破滅フラグしかないボンボンに転生してしまった件 〜グフに踏み潰される運命なんて、全力で回避してやる!〜《完結》 作:kiakia
少し短いですが投稿。
一応プロットはできていたとはいえここまでサクサク進むとは…あと修正でウナトの名前をウナト・『エマ』でなくウナト・『ロマ』と書いてしまい申し訳ございません。修正させて頂きました。他にもうろ覚え知識のアグニの口径や、ユウナがカガリ様と言ってた場面など……予測変換で「カガリ」と打つと「カガリ様」とでる辺り怖い。
メテオブレイカーによる内部爆破が、ユニウスセブンを……コーディネイター達の墓標を粉砕していく。
漆黒の宇宙に膨れ上がる、無数の巨大な岩塊。本来なら、ここからは地球の重力に引かれるまま、燃え尽きないサイズの死の雨が地上へ降り注ぐはずだった。
「……ここからだ! 全機、座標データを同期。アグニ、最大出力で照射開始!」
オーブ宇宙軍の指揮官の号令と共に、十数機のM1アストレイが一斉に動いた。バッテリーをつなげた機体もあれば、イズモ級にコードを繋げた機体も戦列に並んでおり、イズモ級もまた主砲をコーディネイター達の墓標に向けている。
彼らが狙うのは、飛散した破片の「面」ではない。ロンド・ミナ・サハクが提供した精密演算データに基づき、落下しても燃え尽きないサイズの「核」となる部分を、一本の針で貫くような精密さで狙い撃つ「点」の射撃だ。
ドォォォォォォォンッ!!
幾筋もの極太のビーム――アグニの咆哮が宇宙を貫く。
その一条一条が、確実に破片の重心を捉え、蒸発させ、あるいは軌道を僅かに狂わせていく。
「…っ…凄いわね……あんなの普通の量産機ができる芸当じゃないわ…!」
ミネルバ隊のパイロット、ルナマリア・ホークは、その光景をただ呆然と見守るしかなかった。
目の前で繰り広げられているのは、もはや「戦闘」ではなく「解体作業」だった。数多のビームが宇宙を埋め尽くすが、それは闇雲な乱射ではない。
アメノミハシラから転送された計算データに基づき、落下しても燃え尽きないサイズの「危険核」のみを狙った、超精密な外科手術。ユウナはテロリストの奇襲を防ぐ為にミナに頼った。しかし、ミナはそれ以上のデータを提供し、前線の兵士達は死力を尽くす。
アグニを懸架したM1アストレイが、不自然なほど機体を細かく制御し、一斉に引き金を引く。
ドォォォォォォォォォォンッ!!
漆黒の宇宙が、赤い閃光に塗りつぶされた。
一機のアグニから放たれた奔流が、一抱えもある岩塊の「核」を貫き、内側から蒸発させる。熱せられたガスが爆発的に膨張し、破片をさらに細かい粉塵へと分解していく。
「一撃も外さないのかよ、あの連中……!」
シン・アスカの目にも、その異常さは焼き付いていた。ザフトの精鋭であるジュール隊ですら手を焼いている破片の群れを、オーブの量産機がまるで「パズルを解くように」一つずつ、確実に無力化していく。
アメミノハシラとの連携に加えて機体の出力限界を無視した、オーブ軍の執念。
それは、ユウナが「失敗すればオーブは沈む」と厳命した恐怖の裏返しでもあり、ロンド・ミナ・サハクが編み出した「天空の視点」による最適解の提示でもあった。
一条、また一条と、アグニの光柱が絶望の塊を削り取っていく。
爆光が次々と宇宙に咲き乱れ、本来なら地球を焼き尽くすはずだった巨塊は、見る間にその質量を減らし、大気圏で燃え尽きることが可能な「塵」へと姿を変えられていった。
だが、それでも。
全力を尽くした先にも、砕け散った火の雨は、無慈悲に青い地球へと吸い込まれていく。
「……っ、ふざけんなよ!」
シンは血が滲むほどに操縦桿を握りしめた。目の前で自分たちを上回る成果を見せつけたオーブの軍隊。その「力」への驚愕と、家族を失った時にその力がなかったことへの憎悪。
「今さら……今さらそんなモノを見せつけて、正義の味方ぶるな!!」
シンの絶叫は、降り注ぐ火の粉の中に虚しく消えていく。それは皮肉にもどこか破滅的な美しさを生じるのであった。
司令室のモニターに、大気圏の摩擦で赤く燃え上がるユニウスセブンの残骸が映し出される。それを見届けた俺は、周囲のスタッフに「体調が優れない、少し席を外す」とだけ告げ、足早に防空シェルター内のトイレへと駆け込んだ。
個室に入り、鍵をかけた瞬間、俺の膝はガタガタと震えだした。
「……う、げっ……!!」
便器に掴まり、胃の底からせり上がってくる熱い塊をぶちまける。
酸っぱい臭いが狭い個室に充満した。吐瀉物の中には、昼に食べたものが形を留めないまま、胃液と混ざってドロリと広がっている。
頭が割れるように痛い。
脳裏に焼き付いているのは、先ほどまでリアルタイムで送られてきていた宇宙軍のログだ。
アグニを全開で照射し、機体のリミッターを解除して破片を砕き続けた結果、数機のアストレイがオーバーヒートで沈黙した。そこを生き残りのテロリストのジンや、セカンドシリーズの機体に突かれ――脱出の暇もなく、光の中に消えていったパイロットたちがいる。
「……俺の、せいだ……」
指先を口に突っ込み、さらに胃液を絞り出す。俺がこの時期に、この場所に、これだけの規模で「介入」したから、彼らは死んだ。
もし、もっとうまくやれば。もっと早くロンド・ミナ・サハクに声をかけていれば。もっと精度の高いデータを渡せていれば。
(いや、最初から俺が全部バラしていれば、彼らは死なずに済んだんじゃないのか……?)
そんな考えが、ドロドロとしたヘドロのように脳内を支配する。だが、俺は「予知」をすべて話すわけにはいかなかった。ロゴスを、親父を、そして世界の流れをコントロールするために、情報は切り札として隠し持たなければならなかった。
その「出し惜しみ」が、実直に任務を遂行した兵士たちの命を奪ったのだ。
「はぁ、はぁ……っ、くそ……!!」
涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしながら、俺は何度も吐き続けた。便器の縁を掴む指が白く強張る。前世ではただの一般人だった俺が、今、数人の命を明確に「消費」して、歴史を書き換えている。
救世主? 笑わせるな。
俺がやっているのは、冷徹な計算に基づいた「命の選別」だ。
「俺は…フリット・アスノにはなれない…」
口を拭い、水を流す。
鏡に映った自分の顔は、青白く、まるで死人のようだった。だが、俺はこの顔を叩き、再び「傲慢なユウナ・ロマ・セイラン」に戻らなければならない。
「……まだだ。まだ終わってない……砕かれた石ころが地上に、落ちてくる」
宇宙軍が削ったとはいえ、それでもなお巨大な質量が、今まさにオーブの海へと迫っている。
俺はふらつく足取りで個室を出ると、手洗いの冷たい水で無理やり意識を覚醒させるのであった。
結果として史実より遥かにユニウスセブンを破壊し尽くす事に成功。とはいえ文字通り「世界が破壊される」レベルの被害は各地で起きてしまう。地は焼かれ、涙と悲鳴は新たなる争いの狼煙となり人が数多持つ予言の日に繋がってしまうのでした。
どっちのアスランが見てみたいでしょうか?
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通常の優柔不断アスラン
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報連相の化身と化したアスラン