学園都市の陰の実力者になりたくて! 作:99!ファンブル!
……なんかオレンジ色の髪をした、ヤンキーらしい姉ちゃんに絡まれた。
いや、僕が何かした……訳ではないはずだ。強いて言えば、飛んできたドローンがさっきまでの『意味深に呟く陰の実力者』ロールプレイに邪魔だったから、サクッと壊したけど……
……あれ? なんか、やたらガチャガチャしていて高そうだったし、それかも知れない。
まあ、仕方のない事だった。ステルス性がやけに高いとは言え、肉体改造された僕の耳にはプロペラ音が入って来る。
音からして近づいて来ている様だったし、僕の邪魔だから壊した。………そう、これは仕方のない事だったんだ。
せめて、ドローンの残骸は僕が
恐らく見た目からして高そうだし、マニアとかなら高く買ってくれるんじゃないだろうか?
まあ、兎にも角にも何とか機転を活かしてあの場を乗り切れたんだ。
フッ……やはり演技力は磨いておいて正解だった!
それにしても……やっぱ、未来的な場所といったら電磁なんちゃらとかを使ったバリアだよね!
あの六角形の青い壁は、いつ見ても心が躍る!
未来に機械にバリア、これは切っても切り外せないだろう。
最も、僕の考える陰の実力者は借り物の力になんて頼らない。そのためガチンコの戦闘でバリアは使わないが…………とはいえ、バリアというものはあるだけでプレイの幅を広げてくれる、大変素晴らしいものだ!
ノーベル賞でも上げたいね。……いや、もう貰っているかも知れないけど。
(いや〜、ここまで来たら光線銃が出てくれると嬉しいけど……まあ、現時点でも100点満点、花丸をあげられる出来だった)
そうルンルン気分で、僕は穴あきドームを後にする。
あの高揚感が少し尾を引くけど、ああいった場面は引き際を作らないと1日ぐらいならぶっ続けでも出来てしまう……その点あのヤンキーさんとの戦いでいい感じでケリがついたしね。
僕にとって時間は有限。できる限り無駄にしないのが吉だ! よく時は金なりというけれど、まさしくその通りだ。僕のロールプレイのための時間は、いくらあっても足りない程だし……
……ということで、僕はそれっぽいセリフを吐いてからあの場から立ち去った。
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「で、ここはどこ?」
そして僕は、絶賛迷っている。
上機嫌でスキップ……とばかりに、建物から建物へジャンプをしていたら、いつの間にか結構遠くまで来てしまっていた様だ。
…………なんで高い建物の間隔が遠くにされているのだろう?設計者を呼んできて欲しい。こんなのは陰の実力者のプレイに対する妨害だ。
ちなみに、周りはいつしか僕が気づかない内に周りは砂で覆われ、見渡す一面砂嵐である。さっきまでのアスファルトや鉄で出来た地面とは違い、鉄世界から砂世界にジョブチェンジしたようだ。
……にしても随分な荒れ具合だ。建物どころか人工物の影すら見当たらない。
「いや、この世界って未来的な何か……とかじゃないの?」
「……まっ、いっか!」
別にここがどんな世界だろうと関係ない。僕は陰の実力者としてしたい事をやるだけである。
少し疑問に思うが、特に思うこともなくあたりを見渡した。
……だが、特にそれと言ったものは見つからない。5キロほど離れたところに、建物が2軒あるくらいだ。
どちらも方角は真反対である。
僕は二軒の内どっちから来たんだっけ?
「えっと……ど・れ・に・し・よ・う・か・な……」
どうしようもないので、神様の言う通りで決める。
(まあ、どうにかなるでしょ……)
そう考えつつ、僕は、指の先に示された方向へと跳躍をしていった。
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ヒュン!と高速で風切り音を立て、指先の建物に向かって加速する。
え?なんで空中で加速してるかだって?
そんなの陰の実力者なら空くらい飛べないと話にならないからだ。
空からの攻撃を地に這いつくばって避ける……なんて事は、僕の考える陰の実力者はしない。
そのためだったら空だって飛んでみせる!……というのが僕の考えだ。
(さて、そろそろ着地かな?)
そう考えた僕は、減速をしようと向こうの世界から持ち込んだ改造スライムを翼状に展開する。空気抵抗を増やしつつ屋上へと着地するつもりだ。
それにしても我ながら便利な物質を見つけた物だ。魔力を抵抗なく通すばかりか、質量まで自由自在。まさしく大発明だろう。
僕の才能はエジソンをも超えるかも知れない……
ふふふ……そんな事を考えていたら、また陰の実力者ムーブが思い浮かんで……
「あっ……」
ガッシャーン!
……………そんな事を考えていたら、スライムの展開が0,1秒ずれた。
そのせいで、速度を殺しきれずに思いっきり建物に突っ込んで窓ガラスを破壊したらしい。
瞬間、僕の脳内に計算式が走る。…………窓ガラスの弁償代+一文なし=自分への損
(……よし、逃げるか……)
僕は即座に判断して窓から出ようとするが……
「おやおや……珍しい訪問を行うお方だ」
何やらスーツに身を包み、顔にヒビが入っている全体的に黒い人……人?が話しかけてきた。
心なしか、口角が上がっており、声のテンションも少し高そうだ。
奇しくも僕は、その人の机の前に佇むような形になっている。完全に目があった。
こうなると、僕も陰の実力者として引くわけにはいかない。
……もしかして詰んだ?……ヤッベ、金、どうしよう。
長くなりそうだったので分けます。
シド君のイカれ具合の描写と、ブルアカの設定を組み合わせるのが難しい……