吐き捨てるように見上げる。彼の視線の先には、今も復興作業の主力として稼働してる「リビルド」の無骨な、しかし頼もしい姿があった。

 

 

 

 

「……何が『救済』だ。どの口でそれを言いやがる」

 

 

 

 自国の政府すら匙を投げた地獄の底で、真っ先に駆けつけ、その力強い腕で生存者を掘り出し、物資を運び、自分たちと共に泥を啜ったのはオーブの「リビルド」とそのパイロットたちだった。

 

 

「ロゴスを討つだなんだと理屈を並べて、俺たちの恩人であるオーブを焼き払おうとしたのはどこのどいつだ。挙句に、今度は全人類を管理するだと? ふざけるな」

 

 

 彼らにとって、プラントの言葉は空虚な欺瞞に過ぎなかった。

 

 

 

 遺伝子適性で平和が来るなどという机上の空論よりも、あの絶望の中で自分たちを支え続けた「リビルド」の駆動音と、オーブ兵が差し出した一杯の水の方が、よほど信じるに値する真実だった。

 

 

 

 

「恩を仇で返すような奴らの言うことなんざ、誰が信じるか。俺たちの明日は、俺たちが選ぶ。あんな野郎に決められてたまるかよ」

 

 

 

 

 復興地から湧き上がるのは、議長の正論を真っ向から拒絶する、彼らのオーブへの恩義であった。ユウナが行った生き残るための打算。そして、ミヤビが行った包括的な救援活動という名の外交は少しずつ芽吹きつつあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、沈黙を守っているかに見えたオーブ国内では、既にカガリ・ユラ・アスハが迅速な反論を展開していた。

 

 

 デュランダルの演説が電波をジャックするのとほぼ同時に、オーブ政府は独自の特番を組み、国民へ向けてその「正体」を突きつけた。

 

 

 

「……皆、聞け! デュランダル議長が掲げるそれは、救済などではない。自由意志の完全なる剥奪だ!」

 

 

 

 公邸からの緊急放送。カガリの声には、かつての迷いはない。ユウナが泥を被り、リビルドを、艦隊を、そしてオーブという国そのものを立て直してくれた。その重みを背負った彼女の言葉は、鋭く世界を射抜く。

 

 

「彼が言っているのは、『適性』という名の選別だ。仕事も、学びも、誰を愛し誰と結ばれるかさえも……あるいは、日々の娯楽すらも、すべてが遺伝子によって管理・運営される。そこに、個人の努力や想いが入り込む隙間はない。それは平和ではない。魂を殺した上での、終わりなき停滞――ディストピアだ!」

 

 

 

 カガリの激しい言葉は、オーブ国民の心に楔を打ち込んだ。婚姻すらも管理される。その一言は、自由を愛する者たちにとって、最も受け入れがたい恐怖として響いた。

 

 

 

「オーブは、この運命の強制を断固として拒否する! 私たちは、不器用であっても、明日がどうなるか判らなくとも……自分たちの手で、選び、歩み続ける道を選ぶ!」

 

 

 

 月面から放たれた「秩序と管理」に対し、オーブは「不確かな自由」を掲げて真っ向から牙を剥いた。

 

 

 

 世界が熱狂と困惑に分かれる中、黄金の意志を宿した国は、ついに最後の一撃を放つために、その翼を広げようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 モニターに映る自分を見つめながら、デュランダルはかつてユウナ・ロマ・セイランが放った言葉を反芻していた。

 

 

 

(――あんたは、政治家でも軍人でもない。神官だ)

 

 

 自らは人々の幸福を祈り、そのためなら残酷な供物すら厭わない「神官」。ユウナがそう見抜いたあの日、デュランダルの中で一つの覚悟が決まったのだ。

 

 

 

 ならば、彼の敵として、私は完成された「神官」になろう。心を捨て、全てを切り捨て邁進する。それが自身の役目だと信じて。それが友情すら感じるあの男への最後の敬意だと信じて。

 

 

 ユウナとの「味方を背後から撃つな」という約束を守り、ミーアという駒を平和的に手放したことで、デュランダルの魂はかつてないほど凪いでいた。過去も、祈りも、ユウナという男への好感や敬意さえも、プランという祈りの中に溶けていく。

 

 

 

 メサイアの冷徹な光が宇宙を照らし、デスティニープランという名の、抗いようのない「運命」が動き出すのであった。

 

 





・デュランダル議長
 ユウナとの対話を得て史実以上に覚悟を決めつつ、同時に好敵手であるユウナ君が味方になってくれない事を仕方ないとはいえ本気で悲しんでる議長。オーブ戦という失態こそあれどそれ以外は原作以上にプラント国民受けも良く。ちょっと若干酔いしれてるというか、ユウナ君が神官と呼んでくれるなら私も神官ムーブ頑張っちゃうよー!!と張り切っているようです。勝ったな!!!


・間違いたくない
 この辺りの反応は劇場版SEEDや運命などの小説版で描かれた民衆の反応から。基本的に議長といいラクスといいどうにかして四苦八苦して世界をよくしようとしてる連中はいますが民衆の多くは「導いてくれるのならそれでよし」「なにより自分の手で選んで間違いだという実感を抱きたくない」というのがコズミック・イラの民衆の最も大きな指針の一つだったりします。

・ユウナ
ここから先はノンストップで叫びまくるよ!

どっちのアスランが見てみたいでしょうか?

  • 通常の優柔不断アスラン
  • 報連相の化身と化したアスラン
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