破滅フラグしかないボンボンに転生してしまった件 〜グフに踏み潰される運命なんて、全力で回避してやる!〜《完結》 作:kiakia
今日はここまで。
月面、大西洋連邦の最終拠点アルザッヘル基地。プラントを睨む喉元に位置するこの軍事要塞では、地球連合軍の月面艦隊が慌ただしく出撃の準備を進めていた。デュランダルのデスティニープラン宣言を「主権の侵害」と断じ、力による拒絶を示そうとしたのだ。
それまでの両国の関係修復を急いでいた人々にとっては冷や水を浴びせられた様な物であり、プラントと大西洋連邦が一つの勢力としてまとまると言う夢物語は案の定泡沫の夢の如く消え去り、ミケール大佐によって煽られた軍人達は無関心な市民とは違い、裏切り者であるプラントへの敵意を隠さなかった。
だが、その傲慢な反抗の意志が形を成す前に、彼らの「運命」は決定された。
「……レクイエム、照準固定。目標、アルザッヘル」
メサイアの冷徹な指揮所から、無機質なオペレーターの声が響く。ダイダロス基地から発せられた莫大なエネルギーの奔流が、月軌道上に浮かぶ複数の廃棄コロニーを中継し、レンズによって幾重にも屈折・増幅されていく。それは、神の怒りにも似た、白銀の雷光であった。
アルザッヘル基地のモニターが、突如として全画面ホワイトアウトする。
「熱源接近! 逃げろ、間に合わな……ッ!」
その絶叫すら、迫り来る殺戮の光には追いつかない。次の瞬間、月面の静寂を切り裂き、巨大な光の柱がアルザッヘルを直撃した。
強固な岩盤を削り、厚い装甲を紙細工のように焼き千切る。要塞内に配備された多数の戦艦やモビルスーツ、そして数万人もの兵士たちは、恐怖を感じる刹那すら与えられず、原子レベルで分解され、蒸発していく。
音のない月面で、巨大な火球が膨れ上がる。大西洋連邦の月面主力艦隊は、一度も砲火を交えることなく、その存在を宇宙の塵へと変えられたのだ。
メサイアの玉座に座るデュランダルは、その爆光を、まるで燃える蝋燭でも眺めるかのような、どこか物悲しく、しかし冷徹な瞳で見届けていた。
「……争いは、もう終わりだと言ったのだよ。この光は、新しい世界を照らすための、避けて通れぬ『浄化』だ」
アルザッヘルの壊滅。それはデスティニープランを拒む者への、これ以上ない無慈悲な回答であった。この光景を目の当たりにした地球の人々は、言葉を失い、ただ圧倒的な「力」への絶望に身を震わせるしかなかった。
それが史実の流れだ。
だが、この世界では大きく異なる。
アルザッヘル基地は、その中心部を一瞬にして蒸発させた。だが、その後に残された宇宙の光景は、史実とは決定的に異なっていた。
本来ならば、この一撃で大西洋連邦の主力艦隊はその大半が基地と共に消滅し、抵抗勢力としての機能を完全に喪失するはずだった。しかし、この世界における彼らの「結集」は、議長の計算を狂わせるほどに遅れていたのだ。
その理由は皮肉にも、以前の「オーブ侵攻」における壊滅的な大敗にあった。
大西洋連邦が絶対の自信を持って投入した水中専用機「ヴォーテクス」の群れは、ユウナ率いるオーブ軍の徹底した迎撃により、全滅を通り越して「撲滅」された。主力艦艇の多くが海の藻屑となり、軍の指揮系統と補給線には取り返しのつかない穴が空いていた。
結果として、アルザッヘルへの艦隊集結は大幅に遅延。レクイエムが放たれた瞬間に基地内にいたのは、大西洋連邦の精鋭である主力艦隊ではあるが、以後も地球からは次々と艦艇が派遣されている。
皮肉にも将兵達はグダグダとなって混乱していた大敗の影響が要因となり、少なくない数の将兵の命は救われたのだ。
「……アルザッヘル、壊滅。主力艦隊の大部分も壊滅!ですが……連合の残存部隊依然として周辺宙域に健在です。また、コープランド大統領の死亡を確認……指揮系統は完全に沈黙しています」
メサイアのブリッジに響く報告。大統領を失い、行き場を失った巨大な軍事力――。しかし、彼らはもはやバラバラに逃げ出すだけの烏合の衆ではなかった。
「……何だと? 混乱した連合艦隊の一部が、独断でオーブ軍の指揮下へ入ったと?」
デュランダルの眉が、初めて僅かに動いた。かつての宿敵であった大西洋連邦の残存艦隊は、自発的にオーブ軍――今や「反デスティニープラン連合軍」の中核となった、トダカ一佐率いるオーブ艦隊へと合流し始めたのだ。
だが、報告はそれだけに留まらない。
「敵艦隊!集結を避けながら、小規模なグループに分散して移動中。月軌道全体に広がるように、まるで巨大な円を描くかのような布陣です……! こちらのレクイエムの射線を警戒しているものと思われます!」
オペレーターの焦燥混じりの報告を聞きながら、デュランダルはモニターに投影された戦略図を凝視した。
本来、戦力で劣る側が部隊を分散させるのは下策中の下策だ。個別に撃破されるリスクが飛躍的に高まるからだ。事実前大戦では多くの連合兵が小艦隊で行動する事によって、ジンの餌食となっている。
しかし、このオーブ艦隊の動きには微塵の迷いもない。極めて手慣れた様子で、レクイエムの一撃による致命傷を避けつつ、網を絞るようにメサイアへと迫っている。
「……やはりね。レクイエムの特性を完全に把握した上での運用か」
デュランダルは内心で自らのライバルを賞賛する。ユウナ・ロマ・セイラン。彼が事前にレクイエムの情報を掴み、この布陣を叩き込んでいなければ、これほど迅速な分散配置は不可能だ。バラバラの寄せ集めを、一つの巨大な「意志」として機能させている。
(実に見事だよ、ユウナ君。君は毎回の様に私の計算の外側へ、人々を連れ出すのが上手いじゃないか)
だが、この美しい円陣の意味が、単なる回避運動ではないことに気づいている者は、この宇宙でユウナただ一人だけだった。
全周囲から中心へ向けて、渦を巻くように敵拠点を呑み込む包囲殲滅陣。
それはかつて、別の宇宙、別の歴史でグリプス戦役の終局を彩った「メールシュトローム作戦」そのものであり、この世界においても同名の作戦名が採用される事となる。
巨大な円環を描き、レクイエムの射線を潰しながら、同時に全ての火力をメサイアとレクイエムの「中継点」へと集中させる。
この戦術が発動したとき、どれほどの守備艦隊があろうと、その巨大な「渦」に引きずり込まれ、圧殺されることになる。数で劣る側の包囲は愚策も良い所ではあったが、対レクイエム戦においてはこの上なく模範解答と言える対処法であろう。
「——よろしい。ならば、その『渦』が私を飲み込むか、運命の『光』がその渦を消し飛ばすか……勝負といこうじゃないか」
デュランダルは静かに、だが確かな闘志を瞳に宿し、防衛部隊の再編を命じたのであった。
アルザッヘルの壊滅から始まったこの最終決戦は、史実とは決定的に異なる様相を呈し始めていた。それは、単なる「残存戦力の合流」ではなかったのだ。
月軌道に集結しつつあるオーブ主力艦隊――今や「反DP同盟」と化したその軍列には、大西洋連邦の残党のみならず、東アジア共和国やユーラシア連邦からの「志願兵」たちが続々と詰めかけていたのだから。
本来、国家としてプラントに正面切って宣戦布告する余裕のない両国だったが、大西洋連邦の末路を聞き、もはや「中立」などという言葉が欺瞞であることを悟ったのだ。
「オーブの恩を、今返さなくていつ返すんだ!」
特に上海や北京といった東アジアの主要都市では、志願兵の募集に市民が殺到し、軍が対応しきれず別の意味でパニックに陥るという異常事態が起きていた。
志願者たちの多くは、あの「ブレイク・ザ・ワールド」で故郷を失い、家族を奪われた者たちだ。コーディネイターに対する怒りを持つ者も少なくなかったが、それ以上に彼らを動かしていたのは、絶望の泥濘の中で自分たちの手を引き、リビルドを駆使して家族の命を救ってくれた「オーブ国際救援隊」への報恩の情だった。
東アジアとユーラシアの両政府は、これら「制御不能なほど熱狂的な志願者」たちを「義勇軍」という名目でまとめ上げ、事実上の公式軍事支援としてオーブへと送り届けたのである。正式な宣戦布告ではない義勇軍による援軍は旧世紀においても見られたものだが、両国はプラントからの抗議を黙殺したとされている。
「リビルドが、俺たちの街を救ってくれた。今度は、俺たちがオーブの背中を支える番だ!」
寄せ集めの旧式艦から、最新鋭の改修機まで。オーブを中核としたその艦隊は、今や地球圏の「意志」を体現する巨大な潮流となっていた。
かつてオーブが蒔いた「人道的支援」という名の種が、議長のデスティニープランという冬を前に、数えきれないほどの「盾」となって芽吹いたのだ。
一方で大西洋連邦の部隊は当然「どの面下げて」と白い目で見られたもの、彼らの合流が少なからずメールシュトローム作戦の輪を広げたことは事実ではある。
月軌道を囲む巨大な円環。それは、故郷を救われた者たちの感謝と、強制される運命を拒む者たちの執念が作り上げた、鋼鉄の渦と言えるだろう。
理想と信念を貫き通すための戦いは火砲ではなく、歌姫の演説により幕を上げた。
オーブを中心とした「反DP同盟」の円環が月軌道を締め上げようとするその時、全周域のオープンチャンネルにひとつの歌声が、そして透徹した声が響き渡ったのだ。
それは、かつてプラントの歌姫として愛された、紛れもない。本物のラクス・クラインの声であった。なおその胸は偽物よりも一回りほど小さいが、それでも彼女の放つ言葉には多くのコーディネイター達が思わず耳を傾ける魔力を持つ。
「……プラント、そして地球の皆様。私はラクス・クライン。今、デュランダル議長が提示された『デスティニープラン』の言葉を聞き、私の心もまた、深い悲しみに包まれています」
ラクスの声は静かだが、宇宙のノイズを突き抜けるような強さを持っていた。その言葉選びには、共に歩んできたユウナの影響により、かつての彼女の理想論に一本の太い背骨を通したような微かな変化が現れていた。
「議長は仰いました。自らを知り、役割を果たすことが、争いのない平和への唯一の道であると。……確かに、それは美しく、迷いのない世界かもしれません。ですが、皆さんに問いかけたいのです。私たちの『明日』とは、誰かに与えられるものなのでしょうか?」
彼女の声は、命令でも拒絶でもなく、ただ戦場にいる一人一人の胸へと投げかけられた。
「ユニウスセブンの悲劇。そして、繰り返される戦火。私たちは、自らの選択が招いた結果に、何度も打ちのめされてきました。……それでも。たとえ愚かだと笑われても、私たちは、自分が何者でありたいか、何を愛し、何を守りたいかを、自分自身の心で決めてきました」
ラクスは一息つき、さらに言葉を重ねる。
「遺伝子が示す『適性』という名の牢獄に、自らの意志を閉じ込めることが、本当に私たちの望んだ救いなのでしょうか。……戦うことを選ぶのも、戦わないことを選ぶのも。誰かを愛することも、夢を抱くことも。それが間違いかもしれない不確かなものであっても、自らの手で選び取ってこそ、人は『人』として、今日を越えていけるのではないでしょうか」
彼女は、議長のプランを真っ向から否定し、排除しようとはしなかった。ただ、その選択肢を「自分ではない誰か」に委ねることの危うさを、静かに、執拗に問いかけ続けた。カガリの様にデスティニープランによる平和は仮初であると非難するのではなく、兵士達に問いかける事で彼らの意思を揺さぶるのだ。
「私は今、この戦場に、運命を強制する『光』を拒み、泥に塗れた『自由』を掲げて集った方々と共にいます。……どちらが正しいのか、どちらの空の下で生きたいのか。それを決めるのは、デュランダル議長でも、私でもありません。……今、その引き金に指をかけている、あなた方自身です。打算でも構いません。どうか、選んでください。……あなた自身の魂が、明日をどう生きたいと願っているのかを」
その演説が終わった後、ザフト軍の通信回線には耐え難い沈黙が流れた。
「……あれが、偽物だと?」
「だが、あの言葉は……」
デュランダルの「替え玉だ」という断定は、公式な命令として機能してはいた。しかし、ラクスの問いかけは、コーディネイターたちが無意識に抱えていた「管理されることへの安心感」という薄氷に決定的なヒビを突き立てた。
その影響は、ザフト軍の最精鋭部隊において最も顕著に現れていた。
本来であれば、イザーク・ジュール率いるジュール隊は、単艦で堂々と演説を続けるエターナルを真っ先に、そして容赦なく撃墜しなければならない。戦場の法に則れば、それこそが唯一の正解だ。
だが、彼らは動かなかった。
火器管制のシステムがロックオンを告げるアラートを鳴らし続けているにもかかわらず、百戦錬磨のパイロットたちが、まるで魂を抜かれたかのようにその「声」に聞き入っていた。
「……自分自身の手で、選べ、か」
モニターに映る黄金の円環と、その中心で歌うように語りかける「本物」の姿。
ジュール隊の将兵達は命令という鎖に繋がれた兵士としての自分と、一人の人間としての自分が、ラクスの問いかけによって内側から激しくぶつかり合っている。その葛藤が、引き金を引く指を、そしてスラスターを吹かす足を凍結させたのだから。
メサイアの司令席でその光景を冷徹に眺めていたデュランダルは、即座に事態の深刻さを読み取る。
「やはり、彼女の言葉は毒が強すぎるな……。放っておけば、この『渦』に呑まれる前に内側から崩壊しかねない」
迷いが生じたのなら、その迷いごと消し去ればいい。デュランダルは静かに、だが迷いなく最悪の「切り札」の起動を命じるのであった。
戦略兵器「ネオ・ジェネシス」。
宇宙要塞メサイアの基部が重々しく展開し、禍々しい巨大な砲身が姿を現す。前大戦の悪夢、核爆発のエネルギーをガンマ線レーザーとして一点に集約し照射する「ジェネシス」。その改良版にして、メサイア最大の牙――「ネオ・ジェネシス」である。
「ネオ」の名が示す通り、この兵器はかつての弱点をことごとく潰していた。
巨大なミラーの交換を必要とした旧型とは異なり、ミラー交換不要のシステムを構築したことで、破壊力こそ意図的に抑えられているものの、兵器としての「取り回し」と「連射性能」は飛躍的に向上している。さらにメサイア自体の陽電子リフレクターによる鉄壁の防御が、この砲座を難攻不落の要塞砲へと変えていた。
この兵器の真に恐るべき点は、その運用思想にある。デスティニープランの正当性を証明するための、新たなる世界の創世の為にネオ・ジェネシスは完成以来、ミラージュコロイドによってその存在を完全に秘匿され続けてきたのだ。
今、そのカーテンが剥ぎ取られる。
デュランダルは、モニターに映るラクス・クラインを静かに見据えた。
単独で、無防備に、最前線で「意志」を語り続ける彼女の姿は、議長の目には「救済」を妨げる哀れな教祖の残影にしか見えない。
「――さらばだ。君の言葉は、この創世の光の中に溶けるがいい」
断罪の瞬間。戦場に響き渡るのは、かつての絶望を呼び起こす重低音。
ネオ・ジェネシスの巨大な砲口が、エターナルへ向けて臨界点に達しようとした――。
――ドォォォォォォォンッ!!
「な……っ!?」
引き金が引かれる寸前、メサイアの基部から、腹に響くような爆発音が轟いた。
発射シークエンスの最中、あろうことか要塞内部、ネオ・ジェネシスのエネルギー伝導路の直近で「謎の爆発」が連鎖したのである。
「損傷、ネオ・ジェネシス冷却系! 爆発は内部、ブロックD31付近です! 異常電圧が発生、発射シークエンス強制停止します!」
オペレーターの悲鳴が司令室に響く。ミラージュコロイドで隠し、鉄壁のリフレクターで守られたはずの切り札が、いとも容易く「内側」から突き崩されたのだ。
衝撃に揺れる玉座で、デュランダルは信じがたいものを見るように眉をひそめた。
このタイミング、この場所。そして、ミラージュコロイドと鉄壁の防壁に守られた要塞の構造を完全に把握していなければ不可能な「狙い澄ました一撃」。
「……あり得ない。何者が、どうやって……」
爆煙が噴き出すメサイアの排気ダクトから、二影の機体が弾丸のようなスピードで飛び出してきた。
一機は、全身に重武装を纏った青いフレームの機体――アストレイ ブルーフレーム。
そしてもう一機は、朱色混じりの灰色をベースとした、見慣れぬカラーリングのムラサメである。
「……傭兵か。それも、最強と謳われる『サーペントテール』だと…?」
デュランダルはその正体を悟り、驚愕に目を見開いた。叢雲劾率いるサーペントテール。国家に属さず、不可能を可能にするプロの傭兵集団。ユウナ・ロマ・セイランは、この決戦の瞬間のために、彼らを「伏兵」として、最も秘匿されるべきネオ・ジェネシスの懐へと潜り込ませていたのだ。
エターナルが無防備に演説を続け、回避行動すら取らなかった理由がここにあった。ラクスは、あるいは指揮を執るバルトフェルドは、最初から「この一撃」が間に合うことを信じきっていたのだ。
デュランダルの胸に、怒りよりも先に、形容しがたい高揚感とユウナへの賞賛が湧き上がる。
(素晴らしいよ。ユウナ君……君はレクイエムだけではなく、ネオ・ジェネシスの存在も既に把握して……ここぞという絶妙なタイミングで私の切り札を破壊したのか)
現場には、かつてブレイク・ザ・ワールドの破砕任務にも用いられた超高インパルス砲「アグニ」が二門。更にはプラントの技術者達が研究中であったあの謎のライフルが二丁。そしてアグニの動力源に使用したであろう、オーブで鹵獲されアグニのケーブルに繋がれたザクウォーリアが二機。文字通り「使い捨て」として放棄されていた。
MS単体の武器ではネオ・ジェネシスの分厚い装甲を抜くことは難しい。だが、彼らはアグニの最大出力による熱照射で内部から薄い装甲を焼き切り、その亀裂から精密なドッズライフルによる狙撃に加え、爆薬による爆破工作を仕掛けたのだ。
ピンポイントで破壊されたのは冷却回路とエネルギー伝導路。このダメージは致命的ではないが、ネオ・ジェネシスを再起動させるには、どれほど急いでも数時間は要する。
「仕事は終わった、か」
二機の機体は、驚異的な加速でメサイアの防衛圏を離脱していく。あまりの速度と鮮やかな引き際に、呆然とするザフトの守備隊は迎撃の火器を向けることすらできなかった。
静まり返る司令室。
絶対的な切り札を奪われ、文字通り「牙」を抜かれたメサイアの前に、再び「メールシュトローム」の渦が、冷酷なまでにその速度を上げ始めるのであった。
「トダカてめぇ!!!!絶対殺す!!これ終わったら絶対に殺すからなテメェ!!!!!あとババァァ!!お前も下がれつってんだろボケがァァァァ!!!!!!!!」
「ユウナ様!舌を噛みますぞ!!」
なおそこに紫混じりの金ピカのMSが凄まじい勢いで突撃し、元代表代行の絶叫と共に多くのザフト軍MSを撃破していく様子が加わる事になるのだがそれはまた別の話だ。
第五十話以来の伏線でしたがようやく回収。ユウナがずっと前からサーペントテールに依頼していたのはメサイアの補足、及び彼らが最終決戦時に初撃を放とうとした瞬間ピンポイントの爆破工作を仕掛けることで一時的な使用不能状態にする事でした(イライジャのムラサメはアグニなどを補充した際に引き渡す事に。同時にザク二機と共に捕虜となった、ザフト兵の装備やIDなどを使用する事でメサイアへの侵入に成功したのでした。
何故DPの発表をカウンターでしないのか?という感想欄で話題になっていましたが、そのアンサーは「議長が最早隠さずにメサイアを使い始めて終結中の艦隊やアメノミハシラなどターゲットにされる事を恐れた為」
議長であればネオジェネシスの披露は反対勢力が集結し終えた際一網打尽にする為に使うはずだと原作の知識や議長との対話を得て予測したユウナはギリギリのギリギリまで周囲の反対を押し切り、見事原作における議長の切り札を使用不能に。そしてZガンダムにおけるメールシュトローム作戦を模倣する事で、メサイアを使用不能。もしくはダメージを最低限に抑える布陣を整え殴り合い宇宙に持ち込む事に成功するのでした。
なお余談ですが仮にサーペントテールが失敗した場合は無人機と化したフリーダムに大量の爆薬を満載し、メサイアに強引に殴り込んでフリーダムをポイ捨てする事による核爆発でネオジェネシスを無力化を企んでおり、それをすると確実にラクスから託された大切な剣をアスランされてキラは曇ります(なお初期案だと報連相アスランがマジでそれを行なってキラにSANチェックが発生してきました)
どっちのアスランが見てみたいでしょうか?
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通常の優柔不断アスラン
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報連相の化身と化したアスラン