破滅フラグしかないボンボンに転生してしまった件 〜グフに踏み潰される運命なんて、全力で回避してやる!〜《完結》   作:kiakia

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第一七話 ユウナ様の楽しい国際情勢解説! 後編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は胃の奥底から込み上げる溜息を、新たにクソ苦いコーヒーに氷をぶちまけて強引に飲み干し、次のホログラムを呼び出した。

 

 

 

 宇宙の砂時計、「プラント」だ。ここは地球側の混乱の影響はさほど受けていない。とはいえ、前大戦のメサイア攻防戦でベテラン人員をすり減らしまくったツケは大きく、さらに「ドッズ・ショック」の波も無視はできなかった。

 

 

 

 既存のザフトのMS思想が、ドッズライフルの貫通力の前で再考を迫られたわけだ。地球連合軍程ではないが彼らもビームシールドの開発なども含めて防御機構への気合いの入れ方はかなりのものでそれらが全てはっきり言って無駄になったのは散々だろう。

 

 

 

 

 だが、流石はコーディネイターのお膝元と言うべきか。彼らは非常に賢明な立ち回りを見せている。積極的にコンパスを経由したオーブとの技術協定や人員派遣を行い、次世代機の共同開発や新兵の合同教練を進めることで、戦後の空白期間を実に効率的に埋めてやがる。

 

 

 

 ……が、先日その次世代機のプロトタイプの設計案を見た時は、流石に目を疑った。

 

 

 

「……いやこれ、どう見てもギャンとゲルググよなぁ!?」

 

 

 

 

 思わず独り言が漏れた。前世の知識が「宇宙世紀」の幻影を見せているのかと思ったが、モニターに映る機体名は誇らしげに「ギャンシュトローム」に「ゲルググメナース」と表記されている。

 

 

 ザフトのデザイナーってもしかしてあっちの世界の記憶を持った転生者が混じってないか? 宇宙世紀か現代日本の知識を持った連中でもいないのか?なんて内心恐ろしくなったが、ザクやグフを見る限り自然発生なんだろう。その内二つの良いところどりでガルバルディとか開発しそうだなこいつら…。

 

 

 

 

 だが、カタログスペックを精査していくと、その設計思想の「えげつなさ」が見えてくる。

 

 

 

 最大の特徴は、全体的に小柄なそのフレームだ。流石に宇宙世紀後半のF91レベルまでの極端な小型化ではないが、ザクウォーリアやグフイグナイテッドと比べれば一回り小さい。

 

 

 ザクが17m程ならギャンとゲルググは14〜15m。装甲材質もオーブと同じく発泡金属を選択しておりそれまでのMSを早期の内に改良しているのは流石だ。プラントの科学力は世界一ィィ!なんて幻聴が聞こえてくる。

 

 

 発泡金属。それは本来妥協の産物としてオーブで普及してしまった装甲材だ。金属を発泡させ気泡を含ませることで軽量化を計るソレは、連合が開発したG兵器のフェイズシフト装甲をパクる事ができず、早期の内にMS開発を求めたオーブは結局「当たらなければどうと言うことはない」と言わんばかりに採用し、パイロットに気合いで避けろと無茶振りする羽目となる。

 

 

 だが、その結果はご存知の通りだ。結局フェイズシフト装甲は量産機には普及せず、連合やザフトは攻撃を耐えること前提のMS開発を行い、オーブは攻撃を避けることを前提としたMS開発とそれぞれ別の道を行き、その結果がムラサメの誕生に繋がった。

 

 

 だが、ドッズ・ショックは一夜で世界を変えた。

 

 

 ドッズライフルという最強の『矛』が誕生したことにより、全ての『盾』の価値は暴落した。その結果、オーブは他国と比べてドクトリン(戦闘教義)は世界最先端となったのだが……なりふり構わないザフトはオーブと同じ道を行く事を目指して、わざわざオーブに発泡金属への使用金を支払ってまで喰らい付いて来ているのは正直感心と同時に恐ろしさを感じてしまう。

 

 

 ザフトが出したドッズ・ショックへの回答は、「MSの小型化と高性能化」だった。ドッズライフルの威力がえげつないなら、そもそも当たらなければいい。被弾面積を減らし、小型化した分だけ機体の取り回しと機動性を極限まで高める。

 

 装甲厚で耐えるのではなく、高出力の新型スラスターによる回避と、格闘戦への移行速度で圧倒するスタイルだ。

 

 

 

 特にギャンシュトロームのシールドによる多層防御と、ゲルググメナースの多機能なバックパック換装機能。小型化しつつもザフトらしい多機能さを維持しているあたり、彼らの基礎工業力の高さが窺える。

 

 

 

「……地上の東アジアが局地戦闘に特化し、宇宙戦闘機での一撃離脱を模索して、大西洋連邦が勝手に自滅する中で、プラントは着々と『次世代のスタンダード』を構築しているわけだ」

 

 

 

 俺は手元の資料をスクロールしながら、この「ギャン」と「ゲルググ」という、前世の記憶を刺激してやまない名機たちの詳細を読み解いていく。正直、名前を聞いたときは吹き出しそうになったが、中身は笑い事じゃ済まされないほど優秀な機体だ。

 

 

 まず、ギャンシュトローム。グフの発展機として開発された近接特化機体だ。

 

 

 

 その特徴的な円形なビームシールドは……ただの飾りじゃなかった。最大の特徴は、シールドを高速回転させることで着弾したビームや実弾のエネルギーを弾き飛ばす機構だ。

 

 

 ドッズライフルの最大の特徴である「螺旋の貫通力」に対し、あえて自分たちも回転することでその威力を減衰、弾くという理論。

 

 

 

 というかセイバー改の使用したビームディフェンスロッドとほぼ同じだが、オーブ方式が入射角をずらしてそもそもドリルが刺さらない様にしているのなら、こちらは瞬時に強引に逆回転を加えさせ、刺さろうとしているドリルをへし折ろうとしていると言えばいいのかも知れない。

 

 

 オーブ方式は敵の攻撃を利用して受け流し、ザフト方式は敵の攻撃を強引にへし折って弾き飛ばす。言ってみればドリルではなくリーマー(工具)で対抗したのが彼らの導き出した答えだ。

 

 

「ギャンのシールドですか……そちらは『天元突破グレンラガン』のラスボス。『グランゼボーマ』の使用した『反螺旋ギガドリルブレイク』を参考にしたと聞いています」

 

 

 ハインライン曰く、ドッズライフルの解析を行えなかった影響でプラントの技術者達は相当反省したらしく、初心に帰ってロボットアニメの上映会を大真面目に行っているそうで、その影響が早速出たらしい。アイツらその内ゲッターロボとか作り出さない?いや、よく考えたらインパルスもある意味ゲッターみたいなもんか……。

 

 

 

 

「完全に防ぐのは難しいにしても、致命傷を避けて反撃に転じる……。ドッズへの回答としては確実だ。値段はビームディフェンスロッドよりも高価で単価は跳ね上がるだろうし、今のプラントの財政で即座に大量生産は無理だろうが、対策と研究を怠らないのは抜け目ないと言うか敵対したくねぇなぁ…」

 

 

 

 

 そして、さらに俺を唸らせたのがゲルググメナースだ。ザクウォーリアの後継機として開発され、「ウィザードシステム」をさらに発展させた新型バックパック『B.O.L.E.L.O.(ボレロ)』こいつがとにかくエグい。

 

 

 

 

 ザクの時は、大気圏内なら三形態を使い分け、あるいはグゥルやこちらが送り込んだシュライグに換装して……と現場で試行錯誤していた。

 

 

 だが、このゲルググは違う。ボレロを背負うだけで宇宙では圧倒的な継戦能力を、地上では単独での大気圏飛行能力をセットで手に入れやがった。

 

 

 

 グフやバビ以上の性能の最新機体がドッズライフル片手に空を飛んで攻め込んでくる。その侵攻能力は敵対陣営からすれば恐怖でしかない。

 

 

 

「ザクの時の多機能さを一つにまとめ、ありとあらゆる戦場での適応能力を完成させたわけか。武装を切り替えて迷走していた時期を脱し、ようやく『これ一機でどこへでも行ける』という答えに辿り着いたんだな。……ベタ褒めしたくはないが、ザフトの技術屋どもの執念には恐れ入るよ」

 

 

 

 東アジアが「防衛特化」という鎖を自らに巻き、大西洋連邦が自爆ショーを繰り返す中、プラントはこの最新鋭機たちをコンパスの主力として送り込もうとしている。

 

 

 

 彼らがコンパスを「新兵器の実験場」として利用しているのは明らかだが、こちらもその高性能機を使わせてもらえるなら文句はない。現場のキラやシンなら、この機体のポテンシャルを120%引き出してみせるだろうしな。

 

 

 

「……とはいえ、軍事的な進化がこれほどまでに速いのは、背後にそれ相応の意志があるからだ」

 

 

 

 

 俺は画面を切り替え、プラントの現最高評議会議長、ワルター・ラメントの顔写真を映し出した。

 

 

 

 数回話し合ったが、個人的には嫌いじゃない人物だ。温厚で紳士的な非戦派。デュランダルという劇薬に酔いしれたプラントを落ち着かせるには、これ以上ない適任者だろう。……だが、政治家としての彼は、その柔和な微笑みの裏に恐ろしく「抜け目のない」計算、打算を隠し持っている。

 

 

 

 その最たるものが、コンパスへの露骨なまでの「無償の協力」だ。

 

 

 

 コノエ艦長やハインラインといった、ザフトでも最高級の「至宝」とも呼べる人材を惜しげもなく送り込み、新型機のデータ共有まで進んで行う。それなのに、目に見える対価を一切要求してこないんだ。

 

 

 

 

「タダより高いものはない。……全く、嫌な攻め方をしてくるよ」

 

 

 

 

 対価を要求されないからこそ、こちらとしても「恩義」という形で譲歩せざるを得なくなる。貸しを作らせてくれない代わりに、巨大な「借り」をオーブの、あるいは俺の肩の上に積み上げていくやり方。実に老獪だ。

 

 

 

 少し前の「ナスカ級」の件だってそうだ。

 

 

 

 カナードたちの母艦として、ザフトの象徴的な高速戦闘艦であるナスカ級を要求した際、ラメント議長は申し訳なさそうに「現用艦の引き渡しは、国内のタカ派を刺激するため不可能だ」と回答してきた。

 

 

 だが、そのすぐ後にこう付け加えたんだ。

 

 

 

「……しかし、修復中のメサイア周辺の、ジャンク屋どころか我々も含め立ち入りを制限している危険なデブリ区画。そこに偶然にも、比較的原型を留めたナスカ級の残骸が漂着しているという報告がありましてね。オーブのサルベージ技術なら、あるいは……」

 

 

 結局、俺たちはその「残骸」を自分たちで回収し、修復する羽目になった。体裁としては、プラントは何も提供していない。

 

 

 だが実際には、危険なデブリ区画の「後始末」をオーブに押し付けつつ、実質的に戦艦を一隻融通し、さらに「恩」まで売ってきたわけだ。金払ってデブリの掃除をさせてもらった分、こちらも残骸のMSは結構な数回収させてもらったが……なんと言うかラメント議長の掌の上で踊ってる感覚に陥ったさ。

 

 

 

「実質的な軍事援助を『ゴミ拾い』という名目にすり替えて、こちらの喉元に恩義のナイフを突きつけてくる。……ラメント議長、あんた本当に『非戦派』かよ?」

 

 

 

 地上の東アジアが防衛の盾を固め、宇宙の戦闘機で睨みを利かせる。大西洋連邦が自爆ショーで自壊し、その責任追及で四面楚歌に陥る。

 

 

 

 そしてプラントは、ラメントという狡猾な紳士の舵取りの下、次世代のスタンダードを握りつつ「オーブのお友達」としての地位を確立しようとしている。

 

 

 

 

 ……どいつもこいつも、一筋縄じゃいかない連中ばかりだ。

 

 

 

 とはいえ、そのプラントとて一枚岩の楽園ではない。表面上の平穏の裏には、ナチュラルとコーディネイターという種族間の消えない火種が今も燻っている。特にジャガンナート国防委員長。あいつはもう、俺やコンパスという存在に対する嫌悪を隠そうともしないんだから。

 

 

 

 いっそ清々しいほどの敵意だが、組織を預かる身としてはたまったもんじゃない。先日もラクスが通信越しに「ジャガンナート委員長との折衝が難航しておりまして……」と、珍しく弱音というか、遠回しな愚痴をこぼしてきたほどだ。

 

 

 カガリがオーブ国内を担当し、俺が前線や地球の国外を担当しているのならラクスの担当は各コロニーやプラントと言える。自身のせいでミーアのような少女を生み出した事に彼女は責任を感じ、折衝を積極的に担当してくれているが……。

 

 

 はっきりと言う。ラクスは未熟だ。いや、能力がと言うわけではなくプラント内での折衝に関してはという枕詞を付けた上でだ。

 

 

 スパロボなどでの媒体では外交官であったり、プラントで政治家をしていたりするケースもあって勘違いしがちだが、彼女はSEED時代は逃亡生活、運命時代も概ね潜伏と実の所、交渉だとか外交だとかいった事にはそれ程関わってはいない。

 

 

 

 それでも総裁としての仕事をこなしているのは彼女が優秀である事や、ミーアのような存在を生み出した責任感。それに加えてキラが戦うことを選んだことも含め、彼女自身の覚悟の上だろう。

 

 

 その辺りを完全に忘れたせいで、彼女の口から愚痴や弱音を聞いた時は流石に反省するしかなかった。ラクスはいくら優秀であってもまだ十代の少女、原作のカガリの様に自身を追い詰め溺れる可能性もあるのだから。

 

 

 

 

(そうか……ラクスもカガリもまだ十代なんだよな…)

 

 

 

 

 だから、俺はこうアドバイスしてやった。流石にまだ二十にもなってない女の子相手に何言ってんだという相手への苛立ちと、ラクスが『教祖』ではなく普通の女の子である事に気づけなかった罪悪感。

 

 

 そして何より、皮肉と敵意を隠さない委員長をこのまま放置しておけば仕事が増えるだけだと実務的な意味での助言だ。

 

 

 

「いいかラクス。そういう時は、徹底的に『正論パンチ』で殴り合うんだ。あいつの言っていることは一見もっともらしいが、中身を剥けばただの感情論でギャーギャー喚いているだけだ。何より、奴は国防委員長であって、独立組織であるコンパスの運営に好き勝手口出しする法的権限なんてこれっぽっちもない」

 

 

 

 元の世界で例えるのなら国防委員長は日本の防衛大臣で、防衛大臣が制裁や開戦云々と決める権利があるのかと言えば答えはNO。

 

 

 結局、国防委員長の上にはプラント評議会、そしてラメント議長がいる辺りどれだけ彼が喚こうとコンパスへの制裁や嫌がらせをプラントとして行う事なんて不可能だと俺はラクスに説明する。

 

 

 

 ラクスはひたすら黙って耐え続けてたそうだが、権限もない奴が喚いても虚しいだけだ。いっそ俺みたいにクーデターでも引き起こしてから文句を言ってみろ!いやマジでクーデター引き起こしたら洒落にならないからごめんやっぱ無し!!

 

 

 

 「ラメント議長だって、内心ではあいつの暴走を苦々しく思っているはずだ。だから『シビリアンコントロールを理解できない時代遅れは黙っていろ』くらいの勢いで反撃してやれ。政治の場では、黙っている方が負けなんだからな」

 

 

 

 それを聞いた時のラクスの、あのポカンとした顔。……まあ、清楚な歌姫様に「黙れクソジジイ」と言えと教唆したようなもんだからな。

 

 

 

 だが、後日の報告によれば、彼女は本当に(もっと上品な言葉に翻訳してだが)正論でジャガンナートを完封したらしい。

 

 

 

「『……ユウナさんの仰った通りにいたしましたら、委員長が真っ赤な顔をして黙り込んでしまわれました』なんて嬉しそうに報告してくるんだから、あの歌姫様も大概だよ」

 

 

 

 よほどムカついていたのか、彼女の中に眠っていた「ラクシズ」としての苛烈な本能を呼び覚ましてしまったのか。どちらにせよ、コンパスのトップがそれくらい図太くなってくれないと、俺の仕事は増える一方なんだから。

 

 

  ……ふぅ。そんなまだ19歳の女の子に、俺の代わりに政治的に殴り合えなんて。最低なことを言い出している自分に気づいて、思わず深い溜息が出る。だが、コンパスのトップがそれくらい図太くなってくれないと、結局すべての汚れ仕事が俺のデスクに積み上がるんだ。これも平和のため、そして、俺の睡眠時間と三半規管のためだ。許せ、ラクス。

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、最後に残った特大の爆弾……「ユーラシア連邦」について整理しておくか。

 

 

 

 ここは大西洋連邦や東アジア以上に、現状は「火薬庫」そのものだ。表面上はオーブやコンパスに対しても比較的友好的な態度を見せてはいるが、その内情はズタズタと言っていい。

 

 

 

 その元凶こそが、今まさに世界を揺るがしている 「ファウンデーション・ショック」だ。

 

 

 

 元々はユーラシア南部に古くから存在していた小国に過ぎなかったファウンデーション王国、某種無し浮気チンポ野郎時代の対ユーラシア連邦政策によって、秘密裏に多くの独立欲求の高い地域に支援を行っていたようだが、その中の一つがその国だ。

 

 

 

 メサイアの激闘から間も無く、束の間の平穏を世界が謳歌している中でファウンデーション王国は突然の独立を宣言する。更にあろうことか、それを武力で阻もうとしたユーラシア連邦の正規部隊を、真正面から返り討ちにしやがった。

 

 

 まるで日露戦争の焼き写しと言うような、この「小国が巨人を追い払った」という事実は、ユーラシア全土に凄まじい衝撃を与えたのは言うまでもないだろう。

 

 

 

 これに勇気づけられた、ロゴス崩壊やブレイク・ザ・ワールドによる戦災の傷も癒えてない、中央政府に不満を持つ各地の勢力が次々と独立運動を開始。ユーラシア連邦政府は現在、これら無数の反乱への対応に追われ、国力は著しく弱体化している。これが、いわゆる「ファウンデーション・ショック」の正体だ。

 

 

 

 とはいえ、腐っても大国であるユーラシアとの全面対立を望む国はどこにもない。ゆえに、ファウンデーション王国の独立を公式に承認する国は、現時点ではほとんど存在しないのが実情だ。オーブとしても、ここで軽率に首を縦に振ればユーラシアとの国交が断絶しかねないからな。

 

 

 

 しかし、そんな政治的な孤立とは裏腹に、あの国の技術と経済の発展速度は異常なほどに凄まじい。ブレイク・ザ・ワールドの被害やロゴス崩壊の余波。更に独立戦争によって少なくない痛手を受けたはずだというのに、信じられないほどの短期間で復興を果たし、今やファウンデーション王国は宇宙にまで拠点を築きつつある。

 

 

 

 

 

 公開された首都イシュタリアの近代的な摩天楼を見ていると、まるでお伽話の魔法でも使ったかのような錯覚に陥るが……その「魔法」の正体が、俺の胃を最高にキリキリさせてくれる。

 

 

 

 あろうことか、あの国は「デスティニープラン」の公式採用を公言していやがるんだ。

 

 

 デュランダル議長の失脚と共に、あの計画は「個人の自由を奪う狂気の沙汰」として葬り去られたというのが世界の、少なくとも表向きの常識だったはずだ。だがファウンデーションはそれを国策として拾い上げ、「選択式デスティニープラン」という絶妙に耳当たりのいい名前で再定義した。

 

 

 

 個人の自由意志を尊重しつつ、遺伝子的な適性に基づいた役割を提示し、社会全体の最適化を図る……。建前はどうあれ、その結果があの異常なまでの復興スピードだ。適材適所を極限まで突き詰めれば、国家というシステムはこれほどまでに効率化されるのかと、正直背筋が寒くなる。

 

 

 

 

 そして最悪なことに、この「成功事例」がプラントの過激な連中だけでなく、一部の穏健派の心にすら「……デュランダルは正しかったのではないか?」という危険な種火をくべ始めてやがるのだ。

 

 

 

 「自由と平和のためにデスティニープランを否定したはずなのに、そのプランを採用した国が最も平和で豊かに見える……。皮肉を通り越して、質の悪い嫌がらせだな」

 

 

 

 

 

 俺はアイスコーヒーの最後の一滴を啜り、暗いモニターに映るファウンデーションの旗を睨みつけた。

 

 

 

 

 東アジアは盾を固め、大西洋は自爆の余波に喘ぎ、プラントは新時代の技術に活路を見出し、そしてユーラシアの残骸から「デスティニープラン」という亡霊を纏った理想郷が産声を上げている。

 

 

 

 

 さて、情勢の説明に関してはこれで本当におしまいだ。これ以上考え続けたら、明日の朝、鏡の中に映る自分の顔がさらに老けて見えるに違いない。

 

 

 

 数日後にはザフトからあの「ギャン」だの「ゲルググ」だのといった、新型試作機体が届いてシンとハイネが合流する事になる。

 

 

 しかも預けていたストフリまで帰ってくるんだ。新造艦はまだ完成していないとはいえ、これで戦力的にはマシになる事を信じよう。

 

 

 

 

 

「シンにも色々話したい事はあるしな…というかプレゼントは何にしようか?ベビー用の防弾チョッキとか売ってるか?」

 

 

 

 

 

 なんてIQが最高にバカになる事を考えつつも、ベッドにそのまま横になる。願わくば少しでも平和な一日を迎える事を信じながら眠りにつくことになるんだが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ねぇ、あれー、おかしいなートダカ君? あのストライクフリーダム動いてるよね? まだ出撃命令とか一文字も出てないよね? つまり、これって……」

 

 

 

 

「……ユウナ様。あれは、強奪されてますね」

 

 

 

 

「頭ガトーかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

 

 

 

 数日後、まさかのストフリ強奪騒ぎが起きてしまい。俺の平穏はあっという間に終わりを迎える事になったけどなぁ!!!

 

 

 





 流石に毎日投稿は気合いでやってきたけどそろそろ厳しいかも…。


・ザフトのシールド装備
 ギャンはMMI-KX8E4 自航防盾の代わりにドッズライフルの対抗策としてオーブと類似したシールドを「リーマーシールド」の開発に成功。どちらも高速回転させるがオーブ方式は敵の攻撃に合わせて細かく動かして入射角をずらして運動エネルギーごと敵の攻撃を受け流すのであれば、ザフト方式は敵の攻撃を瞬時にオーブ式よりも物凄い速さで逆回転させる事でガリガリとドリルを削って無力化する方式。

 当然オーブ以上にエネルギーは消費するが、DBのクリリンの気円斬のように攻撃に転用可能であったり。確実性という意味ではこちらの方が上。とは言えどちらもエネルギーを馬鹿喰いするので、量産機には向かずにエース用の少数生産機になるか改良して更に別のドッズライフル対策の必要があり。結局ドッズライフルの対抗策は「当たらなければ、どうと言うことはない」しかありません。

・プラント
 ボレロの試験としてゲルググを。リーマーシールドの試験としてギャンをコンパスに提供予定であり。恐らく劇場版開始時にはギャンもゲルググもボレロとリーマーシールドを装備しているはず。

 ラメント議長が穏健派という事もあってオーブとは上手くいっており国内も比較的安定しているが、ファウンデーション・ショックの影響で戦後に損失を埋めるかの様に入隊した兵士や、メサイア攻防戦の際に地上に残留していた兵士を中心にデスティニープランの是非について議論される事も多く、火種も少なからず存在する。


・ユーラシア連邦
 ファウンデーション・ショックの影響で各地で独立派が活動しており結構治安が危うい地域。オーブとの関係は良好とはいえ、反乱を叩き潰せばさらにまた反乱が起きると言う悪循環に陥っており、コンパスもデリケートな問題であるがため中々介入出来ずに荒れている。大西洋連邦への非難が増えたのは国内の不満のぶつかるのにちょうど良かったのかもしれない。新型MSは開発中ではあるがそれよりも国内の安定の為に今日も何処かで血が流れている。


・フリーダム強奪事件
 本編の情報が皆無な為、完全にオリジナル。コンパスメンバーではなくユウナやジュール隊が頑張るお話になる予定です。

ユウナのアコード対策について。果たしてユウナはアコードの無力化の為になりふり構わない外道な手段(ユウナ視点)を取るべきか?

  • 原作通り。
  • 平和の為に覚悟を決める。
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