破滅フラグしかないボンボンに転生してしまった件 〜グフに踏み潰される運命なんて、全力で回避してやる!〜《完結》   作:kiakia

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第一五話 身体はヤリチン!中身は童貞!

 

 テロリストとの戦闘を終えて数日後。首長居住区に存在する執務室。窓の外には平和そのものの海が広がっているが、俺のデスクの上は平和とは程遠い、山のような報告書の束で埋め尽くされていた。

 

 

 

 あの「掃除」から数日。ようやくババの無茶な機動でかき回された三半規管が正常に戻り、固形物を受け付けられるようになった頃だ。というかキラもムウもなんで普通にあの戦闘の後に平然とフライドチキンを貪ってたんだ?エースパイロットになるくらいだと三半規管も常人とは桁違いなんだろうか?

 

 

 

 

 それにしたって本当に戦後処理は大変だった……なんせ捕虜や生存者が数多くいる上そいつらは全員テロリストだ。コックピットのハッチや動けなくなった後の戦艦内に兵を送ったら撃たれないか?とラミアス艦長に指摘された時はそこまで考えてなくて焦ったよ。

 

 

 

 なんせ相手はテロリストだ、オーブ戦やメサイア戦の正規軍の連中は比較的大人しく捕虜になってくれたが、やぶれかぶれで何をするか分からないんだから。

 

 

 

 

 おかげで艦艇にはドアを開いた瞬間対歩兵用の催涙弾をばら撒いて即座に閉じて、もがき苦しむ連中を歩兵隊が武装解除してから敵自身の船の一室に閉じ込めたり、MSはわざわざドッズライフルで脅しつつ、手を上げさせながら開く必要があったりと、戦闘の倍以上の時間をかけて拘束する必要が出てきやがった。

 

 

 

 今後の参考にしなきゃな……MSに関しては雷蛇を調整すればパイロットを死なない程度に痺れさせる事も出来るだろうが、艦艇はいっそ『予め対歩兵用ガスを詰め込んだドローン兵器』でも用意してダクト辺りからばら撒いてやろうか?なんて思いつつ俺はわざわざ部屋にやってきてくれたカガリと向き合うのだった。

 

 

 

 ……冷静に考えるとトップが部屋にわざわざ足を運んで報告ってのは色々と不味くないか?なんて思ったが、カガリも一刻も早く報告を受けたいようなのでそこはスルーしよう。今度から俺が真っ先に向かわないとな…。

 

 

 

「……で、これが例のテロリストどもの初期供述と、押収した機体の解析データだ。あいつら自分達が『コルシカ条約』の保護対象外だと突きつけられた途端、驚くほど饒舌になってね。今さら命が惜しくなったらしい」

 

 

 

 

 テロリストの連中に輸送の合間に丁寧に改めて現状を説明してやったら、連中は饒舌になっていた。正直な話初手で自白剤で洗いざらい吐かせる必要がと考えてた分拍子抜けする。

 

 

 

 まぁ裏取りの為に、結局クソ高い自白剤を使うハメになってるがそれでも節約できたのでヨシとしよう。というかやべぇよこの世界の自白剤。事前準備の不眠不休、拷問なんて事も必要なく、お注射一つでベラベラ笑いながら喋り出すって、どれだけ人体実験を繰り返して完成したんだ……なんて改めてC.E.世界の闇をまた一つ知っちまったよ畜生がよぉ…!

 

 

 

 当然そんな事は顔に出さず、司法取引とは一言も言ってないし、別に罪が軽くなる訳ないんだけどなーと俺が緑茶をずずっと啜りながら報告書を差し出すと、デスクの向かい側に座るカガリが、神妙な面持ちでそれを受け取る。

 

 

 

「世話をかけたな、ユウナ。……お前のやり方は少し、その…だが結果としてこれだけの情報が引き出せたのは事実だ」

 

 

 

 

 

「別に積極的に捕虜を取れなんて言ってないけどな…アイツらヤベェよ。暇つぶし感覚でコンパスシミュレーター(シン・アスカ体験モード)で今もメインカメラだけをぶち抜くチャレンジとかし始めてやがる…」

 

 

 

 

 カガリの言葉には、感謝と、そして「もう少し穏便にできないのか」という微かな苦言が混ざっている。彼女らしいといえば彼女らしい。だが、この後始末を引き受けるのが俺の役目だ。

 

 

 

「それに感謝されるためにやってるわけじゃないさ。で、芋蔓式に出てきた連中の拠点は?」

 

 

「ああ。捕虜の供述から、宇宙のL4、L5ポイント周辺を拠点にしていたブルーコスモス系の武装セルがいくつか判明した。正規軍を中心に現在、掃討作戦の準備に入っている……が」

 

 

 

 カガリがタブレット端末に地図を表示させる。そこには、網の目のように張り巡らされたテロ組織の連絡網が浮かび上がっていた。

 

 

 

 

 

「だが……肝心の『頭』が見えないんだ」

 

 

 

 

カガリが悔しげに眉をひそめる。

 

 

 

「捕らえた連中も、末端の実行部隊に過ぎない。ブルーコスモスの指導者、ミケール大佐に関する情報は、今回もかすりもしなかった。連中の組織は、まるで巨大な蜘蛛の巣だ。一つの糸を辿っても、中心に辿り着く前に別の糸へ逃げられる……あるいは、その糸自体を切り捨てて逃亡する」

 

 

 

「蜘蛛の巣、か。嫌な例えだ。俺たちの『掃除』も、結局は巣の外側を少し払っただけに過ぎないってことか」

 

 

 俺は椅子の背もたれに深く体重を預けた。ミケール大佐。かつてロゴスという巨悪が潰れた後も、執拗にコーディネイターへの憎悪を煽り続ける亡霊。そいつが構築したテロネットワークの厄介な所はピラミッド式の組織構成ではなく、蜘蛛の巣の様に巧妙に入り乱れた、網の目状のネットワークそれ自体が組織構成だ。

 

 

 

 反コーディネイターの名の下に集う同志達による犯罪ネットワーク。フルメタルパニックの『アマルガム』を思わず思い出してしまうが、どこかで糸を引いている限り、今日俺たちが捕らえたような「使い捨ての駒」は何度でも湧いてくるだろう。それだけナチュラルとコーディネイターの確執は今も根深い。

 

 

 

 

「まあ、蜘蛛の巣だろうが何だろうが、絡め取られる前に巣ごと焼き払うだけだ。……もっとも、次はもう少し胃に優しい移動手段を検討してほしいんだがな」

 

 

 

 俺の冗談に、カガリが少しだけ苦笑した。笑い事じゃねぇよ…出撃してから固形物が暫く食えなくなるんだぞこっちは…!

 

 

 

「ババのことか? ……あいつも、お前のために張り切りすぎたと言っていたが…」

 

 

「……その『張り切り』が一番怖いんだよ。あれでもメサイアの時と比べてマシにはなってるが、1〜2日もおかゆしか食べられない生活は懲り懲りだ」

 

 

 

 俺は大きくため息をつき、まだ半分以上残っている書類の山に視線を戻した。世界を覆う蜘蛛の巣を掃う日々は、まだまだ終わりそうにない。本当ミケール大佐なんて名前のキャラは運命に居なかったはずだが、外伝か何かで登場したやつが覚醒したのか。

 

 

 

 はたまた歴史がぶっ壊れて本来活躍するはずも無い男がハッスルしてしまう様になったのか。何れにせよ、今は虱潰しで敵の戦力を削って法廷に捕虜をピストン輸送するだけだ。

 

 

 

 大部分の国籍を占める大西洋連邦はそれとなく、いっそ普通に捕虜を取らずに殺せ的な事をオブラートに包んで言ってるが、俺じゃなくてコンパスのパイロットに言ってくれ。

 

 

 そんな俺の泣き言をさらりと流しながら、カガリは手元の端末を操作し、別の機密フォルダを開いた。

 

 

 

「ああ、それと機体の件だが……プラントに貸し出していたストライクフリーダムとインフィニットジャスティスが、近々オーブに戻ってくることになった」

 

 

 カガリの言葉に、俺は少しだけ目を細めた。あの二機はコンパスの設立と、例の「シン・アスカ体験シミュレーター」にデスティニーやレジェンドの戦闘データを組み込む際の、プラント側への譲歩案として一時的に送られていたものだ。

 

 

 技術交流という名の、政治的な「人質」に近い扱いだったが、ようやく返還の目処が立ったらしい。向こうはストフリや隠者のデータを入手し試験し放題!こちらはデスティニーとインパルスとレジェンドの現物に加えて主力量産機の戦闘データを手に入れるWin-Winの取引。うん、これはWin-Winだな!誰がなんと言おうと!

 

 

 

「ようやくか。キラやアスランの専用機がずっとプラント送りにされてたせいで、モルゲンレーテがうるさかったよ……譲歩の甲斐あって、シミュレーターの精度も上がったし、コンパスとの連携もこれで盤石になるのかね」

 

 

 俺は少し肩の力を抜き、ようやく適温になった緑茶を一口啜った。ミケールだのテロリストだの、胃の痛い話が続いていたが、主力機の帰還は純粋なプラス材料だ。

 

 

 このまま穏やかに今日の業務を切り上げたい――そんな淡い期待を抱きながら、俺は優雅に湯呑みを口に運ぶ。あぁ五臓六腑に染み渡る……。

 

 

 

 

「……そういえば、キラから聞いたんだが」

 

 

 

 そうやって緑茶を飲みつつ束の間の休息を満喫する俺に、カガリは世間話でもするようなごく自然なトーンで言葉を続けた。

 

 

 

 

 

 

 

「ルナマリアが、シンの子を妊娠したらしい」

 

 

 

「…………ぶっ!!?」

 

 

 

 口に含んだばかりの最高級緑茶が、霧吹きのような勢いでデスクにぶちまけられた。俺は盛大に咽せ返り、鼻から緑茶が逆流する痛みと熱に悶えながら、涙目でカガリを凝視した。

 

 

 

 えっ待って待って待って!?はぁ!?あの二人が!?なんも聞いてねぇぞ!?籍は入れたと聞いてたけどマジかよ…!?

 

 

 

 

「げほっ! ごほっ! ……はぁぁぁ!? い、今、なんて言った、カガリ!?」

 

 

 

「だから、ルナマリア・ホークが妊娠したそうだ。シンが父親になる。おめでたい話だろう?」

 

 

 

 カガリは至って真面目な顔で、しかしどこか「お前、汚いぞ」と言わんばかりの視線で俺を見ている。 

 

 

 おめでたい? ああ、そうだな、それは結構なことだよ!だが、俺の頭の中は今、未曾有の超高速演算を開始していた。

 

 

 

 

(……アスランの奴から、あの二人が結構前から恋仲だって話は聞いていた。だが、まさか……あいつら、見境なくヤってやがったのか!? いや、待て。相手はあのルナマリア・ホークだぞ? スタイル抜群で、少し年上の、しかも自分を肯定してくれる美少女……。そりゃあ、あの血気盛んなシンなら、一度火がついたら我を忘れて貪るように……いや、これ以上考えるのはよそう。俺の品性が死ぬ)

 

 

 

 

 それにしてもだ。

 

 

 

 こんな展開、小説版や漫画版でも見たことないし、あのあらゆる可能性を網羅するスパロボでさえ聞いたことがねぇぞ!?中の人が結婚した時期以降スパロボだとごく自然にカップル扱いされてたが妊娠…!?

 

 

 

 もはや歴史は崩壊している。俺が生き残っている時点で今更だが、それにしても「シン・アスカ、パパになる」のインパクトが強すぎて、胃の痛みがどこかへ飛んでいったわ!!!

 

 

 

「お、おいカガリ! こうしちゃいられんぞ! 記念だ、記念! とりあえず、オーブの一等地に庭付きの……いや、セキュリティ万全の家を一軒、俺の名義でポンと送ってやるべきか!? それともコンパスの宿舎をまるごと一棟リフォームさせるか!?」

 

 

 俺が半ばパニック状態で立ち上がると、カガリが呆れたように溜息をつき、身を乗り出して俺の肩を掴んだ。

 

 

 

「落ち着け、ユウナ! お前の金銭感覚で祝うな! まだ安定期に入ったばかりだと聞いている。家を送る前に、まずはその口の周りとデスクを拭け!」

 

 

「落ち着いてられるかぁ!!? あのシンが親になるんだぞ!? あいつに育児なんてできるのか? 泣き止まない赤ん坊を前に『アンタが、子供を泣かせるからッ!』とか叫んでデスティニーで出撃したりしないだろうな!?」

 

 

 

「……お前の想像するシンは、一体どんな化け物なんだ。それに、そんな私事でデスティニーを出すわけがないだろう」

 

 

 

 

 カガリは呆れ果てたように吐息をつくと、汚れたデスクの端っこを申し訳程度に拭き取りながら続けた。

 

 

 

「もうすぐザフトからストライクフリーダムとインフィニットジャスティスが戻ってくる。その時に機体の受け渡しがあるから、本人に直接聞け。……それより、人員の配置はどうするんだ? ルナマリアは当面、実戦からは外れることになるぞ」

 

 

 

「ああ、分かってるよ……」

 

 

 

 

 俺は椅子に深く沈み込み、思考を無理やり事務作業へと切り替えた。というか当面どころか妊娠した以上引退も視野にいれなきゃならん。彼女にはザフトが開発中の新型機体で活躍して欲しかったが予定はパーだ。

 

 

 そりゃカガリも直接執務室に来るわ!ルナマリアは誤射マリアだの射撃は苦手だの前世ではネタにされてたが、C.E世界では数少ないあの『デストロイ』を白兵戦で撃破可能なエリートパイロットだ。そんな彼女が抜ける穴埋めを考えるのは俺の役目なのだから。

 

 

 

 

「ルナマリアを新造艦の主力パイロットに据える予定だったが、代わりはハイネを呼ぶ。……本当はキラ准将を隊長にするつもりだったが、ハイネが入るなら話は別だ。キラはパイロットとしては『最強』だが、隊長適性、つまり組織を回すリーダーシップに関しては、正直ハイネの方が上だからな。キラには『象徴』として自由に動いてもらうのが一番効率がいい」

 

 

 

 ぶつぶつと戦力配置の最適解を独り言のように呟いていると、カガリが不意に、試すような視線を俺に向けてきた。

 

 

 

 

「……人の心配ばかりしているが、ユウナ、お前はどうなんだ?」

 

 

「あ? 何がだ」

 

 

 

「結婚だよ。お前だって、いい年だろう。そろそろ身を固めたらどうだ?」

 

 

 

 その言葉に、俺は椅子から転げ落ちそうになった。いやさぁ!!そんなこと言われてもさぁ!!

 

 

 

「無理に決まってんだろ!!」

 

 

 

 俺は即座に、全力の否定を叩きつける。俺だって性欲はあるし若い姉ちゃんとイチャイチャしたいよ!?憑依前のユウナは父に内緒で「大人のお姉さんいいねぇ!」とそういう高級なお店で遊びまくってたそうだが、その後始末にどれだけ苦労した事か…!

 

 

 

 ユウナの奴が隠し子を仕込んでなくて本当によかった!というか婚約者いるのに女遊びしてんじゃねぇよ!お陰でこっちは身体はヤリチン、中身は童貞の悲しき生命体が誕生したんだぞクソがァ!!!

 

 

 

「いいかカガリ!俺を誰だと思ってる!?最後は失墜したとはいえ、五大氏族に成り上がった上にクーデターで独裁者してた男だぞ? 手にしている情報のヤバさはそこらの軍機以上だ。そんな俺が、今この不安定な情勢で下手な女に手を出してみろ。十中八九、どこかの勢力のハニートラップに引っかかって、俺もオーブもまとめて破滅するのが関の山だ!」

 

 

 

「お前……自分を買いかぶっているのか、卑下しているのか分からんな……」

 

 

 

 カガリは困ったように眉を下げるが冗談は抜きだ。なんせ俺の握っている情報をまとめりゃオーブは物理的に滅びかねない。いや確実に滅ぶと断言可能だ。

 

 

 そんな情勢で火遊びをする覚悟なんて俺には無いし、なんなら女性にアプローチされるのが怖くて仕事に熱中してる所もあるからなぁ!いやなんか言ってて寂しくなってくるけど!!

 

 

 

 

 

「なら、ミヤビ辺りと一度見合いの席を設けてはどうだ? 彼女なら家柄も申し分ないし、お前の仕事への理解もあるだろう」

 

 

 

 

「冗談はやめろ! セイランとキオウに権威が集中しすぎて、他の氏族が黙ってない!何より、あいつだって俺みたいなのと結婚するのは嫌だろ。……あいつはああ見えて、政略結婚なんて形より、自分の部下あたりの骨のある男を自分で捕まえてきそうなタイプだ。俺が口を挟む領域じゃないさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、上海周辺に展開するMS輸送艦のブリッジでは。

 

 

 

 

 

「……っ、クシュン!」

 

 

 

 

 凛とした空気を纏う女性、ミヤビは小さくしゃみを漏らす。彼女達は近年は東アジア共和国を拠点に活動していた事もあり最早オーブで過ごす日は片手で数える程になっているが、それでも慣れた様子である。

 

 

 

 流石に東アジアで主に使われる香辛料は体に合わず、日本やオーブから調味料を取り寄せているものの彼女は充実した毎日を過ごしていた。

 

 

 

「えっと…ミヤビ。大丈夫?風邪かな?」

 

 

 

 

 傍らに控えていた秘蔵された禁断のMS『エクリプス』のパイロットであるタツミが心底心配そうに顔を覗き込む。彼女は指先で鼻を軽く押さえながら、不思議そうに首を傾げた。

 

 

 

「いえ、風邪ではないわ。……ただ、どこかの不届き者が私の将来について、失礼な憶測を垂れ流している気がしただけよ」

 

 

 

 同時に彼女はジト目になって故郷を睨みつける。そんなミヤビに軽く引きつつも、何故か最近ミヤビが綺麗に見えてきた事を口には出せず、横顔をじっと見つめているタツミであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とにかく!あいつはもっと……こう、ギラついた現場の人間がお似合いだ」

 

 

 

 

 俺はミヤビの鋭い視線を幻視して背筋を震わせながら、カガリとの会話に戻った。カガリは呆れたような、それでいてどこか同情を孕んだような眼差しで俺を見つめている。

 

 

 

「……お前という奴は。だがユウナ、政治的な損得は抜きにしてもだ。これからのオーブを支えていく中で、お前自身が心から信頼し、背中を預けられる女性を望むのであれば……私は、それを全力で支持するぞ」

 

 

 

 

 カガリの言葉は、かつての俺に対する侮蔑を含んだそれではなく、対等なパートナーに向けられた真摯なものだ。善意でしか無い。優しさしかない。

 

 

 

 ……勘弁してくれ。その真っ直ぐな信頼が、今の俺には一番眩しくて、一番応えるんだ。お前はさっさとアスランと籍を入れろ。落ち着いたら俺がサポートしてやるから。

 

 

 

 

「信頼ねぇ……俺みたいな、一回死んで地獄から這い上がってきたような男の背中なんて、重すぎて誰も預かりたくないだろ」

 

 

 

 俺は自嘲気味に笑い、空になった湯呑みを乱暴に置いた。実際、一度多分前世で死んでるんだからその例えも間違いじゃないだろうが。

 

 

 

 多分俺は生涯独身なんだろうなぁ……隙を見てスカンジナビアの田舎町あたりで純朴な女の子を引っ掛けてこないと結婚は無理そうだ。今更セイランの名前も家柄もどうでもいいとはいえ、結婚願望よりハニトラの恐怖に震えてる俺にとっては仕方ないと諦めるしかないだろう。

 

 

 

「ま、それより今はシンの子供の教育方針でも考えておくさ。あいつが親バカになって戦線離脱されるのが、今の俺にとっては最大の政治的リスクだからな。……お祝いはやっぱ最新の防弾ベビーベッドとかの方がいいか?」

 

 

 

「だから、お前の金銭感覚とセンスは極端だと言っているだろう!?大体そんなものは───」

 

 

 

「あるぞ、ほら」

 

 

「あるのか!?しかもオーブ製だと…!?」

 

 

 

 タブレットを見せつけつつ、カガリの怒号の驚愕が部屋に響く中、俺は再び書類の山に視線を落とした。

 

 

 

 愛だの結婚だのは、この汚れきった世界をもう少しマシな場所に「掃除」してからだ。……たとえそれが、一生かかっても終わらない仕事だとしても。それが俺がデュランダルを否定して選んだ道なのだから。

 

 

 





・シンへのプレゼント
 なお最終的に無難に現金を送金しようとした所、それも止めろとカガリ、キラ、カナードに怒られてしまい。結局、長持ちする乾物詰め合わせセットを送った所好評だったそうな。なおアスランも二人に多額の現金を渡そうとして二人揃ってカガリに説教された。

・ユウナの恋愛観
 普通に人並みの性欲もあれば、立場的にはオーブ国内のどんな女性もより取りみどり。とは言えオーブの官民問わないヤバい情報を握りすぎているので他国の田舎の女の子でもひっかけてこないと結婚は無理だと諦めてるそうな。
 好み的には以前にも軽く触れた『IS(インフィニット・ストラトス)』のヒロイン『更識楯無』の様な、「強くて、余裕があって、そして年上で何より乳がデカい女性」が好み。なのだが、ベッドの上でユウナは現在『ババァ!』『トダカァ!!』と男の名前ばかり叫ぶ悲しき存在になってるそうな。なおカナードがTSしてれば確定ルートでゴールインしてたのは内緒です。


・開発パート
 基本的には半年〜一年未満で開発出来て、尚且つC.E.世界でも推定開発可能なものばかり登場しており。作中に出そうとするとボツ案となった物の一例をあげれば。

 ①液体金属ならび流体装甲
 ドッズライフル対策でファウンデーションがと考えたものの、流石にナノマシンで水を制御するのとは訳が違うオーバースペックおよび前提技術がないのでボツ。案外CE世界ではありそうですが…

②ビームローター
 ミノフスキー粒子前提なのでボツ。基本的にC.E世界の科学力前提であるが為「概念」を持ってくる事はできてもその「概念の素材」がなければ開発不可能なものは不採用。

③アコード対策で皆で上映会を行いペガサスのアレ
 わかる人にはわかるかもしれない。タグにアレを付けたくない+こんなもん終盤色々な意味でやるべきではないと即座にゴミ箱に。アコード対策は別でやります。

④フリーダム爆弾
 初期案だとメサイアの攻略の為にやろうとしていたものの、悪ふざけが過ぎてシリアスが死に報連相アスランにヘイトが溜まりかねない。そもそもムウが記憶を取り戻してない事に気づく。冷静に考えるとドッズライフルなどもあるので通常攻略も可能。

 などの理由によりボツになって終戦まで埃をかぶる事に。結果として飛び出して行け、宇宙の彼方とスターゲイザーと同じ道を歩む事になったので心底良かったと作者も思います。


 次回は現在の国際情勢説明パート。地味なお話かもしれませんがお読みして頂けると幸いです。

 戦後のコンパスに参加するシンとルナマリアについて。

  • 原作通り二人参加
  • 婿養子になりシン・ホークとなって参加
  • ルナマリアが妊娠して除隊しハイネが参加
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