婚約破棄令嬢殺戮超巨大ロボ -超人見知りな私でもコクピットにいれば安心ですわ- 作:生けもの
超巨大ロボットの足の裏が視界全てを覆い尽くす。そこで私の意識は途切れた。
「うっ、ここは…どこだ、私は一体……」
「ようやくお目覚めになられましたか、ぼっちゃん」
「ぼっちゃんはやめろ、私をいくつだと思っている。私は…」
そこで生・き・返・る・前の記憶を思い出した。
「そうだ、私はゴンザレス・ド・マドレーヌ嬢の超巨大ロボットに踏みつぶされて…」
「はい、それはもう蟻のように”ぷちっ!”とつぶされました。」
「それはいい、いやよくはないが。どうして私は生きている?」
死んだことを自覚した公爵様は、生き返った事が気になって執事のギャリソンに問いただした。
「ぼっちゃまがミジンコのようにつぶされた時に、超巨大ロボ『ジョセフィーヌ』の足の裏にへばりついていた肉片がございました」
「まさか、その肉片から…」
「そのまさかでございます。その肉片を培養して現在のぼっちゃまを復活させたわけです。いわば肉片ぼっちゃま、肉ちゃまでございます」
「…おまえ、私になんか恨みでもないか??」
「とんでもございません、私は誠心誠意、ぼっちゃまを尊敬しています(小声:あの令嬢と婚約出来るなんて)」
肉片から培養された私は本当に元の公爵なのだろうか?そもそもそれが出来るなら、この私が死んでもまた私は作られるのではないのか?
「あ、(ぼっちゃまの)ストックは99体ほどありますので気兼ねなくマドレーヌ嬢に踏みつぶされてください」
「ギャリソン~~~!!!」
おのれ、フランソワ・ド・マドレーヌめ、この私をミジンコみたいに潰しおって。
こうなったら、ただ婚約破棄するだけでは気持ちが収まらん!奴のライバルである、伯爵令嬢を偽の婚約者に仕立て上げ、悔しがらせてやろう。
「ぼっちゃま、声に出てます、それに陰険でセコイです」
「ギャリソン、お前、主人をボロクソに言いすぎてないか?」
公爵がマドレーヌ令嬢のライバルである、ジュリエット・ダ・ヴィンチ伯爵令嬢を訪れていた。
「ヴィンチ伯爵令嬢、ヴ・ィ・ン・チ・伯爵令嬢?」
「呼ぶときはフルネームか名前でお呼びください」
「んん、失礼した。ジュリエット伯爵令嬢、この度は私からの婚約の申し出を快く受け入れてくれて感謝する」
「私わたくしもあのフランソワ・ド・マドレーヌを悔しがらせることが出来るのでしたら、ご協力も惜しみませんわ」
睨んだ通りだ、この女はフランソワを心の底から憎んでいる。あの女への嫌がらせに惜しみない協力をしてくれるに違いない。しかしこの女、容姿も礼儀作法も問題ないのになぜ今だに結婚はおろか、婚約すらもしていないのだ?
「ところで公爵様、あの女…いえマドレーヌ嬢は今どちらに?公爵家の戦闘ロボを撃破して帝国に亡命したと聞きましたが…」
「ええ、目下の所居場所を捜索中です。ところでジュリエット伯爵令嬢、1つお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「はい、何でしょうか?公爵様」
公爵が意を決して、ジュリエット伯爵令嬢に誰何した。
「どうしてあなたも『超巨大ロボット』のコクピット越しに私と会話しているのでしょう。」
しかしジュリエッタ―MkⅡのコクピットは沈黙したままだ。嫌かすかに声が聞こえる。公爵が耳を澄ませその音を拾った。
「マリアンヌ、お紅茶のおかわりを…」
「かしこまりました。お嬢様」
超巨大ロボ ジュリエッタ―MkⅡのコクピット内ではジュリエットが午後のアフタヌーンティーを嗜んでいた。
淑女たるもの、お紅茶に精通してなくては、社交界で恥をかくというもの。
「ふぅ、やっぱりお紅茶は日〇紅茶ですわね、リプ〇ンも捨てがたいですが…」
「お嬢様、焼きたてのスコーンでございます」
ばりぼりごり…ぼり…ごくん。
「もういい、ジュリエット嬢、あのフランソワを悔しがらせるために、全銀河に向けて我々の婚約を宣言するのだ!」
「まぁ、それは良いお考えですわね!さすが公爵様ですわ。でもそれだけではあのフランソワは悔しがるでしょうか?」
「何だと?それはどういう意味だ」
「いえ、やはり悔しがるには私が婚約によって公爵様に様々なものを貢いでいただかないとダメだと思うのです」
「そっそうだな、では具体的にどんなものがいいだろうか。例えばドレスや宝石などだろうか」
多少高くついてしまうが、私のプライドを守るためだ。公爵家との婚約とはそんなに安くないと思い知らせられるなら… と公爵は考えていた。
「そのくらいですとあのフランソワは悔しがりませんわ、そうだ公爵邸を下さいませ。それなら少しは悔しがるかもしれませんわ」
ジュリエットがとんでもないものをおねだりして来た。