次回の投稿がいつになるかはわかりませんがちゃんと完結させたいと思いますm(._.)m
討也が杏子を気絶させて立ち去ってから、裏路地はしばらくの間微妙な雰囲気に支配されていた。
しかも、その雰囲気を作った当の本人はわけの分からないことを仄めかしてトンズラしたのだ。肝心な事は何一つ話さずに。もっとも、討也が何のことを言っていたのか、暁美ほむらとキュウべえは正確に理解していたのだが。
キュウべえは、それにしても討也はどこで、或はどうやってその情報を知り得たのだろうか?と考えて、すぐに思い直す。自分たちの情報だって知っていた、もしくはコチラの気付かない内に抜き取っていた相手だ、そもそも常識など通用する存在ではない。
そもそも、良く考えてみれば、魔女という存在が魔法少女から変化したものだと知らなければ、百江なぎさを魔女から人間に戻すなんて事をするはずがない。
『取り合えず、杏子をどうにかしないと、ここに置いていくわけにもいかないだろう?』
討也の事を考えても、意図すら掴めないと諦めたキュウべえは倒れている赤い魔法少女に視線を向ける。
「私の部屋に移動させましょう。私は独り暮らしだから……この中の誰かの家に移動させるより良いと思うの」
そう言うマミの言葉に、全員が頷いた。
「一人」暮らしが「独り」暮らしになっているが断じて悪意など無いのだ。
ちなみに、ほむらは他の者たちが杏子を運ぼうとしているのには手を貸さず、討也の後を追うことにした。
もっとも結局見つからなかったのだが。
「それにしても、チーズホントに好きなんだなぁ…あの子おかげで三日前に買ったのにもうなくなっちまったぜ」
と、ぼやきながら、討也はスーパーで適当にチーズをカゴの中にほうり込んでいく。
裏路地での一件からすでに二日が過ぎていた。
ちなみに、この間に原作からの流れが大きく変わり、杏子とさやかやマミたちが討也を探すために一時的に協定を結んだりしていた。
「オイ」
で、スーパーで買い物をしていた討也をまどかも含めた四人が見つけたのである。
「オイ」
もっとも、先程から杏子が話しかけているのに討也はガン無視である。
カゴをレジまで持っていって、会計を済ませ店を出る。
「それで?もしかしなくても魔法少女って基本暇な感じ?」
討也が立ち止まって振り返ったのは、人がいない小さな道路だった。
「聞こえてんなら無視すんじゃねぇよ!」
変身して魔法少女となった杏子が討也に槍を突きつける。が、討也がしたのは自分の心配ではなかった。
「お前達、さっきスーパーで買った物に傷ついたら全額弁償だからな?あ?マジだぞ?特にそこの赤いの」
何故かこのセリフを言うのに、いつもの楽しげな笑みを浮かべた顔ではなく無表情である。
単純にまた買いに行くのが面倒なだけである。
「………………………………………任せた」
しばらく槍を突きつけて固まっていた杏子だったが、三人任せて後に下がる。
任された三人の顔も心なしか引きつっているように見えた。
「さて、それじゃあ用件を聞こうかな?」
やっと、人外は楽しげに笑う。