破滅フラグしかないボンボンに転生してしまった件 〜グフに踏み潰される運命なんて、全力で回避してやる!〜《完結》   作:kiakia

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第二十二話 ヴィランコンビ

 

「マジかよ……」

 

 

 

 ユウナは膝から力が抜けそうになるのを、辛うじて踏みとどまる。

 

 

 視界がぐらりと揺れる。世界中から歌姫として崇められ、平和の象徴として君臨するラクス・クライン。その彼女が、他者の意志を書き換え、操り、挙句は「部品」として使い潰すあの凄惨なシステムの一部として設計された存在だというのか。

 

 

「そういうことはさぁ……! もっと早く言えよ……!」

 

 

 

 絞り出すような声で、ユウナは目の前の神官になろうとしていた男を睨みつける。しかし、やがて怒声の中には諦めに似た乾いた笑いが混じってしまう。

 

 

 

「いや、アンタのことだ……『聞かれてもいないことに答える必要はない』とか、そんな風に澄まし顔で抜かすんだろうけどな。畜生がよぉ……」

 

 

 

 ユウナの自嘲気味な皮肉に対し、デュランダルは否定も肯定もせず、ただ穏やかに目を細めた。その静かな肯定こそが、ユウナの苛立ちをさらに加速させたが、同時にこの男の「底知れなさ」を再認識させる。

 

 

「おや、私をよく理解してくれているようで嬉しいよ。……だが、言葉だけでは不十分だろうね。これを、見るといい」

 

 

 デュランダルは手元の電子フォトフレームを軽く操作し、一枚の写真をホログラムとして空間に浮かび上がらせた。

 

 

 そこには、どこか現実味を欠いた、しかし確かな過去を切り取った情景が映し出されていた。

 

 

 柔らかな陽光が降り注ぐ、どこか牧歌的な庭園。その中央で、周囲の子供たちとは明らかに一線を画す、高貴な意匠の服を纏った一人の少女が立っている。

 

 

 

 無邪気ながらも幼い容姿に似つかわしくない、聡明さと自尊心が隠しきれない、純白の衣装に身を包んだ無垢な子供たち。彼らこそが、アウラの手によって「神の代行者」として産み落とされたアコードたちだ。

 

 

 

 

「……これが、アウラとアコード……。メンデルの後も、交流があったのか?」

 

 

 

 ユウナの問いに、デュランダルは懐かしむようにその写真を見つめた。

 

 

 

「ああ。メンデルでの研究が表向き瓦解した後も、彼らは定期的に私を訪ねてきたのだよ。アウラは自らの『最高傑作』を私に見せびらかし、その優秀さを誇示することをこの上ない喜びとしていたからね。私もまた、彼女が産み出したアコードという種が、どのような変遷を遂げるのか……その観察には、抗いがたい知的好奇心を感じていた。それは否定しようのない事実だ」

 

 

 

 デュランダルはゆっくりとソファから立ち上がると、窓の外に広がる人工の星空を見つめた。漆黒の宇宙に点在する光の粒は、プラントが作り出した偽りの輝きだ。その虚飾の星々を映す彼の瞳には、懐旧の念とは異なる、かつての冷徹な選別者の色が混じっていた。

 

 

 窓ガラスに映るデュランダルの表情は、どこか遠い。彼は指先で窓の冷たさをなぞりながら、かつての同志――あるいは狂った創造主について、静かに、そして重く語り始めた。

 

 

「だが、結局のところ私とアウラが真に交わることはなかった。彼女と私は、同じ景色を見ていたようでいて、その足元は決定的に乖離していたのだよ」

 

 

 彼の背中から漂うのは、完成を目前にして潰えた理想への未練ではなく、むしろその欠陥を見抜いていた者の諦念だった。

 

 

 

「私がデスティニープランに求めたのは、完璧な調和だ。遺伝子によって定められた役割に従い、計画的な経済、無駄のない社会、そして誰もが分相応の幸福を享受できる停滞した平和……。それは個人の情念を廃した、巨大な社会機構。システムそのものだった」

 

 

 

 デュランダルは一度言葉を切り、自嘲気味に肩を揺らした。

 

 

 

「対して、アウラが望んだものは、あまりに原始的で、あまりに傲慢な『支配』だった。彼女はアコードという種を、世界を統べる王座に据えようとした。だが、たとえどれほど優秀に設計されていようとも、アコードとて人であることに変わりはない。……人である以上、そこには必ずエゴが宿り、欲望が芽生える」

 

 

 

 

 彼は振り返り、ユウナを真っ直ぐに見据えた。その眼差しは、アコードという「新人類」の限界を冷酷に射抜いている。その背後に落ちる影は、柔らかい間接照明に照らされてユウナの足元まで長く、重く伸びている。

 

 

 

「アウラという絶対的な母がいなくなった後、次の世代、その次の世代のアコードたちは、果たして自らの能力を『世界のため』だけに使い続けられるだろうか? 否、力は必ず腐敗し、新たな争いの火種となる。そんな不確定な要素を、私は信じることはできなかったのだよ」

 

 

 デュランダルの声が、一段と低く、熱を帯びた。

 

 

 

「だからこそ、私はデスティニープランの完成には、感情に左右されない機械やAIによる統治が必要だと考えていた。そして同時に、皮肉なことにね……完璧な新人類などではなく、この世界の不条理に本気で絶望し、戦争や歪みを心の底から憎む『人間』こそが、プランを推進する上でも最も大切だと」

 

 

 彼の脳裏には、かつて己の傍らにいた少年少女たちの姿が浮かんでいたに違いない。

 

 

「私にとっての支えは、アコードのような造られた神ではなかった。自らの足で歩み、生きた痛みを知る者……それが私にとっては、レイやシンだったのだよ。……戦火に焼かれ、大切なものを奪われ、それでもなお明日の平和を渇望する生きた『痛み』……。彼らこそが、私の描く計画に血を通わせる唯一の希望であり、彼らの流した血と涙こそが、システムに命を吹き込むはずだった」

 

 

 

「……だから、あのラクス・クラインの暗殺未遂事件か」

 

 

 

 ユウナは乾いた声で指摘した。喉の奥がヒリつくような感覚がある。

 

 

 

 かつてプラントが、そしてデュランダルが放った暗殺部隊。キラとラクスを追い詰め、巡りに巡ってオーブを戦火に巻き込むきっかけとなったあの忌まわしい事件の真実が、ようやく形を成して目の前に現れたのだ。

 

 

 デュランダルは静かに、しかし深く頷いた。

 

 

 

「その通りだよ。私の計画にとって、アコードでありながら表舞台で過剰なまでの光を浴びてしまったラクスの存在は、あまりに危うかった。彼女を旗印として利用され、アウラたちの『支配』がデスティニープランに介入する前に、彼女を歴史の表舞台から排除しておく必要があったのだよ。……平和の歌姫という偶像が、アコードという種を呼び込むための呼び水になることを私は恐れたのだ」

 

 

 

 デュランダルは自嘲するように、傍らの空になったグラスを見つめる。彼は最初からアコード達を信用しておらず、自身の駒であるレイやシンに賞賛と敬意を抱いていたのだ。

 

 

 確かに彼らは駒ではあった。しかし、彼らの歩んだ道筋は恒久平和に繋がり、その礎になると神官としてこの男は期待していたのだ。確かに傲慢かもしれないが、その信頼は本物であるとユウナは改めて理解する。

 

 

 

 

「無論、キラ君たちが私の邪魔をすることも予想はしていたし、それも含めて盤上を整えていたつもりだった。だが、結果としては……ご覧の有り様だよ。イレギュラーである君の存在により、私は全てを諦めて鳥籠の中で余生を過ごしている。この生活は悪くないが、最早私には何もできないね…」

 

 

 そう切り上げたデュランダル前議長は、さて私の友人はこの情報をどう上手く料理するんだ?と言わんばかりの期待の表情を向けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あまりの情報量に、脳がミシミシと悲鳴を上げている。

 

 

 

 こめかみの辺りを指で強く押さえるが、鈍痛は引かない。

 

 

 

(はあ!? ラクスが新人類……アコード? しかもデュランダルと理想を違えた連中が、その裏で糸を引いてるってのかよ)

 

 

 

 前世の知識でさえ、ここまでのドロドロとした裏設定はカバーしきれていない。

 

 

 一体なんだってんだ、メンデルの連中は。完璧なコーディネイターを作るとか言いながら、結局やってることは「荒らし・嫌がらせ・混乱の元」を詰め合わせた、最悪のハッピーセットじゃないか。キラに、カナード、そしてラクス。あそこから生まれた連中が、この世界の均衡をことごとくブチ壊してやがる。

 

 

 これは元からあったアニメの設定なのか?それとも俺が転生したこの世界独自に生えてきたものなのか?SEED世界は余りにも真偽不明の情報が多いが仮にアニメ放送時期の設定だとするのなら俺の生前に公開してくれよ!!と叫びたくなったわ!!

 

 

 

 俺は深く、深いため息を吐き出し、乱れた呼吸を整えた。目の前の男は、すべてを失った敗北者として、この豪華な檻の中に座っている。だが、その知恵だけは今なお研ぎ澄まされ、世界の裏側にある淀みを、俺よりも遥か先まで見通している。

 

 

 

 

 俺は椅子を蹴らんばかりの勢いで立ち上がり、ふかふかの絨毯を乱暴に踏みしめてデュランダルの瞳を真っ向から射抜いた。

 

 

 

「……アンタの理屈はもういい。過去の答え合わせも、もう十分だ。改めて聞かせろ、ギルバート・デュランダル。アンタは今、どちらの味方なんだ?」

 

 

 

 新人類による王朝を作り出し、他者の意志を上書きして支配しようとする、あの邪悪な連中を支持するのか。それとも、泥にまみれても足掻こうとする俺たちの側なのか。

 

 

 

 ループしているクラシック音楽の旋律が、今は不吉な秒読みの音にしか聞こえない。俺の刺すような視線を真正面から受け止めたデュランダルは、一瞬、呆然としたように目を見開いた。

 

 

 

 

 完璧だと思っていた彼のポーカーフェイスが、見たこともないほど脆く、劇的に崩れる。

 

 

 

 

「……ここまで説明してもなお、君には私がまだ敵に見えるのか……」

 

 

 

 

 その呟きは、掠れていた。

 

 

 かつて全人類を言葉一つで導こうとした傲慢な光は霧散し、そこにあるのは、信じていた友に裏切られた子供のような、あるいは自らの存在意義を根本から否定されたかのよつな、ひどくショックを受けた顔だ。

 

 

 

「いや……確かに、私が今まで積み上げてきた罪を考えれば、そう疑われるのも無理はない。……当然の報いだね」

 

 

 

 ふっと力なく目を伏せ、目に見えて肩を落とすデュランダルの姿に、俺は毒気を抜かれた。あのアスラン・ザラをも翻弄した言いくるめの天才が、俺のたった一言でここまで露骨に落ち込むとは思わなかったのだ。

 

 

 

 

(えっ……あ、待て。そんなにガチで凹むのかよ。……まずい、言い過ぎたか?)

 

 

 

 

 

「……すまん、今の言葉は取り消す。アンタを疑いたいわけじゃないんだ、ただ状況がクソすぎて、誰を信じていいか分からなくなってるだけで……」

 

 

 

 俺が慌てて頭を掻きながら謝罪すると、デュランダルは自嘲気味な笑みを浮かべ、再び窓の外に視線を投げた。その横顔には、もう先ほどの弱々しさはなく、どこか遠い記憶を愛おしむような慈愛が宿っていた。

 

 

 

「……先日ね、レイがここへ来てくれたのだよ」

 

 

 

 

 唐突な話題に、俺は言葉を呑んだ。

 

 

「彼はひどく嬉しそうだった。シンとルナマリアに赤子が産まれそうだと。そして……私に向かって嬉しそうに、自分はその子の名付け親になって欲しいと頼まれたと報告してくれてね。新しい命が芽吹き、それを伝えにきた時の彼の瞳は、どんな『調律』よりも美しく、希望に満ちていた」

 

 

 

 デュランダルは、まるで壊れ物を扱うような手つきで空のグラスを見つめる。

 

 

「そんなレイの姿を見てもなお、再び戦火を広げ、意志を奪い、世界を冷たい理数の中に閉じ込めようとする彼らに、私が就くと思うかね? ……あり得ないよ、ユウナ君。私が当初志したプランは、人類の未来を守るためのものだったはずなのだから」

 

 

 

 その言葉を聞いて、俺は少しだけ口角を上げた。いやそんな理想だったか?いや少年時代から考えてたプランだったはずだがそこまで夢想していたというのなら、コイツは案外ロマンティストなのかもしれん。

 

 

 

 ……そもそもデータバンクを敷き詰めた機動要塞にメサイア(救世主)なんて名付けてる辺り間違いねぇわ。

 

 

 

「……なんか、美化してないか?」

 

 

 

「ふふっ、そうかな?」

 

 

 デュランダルは悪びれる様子もなく、どこか少年のような茶目っ気を感じさせる笑みを返してくるが、その誓いは、静かだが重い。

 

 

 だが、かつての野心は消えても、彼の中に残ったレイへの想いがアコードたちの狂気を明確に拒絶しているのが分かっただけで充分だ。

 

 

 

 

 

(……信じて、いいんだな。この男を)

 

 

 

 

 俺は肺に残っていた重い空気を、すべて吐き出した。背負い込んでいた正体不明の恐怖が、この男の言葉によって輪郭を持ち、対策すべき「敵」へと変わった感覚だろうか?

 

 

 

 

 

 それにしても、妙な話だ。

 

 

 

 前世の知識で言えば、この男は間違いなく「ラスボス」だった。世界を停滞した平和で縛り上げ、主役たちの意志を阻む巨大な壁。そんな男とこうして膝を突き合わせ、あまつさえ「共通の敵」を倒すための共闘関係を結ぼうとしている。

 

 

 歴史の皮肉か、それとも俺がこの世界を掻き回した結果か。結果的には史実のヴィラン同士が手を組んでヴィランに立ち向かう勝手に戦え!な構図だろう。まぁ史実のデュランダルと比べると俺は小物みたいなもんだが。

 

 

 

「ヨシっ……アンタの知恵を借りる。……その代わり、出し惜しみは無しだ。アコードの連中が、オーブに手を出そうってんなら、徹底的に叩き潰す。あんな野郎どもの好きにはさせない。俺は自分の命と平穏の為に。アンタはレイ達の未来の為に。一回限りの共同戦線だ」

 

 

 

 

 俺がそう告げると、デュランダルは満足げに深く頷き、再びソファに身を沈めた。

 

 

 

 

「頼もしいね。……では、始めようか。まずは、彼らが用いる先読み、精神干渉への具体的防護案からだ。私の知識が、君達の助けになればいいのだが」

 

 

 

  豪華な独房の中に、奇妙な連帯感が生まれていた。

 デュランダルには、禁忌の地メンデルで培われた「アコード」に関する生きた知識がある。そして俺には、前世で培った「サブカルチャー」という名の、フィクションが予測した数々のメタ知識と、それを具現化するためのオーブ内での政治的コネクションがある。

 

 

 

(やってやるさ……。アンタのデータと俺の知識、使えるものは全部使い尽くして、ファウンデーションの連中の鼻を明かしてやる……!)

 

 

 

 新人類という傲慢な看板を背負った連中の計画を、徹底的に、再起不能なまでに邪魔してやる。俺は握りしめた拳の熱を感じながら、静かに、しかし激しく燃える決意を胸に刻み込むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから、数ヶ月の月日が流れた。陽炎が揺れるオノゴロ島の軍事港に、その巨体は静かに、しかし圧倒的な威圧感を伴って姿を現す。

 

 

 

新造戦艦ミレニアム。

 

 

 海面を割って進むその艦体は、かつて大戦を駆け抜けたザフトの至宝、ミネルバ級の設計思想を色濃く継承しながらも、オーブと大西洋連邦、そしてプラントの技術が複雑に、かつ洗練された形で融合している。

 

 

 

 真新しい装甲が南国の強烈な日差しを跳ね返し、巨大な翼を休める怪鳥のようなその威容は、間違いなく現時点において艦艇としては世界最強と呼ぶに相応しい戦闘能力を秘めていると国内外に示している。

 

 

 接岸の衝撃を吸収する重厚な音が響き、巨大なハッチがゆっくりと開放される。冷やされた艦内の空気が白く吹き出す中、タラップを降りてきたのは、一分の隙もない軍服に身を包んだ男、アレクセイ・コノエ艦長であった。

 

 

 ユウナは潮風に前髪を弄ばれながら、その凛とした歩調を見つめていた。数ヶ月前、プラントの特別拘留施設で「世界の裏側」を覗き見て以来、彼の肩にかかる重圧は以前の比ではなかったが、今はそれを表に出すことはない。コノエが目の前で立ち止まり、鋭い敬礼を捧げるのであった。

 

 

「お久しぶりです、セイラン副総裁」

 

 

 

 落ち着いた、しかし鉄のような芯の通った声が響く。新たに任命されたミレニアムの艦長、アレクセイ・コノエの瞳には、幾多の荒波を乗り越えてきた指揮官特有の、静かな理性が宿っていた。

 

 

 

「予定よりわずかに早い到着となりましたが……無事に、この『新しい翼』をオーブの地まで届けることができました。本艦はこれより、世界平和監視機構コンパスの主力艦として、任務に就く準備を整えます」

 

 

 

 ユウナは僅かに口角を上げると、端正な所作で敬礼を返した。その瞳は、眼前の指揮官の頼もしさを歓迎すると同時に、目の前に鎮座する「鋼鉄の怪物」への、抑えきれない高揚感に焼かれていた。

 

 

 

 

「歓迎するよ、コノエ艦長。長旅ご苦労だった。ミネルバの面影はあるが、中身は別物だな……いや、期待以上の仕上がりだ」

 

 

 ユウナは努めて冷静な政治家の顔を保っていたが、その内心は荒れ狂うほどの興奮に包まれていた。前世の記憶、そしてこの世界での知識が、目の前の巨艦のスペックを脳内に書き出していく。

 

 

 

(……これだ。これだよ。あのミネルバの後継艦を、この目で見られる日が来るとはな)

 

 

 

 視線の先にあるのは、単なる移動要塞ではない。戦艦の常識を覆すほどの、戦闘機並みの急旋回を可能にする異常な機動性。一撃で戦局を塗り替える陽電子砲『タンホイザー』は拡散射撃すら可能となり、単艦での大気圏離脱・突入能力までも備えている。

 

 

 さらに、死角を埋める有線式ガンバレルの迎撃用の連装対空砲塔群に、トドメは艦首を物理的に叩きつけるラムアタックだ。それに加えて複数の艦砲を無力化するジェル状の防護装甲や、簡略化しつつ複数の艦艇やMSと少数の人員により密度の濃い通信が可能となっているなど全てにおいてその能力はC.E世界最強にふさわしい艦艇。まさにコンパスの象徴にふさわしいと言えるだろう。

 

 

(最早これは戦艦の皮を被ったモビルアーマー……いや、それ以上の何かだ。これ一隻で戦場のルールを書き換えてしまう、究極の暴力装置だ。よくもまぁこんなもん作ったもんだよ技術者達も)

 

 

 

 そのあまりに過剰で、あまりに美しい「兵器」としての完成度に、ユウナは背筋が震えるのを感じた。サブカルチャーの知識を持つ彼からすれば、これほど男心をくすぐるロマンの塊はない。オーブの技術力とコンパスの理念が、ここまで凄まじい「答え」を導き出したことに、彼は深い感動すら覚えていた。

 

 

 

 

 ユウナは視線をコノエへと戻し、穏やかに、だが有無を言わせぬ調子で告げる。

 

 

 

「コノエ艦長。歓迎の式典が終わったら、早速だが俺の執務室へ来てくれ。この艦の運用、そして今後のオーブの立ち回りについて……君とは、誰よりも早く、深い話を詰めなければならないと思っている」

 

 

「……了解しました、副総裁。この艦に恥じぬ働きを約束しましょう」

 

 

 コノエが再び力強く敬礼する。ユウナはそれを見届けながら、心の中で次なる盤面を描いていた。世界最強の盾と矛を手に入れた。ならば次は、これをどう振るい、迫りくる「闇」を払い去るか。

 

 

 

 潮風が運ぶ潮の香りと、新造艦特有の鉄の匂い。それらが混じり合う軍事港で、ユウナの反撃の火蓋は、静かに、しかし確実に切られた。

 

 

 

 

 

 

 

「……正気か?」

 

 

「そう思われても仕方ない。確実だが人の道に外れるのがA案、一線は超えないが最低なB案。準備は私が行おう。ユウナ君はどちらかを選択してほしい」

 

 

 

「……A案で。確実に地獄に堕ちるな、俺達は」

 

 

 

「違いない。その時はまた二人で再会しよう」

 

 

 

「あの世までお前と一緒なのはヤダなぁ…まぁこれが俺の仕事なら割り切る、か」

 

 

 





 なおこの数ヶ月の間ほぼセイバー改は改装され、ムラサメ改にもツインドッズライフルや二枚いたとバレルが配備され始めたそうな。なお書く余裕がないかもしれませんのでネタバレすると、レイはシンとルナの名付け親になって欲しいと言われた時号泣して二人を困惑させた後。一日でも長く生きるための健康管理がより一層厳しくなり、デュランダルもまた独房でテロメアを伸ばすための研究を行なってるそうな。

ユウナのアコード対策について。果たしてユウナはアコードの無力化の為になりふり構わない外道な手段(ユウナ視点)を取るべきか?

  • 原作通り。
  • 平和の為に覚悟を決める。
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