”ユニウスセブン”。
其は”地球連合”と”プラント”双方の国家にとって重要な意味を持つ地である。
”ナチュラル”と”コーディネイター”が決定的な亀裂を示した場所であり核を放たれた悲劇の地…戦争開始を示す始まりのモニュメントだ。
戦後に双方の国家によって結ばれた”ユニウス条約”の後”プラント”は部隊を派遣、管理その場に眠る被害者達を戦没者墓地やアプリリウスにある墓地に埋葬し史跡として管理し”地球連合の暴挙を忘れない為の悲劇の地”という名目は
一方の地球連合からの非難の対象となっており撤回を要求されていたが断固として拒否されていた。
その”ユニウスセブン”の保全…という名目で監視団を地球連合…大西洋連邦は【B.L.U.E.M.】を派遣し共同での保全作業を行おうとするが拒否されており宙域に入ることすら拒まれている。
世界は平和になったが両者の溝は今だ深いままであった。
◆ ◆ ◆
死者たちが眠る”ユニウスセブン”。静寂、という言葉が当てはまるこの場所で動きが見られた。
監視、管理しているザフト艦は三隻。ナスカ級一、とローラシア級二がその役を担っておりその異常に気がついたのはナスカ級”ガニメデ”の通信官だった。
接近する熱源を関知し振り返ろうとするが次の瞬間に随艦であるローラシア級が火の玉となって撃墜される。
敵襲だ!となり”ガニメデ”に鳴り響きアラートを受け搭載機である”ゲイツR”と”ザク”達が出撃する。ここに集められた兵士達はヤキンを生き抜いたベテラン達であるそれらは乗り慣れた機体を扱えば連合の最新鋭機すら迎え撃てる程の実力者達だったが今回の襲撃は文字通り”相手が違った”のだ。
続々と出撃するモビルスーツ達を食らい尽くしていく其は暗礁の影に隠れて姿を捉えられないまま”ゲイツR”と”ジン”が破壊されていく其は敵がビームライフルを装備していることを理解しパイロットが「連合か!?」となったが其は裏切られた。
パイロットの一人が敵機の姿を捉えた。
「なん、だ」と言い終える前にその命を散らし艦防衛のモビルスーツは全てを撃墜され残ったローラシア級も攻撃を受け轟沈する。
そして最後に残った”ガニメデ”は艦橋に現れた正体不明のモビルスーツの攻撃を受け潰されバイタルパートに引火し”ユニウスセブン”に散らばる残骸の仲間入りした。
「他愛もない。やはり偽りの世界を謳歌するもの達に我々は止められん」
男性は破壊された残骸を見てそう呟く。その声色には侮蔑するような色が乗せられていた。
「始めろ。工作隊は各所フレアモーター作動を開始しろ。本国にいる部隊は?」
『整っています。後は指示あるだけです』
指揮官と思わしき男はザフトレッドのパイロットスーツを着用していた。
同じデザインの機体と”ジン”に似た機体達は男が指揮すると統率が取れた動きで”ユニウスセブン”へ散って作業を開始する、同時に指示を出し今ごろは”プラント本国”は大慌てだろう。
我々の象徴を取り戻す…安寧というぬるま湯に浸かった同胞の目を覚まさせなければならないのだ!
「さぁ…行け!我らの始まりのモニュメントよ…!我らの怒りを愚鈍なる”ナチュラル”と裏切り者の”コーディネイター”達へ裁きの鉄槌を下すのだ…!」
破壊された”ガニメデ”の視界に最後に映ったのは紫と黒を配色された鎧武者のような見た目の一つ目のモビルスーツと其に付き従うのは其に酷似した機体だ。
静寂に包まれた”ユニウスセブン”。
嘗ては砂時計型のコロニーを支えるシャフトは無数に伸びる手のような其がクリスマスツリーの如く輝き胎動し始め周辺に散らばっている残骸を砕き始めた。
其は破られ新たなる”火種”として動き出そうとしていたーー。
◆ ◆ ◆
「…!?」
「なんだって!?」
士官室にやってきたタリアとデュランダルが持ってきた知らせは想像を絶するものでありこの場にいる全員が目を見開いたのは当たり前の事だろう。
「”ユニウスセブン”が動いている…!?いったい何故!?」
驚き問いかけるカガリに流石のデュランダルも表情を固くして返答する。
「其は分かりません。ですが動いているのです。其も地球へ向けかなり危険な速度と軌道で…」
「……(何故”ユニウスセブン”が?あれはザフトの特務隊が管理していた筈…いったい何故!?)」
一方でその報告を受けたエアリスは困惑していた。
「議長…あそこにはでザフトの部隊を派遣していた筈です。其も手練れが…その者達の通信はついているのですか?」
恐る恐る問いかけるとデュランダルは首を横に振った。
「…残念ながら。先ほどから常駐監視団の部隊からの定期連絡が途絶えているのですよ。何かしらの事故があった、と我々は考えています」
「なんですって…!?」
即ち、何かの事故が起こったに違いない、と言いたいのだろうが其は第三者からの攻撃があった、と言う他無い。
が、ここで告げるのは混乱をもたらしてしまうためエアリスは口つぐんだ。
「動いている、と言うことは既に本艦でも確認しました」
タリアが補足するように事実を裏付けた。其を聞いて立ちすくんでいたアスランが問いかける。
「しかし…何故こんなことに!”ユニウスセブン”は百年は安定軌道に入っていた筈です。其が何故…」
「分かりません。しかし、動いている、と言うのは事実なのです”地球へ向かって”」
その言葉にこの場にいる全員の背筋が凍る。
あれだけの質量…地球へ落ちたらひとたまりもないだろうことは想像できるだろう。
(地球寒冷化…人の住めない星になる、か…十中八九”ザラ派”だろうけど…首謀者のサトーは拘束されていた筈だ)
戦後に一度拘束監禁されたパトリック・ザラを奪還しようと一部ザフト軍が離反しようとしていたのを事前に察知したクライン派がエアリス達と協力しパトリックやメイアを信奉していたサトーやロラン達を拘束して”プラント本国”の最高刑務所である”アルカトラズ”へ収容した筈だ。
其なのに悉く裏目に出て歯がゆい思いをする「これがバタフライ・エフェクトか…」と頭を抱えた。
言葉を失うカガリを他所にデュランダルは滑らかな弁舌を繰り出す。
「原因の究明や回避手段の模索に、”プラント”は今全力をあげています」
その言葉にエアリスは空々しいものが駆け抜ける。「これも作戦のうちか?」とこれから起こる出来事を考えれば必要な犠牲なのかもしれないがそうはさせない。
「またもやのアクシデントでアスハ氏やレインズブーケ氏、ラクス様にご不便をお掛けしますが、まもなく終わる修理を持って”ミネルバ”にも”ユニウスセブン”へ向かうように特命を出しました」
「勿論です議長。あれが地球に落ちれば人が住めない惑星となるでしょう…そんなことは絶対阻止しなくてはなりません。その事に関しては連合政府に連絡は?」
そう問いかけるとデュランダルが頷いた。
「ええ、既に。ホットラインでレインズ大統領へ事を伝えましたところ連合宇宙軍の派遣を決定したとのことです。並びに既にオーブ政府へ連絡を」
流石に手は早い、と思った。
父に話が通っているのなら来る連合艦隊は自分がよく知る者達だろう、と。
「分かりました。私も指揮官として派遣艦隊に合流し”ユニウスセブン”落下阻止へ協力させて頂きます」
敬礼しそう告げるとデュランダルは小さく微笑んだ。
「貴女が協力していただけるのは大変ありがたい」
隣に立つタリアがその言葉を引き継ぐように告げた。
「部隊と合流できますようこちらも便宜を働かせて頂きます。”ミネルバ”は脚自慢ですのですぐにでも合流できるでしょう」
「ありがとうございます。グラディス艦長(”ユニウスセブン”を砕くために…”あれ”を持ってきて貰わないと…私とシンの機体は乗せてあると思うけど…)」
恐らく派遣されるであろう母艦と愛機達の事を考えていた。
「あ、ラクス。ちょっと良い?」
「はい?なんでしょうか…」
「ちょっと…」
後の事を考えて”作戦”を打つことにしているとタリアたちは怪訝な表情を浮かべていた。
◆ ◆ ◆
「けど、なんであれが!?」
レクリエーションルームに集まったクルー達も”ユニウスセブン”の知らせを聞き騒然としていた。ヴィーノがすっとんきょうな声を上げヨウランが最もらしく仮説をたてた。
「隕石が衝突したか、何かの影響で軌道がずれたか…」
「地球への衝突コースってのは……本当か?」
クリスも同じく神妙な顔で問いかけると赤い髪色の少女であるメイリンが頷く。
「うん…バートさんもそうだって…」
同じ髪色を持つルナマリアが頭を少し掻き上げると溜め息を吐く。
「”アーモリー”での騒ぎも片付いてない、ってのに今度は”ユニウスセブン”のコレ!?本当に勘弁してよもう…!」
その言葉を聞いてクリスは確かに、と思っていた。”アーモリーワン”での強奪騒ぎに”ユニウスセブン”落下…この二つの関連性はないだろうが…自分達の周りでとんでもないことが起ころうとしていることは間違いはなかった。
「で、今度はその”ユニウスセブン”をどうしたら良いわけ?」
議長達と別れ一旦レクリエーションルームへ向かう五名。
エアリスとシンは並んで会話をしていた。
「しかし、なんであれが急に動き出したんですか…?あれって移動しないように宙域に軸固定して重力装置がついていたはずじゃ…」
「ここで大っぴらに話せる内容じゃないのよ…シン」
「す、スミマセン…」
”ザフト”の艦の内部で”ザラ派ザフト軍が暴れている”なんて口が割けても言える筈がない。
シンもその事に薄々感づいているようだがそこまで迂闊ではない…筈だ。一応口をつぐんでくれたけれど。
「しかし、あれをどうやって…」
その問いかけにエアリスとレクリエーションルームにいるレイの言葉が一致していた。
「砕くしかないわ」/「砕くしかない」
その返答にシンが目を丸くする。
「く、砕く…ってあれを、ですか!?」
「ええ。落下が阻止できなければ砕くしかないわ。あんなものが地球に落ちたりでもしたら寒冷化は免れない。破片ひとつでも海に落ちれば高波…地震の比じゃない津波が発生する。其こそ高層ビルよりも高い津波が全部を飲み込む…其こそ”世界の終わり”よ」
「……」
そう告げるとシンはごくり、と息を飲む。この落下阻止作戦が重要なことだと理解したようだ。
一方でその発言を受けたヴィーノとヨウランは顔を見合わせた後驚愕した顔を浮かべた。
「で、でもデカイぜぇ?!あれ、ほぼ半分に割れてるって言っても、最長部は直径8キロはあるぞ!?」
「そ、そんなものどうやって砕くのぉ!?」
「だが、地球に衝突すれば文字通り”世界は終わる”…そこに生きるもの達は全て死者と化す」
”ユニウスセブン”の質量が落下すれば凄まじい爆発が起こるのは想像に固くない。その言葉にレクリエーションルームには冷え冷えとした沈黙が降りた。
「なにも…残らない?」
クリス小さく呟いた。
記憶にある故郷の美しい光景が甦る。あれが全部消えてなくなる?その事を考えると郷愁の心など捨てた筈なのに何故か痛んだ。それに伴って地球の人々の命が消えてなくなることを感じ全身が寒々しく感じる。
その空気に耐えかねたヴィーノが口を開きヨウランが尤もらしく肩を竦めた。
「地球、めつぼー…?」
「だな…」
そして、わざとらしい口調を作って言い放つ。
「でもしょうがねぇんじゃねぇ?不可抗力だろ」
その言い分にクリスは何故かムッとした。不可抗力?そんなわけあるか!あれはザフトの精鋭達が保護、監視していた筈の其が動く筈がない、きっと其は…何者かが…。
「けど、変なゴタゴタがなくなって案外楽かもよ?あれが落ちれば…俺たち”プラント”には…」
彼の毒舌を、その時鋭い声が怒りを孕んだ声が咎めた。
◆ ◆ ◆
「不可抗力だろ?けど、変なゴタゴタがなくなって案外楽かもよ?あれが落ちれば…俺たち”プラント”には…」
”ユニウスセブン”落下、その話の最中差し掛かったレクリエーションルームの前で会話が聞こえた。
その内容は落下して色々なことに片がつく、といった心ない言葉を耳にしたシンはその若い心に無自覚な悪意が突き刺さり燃焼し爆発する。
(仕方ない、だと!?一大事、だって言うのになんでそんなことが言えるんだ?)
「あっ、シン…!…ああ、もう…!」
駆け込むようにレクリエーションルームに入っていくシンを見てエアリスは手を伸ばすが一歩遅く。
本編カガリのように怒鳴り込む。声の主、ヨウランに対して鋭い声を飛ばした。
「よくもそんなことを言えるな!お前ッ!!」
ヨウランは飛び上がり、クリス達も焦って声の方を見るとそちらの方向にはシン・アスカ、とか言う少年が鬼気迫る表情でその発言の主へズンズンと近づくのを確認し睨み付けていたがその後ろにいるメンバーを見て目をそらした。
後ろにから続くメンバーはどれもコレもVIP級の面々ばかりでありレイは冷静に敬礼して他のメンバーは気まずそうな表情を浮かべ姿勢を正していた。
「しょうがないだと?案外ラクだと!?」
シンは怒りのままに言い詰め寄る。
「コレがどんな事態を引き起こすのか、地球がどうなるのか、どれだけの人間が死ぬことになるのか分かってるのかよ!?どれほどの国家がコレを阻止しようとしているのか!」
畏まっていた皆の顔にうんざりした表情が漂う。その言葉は正論でありそれ故に退屈な説教の言葉のように響いた。
しかし其は彼らにとっては”冗談”であり場の空気を解すための只の会話でしかない。
「いや、其は…ただの冗談で…」
其を他国の…敵国である兵士の一人に言われるのは面白くない。その言葉を聞いて売り言葉に買い言葉…ではないがクリスは反論しようとする言葉を出そうとする。
「じゃああんたたちの故郷に隕石が落ちても地球の人たちが「仕方ない」って冗談で言って許せるのか?違うだろ!」
なにも知らない奴が好き勝手に言うな…故郷を侵略した軍の奴が正義感を振り回して味方面か?ふざけるな!?とそう口を開きかけたその時だった。
「シン、落ち着いてください」
緊迫した空間に声が響く。
その人物へ視線が集まりヨウラン達の陰鬱とした気分が持ち上がったのは後ろにいる自分達の国家の象徴たる人物が口を開いたからだ。
「ら、ラクス様…」
「ラクスさん…」
「…確かに彼の発言は不適切なものですが心からの発言ではありませんよ。シン。其は分かっていますね?」
「はい…」
ラクスに窘められ不承不承、と言った感じに頷くシンを見てそらみたことか、と心がスカッとしたクルー達であったが次の言葉と視線で気を引き締めた。
「ですが…今の状況で尚且つ市民の命を守る軍人の方々が発して良い言葉ではありませんわ」
ラクスの穏やかな表情の中にある刺すような鋭い視線はヨウラン達の背筋をピン、と張らせる”威力”があった。
「”ユニウスセブン”の落下はなにも地球に住むだけの人々たちの被害を被る訳ではありません。”プラント”に住まう人々も影響が出るのです」
ラクスは言葉を柔らかい声色で真実を突きつける。
「…地球には私たちの同胞である”コーディネイター”も住んでいるのです」
「「あっ…」」
その事にヨウランが声を上げた。全員が気がついた。失念していたのだ。
確かに”プラント”…宇宙に住まう
「其だけではありません。今”プラント”は国家として承認され生活を営んでいます。しかし”プラント”全国民6000万人を養うためのエネルギー、資源、食料…その1日に消費されるものは途方もないものであり複数基のコロニーを費やし食料生産やエネルギー生産施設に改造したとしても全てを賄うことは叶いません…」
其が事実であった。
戦後”プラント”は正式に国家として承認され様々な国家と貿易を行い国としての体裁を保っている。
もしその”地球”が失われたら?
其は火を見ることより明らかだ。
宇宙に本拠地を置いている”プラント”はエネルギーや地球で食料品を輸入に頼っている状況でありその全てを賄い切れているわけではないのだ。
その最大の貿易相手である”地球”…そしてそこに帰属する国家が失われれば国として干からびるのは間違いない。
そしてそのヨウランの言葉は地球へ住む”コーディネイター”達へ死ね、と言っているものだった。
「地球が失われればナチュラル、コーディネイターに関係なく滅びの一途を辿るのです。国防を担う者たちとしてその事をどうか、お忘れなきよう。…心無き言葉は時として兵器以上の強力な武器となるのです」
ラクスはなにも知らない無垢な少女でない。
人一倍に戦争に対し向かい合いその役目を全うしている。
”プラント”の特別評議員の一人であり戦後新設された国家再生戦略室室長として活動し”プラント”の現状を誰よりも理解している人物なのだ。
「発言お詫び申し上げます。レインズ大佐」
その人物がそう告げラクスは頭を下げた。その方向はエアリスへ向けて。自分達のトップに立つ人物が頭を下げている光景にその事に驚くクリスたちであったがコレは事前に《(打ち合わせ)》していたことでありお互いに公的な立場として会話している。
事を荒立てずに丸く納める、という作戦だったのだ。…シンが突っ込んだことで本編と同じことになりかけたのだが。
「お気になさらないでください。ラクス様。元はと言えば此方の兵士が感情のまま発言したのが問題でした。この件に関しては共に地球へ落下する”ユニウスセブン”落下阻止に全力を尽くす事で手打ちと致しませんか?」
「ええ。寛大な心遣い感謝致します。大佐。わたくしも”プラント”国家再生戦略室室長としてお約束致します」
「無論我々”オーブ”も部隊を派遣しこの事態に対応することに尽力することを約束する」
そしてカガリも手を握りこの未曾有の危機へ対応すると誓う地球連合軍の高官とプラント高官、そしてオーブ高官の会話は属する兵士たちの意識を事態へ集中させる。
その中でカガリの言葉にクリスは呟いた。
「日和見主義の国家がそんなこと約束したとして叶えられるとは到底思えねぇな」
「ッ…今お前…」
「シン、いい加減にしなさい…」
「…っはい」
クリスもカガリに対する自分の発言が聞かれてるとは思わずシンの反応に驚くが隣にいたエアリスに言い含められているのを見て驚いた。
ヨウランもこの場面を見てシンとエアリスへ自らの軽はずみな発言を謝罪する。
エアリスはあっけらかんと「今は目の前の事を解決することに一緒に尽力しよう」と告げると自らの言葉を許されたことにほっとしていた。
「…なんだ?」
そのやり取りが終わりレクリエーションルームに残されたのは
「…別になんでもねぇ」
「いや、明らかに『お前に話がある』って感じの視線だったぞ…」
「るせぇ!男がちいせぇ事を基にするんじゃねぇ!」
「いや、理不尽だなおい!」
ツッコミ返すシン。なんだ?となっているクルー達はその様子を見守っている。
「いや、本当に気にするな…」
「なんなんだよお前…其にさっきお前なんであんなこと言ったんだ…?」
純粋な”疑問”だった。その問いかけにクリスはばつが悪そうに頬を掻いて少し考えたあと口を開いて答えるのではなく逆に質問した。
「…お前、どこ出身だ?ナチュラル?コーディネイターか?」
「はぁ?なんで急に…ってそれいきなり聞くか…?」
「良いから!答えろよ…じゃねぇと答えねぇぞ…」
この時代でそんなことをいきなり聞いたり詮索はタブーとされているのだがこのがさつな少女はそういったことは関係ないらしい…それが更に先程の事に対しての怒りが鎮静していくのを感じ取ったシンだったが彼も律儀であり返答する。するとクリスの顔色が変わった、気がした。
「オーブ、コーディネイターだ。其にお前じゃない。シン、シン・アスカだ。」
「なに…?」
「お前は?そっちから聞いたんだからそっちも答えるのが筋だろ?」
覚えてやがった…とその事にクリスは舌打ちしたくなったが彼女もまた律儀だった。
「…クリスだ。クリス・アマネ…私も…オーブだ。…それよりなんでお前オーブにいたのに連合の部隊にいるんだ?国を焼いた敵なのに…」
そう問われシンは頭を掻いたのはどう説明すれば良いのか、と。
少し悩んだ後に口を開いた。
「…俺、二年前のオーブと連合の戦争に巻き込まれた。オノゴロ島の戦いに」
「…ッ!!」
クリスは息を飲んだ。こいつもあの戦争に…”オーブ”にいた?
だとするなら何故こいつはどうして地球軍の部隊にいるのだ?疑問が頭の中を埋め尽くそうとするそのときにシンが言葉を繋げる。
「戦闘の最中だった。連合の一部隊が軍事規定を破ってその先の避難艇…非戦闘員へ攻撃を仕掛けたそのとき付近にいた俺たち家族は巻き込まれそうになったんだ。そのとき別の連合のモビルスーツが庇ってくれて難を逃れたんだ」
その話を聞いてシンも自分と同じタイミングで脱出を図ろうとしていたことを知る。
「お前も…あの場所にいたのか…?」
「ん…?お前も…?」
「ッ、ああ、いや…なんでもねぇ…続けろよ」
「…?まぁいいや…其で俺たちを助けてくれたのが俺の師匠…【B.L.U.E.M.】の部隊だったんだ。俺は憧れたんだ…師匠に。俺が強ければオーブになんか攻め込ませることを許さなかったんじゃないか、力があれば今まで以上に人を守るんじゃないか、って…」
「……」
クリスはシンがエアリスに向けて親愛と敬意の熱を浮かべた言葉と表情を向けているのを見て黙ってしまった。
似ているのに何かが決定的に違う、と。その事にクリスは言いようもない感情を抱いた。
「お前も知ってるだろうけど師匠たちの部隊とラクスさん、そしてオーブは戦争を終わらせた。戦争が終わった後あの人に押し掛けて弟子入りした。大切な人や
「なんで…」
「…?」
「なんでそんなに割りきれる…?私たちの国を焼いた国の軍だぞ?其なのにどうして…」
追求にシンは眉をひそめるがふと疑問が確信に行き着いたシンは問いかけた。
「…お前はオーブのことが好きなんじゃないか?今でも…」
「ッ!?ざけんなッ…!誰が…あんな国を!アタシの両親はオーブに殺されたんだッ!あんなことを言っておいて犠牲を出す理念なんて…糞食らえだッ!」
吐き捨てるように告げるクリスはシンの言葉を言わせないように遮りレクリエーションルームから出ていく彼女へ手を伸ばすがとどめることは出来なかった。
「あ、ちょっ、おい…お前、其は……」
掴み無く空を切る右手を握りしめ悔しさが溢れ出す。自分が当時モビルスーツに乗っていたら…なんてものはたられば、に過ぎない。其に彼女が同じ場所にいて少しでも掛け違いがあればその立場は自分達だったことに戦慄する。
自分ももしかしたら”オーブ”に対してそんな憎悪を募らせるかもしれない
(苦しいな……其にしてもクリスの名字…何処かで…?)
彼女の顔とファミリーネームを見て何処かで、と記憶の片隅から引っ張り出そうとしたが思い出せない。
何処かで見たことがあるような…。
(今はそのままにしておくしかないか…一先ずはあの物体の破砕作業に集中しないと…)
◆ ◆ ◆
其々が”ユニウスセブン”へ向け動き出していた。
地球連合宇宙軍基地”エンデュミオン基地”。
そこは地球連合は前大戦で破壊された”プトレマイオス基地”の代わりに建造したエンデュミオンクレーター跡地に建造された”エンデュミオン基地は宇宙軍第八艦隊と特務部隊【B.L.U.E.M.】の宇宙での拠点となっていた。
同基地内宇宙港第三ターミナル内部。
港内部の停泊ドックに両舷が突き出した特徴的な形をしている其は従来の地球連合の船舶とは異なる形状をしていたが歴とした地球軍宇宙攻撃艦の一隻である。
宇宙のような漆黒の色をした船体は美しく威容を誇り今でこそ修繕を施され新品同様となっているが数多の激戦を潜り抜けた歴戦の戦艦だ。
C.E73時点では旧型艦に分類されるが各所を火器管制、通信機能を最新へアップデートしており今でもその火力と機動性は従来の連合製艦艇やザフト軍艦艇と比較して圧倒的な火力を誇っている。
”アークエンジェル二番艦”【ドミニオン】。
本来の歴史であれば”ヤキン・ドゥーエ”で同型艦である”アークエンジェル”の特装砲を受け轟沈していた筈だがエアリスがいることでその歴史から外れたのだ。
「艦長」
「どうした」
「軍司令部より通達です」
オペレーターの問い掛けに”ドミニオン”の艦橋に声が響く。厳格とした固い女性の声だ。
中央に位置する座席…艦長席へ座る女性はオペレーターの男性より若い…まだ二十代後半だ。
白と蒼を基調とした制服と制帽を乱れなく着こなす美女はその襟元の階級章は”大佐”を示す。前大戦を経験し着任したばかりのピりついた雰囲気は無く歴戦の貫禄を醸し出すその女性艦長である。
地球連合特務部隊【B.L.U.E.M.】第一部隊旗艦”ドミニオン”艦長が今の彼女の職場だ。
「グリニッジ標準時一二○○より”ドミニオン”は出向し破砕装置”ブリオネイク”を搭載して”ユニウスセブン”破砕作業を”プラント”並び”オーブ宇宙軍”と共に実施せよ、とのことです」
その知らせを受けた艦長は顎に手を当てて考えた後にオペレーターへ問いかける。
「了解した。モビルスーツ及び艦の状態はどうか?」
「モビルスーツ並び予備パーツ含め【ブリオネイク】に関しては発進までには間に合います」
満足のいく言葉に艦長は次の指示を出す為にインターフォンをとって艦内通信を行った。
「了解した、と報告。全艦へ通達。本艦はこれより”ユニウスセブン”破砕作業を行う為発進する。各セクションのクルーは持ち場につけ!」
そう告げると”ドミニオン”とその周辺が騒がしくなる。
<”ドミニオン”への補充作業を開始せよ。【ブリオネイク】の予備パーツ含め設定値を機体に設定せよ…>
<七番ゲート発進を停止します。発進は”ドミニオン”が優先です…>
着々と準備が進み”ドミニオン”は遂に発進の時が来た。
<三番ゲート解放、”ドミニオン”発進準備完了…>
号令が艦橋へ響き渡った。
「”ドミニオン”発進する!月面を離脱後推力三十パーセントで進路マーク三五インディゴに向け前進。宙域突入まで第二戦闘配備、パイロット各員は待機せよ」
◆ ◆ ◆
一方その頃。
オーブ連合首長国資源衛星”へリオポリス”
ここは前大戦の最初期、極秘裏に建造されていた連合の”Xナンバー”を強奪するためにザフト軍との戦闘の折、被害を受け内部の土砂や空気が放出され人が住める空間では無くなっていた。
しかし、戦後に被害を受けた”へリオポリス”は再生計画を立ち上げ技術を惜しげもなく投じられたコロニーは数年掛かる、と言われた被害は一定まで回復し人が戻り今はオーブ宇宙軍艦隊の泊地としても利用されていた。
オーブ軍”イズモ級三番艦【スサノウ】”
再編されたオーブ宇宙軍第一艦隊の所属艦であり旗艦である”クサナギ”と同型の性能を誇る宇宙戦艦だ。
”ドミニオン”と同じく軍本部より指令を受け部隊を伴って”ユニウスセブン”破砕作業のため”へリオポリス”から出撃していた。
少しの航海の後”ユニウスセブン”宙域へ差し掛かる。
(まさか…またここに来るなんて…)
「しかし、まさか”ユニウスセブン”が動いているとは……動ける部隊が我々だけとは言え中々に厳しいものがありますな」
艦長である一佐が隣の座席に座る人物へ声を掛ける。
「ええ。ですけどここで踏ん張らないと帰る家が無くなってしまいますからね…」
艦長とは親子の差程ある年齢差…年はまだ二十代にも満たない少年と言っても差し支えない若さだがその身に纏うオーブ国防軍の制服の襟元には”准将”と言う似つかわしい階級を示していた。
「ですな。私も孫が生まれたばかり。孫だましも出来ない内に死ぬのはごめんです」
そう冗談を告げる艦長に少年は笑みを浮かべる。だがその胸の内は確固たる意思が燃えている。
「既に”プラント”が破砕作業へ向け向かっている、と聞いています。戦闘は無いと思いますが念のため僕の機体と”オオツキガタ”は戦闘ステータスでの出撃を」
そういって少年は格納庫へ向かいエレベーターへ乗り込む。
「准将殿の機体の準備は良いか?総員第二種戦闘配備!各員の健闘を祈る」
”ユニウスセブン”にて三国の戦艦が集まろうとしていた。
…そして、”英雄達”が集結する。
◆ ◆ ◆
同時刻。”ユニウスセブン”宙域付近にて。
修理を終えた”ミネルバ”はモニターに映し出される光景を見て艦橋にいる全員が息を飲む。
前方に映る前最長8キロの大地から延びるシャフトとメタポリマストリングが海を漂う巨大な越前海月のようなイメージを彷彿とさせた。
「既に”ルソー”と”ブルトン”そして”ボルテール”率いるジュール隊が【メテオブレイカー】を持って先行しているとのことです」
「ああ。此方も急ごう」
艦橋に入ってきたデュランダルへタリアが報告すると頷いた。既に此方の部隊が動いている。
其も精鋭中も精鋭である”ジュール隊”が先んじて来ている、というのはデュランダルもひと安心、と言った素振りだ。
「艦長、前方距離八○○に艦影二隻を確認。同時に両艦の発光信号”白”を受信。」
敵艦でないことを確認しタリアはひと安心する。が次なるバートの報告に驚きを隠せなかった。
「ライブラリ照合…これは…!」
「どうしたの?」
「え、あ、いえ…一隻はオーブ宇宙軍所属のイズモ級ともう一隻は連合宇宙軍所属アークエンジェル級です」
クルー達の表情に驚きの顔が浮かぶ。
イズモ級とアークエンジェル級、と言えば前大戦で戦争終結まで導いた英雄達の艦艇の艦種だ。
それらが破砕作業のために貸し出してくれた、と言うのは本気なのだな、と窺わせる。
その最中”ミネルバ”のモニターが点灯する。アークエンジェル級からの通信であり同じく”ミネルバ”の艦橋にいるエアリスは見慣れた顔がそこにあることを確認し安堵した。
まだ二十代前半の年若い女性…聞きなれた固い、だが聞くものからしてみたら其が確りと柔らかい声色だと理解できる。
<此方は連合宇宙軍【B.L.U.E.M.】所属”ドミニオン”艦長ナタル・バジルール大佐です。未曾有の危機に派遣されました。破砕作業、協力致します>
同時にモニターが二分割し今度はイズモ級からの通信が入る。此方は四十代後半に差し掛かったベテランな雰囲気を漂わせる男性艦長だった。
<此方はオーブ宇宙軍所属”スサノウ”艦長のヘイハチ・イーストエイトだ。地球の危機に助太刀に参った。よろしく頼む>
タリアも艦長として応答する。
「ザフト軍”ミネルバ”艦長タリア・グラディスです。破砕作業への協力感謝致します」
<我が軍も工作隊と精鋭を連れてきた。一先ずの打ち合わせを……ってエアリス?何故お前がそこに…!?>
タリアと会話しているとナタルがエアリスを発見し驚いているのは彼女は最新鋭艦の式典に出るために”アーモリーワン”へ向かっていた事を知っているからだ。其が何故破砕作業の艦に乗っている?
「色々あってね…シンもいるよ」
強奪事件があって、とは当事者だが他国の軍艦の艦長に説明は出来ない為言葉を濁すとナタルは察したのか頭を抱え「いや、良い…」と告げた後に後ろに控えているシンへ視線を向けると背筋を伸ばし敬礼する。
「アスカ少尉…君もか…」
「ハッ!も、申し訳ありません…」
「いや、そうじゃない。…君がいたのなら安心だな」
厳しいナタルとまだまだ未熟なシンの関係は中々に悪くない…飼い主と躾られている子犬のような関係だが。
グラディス艦長と議長へ視線を向けると会話することを許可され続ける。
先ほどの報告で破砕装置…例のあれと工作隊が揃っているのが把握できていた。
「私とシンの機体は?」
「…お前の機体は残念だがまだ最終調整中だ。アスカ少尉の機体は乗せてある」
「えー……?」
即ち、乗れる機体が無い、と言うことになり破砕作業へ参加できないことを示す。
(どうしよう…)
議長へ「協力します!」と告げた手前で参加できない、と言うのは格好が悪すぎるだろ、と思っていると議長が助け船を出した。
「大佐。宜しければ我が軍の”セイバー”をお貸し致しましょうか?」
「え、でもあれは…」
「議長…!」
グラディス艦長が反論しようとするが手で制する。
彼女が反論するのは当然なのは”セイバー”は”プラント”の最新鋭機であり最初に乗ったのは緊急事態であったからで其を再び乗せる、と言うのは一度の特例を再び許してしまうことになってしまうからだ。
議長は何食わぬ顔で了承して見せた。
「グラディス艦長。君の心配はもちろんだが今は一機でも作業出来る機体が欲しいのだ。其が手練れのパイロット、となれば喉から手が出るほどにね。議長特例でお貸し出し致します」
「…お心遣い感謝致します。議長」
議長へ頭を下げグラディス艦長へ目視で謝罪すると「仕方がないわね…」と若干の呆れを含まれた視線を返され苦笑いを浮かべるしか無かったのだが…。
「…一先ずはアスハ議員とその随員は其々の艦艇へ移動していただくとしましょう。宜しいですね?」
これ以上の厄介事を背負いたくない、と追い払うように移動して貰うことを決定する事を告げると其々の艦長が頷いた。ある意味でタリアの肩の荷が降りていた。
シンとカガリ達を其々の艦に移乗して貰うことを決定し行動を開始するその最中エアリスは一人”ミネルバ”へ残りロッカールームへ移動しパイロットスーツを着用していた。
「………キツい」
残っていた一番
押し込められているような感覚を覚えるが万が一の事もある、着用しておかなければならなかった。
(まさか私がザフトレッドのパイスーを着るとは…ね)
ロッカールームを後にしてメットを着用し先ほど足を踏み入れたモビルスーツデッキへ急ぐと艦内放送が響き渡っていた。
<モビルスーツ発進は三分前。各パイロットは搭乗機にて待機せよ。繰り返す。発進三分前。各パイロットはーー>
メイリンの声、アナウンスの流れる格納庫を鉄灰色へ変わっている”セイバー”へ流れるように向かう。
自分の愛機が使えないのは残念だが不遇と呼ばれた機体を使いこなすのも一興だろう。
「破砕作業、たって何をすればいいのよぉ…?」
”赤いザク”にて作業員と会話しているルナマリアはエアリスの姿を見て驚いていた。
流れた先の機体、”セイバー”へ取りつき主任のマッド・エイブスと会話している姿は初めからこの艦のクルーのような雰囲気を漂わせていることが少し可笑しかった。
「なんでまたうちの軍の機体を…?」
その疑問に話していた技師が返答する。
「どうやら議長が特例で貸し出したらしいぜ?」
「へぇ…ま、あれだけ自在に操っていたら
小生意気にそう呟くのを耳に聞き入れたエアリスは聞かなかったことにして”セイバー”へ乗り込みコックピットを閉じる。
<モビルスーツ発進一分前…>
レイの”ザクファントム”がガントリークレーンによって移動しカタパルトへ運ばれる最中にオペレーターの声色が一変し緊迫したものへ変わった。
<発進停止!状況変化!>
エアリスの疑惑が現実へと変わった。
(やはりか…!)
<”ユニウスセブン”にて”ジュール隊”とオーブ”イズモ級”から出撃した部隊が正体不明部隊と交戦中!>
前大戦の亡霊達が甦ったことを示していた。しかし、やることは変わらない。
<各機、対モビルスーツ戦闘へ装備を変更してください!…ッ!更に”ボギーワン”を確認!グリーン二五デルタ!>
「状況確認。メイリンさん発進後随時情報の更新を!艦長。我々の目的は破砕作業支援に変わり無し、ですね?」
他国の軍指揮官であっても今は”ミネルバ”の作戦に組み込まれている。勝手な行動は出来ないため確認するとメイリンは戸惑っていたがタリアは冷静に頷いた。
<りょ、了解しました>
<ええ。そうよ。本艦の行動に変わり無しだわ。宜しいかしら?>
「ええ。無論です。」
そう頷いていると先んじてクリスの”コアスプレンダー”が発進、続けて三つのパーツが出撃し合体し”フォースインパルス”となる。
レイとルナマリアのザクが其々”ガナー”と”ブレイズ”ウィザードを取りつけ作業を終えて出撃するのを見送り搭乗している”セイバー”がガントリークレーンに持ち上げられ左舷カタパルトへ移動する。
<戦闘になったが大丈夫か?>
発進を待っているとコックピットのモニターにハイネが通信を入れてきた。
その声色は案ずるような、挑むような口調に不敵な笑みを溢す。
「大丈夫です。今出撃した彼女達より戦闘経験は豊富だから」
そういって通信を切る。今は愛機でないことが悔やまれるが出来ることを出来る機体でやるしかないのだから。
<ハッチ解放、X23S”セイバー”エアリス機、進路クリアー発進、どうぞ!>
この場所に集うのはヤキンを生き抜いた猛者達だ。きっと状況を打破できる、そう信じ声をあげた。
「エアリス・レインズブーケ”セイバー”行きますッ!」
”ミネルバ”から飛翔したセイバーは鉄灰色からヴェールを脱ぐように色鮮やかな”深紅”へ変わる。
バレルロールしてモビルスーツからモビルアーマーへ変形し先行する部隊へ到達するようにスラスターを吹かし飛翔した。