破滅フラグしかないボンボンに転生してしまった件 〜グフに踏み潰される運命なんて、全力で回避してやる!〜《完結》   作:kiakia

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 HERO様より素晴らしい支援絵を頂きました!誠にありがとうございます!


【挿絵表示】


 この見た目でビームガトリングをぶん回してシールドを貼ってケーブルまで付けてるのは、そりゃユウナだって叫びますよ。


第六十六話 ノンストップでユウナ(だけ)と地獄に付き合ってもらう

 

 

 

「……う、うう……。……あ……?」

 

 

 

 頭を鉄パイプでぶん殴られたような鈍い痛みと、鼻を突く消毒液の匂い。

 

 

 

 俺が意識を取り戻したとき、最初に感じたのは、手首と足首に食い込む硬い感触だった。

 

 

 

「……なんだ、これ……? おい、動けねえぞ……」

 

 

 

 霞む視界を必死に瞬かせて、俺は自分の状況に戦慄した。俺はなぜか、オーブ軍のパイロットスーツを着せられた状態で、頑丈な金属製の椅子にガッチリと拘束されていた。ベルトやらロックやらで、指先一つ動かすのが精一杯だ。

 

 

 

 そして、その椅子の正面。巨大なハッチが開いた格納庫の先に、ソレは鎮座していた。

 

 

 

「……アカツキ……? いや、なんだあの色は……」

 

 

 

 かつて俺が国家の威信をかけて完成(というか増産指示)させたはずの「ウズミの遺産」。だが、目の前のソレには、あろうことか俺の髪の色と同じ、自己主張の激しすぎる「薄紫色」の光沢がギンギラリンと全身にびっしりと施されてやがった。

 

 あれだな。真っ先に思い出すのはマブラヴオルタの武御雷だ。

 

 

 

「お目覚めですか、ユウナ様」

 

 

 

 横からかかった声に心臓が跳ね上がる。そこには、軍帽を深く被り、泰然と立つトダカの野郎がいた。

 

 

 

「…っ……トダカァァァ!! これはどういう意味だ! 何を考えてやがんだてめぇ!?」

 

 

 

 

 

 俺の怒鳴り声にも、トダカは眉一つ動かさないまるで手慣れた様子だが実際に手慣れていたな畜生!!!

 

 

 

「説得しようにも、どうせ首を縦には振られないと思いましてね。少々手荒な真似をいたしました」

 

 

 

「報告と!連絡と!!相談しろ!!!というか相談もなしに何してんだてめぇ!?前のアークエンジェルの件でお前も一日寝込んでただろ!?」

 

 

 

 

 俺の絶叫が格納庫に虚しく響く。あの時、アークエンジェルの一件で、トダカの野郎だって相当に凹んで一日寝込むハメになったはずだ。

 

 

 それで報連相について再び学んだはずの男の唐突な裏切りに俺も混乱するしかない。俺トダカに恨まれる様なことして…るわ。それはそれとしてさぁ!!!

 

 

 

 

「……ユウナ様。私も相談できるものならしたかった。ですが、貴方様はこう仰るつもりだったでしょう? 『責任を取ってアークエンジェルかエターナル、あるいはクサナギに乗って、最後の戦いに挑む』……と」

 

 

 

 トダカの静かな言葉に、俺の喉が詰まった。そうだ。俺はそうするつもりだった。代表代行として、そしてこの世界の混乱に油を注いだ責任の一端を担う男として、旗艦のブリッジで、あるいは最後尾の艦でもいい、この戦いを最後まで見届ける覚悟は決めていたんだ。

 

 

「……それがどうした! 艦隊の指揮を執るなら、責任をとってブリッジにいるのが筋だろうが!あのデュランダルだって最前線のメサイアで待ち構えてんだぞ!?」

 

 

 

「いえ。それでは万が一の事があります」

 

 

 

 

トダカの声音が、一段と低く、真剣なものに変わった。冗談や意地悪で言っているのではないことが嫌でも伝わってきて、俺の背筋に冷たいものが走る。

 

 

「確かに、連合やオーブの艦艇は強固です。ですがザフトも今や背水の陣。死に物狂いの猛攻を前に、絶対の安全などどこにもありません。もし、潜入させたサーペントテールが任務に失敗し、あのネオ・ジェネシスが放たれれば……。いかに強固な盾艦といえど、一瞬で蒸発して終わりでしょうね」

 

 

 

 もちろん副案は用意していますがキラ様に申し訳ございませんと、トダカは俺を拘束しているベルトの締め付けを確認しながら、言葉を続けた。

 

 

 

「かと言って、ユウナ様をこのままオーブのシェルターに押し込んだところで、もしレクイエムで直接本国を狙われれば、シェルターごと生き埋め、あるいは消滅する運命です。……戦場に出ると決めたのであれば、最も生存率の高い場所を選んでいただかねばならない」

 

 

 

 トダカは俺の目の前に、あの薄紫のアカツキのモニターを指し示した。刻印的に五号機なのだろうか?確かに増産指示は出していたが四機が精一杯だったはずだが…。

 

 

「ビームを反射し、あらゆる火線を無効化する『ヤタノカガミ』を搭載したフラグシップ機であるアカツキ……ユウナ様、これが現時点でこの宇宙における、唯一の絶対安全圏なのです。貴方様を、冷たい宇宙で死なせる訳にはいけません」

 

 

「トダカ……お前……」

 

 

 

 真面目な顔で、俺の命を、俺の責任の取り方を守ろうとするその忠義に、一瞬だけ絆されそうになった。……だがな。

 

 

 

 

「……理屈はわかった。分かったがな!! だからって椅子に縛り付けて、俺の髪色のMSに乗っけて、最前線に突っ込むのが『報告・連絡・相談』無しにやっていいことかよ!!?そもそも俺はMSなんてまともに動かせねぇし、このままだと戦場で見世物になるだけだろうが!?」

 

 

 この世界に転生してからというもの何度かMSシュミレーターを経験したが、結局判明したのは俺の才能の無さだ。

 

 

 アストレイを使用すればストライクダガー程度ならシミュレーターで安定して仕留められるようになったが、コーディネイターがパイロットである事を想定したジンに負け越し。ましてや周囲にザクやグフが跳梁跋扈する戦場に出たとしても汚ねぇ花火になるだけだろう。

 

 

 

「ご安心を。操縦はすべてこの私に考えがあります。ユウナ様は、このオーブの『意志』の中で、明日が生まれる瞬間を見届けていただければいいのです」

 

 

「だから、そういうのが重いっつってんだよ!! おろせ! 今すぐおろせトダカァァァ!?

 

 

 

 

 その絶叫も虚しく、機械アームが作動する。俺を椅子ごと固定したまま、薄紫の金ピカの化け物が、大きく口を開けたコクピットへと俺を飲み込んでいった。

 

 

 

 

「ふざけんな! おろせって言ってんだろ! いいかトダカ、よく聞け! 『ヤタノカガミ』は無敵じゃねぇんだよ! 実弾で狙われたらどうすんだ!? ジンのマシンガンの直撃喰らったら一発でひしゃげるぞ!」

 

 

「これもオーブの為です」

 

 

 俺は必死に理屈を並べ立てた。この状況を打破するには、あいつの得意な「正論」で殴り返すしかない。

 

 

 

 

「それに、こんな目立つ金ピカで戦場に出りゃ、ミネルバ隊のシンやレイが真っ先に目を血走らせて突っ込んでくるに決まってるだろ! 懸賞金首を自分から差し出しに行くようなもんだって分かってんのか!?」

 

 

「これもオーブの為です」

 

 

 

 

 だが、トダカは俺の必死の抗議を、慈父のような微笑み(に見えるのが余計に腹立つ)で受け流した。

 

 

「話聞けや!!!そもそも俺のMS技能が低いってテメェも理解してんだろ!?」

 

 

 

「……すべてはオーブのためです」

 

 

 

「てめぇ、さっきから同じセリフばっかり連呼してんじゃねぇよ! オウム返しか! ゲームのNPCかてめぇ!?」

 

 

 

「ご安心ください、ユウナ様。もし、この戦いから無事に生き残ることができれば、その時は私をどのような極刑に処していただいても構いません。……かつて申し上げたはずです。このトダカ、貴方のためにこの命を捧げると。その言葉に、偽りはございません」

 

 

 

 トダカの瞳に宿る、淀みのない忠義の光。……重い。重すぎる。だけど本当に忠義を誓ってるならもっと別の形があると思うんだけどなぁ!?

 

 

「いや、その前に俺の自由意志はどうした!! 命を捧げる前に俺の尊厳を守れよ!!」

 

「そもそもユウナ様は初めてモルゲンレーテの工場を査察した際に金ピカの専用機が欲しいと言ってたとお聞きしましたが?」

 

「言っ…たなぁ!?そんな事!!過去の俺何してんだよ!!!もう二回目だぞ未来の俺を刺すの!「みらいよち」どころか「はめつのねがい」かよクソがよぉぉ!!!!」

 

 

 

 俺がなおも足掻き、拘束された椅子をガタガタといわせていると、トダカは懐から一枚の電子タブレットを取り出し、俺の目の前にかざした。

 

 

「……なんだ、これ」

 

 

 

 そこには、見慣れた、しかし今は世界で最も憎たらしい二つのサインが並んでいた。

 

 

 

「カガリ……それにラクスだと?」

 

 

 

「それだけではありません。行政上層部、さらには国防軍幹部一同。更にはキラ様に加えてカナード・パルスも含め、ユウナ様を除いた、オーブ現政権全閣僚の同意でございます」

 

 

 俺の目の前でスクロールされる、見事なまでの連名リスト。そこには、俺を戦場へ、この金ピカの特等席へ放り出すことへの「全会一致」の承認が記されていた。

 

 

 

 

 

「俺以外の上層部全員のサインがあるじゃねぇかぁぁぁ!!! はめやがったな! どいつもこいつも結託して俺を死地に追いやりやがって!!」

 

 

 

 

「いいえ、『最も安全な場所』への避難勧告です。……さあ、参りましょう」

 

 

 

「待て、待てトダカ! 話せば分かる! まだ相談の余地が——」

 

 

「問答無用」

 

 

 

 ガコンッ!!

 

 

 

 

 無慈悲にもコクピットのハッチが閉まり、俺の視界は漆黒に包まれた。直後、全周囲モニターが展開し、無数の光が明滅する宇宙の戦場の予測図が映し出される。

 

 

 

「クソッ! 開・け・ろ! ?出せっつってんだろ!!」

 

 

 

 俺は必死に拘束を解こうと暴れた。すると、カチリと音がして手足のロックが外れる。しめた!と思って非常用ハッチのレバーを探したが、どこにも見当たらない。それどころか、このコクピット……妙に広くねえか?

 

 

「なんだ……? 複座式だったのか、これ!?」

 

 

 恐る恐る背後を振り返った俺は、心臓が口から飛び出しそうになった。そこには、オーブ軍のパイロットスーツに身を包んだ一人の男が、感極まったような、今にも泣き出しそうな表情で俺を見つめて座っていたからだ。

 

 

 

 

 

「ユウナ様……! まさか、このババ!貴方様と共に戦場に立てる日が来るとは……! この命、オーブと貴方様のために捧げる覚悟はできておりますッ!」

 

 

 

「……え、誰? 誰だっけ、君……?」

 

 

 

 あまりの熱量にドン引きしながら記憶を漁る。ババ……ババ……。あ! 思い出した! 原作じゃ、ダーダネルスかクレタ辺りでミネルバにムラサメで特攻して散っていった、あのババ一尉か! なんで生きて……いや、この世界じゃ死ぬ要素がなかったのか。

 

 

 

 すると、通信パネルにトダカの冷静な顔が映し出された。

 

 

 

 

 

「トダカァァ! てめぇ、これ以上俺をどうするつもりだ!!」

 

 

 

「ご安心ください、ユウナ様。貴方様には操縦などという危険な真似はさせません。そのアカツキ五号機の操縦は、オーブ軍屈指のエースであるババ一尉に任せてあります。彼は今回の作戦を聞き、真っ先に『ユウナ様をお守りする盾になりたい』と志願してくれたのですよ」

 

 

 

 

「志願!? なんでだよ! おかしいだろ、この軍隊の志願基準!!」

 

 

 というかババがエースなんて初めて聞いたぞ!?

 

 

 

「ユウナ様! 私は貴方様がどこまでこの国に尽くしてきたのか理解しております!特にリビルドの提案者と聞いたときは感動のあまり魂が震えました! 今、こうして貴方様の背中を守れるだなんて……パイロット冥利に尽きます!この命に変えても貴方を生存させましょう!!!」

 

 

 

 

 

 ババ一尉が興奮気味に操縦桿を握りしめる。おい、待て、その握り方はマズい。気合が入りすぎてて逆に危ねえって!

 

 

 

「トダカ! 冗談じゃねぇ、エースだろうがなんだろうが、戦場のど真ん中なのは変わらねぇだろ! 降ろせ! 今すぐ俺をどこかのデブリにでも捨てていけ!!」

 

 

 

 

「……ユウナ様! 舌を噛みますぞ!! いけ!頼んだぞババ一尉!!」

 

 

 

 

「ハッ!! アカツキ五号機、ユウナ様を乗せて発進する!!」

 

 

 

「うわあああぁぁぁぁ!! 死にたくなーい!!死にたくなーーーい!!死にたくなぁぁぁぁ!!!やめろぉぉぉぉ!!」

 

 

 

 

 薄紫混じりの金ピカの化け物は、俺の絶望とババの過剰な忠誠心を乗せて、火花の散る宇宙へと猛然と加速していく。既に交戦ははじまってるがあの野郎、本当に俺を戦場に出しやがった!!!!

 

 

 

 

「ババ君、落ち着け! 無理は禁物だ、いいな!? 何なら前線じゃなくて、後方の安全なところで俺がいい感じに演説してやるから! 君の命だって大事なんだ、もっと自分を労れ!」

 

 

 

 俺は必死に、最大限に誠実そうな声を絞り出した。そうだ、コイツはオーブのために特攻すら辞さない忠義の塊だ。俺がこうして「君の命が惜しい」と慈悲深い主君を演じれば、案外「ユウナ様の温情、痛み入ります!」とか言って、アークエンジェルあたりに逃げ込んでくれるはず……!

 

 

 

 だが、返ってきたのは、俺の期待を音速で突き抜ける絶叫だった。

 

 

 

「おおお……! アカツキを預けてくださるどころか、この末端の兵にまでそのように気を遣ってくださるとは!! どこまでお優しいのですか、ユウナ様!!」

 

 

 

「え、いや、そういう意味じゃ――」

 

 

 

「この命! 既に貴方に預けました!! その御心に応えるためにも、最前線までかっ飛びますッ!! 逃げも隠れもいたしません!!」

 

 

 

 言葉は通じてるのに、話が1ミリも通じてねぇ!!

 

 

 

 なんだコイツ、感激の嵐で思考回路がショートしてやがる! 忠義の暴走機関車かよ、てめぇはオレンジ色の某辺境伯かコンチクショー!!

 

 

 

 

「ババ、待て! 話を聞け! 止まれ! 戻れ! 相談しろぉぉ!!」

 

 

 

 俺の絶叫を「出撃の雄叫び」と勘違いしたのか、ババ一尉はスラスターを最大出力まで叩き込んだ。

 

 

 

 アカツキ五号機の金ピカな装甲が、戦場を閃かせながら戦域のど真ん中、文字通りの地獄へと突っ込んでいく。

 

 

「見えたぞ! ザフトのガナーザク隊! ユウナ様の御前だ、無様に散れぇい!!」

 

 

「ヒッ……!!」

 

 

 

 目の前には、巨大なオルトロスを構えた連中が迫ってくる。突如として現れた「金色に光る謎の薄紫MS」に、ザフトのパイロットたちも明らかに困惑しているのがモニター越しにわかる。

 

 

 パイロットもそりゃ困惑するわ! 戦場のど真ん中に、こんな薄紫のラインが入った金ピカMSが、物理法則を無視したような勢いで突撃してくりゃあな! しかも中に乗ってる俺は、ただの「縛り付けられた置物」なんだよ!

 

 

 

「うわあああぁぁぁ!! 来る、来るって!! 撃たれるぅぅ!!」

 

 

 

 俺の絶叫を余所に、ガナーザク隊が一斉にオルトロスを放つ。赤い熱線が束になって、この薄紫の金ピカ――アカツキ五号機を飲み込もうと迫る。

 

 

 

「……フッ、ユウナ様、ご安心を! この程度の光、貴方様の放つ輝きに比べれば、線香花火も同然!!」

 

 

 

 

 

 ババ一尉が操縦桿を叩きつけるように操作する。回避するのかと思いきや、この狂犬はあろうことかビームの奔流のど真ん中に、機体をねじ込みやがった!

 

 

 

 

「この!!!バカ野郎!! 『ヤタノカガミ』の性能は知ってるがわざと当たりに行こうとしてんじゃねぇ!! 避けろ! かすり傷一つ負いたくないんだよ、俺は!!」

 

 

 俺が必死にモニターを叩いて怒鳴ると、ババ一尉は一瞬だけ操作を止め、震える声で返してきた。

 

 

「……おお……ユウナ様! ビームに焼かれる私の身まで案じてくださるのですか……! そのお言葉、このババ、死んでも忘れませぬ!!」

 

 

「え、いや、そういう意味じゃ――」

 

 

 

「その慈愛に応えるためにも、これしきの火、何度でも潜り抜けて見せましょうぞッ!!」

 

 

 

「ふざけんな、テメェ!!!!だから突っ込むなって言ってんだろ! 話を聞けぇぇ!!」

 

 

 

「ちなみにこの薄紫カラーは私が提案させて頂きましたが、エリカ様曰く「なんか…できちゃった」との事です」

 

 

 

「なんか出来たじゃねぇよ!!?そのうちアカツキ戦隊でも作る気かエリカァァァァ!?」

 

 

 

 

 俺の制止を「主君の照れ隠し」とでも解釈したのか、ババはさらに加速してビームの奔流に突っ込んでいく。黄金の機体が輝くたびに、反射した光軸がガナーザク隊を次々と貫き、爆発の華が咲き乱れる。

 

 

 

 

 そこへ、今度は近接戦闘特化のグフが数機、ヒートロッドを振り回しながら高速で肉薄してきた。

 

 

 

 

「ヒッ、ありゃヤタノカガミでも無力化出来ん!!!当たると叩き潰されるぞ!!」

 

 

 

「案ずるに及びません! 我らオーブの技術、とくと見よ!!」

 

 

 

 ババがコンソールを叩くと、アカツキの腕部からオーブ製スレイヤーウィップ「雷蛇」が射出された。

 

 

 それはまるで生き物のようにしなり、突っ込んできたグフのヒートロッドを絡め取ると、一瞬で高圧電流を流し込んで回路を焼き切った。一歩も動けなくなったグフを蹴り飛ばし、無駄のない動きで次々と他のMSを無力化していく。

 

 

 

「……っ……なんだ、アイツ。口はうるさいが、エースなのは確かなんだな……」

 

 

 

 あまりに鮮やかな手際に、俺は恐怖を忘れて思わず感心した呟きを漏らした。そういやこの野郎、原作でもアスランのセイバーのケツをとるわ、ヤキンを生き抜いたカガリのルージュの腕をとってアークエンジェルに即座にぶん投げるわ、ルナマリアとレイの必死の射撃をかいくぐれるわとやばい事していたな…。

 

 

 

 すると、ヘッドセットからババの、今日一番の絶叫が響いた。

 

 

 

「ユ、ユウナ様……ッ! 今、私を……私の腕を、認めてくださったのですか!? ああ……このババ、これ以上の名誉はございません!! ユウナ様ぁぁぁ!!」

 

 

 

 

「あ、おい、泣くな! 視界が霞むだろ! 操縦に集中しろ!」

 

 

 

「はっ! このババ、死力を尽くして貴方様をメサイアへと送り届けますッ!!」

 

 

 

「そこは素直に聞くのかよ!!つーかメサイアに送り届けんでいい!!! いいからそれ以外の、俺の『止まれ』とか『帰れ』とかいう話も聞けや!!」

 

 

 

 

 俺の正論は、感激に震えるエースパイロットの鼓膜を素通りし、薄紫の金ピカはさらに狂ったような機動で戦場の深部へと突き進んでいく。

 

 

 

 

 

 ……トダカ、てめぇ!!こんな話の通じない猛犬を俺に付けるなんて、嫌がらせにも程があるぞ!!帰ったら真っ先にぶっ殺してやる!!!!

 

 

 

 

 





 ユウナは本気で嫌がってたりしますが、実はユウナ以外では素晴らしいまでの報連相を行っており。レクイエムやネオジェネシスがこちらを狙ってる以上、最前線でも後方も本国ですら安心な場所は何一つない。それでもユウナは責任をとって最前線を希望している。

 それならば防御特化の機体であるアカツキのコックピットを複座にして、エースに乗ってもらい戦い抜く方が一周回って安全じゃないか?もっといえばユウナは過去(第四話)に自分専用のMSを欲しがっていたのだから願いを叶えるべきなのでは?とトントン拍子で話が進んでしまい。


 最後に忠誠心の塊となったババ一尉が、パイロットに志願する事である意味最も安全でなおかつ戦場で最後まで見届けるという覚悟をしめす機体が完成したのでした。


 ババ一尉は割と熱くなる上に現在ユウナニウムを摂取して、某オレンジ卿から腕前を追加して、理性をゴミ箱にポイ捨てしたかなりの興奮状態ですので積極的に忠義を示そうとしますが問題ありません。

 なおラクスとカガリもキラとアスランの機体に乗るべきでは?と提案しましたが、前者はキラの「ユウナさんなら兎も角(こいつナチュラルです)ラクス(隠者の操縦もぶっつけ本番でやれるコーディネイター)と複座するのは…」とバルドフェルドの恋人を思い出してトラウマが刺激され拒否。

 後者は普通に「オーブ兵に殺される」「誰か一人は後ろから鼓舞した方が士気が上がる」「と言うか無理して退院してる俺がまたあの状態になったらカガリの身が危ういからやめて欲しい」と懇願して取りやめになったそうな。


 そして、本当はカナードが真っ先にイータに乗せてくれようとしましたが、それが取り辞めとなって少し不機嫌に現在ザフト軍で憂さ晴らしをしてるそうな。

どっちのアスランが見てみたいでしょうか?

  • 通常の優柔不断アスラン
  • 報連相の化身と化したアスラン
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