破滅フラグしかないボンボンに転生してしまった件 〜グフに踏み潰される運命なんて、全力で回避してやる!〜《完結》   作:kiakia

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 投稿が急に止まったら寝てるんだなと思っていてください。


第二話 うわぁ〜ん!艦長キャラが少な過ぎます!

 

 

 

 

「……ふぅ。ようやく、組織の骨組みが見えてきたな」

 

 

 

 俺はデスクに広げた『世界平和監視機構コンパス』の暫定編成表を眺め、ようやく一息ついた。

 

 

 

 名前はキラキラしてるが、要するに世界の火種を真っ先に踏み潰しに行く便利屋だ。これだけのメンツを揃えるのに、どれだけの政治的調整(と俺の胃へのダメージ)があったことか。

 

 

 

「キラ、ルナマリア、シン、それにハイネとムウも確定か。アークエンジェルを母艦とし、さらにミネルバの旧クルーたちが建造中の新造艦で合流してくれるのはデカいな。戦い方はあいつらが一番分かってる」

 

 

 

 

 俺はペン先でリストをなぞる。アスランについては、結局カガリの身辺警護や情報収集を優先して「ターミナル」所属になった。

 

 

 

 あいつは表舞台より裏でコソコソ……いや、隠密行動してる方が性に合ってるんだろう。代わりにと言っちゃなんだが、あのドムトルーパーを駆る三人組――ヒルダ、ヘルベルト、マーズの合流が決まった。あの連携は実戦で頼りになるはずだ。

 

 

 

 

「そして、カナード……」

 

 

 

 

 カナード・パルス率いる傭兵部隊『X』。彼らは外部協力者、という体の実質的な正規メンバーだ。

 

 

 

 

 ただ、キラやシンと一緒に並べるよりは遊撃隊として基本は別働隊として、遊撃任務に就いてもらうのが正解だろう。本人も正規兵と一緒にベタベタ馴れ合うのは嫌だとか言ってたからな。

 

 

 

 ババは……ムウと同じくアークエンジェルに押し込みたいが一応は俺の護衛+俺が戦場に行く時の宣伝用のパイロットだ。

 

 

 出来ることならコイツはそばにおきたくなかった…!いい感じに誤魔化してどんどんコイツにはムラサメを渡しつつ俺が出撃しなくてもいい様に整えよう。

 

 

 

「……さて、問題は新造艦の艦長だな」

 

 

 

 

 ミネルバを指揮したグラディス艦長は、戦後、ラミアス艦長曰く憑き物が落ちたような顔をしていたそうな。

 

 

 

 

『……もう、充分に戦いました。これからは、あの子との時間を取り戻したいんです』

 

 

 

 

 そう言って、彼女は軍を退く道を選んだそうだ。俺は椅子の背もたれに深く体を預け、誰もいない執務室の天井を見上げた。

 

 

 

 

 あれだけ有能な指揮官を失うのは痛手だが、一人の母親を戦場から引き剥がせたと思えば、この「ユウナ・ロマ・セイラン」としての数少ない善行の一つに数えてもいいかもしれない。

 

 

 

「グラディス艦長、か。戦場じゃあんなに凛々しかったのに、退役届を出した時の顔は、ただの優しい母親だったそうだが……ウィリアム君に嫌われてないといいんだけどな」

 

 

 

原作では賛否両論だった死に方をしていたが、せっかく生き残ったんだ。親子の絆を取り戻して欲しいな、間に挟まれる浮気チンポ野郎は獄中だから問題ない。

 

 

 ザフトにはまた別の艦長を推薦してもらうことになっているが、あれ以上の人材がそう簡単に来るとは思えない。大西洋連邦?ヴォーテクスを差し出すから勘弁してくれって泣きついたから除外よ。お陰でピッカピカのヴォーテクスはカナードの部下達が今訓練中だそうだ。

 

 

 

 

 

 いっそ、砂漠の虎……アンドリュー・バルトフェルドにでも頼もうかと思ったが、あいつはあいつでザフトに復隊しちまった。

 

 

 

 

「……ま、あっちもオーブ戦にメサイア攻防戦と、相当に人員が削られたからな。泣きつかれて断れなかったんだろうよ」

 

 

 

 だが、復隊したバルトフェルドには別の重要な役割がある。今のザフトは決して一枚岩じゃない。あの「運命」を押し付けようとした、種無し浮気チンポ野郎ことデュランダルのシンパはいまだに根強いし、ナチュラルを軽視する過激派や、オーブとの融和姿勢を苦々しく思っている連中も少なくない。

 

 

 

「バルトフェルドには、そこら辺の不穏な動きを監視するスパイ役になってもらうのが一番だ。コンパスの背後からナイフを突き立てられるのは御免だからな……」

 

 

 

 

 ついでに言えば、レイにも声をかけてはみたんだが。あまりいい返事はもらえなかった。いやそれこそ罵倒される覚悟で連絡したが思ってたよりは冷静でいてくれて助かったよ。デュランダルが色々とフォローしてくれたのかね?

 

 

 

『服役中のギルの側にいたい。……すまない』

 

 

 

 だとか。あいつは結局、パイロットとして本国に籍を置きつつも、非番のたびに面会へ通っているらしい。親代わりだった男の末路を見届けるつもりなんだろう。

 

 

 死なせなかっただけマシだが、あいつをコンパスに引っ張るのは無理だったか。

 

 

 

「……となると、やっぱり新造艦の艦長枠が空席なんだよな。実力があって、かつ俺の指示をある程度聞いてくれる、話のわかる奴……」

 

 

 

 俺はペンで自分のこめかみをトントンと叩いた。キラ、シン、カナード……。この暴れ馬たちをまとめ上げるには、ラミアス艦長並みの度量と、それなりの「毒」が必要になる。

 

 ラクスはゲームだと艦長枠になってたりするが実際にはバルドフェルド頼りなのが実情だ。そもそも総裁を毎回艦長で引っ張り出すのもな……副総裁の事もそれくらい大切に扱ってくれたらいいんだけどなぁ!畜生がよぉ!!!

 

 

 

 

 俺は前世の記憶を頼りに、SEEDシリーズの知識を必死に掘り起こしてみた。だが、考えれば考えるほど絶望的な気分になってくる。

 

 

 

「……ナタルといいアデスといい優秀な艦長クラスは、どいつもこいつも前の大戦でいなくなっちまってる。そもそも、この世界は『指揮官キャラ』の絶対数が少なすぎるんだよ」

 

 

 

 原作知識があれば少しは楽ができるかと思ったが、現実は甘くない。

 

 

 

 アークエンジェルのマリューさんは既に手一杯だし、バルトフェルドはスパイ役でザフトに張り付かせなきゃならない。そうなると、あとは在野から探すしかないんだが、これがまた地獄だ。

 

 

 

「このC.E.で、ナチュラルだコーディネイターだっていう差別感情を持たず、かつ軍事的に有能で、なおかつ激戦を生き延びている在野の人間なんて……絶滅危惧種を探すより難しいぞ」

 

 

 

 俺はデスクに突っ伏して、唸った。考えれば考えるほど、この世界の「中堅層」の薄さが身に染みる。名のある奴は大体死んでるか、政治的に使いにくいか、あるいは俺が個人的に「二度と顔を見たくない」かのどれかだ。

 

 

 ネームドキャラが少なすぎるんだよなぁ……いっそジャンク屋に連絡してGG(ジョージグレンの脳味噌)を貸してくれなんて頼もうとしたが、流石にやめておいた。アストレイ側に不都合が生じる可能性もあるが、何よりラクス以上の火種を持ち込みたくねぇよ。

 

 

「……あーもう、無理! 自分で探すのは効率が悪すぎる! こうなったらプラントに全部丸投げしてやんよ! 『人種差別しなくて、腕が良くて、人格者な艦長候補を至急よこせ。いなければコンパスは解散だ』って脅し気味に頼んでやる!」

 

 

 無理かなぁ!?無理だろうなぁ!なんて俺は半ば投げやりにプラントの現議長であるラメントさん宛に即座に親書を書くと(流石に相当言葉は選んでるが)丸投げしてベッドに自身の身体を委ねる。

 

 

 あとのことは知らん!これでダメならトダカを無理やり連れて行ってやる!俺は寝る!

 

 

 

 

 

 

 

――それから数日後。

 

 

 

 

 

 

プラントから一通の推薦データが届くことになった。

 

 

 

 

「……お、意外と早かったな。どれどれ、どんな『押し付けられ役』が来たんだ?」

 

 

 

 俺は期待半分、諦め半分で端末の画面をスワイプした。そこに表示された名前に、俺の指が止まる。

 

 

 

「……アレクセイ・コノエ? 誰だこれ、聞いたこともないぞ」

 

 

 

 俺は訝しみながら、詳細な軍歴データを読み進めた。そして、読み進めるほどに目を見開くことになった。

 

 

 

「な、なんだこれ……。元数学教師? 教育者上がりかよ。……ええと、プラント最高評議会議長ワルター・ド・ラメントの旧友。なるほど、コネかと思いきや、指揮官としての資質と状況判断能力が異常に高い……?」

 

 

 

さらにデータは続く。

 

 

「過去の大戦において、一度も自艦を沈められたことがなく、驚異的な生還率を誇る。その沈着冷静な指揮ぶりから、現場の兵士たちの間では絶大な人気がある……だと?」

 

 

 

 俺は思わず、身を乗り出して画面を凝視した。

 

 

「……マジかよ。こんな『在野の化物』がまだ残ってたのか? ナチュラルへの偏見もデータを見る限り皆無。それどころか、部下の心理掌握まで完璧じゃないか」

 

 原作の記憶をいくら探っても、こんなネームドキャラの名は出てこない。アストレイのキャラかもしれんが……つまり、このC.E.世界のどこかに埋もれていた「本物の名将」が、俺の無茶振りによって掘り起こされたということか。

 

 

 

「……数学教師上がりの、不沈艦長か……悪くないんじゃないか?キラやシンみたいな、直感で動く天才達相手に論理と理詰めで制御するには、これ以上ない人材かもしれないな」

 

 

 

 俺はニヤリと口角を上げた。どうやら、コンパスの「心臓」となる新造艦の艦長席には、俺の想像を遥かに超える男が座ることになりそうだ。

 

 

 

 

「よし、アレクセイ・コノエ。決まりだ。……というか、こんな優秀な奴がいたらもっと早く教えてくれよ、ラメント議長!」

 

 

 

 俺は久しぶりに、少しだけ晴れやかな気分で決定印を画面に叩きつけるのであった。

 

 




 ちなみにまだミレニアムは建造中ですのでしばらくザフト側のパイロットはニートしてもらう事になりそうです。なおコノエ艦長に関しては福田監督が公開した初期プロットからこんな経歴なので公式だと違う可能性が高いかも?

 次回コノエ艦長の面接回。

 戦後のコンパスに参加するシンとルナマリアについて。

  • 原作通り二人参加
  • 婿養子になりシン・ホークとなって参加
  • ルナマリアが妊娠して除隊しハイネが参加
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