シャインポスト Be your family   作:陽HARU

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3話

デキ婚後、約9ヶ月半。出産予定日2週間前

 

事務所のレッスンも今日は小夢さんお休み。

俺は午後から予定空けて、2人で病院の検診帰りに近所の公園ベンチに座ってる。

 

小夢さん、両手でお腹を支えながら、ちょっと息を切らして

「…重くなったなぁ、もうすぐだねぇ…

最近、寝返り打つのも一苦労なんだよね」

 

俺「だから言ったろ、無理すんなって。

今日はもう家帰って横になれよ」

 

小夢さん「うん…でもさ、ちょっとだけこの空気吸いたかったの。

事務所と家ばっかりじゃ息が詰まりそうで」

 

風が少し強めに吹いて、小夢さんの前髪が揺れる。

俺は自然と手を伸ばして、その髪を耳にかけてやる。

 

小夢さん「……ありがと。

こういうの、昔はマネージャーくんにやってもらってたよね。

楽屋でヘアセット直してくれたり」

 

俺「…ああ。あの頃はお前が『もっとキメて!』ってうるさくてさ」

 

小夢さん「にゅふふ、今は『もっと優しくして〜』ってうるさいママかぁ」

 

俺「どっちもお前だろ。根本的に変わってねぇ」

 

小夢さん、くすくす笑ってから、急に真剣な目になる。

 

「ねえ…怖いよ、ちょっとだけ。

ちゃんとこの子、無事に生まれてきてくれるかなって。

私、昔みたいに体動かせなくなっちゃうんじゃないかって…

アイドルだった自分、完全に過去のものになっちゃうんじゃないかって」

 

俺、黙って小夢さんの手を握る。

指先、ちょっと冷たい。

 

「…怖いのは俺も一緒だよ。

でもさ、お前がどんな姿になっても、俺にとっては

『キラキラしてた小夢』も『今のお腹抱えてる小夢』も『これからの小夢』も、全部同じ『お前』なんだよ」

 

小夢さん、目がうるっとする。

 

「…ずるい。こんなタイミングでそんなこと言うの」

 

俺「ずるくてもいいだろ。

家族なんだから、ずるく使ってでも安心させてやる」

 

そしたら小夢さん、俺の肩に頭を預けてきて、

小さく呟く。

 

「…この子に、ちゃんと伝えたいな。

『ママはね、怖かったけど、パパがずっとそばにいてくれたから頑張れたんだよ』って」

 

俺「……伝えよう。3人で、な」

 

---

 

生まれたてのひめちゃん(女の子)、まだ顔がふにゃふにゃで、

小夢さんの胸にくっついてミルク飲んでる。

 

小夢さん、産後の疲れで顔色は悪いけど、目はキラキラしてる。

 

「見て見て…指、ちっちゃい…

私の指より短いよ? 可愛すぎて死ぬ…」

 

俺「…お前が死んだら俺も死ぬからやめろ」

 

小夢さん「にゅふふ、ごめんごめん。

でも本当に…こんな幸せ、想像してなかった」

 

俺、ベッドの端に座って、2人を見下ろす。

 

「俺もだ。

あの武道館の打ち上げで、お前が『ちょっと…話があるんだけど』って言ってきたとき、

まさかここまで来るなんて思ってなかった」

 

小夢さん「私もだよ。

『妊娠しました』って言ったら、絶対怒られるか逃げられるかだと思ってたもん」

 

俺「逃げるわけねぇだろ。

…むしろ、あの瞬間からもう逃げられなくなったんだよ。

お前に、完全に」

 

小夢さん、赤ちゃんの頭を撫でながら、俺の方を見上げてくる。

 

「…これからも、逃げないでね?

私、もっとダメなとこ出てくると思うから。

産後太りとか、寝不足でイライラとか、

昔のキラキラした小夢じゃなくなっても…」

 

俺「だから言ってるだろ。

全部ひっくるめて、お前なんだよ」

 

そっと小夢さんの額にキス。

ひめちゃんが、チュパチュパ音を立てながら寝落ちしていく。

 

小夢さん「……約束、守ってね。

3人で、新しいステージ、ずっと続けよう」

 

俺「…ああ。

今度は家族単位で、な」

 

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